小川哲のレビュー一覧

  • これが最後の仕事になる

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    全員同じ言葉で始まる短編て面白い企画!
    と思ったらシリーズなんだそうで考えた人粋!

    わたしが特に面白いと思ったのは、いっぱいあったーー!
    どれも素晴らしくて心から楽しめました!!

    呉さんの話はびっくりした!よくあんなの書けるなーと。作家さんてすごい。

    あと岸田奈美さんは、わたしは作家さんとは知らなくて(エッセイの人かと思っていた)びっくりしたんだけど、奈美さんらしいユーモアもある素敵な物語でとっても良かったです。

    他のシリーズもどこかで読めたら読んでみたいなと思いました。

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    2024年11月06日
  • これが最後の仕事になる

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    シリーズ第3弾。これまでの中でも1番バラエティに富んでて、面白かった。お気に入りは「声」と「悪魔との契約」。この企画で不思議なのは、元々好きだった作家さんではなく、別の人の作品が気にいること。そして、次はその方の違う作品を読みたくなります。読書が止まらない〜

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    2024年11月04日
  • スメラミシング

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    帯の裏、「この世界は末期です。全部壊さないといけません」
    強い言葉で引用されているが作中の展開に大きい展開はない。
    内容は中々に難解で、複雑な科学用語に陰謀論の元となる要素が入り混じるので分かりにくい。ある種、現実の陰謀論もそんな感じなのかもしれないがそこは分からない。
    ある作品こそ清涼感のある終わり方だったが、帯にあるような『弩級エンタメ』作品ではない思想的作品と感じられる事は言っておきたい。
    少なくとも一般大衆向けのエンタメではないということは。

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    2025年06月26日
  • ゲームの王国 下

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    2023年を過去のものとして読んでましたが、こちらの刊行は2017年であったと「あとがき」読んで気付きました。本書の内容良かったですが、「あとがき」もとても記憶に残る何かが届きました。

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    2024年10月19日
  • ゲームの王国 下

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    上巻は、カンボジアの現代史を巻末の参考文献を読んだりして、知識を広げたいと思わせる内容だった。
    下巻はその時代のことが土台になって展開された、ゲームを開発する話がメインだった。
    どちらにも知識が乏しい私としては、自分の理解の範囲で読むことしかできない。
    それでいくと、ところどころに差し込まれた、政治や経済についてのセリフだったり、地の文だったりに、ハッとしたことが多かった。暗黒の時代を描いた小説や評論に、現代の日本を合わせてみるクセが付いている。歴史から学ばなければいけないことがたくさんあると思うし、想像力を広げなければと思っている。

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    2024年10月06日
  • 嘘と正典

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    硬派な文体が好み。特に最初と最後の話が面白かった。残りの作品は、あと一歩、物語のおいしいところを感じられなくてもったいないと思った

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    2024年10月04日
  • 嘘と正典

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    君のクイズ、ゲームの王国に続いて3冊目。
    総じて難しいんだけど面白かった。教養が自分にあれば最高だったかも。
    それぞれの短編を読んでる間は難しいし、なんだこれ?みたいな感じで進んでいくけど、読み終わったら面白い!すご!ってなるような感覚。個人的に。
    お気に入りはひとすじの光です。

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    2024年09月15日
  • 嘘と正典

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    全体的に少し難しかったが、面白かった。
    特に好きなのは「嘘と正典」はじめは何やこれ?と思ったが、途中からわかってきてドキドキした。
    「ムジカ・ムンダーナ」も結構好き。歌うような言語ってどんなだろう、と想像しながら読んだ。音楽が通貨や資産になるという発想にびっくりした。
    「最後の不良」は流行に関しての考え方が面白く、共感できるところがあった。私はどちらかと言うと流行気にしない派だけど、主人公の気持ちを知って、そんな考え方もあるんだなぁと面白かった。

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    2024年09月03日
  • ゲームの王国 上

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    文庫化されたことでとあるし『百年の孤独』に再チャレンジしようか、と思わされました。「泥」のあたりは、かなりそれに近いように思いましたが、記憶はあやふやです。先に下巻を読みますが

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    2024年09月01日
  • 嘘と正典

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    物語が快適で読みやすい本は多いけれど、読み応えのある本を手に取ったのは久しぶり。ぐいぐいと没頭して読みました。
    なんというか、脳みそフル回転で読む、という感覚でした。
    作家が発表する作品は、その時代に衝撃を与えることも多々あると思いますが、私にとってこの作品がまさにそれ。
    『地図と拳』に行く前に、他作品も読んでおこうと思います。

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    2024年08月24日
  • 嘘と正典

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    表題作の中篇を含む6篇の短篇集。また、時間を題材にした作品集でもありました。
    どれも良かったですが、特に気に入ったのが
    『魔術師』『ひとすじの光』『嘘と正典』です。

    『魔術師』
    売れっ子マジシャンとして大成した父は、積年の夢だった「魔術団」を結成します。しかし、天才的な演出力や演技力があっても、事業を取り仕切る才に欠け、借金を重ねて零落し、ついには妻と離婚して姿を消します。

