小川哲のレビュー一覧

  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    個人情報や視覚・聴覚まで無制限に差し出す代わりに、高水準の生活が保証される特別地区。

    最近、検索もしていないのに家族と話したピンポイントな内容の広告が出ることが多くて、「これスマホに盗聴されてるよね!?」と息子と冗談半分で、わざと変なダミーの会話をして広告に出るか試して遊んでいた^^;
    それだけに、この作品が2015年に書かれていたことに驚いた。
    今では相談ごとまでAIに頼る時代になり、ますますこの世界観が現実に近づいてきた気がする。

    最初の方は好きな感じのSFでワクワクしながら読んでいたけど、後半にいくにつれてだんだん哲学的になっていって、よくわからなくなっていった。
    でも、全体的に海外の翻訳SFのような独特の空気感があって、こういう世界観はかなり好き。

    ちなみに、作中に出てくる「バンドゲーム」という妄想遊びが最高だった。
    日常の何気ない電車での時間を楽しむ発想が面白くて、妄想好きなので今度真似してみたくなった。
    こういう何でもない日常を面白く変えてしまう小川さんの発想が好きだ。

    ​第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した、小川哲さんのデビュー作。

    0
    2026年06月06日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    急に時代が飛んで驚いたけど、物語がぐっとSFになって面白かった。今の自分と全く異なる価値観を持つ各キャラクターから見た世界の描写を読むのが好きで、特に天才がメインの部分が好きだったので、老成したムイタック視点でのパートも読んでみたかった。
    世界観の迫力がすごい。
    あとがきの知性と熱量もかっこいい。

    0
    2026年06月04日
  • 大宮エリーの東大ふたり同窓会

    Posted by ブクログ

    みなさん、シンプルだなぁと思った。もっと、難しいことを考えながら生きているのかと思ったので意外だった(笑)。
    思うに、凡人こそが言い訳やら理由、正しさやら意味をこじつけて、事を複雑にしているのだろう。
    エリーさんには長生きして、「徹子の部屋」を引き継いでほしかった。

    0
    2026年06月02日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

    Posted by ブクログ

    京極先生が遠野物語とモルカーは似ているなどと言っており
    魚豊先生が最初に思いついたというシーンのステッカーをスマホケースに入れてます

    0
    2026年06月01日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    下巻で出てくるのは、ソリヤの養子、リアスメイ(政治家になるため養子をとった)と、アルン(中古転売屋の養子)、それからテレビ界隈の人と、警察官数人。ポル・ポトが、村人をほぼ全員殺した上巻の終わりから、一気に四十年ほど時間が飛ぶ。ポル・ポトが失墜した国で、ソリアは国を立て直すため総理大臣的ポジションを狙っていて、一方、ムイタックは大学教授になって、ゲームの開発に力を注いでいる。そのゲームの考案者がアルン。

    ゲームは対戦型で、特定の感情を抱いた時に出てくる脳波によって、様々な呪文が使えるというもの。感情を抱くことには、記憶が関係している。そこから、逆に、特定の呪文を使わせるために、記憶をプレイヤーの脳内に作り上げるということに成功する(このへんがSF。あまり得意ではないので、完全に理解しているとはいいがたい)。

    ムイタックがリアスメイにもちかけたアナログなゲームもなかなか興味を引いた。一方が、19枚の紙に自由に数字を書く。もう一方はそれを一枚ずつ開けていき、運命か抵抗か決める。運命だったらそこでストップ。抵抗だったら次の紙。19枚の中でいちばん大きな数字を当てるというゲーム。

    「捨ててしまった九十一について、今でも後悔しています。でも、すべての数字を見なければ、その後悔すら存在しませんでした。」

    人生における選択についても、同じことが言える。
    対照的な生き方をしたリアスメイとムイタック。しかし互いに互いの、唯一の理解者であった。運命に翻弄された二人が、違う時代の違う場所で出会っていたら、どうだったのだろう。

    上下ともに重厚で、内容も難しい。ただ、とても理解しやすく、おもしろく書かれている。カンボジアに起こった悲劇を、このようなフィクションにできるとは。これを読まなければ、わたしはカンボジアについて知らないままだった。小説ってすごいな。