    ある時、再び表舞台に復帰した父は、僕と姉を公演に呼び「仕掛を見破って、恥をかかせたくないか?」とマジシャンになっていた姉を挑発してきます。はたして、父の人生を賭けたタイムトラベルマジックは本物なのか…

    マジシャンがや

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    2024年05月25日
  • ゲームの王国 下

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    上巻を読み終わり下巻を開いた時には、いきなり30年以上経った現代に飛んでいて少し不安にも思ったが、それは杞憂に終わり、上巻同様に楽しめた。脳波を計測して遊ぶゲームなど、SF要素が出てくるものの、人生や社会が物語のメインテーマであることは変わらず良かった。ムイタックが提示する「人生」と名づけた数字を選ぶゲームはシンプルながらメッセージ性が強い。

    最後は唐突に終わった印象を受け、そこが少し残念ではあった。下巻から登場する人物も多く、日本人のNPO職員が語る途上国支援のあり方の話は興味深かったものの、本筋には深い関係はなく、そこにページを割くよりは最後をより深く描いてほしかったとも思う。

    とは思

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    2024年04月28日
  • ゲームの王国 上

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    舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。

    クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自身の目で見たのではないかと思うほど情景が精緻に描かれており、殺戮や拷問などのおぞましいシーンがありつつも(とはいえそれほど長くもない)、引き込まれるように読んだ。

    中には、輪ゴムで未来を予知する村人や、泥を操れる村人など特殊能力を持った人物も出てくるが、さほど物語に重大な影響を及ぼすのでもなく、個人的には余計に感じて

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    2024年04月19日
  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    情報銀行に個人情報を預けることで収入と福祉や安全が得られるようになった社会を、主にそれに違和感や疑問を持つ人の視点で描いている。

    登場人物が章ごとに変わる群像劇風。後半になるにつれて哲学的、思索的な内容が増えてくる。個人的には面白かったが読む人を選ぶと思う。

    (少なくともメインの登場人物は)意識があること、考えることに価値を置いていて、その見方に立つとディストピア小説に見えるが、本当にそうなのか?意識があり自由である(と思っている)ことに、実際のところどれだけの価値があるのか?といったことについて考えてしまった。

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    2024年04月02日
  • ゲームの王国 下

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    世の中はルールがあり、そのルールの範疇で人生を生きていく。そんな当たり前だと思われることは決して当たり前でない。ゲームのようにルールを決めて、憎悪の世の中をいきるのはゲームへの冒涜にあたるのかもしれない。ゲームとはただ純粋無垢な勝負で、そこには崇高な勝ち負けしかない

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    2024年03月12日
  • ゲームの王国 下

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    ネタバレ

    Audibleで聴いた。

    面白かったけど、最後の方、どうやってソリアが殺されたか、もう少し詳しく読みたかった…。

    でもこの長編を読み終わってしまって寂しい。もっと読んで(聴いて)いたかった。

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    2024年02月23日
  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    登場人物たちのセリフには、欧米の翻訳風コミカルさとは異なる、独特な言い回しの癖を感じた。だが、小川先生の作品を2〜3冊読めば、その違和感も自然と馴染んでいく。本書は、小川先生の2作目の作品である「ゲームの王国」に比べると、やや表現が固い印象がある。

    「アガスティアリゾート」。個人情報を全て都市に提供する代わりに衣食住・文化活動の保証を得られる完璧な管理都市。働くことも、悩むこともしなくて良い、一件ユートピアに見えるこの都市で、登場人物たちは疑問を持ち葛藤する。

    「ユートロニカのこちら側」が出版されたのは2015年。管理都市のようなシステムをAIとして捉えると、Siriや検索予測のような技術

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    2024年02月14日
  • ゲームの王国 上

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    理解力・思考力が低いわりに傲ってて会話が通じない年配との会話の解像度があまりに高くて笑ってしまった。綺麗事ではどうにもならないODAの難しさ。
    そんな農村でのムイタック・ソリアの邂逅、徐々にタイトルの「ゲーム」の意味が判明してくる過程は興奮した。

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    2024年02月11日
  • ゲームの王国 下

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    ネタバレ

    カンボジアを舞台にした混乱、残虐の時代を乗り越え、理想をかかげ時代をつなぐ物語。前半の悲惨な時代はかなり事実に近いのだろうか。ほんの数十年前にこんな悲惨なことが起きていたのかと思うと胸が痛む。ところどころにファンタジーやユーモアがあってよい。後半はまさに今現代でChatGPTとかAIを彷彿とさせるSFあり。章に日付が書いてあるのだが、色んな伏線が散りばめられていて、時系列に並べるとこういうことだったのかと話の構成の素晴らしさに感服させられたが、多分全部は理解できていないと思う。歴史のことのみならず、インテリジェンスにおいても、心のソウルにおいてもとてもよかった。この作者は天才だな。

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    2024年01月28日
  • ゲームの王国 上

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    ネタバレ

    「そんな人いないだろ」と思うというより、神話的に受け入れることができる人物描写。
    コメディかと思うような文章の後にシリアスな場面がサラッと描かれるのがさらにそのシリアスさを増す。
    理屈にならない理屈が罷り通っていた時代に、天才同士が邂逅を果たす。

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    2023年12月06日