    0
    2026年05月30日
  • GOAT

    Posted by ブクログ

    他の本も読みながらだからなかなか終わらなかった。
    冒頭惹かれないものは3話ぐらい読まないまま。
    全てを隅々まで読むとなると相当時間がかかりそう。

    こんな充実した読み切りの文芸誌を出してくれるだけで星5つつけたいところ。
    紙の色について読み難いという声もあるみたいだけど個人的には可愛くて好き。
    星4にしたのは、愛というテーマがほぼ全て歪んだ愛だったこと。
    熟練の作家は素直な愛を書けなくなるって本当なんだな。

    個人的に好みだったのは…

    麻布競馬場 違う海にいる
    冲方丁 終末の愛
    かな。
    なんか読みやすくてわかりやすいから楽だった。

    0
    2026年05月30日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    シュールな雰囲気のユーモアが面白い
    淡々と進む暴力の描写の迫力がすごい
    「全人類の教養大全」の後に読めたのはタイミングが良かった

    0
    2026年05月29日
  • 地図と拳 上

    Posted by ブクログ

    率直な感想としてとても面白かった。
    細川と楊日綱(孫)の関係性が好き。高木という一人の軍人の生き様も胸に来るものがある。
    作中で登場する戦争構造学がもし自分が通っていた学部のシラバスにあったとしたら、わたしは間違いなく第一優先で受講登録していた。
    個人的に異国と地続きという環境がもう恐ろしくて耐えられない大陸恐怖症なので、当時満州に住んでる人からしたらロシアも日本も高慢な侵略者以外の何者でもなかっただろうなぁと思う。

    0
    2026年05月23日
  • 地図と拳 下

    Posted by ブクログ

    個人的にこういう群像劇形式は結構好み。戦争というものを過度に感情的にならず色んな立場から捉えて考える作品だと思った。
    「あいつの考えには明後日はあるが、肝心の明日がない」という細川の満鉄時代の評価、閃ハサでハサウェイがダバオのタクシー運転手との会話で「暮らしはそんな先考えてる暇ない」って言われたのと同じだなぁと。
    国の未来を見据える人間とその日暮らしの庶民じゃ視座が違いすぎるという話。

    0
    2026年05月23日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    少々苦手意識のあるSFかつ厚みのある上下巻にちょっと怯んだが、なにこれ、めちゃめちゃおもしろいじゃないか!話は、カンボジアで共産党が現政府を倒して、でもまたその共産党が人民を牛耳るようになって、それを今度はぶっ壊してやろうと、共産党の党首的な人の隠し子が立ち上がる・・・という、一見とっつきにくい歴史小説。なのだけど、とにかくキャラが変で、おかしい。SFっていうか、哲学。輪ゴムとか泥とか、なんでこんなにおもしろいことを考えられるんだろう。「輪ゴムに対して完全なコミットをすることができないのであれば、一切関わるべきではない。なぜなら輪ゴムは遊びではないからだ。」とか。村長が悩み事を整理するのに石を並べるくだりは、最高だ。二つ悩みがある、といいながら、三つだったり、苛立って投げようとして、いかん、息子を投げるところだった、と胸を撫で下ろしたり。お前の石だと、相手に渡して、ぽかんとされたり。

    エグい拷問の描写もあるし、ばんばん人が死ぬ。辛い。この、ポル・ポトの話は、本当のことだと知って、おどろいた。一般の人に、あるべき人権がない。そんな世界に、主人公ムイタックがどう立ち向かってゆくか、はらはらしながらページを捲る。下巻も楽しみ。小川哲さん、すごいな。地図と拳も読もう。

    0
    2026年05月22日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    あれ、中がある????と思ったくらい急に年代が飛んでてびっくり
    でも登場人物は変わらず、追加されたキャラクターたちによる物語。
    上巻は説明に近かったのかとやっとわかった。
    読みやすさ的には自分には合ってたけど読みづらい人もいるだろうな。

    ソリヤとムイタック。
    太陽と水浴び。
    火と水。
    対するようで並行なのかもしれない。
    彼らのゲームは続く。

    0
    2026年05月19日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    一瞬、映画「キリングフィールド」を思い出したが、史実にフィクションが上手く融合されていて実に面白い(笑える、という意味ではなく、登場人物のストーリーや出来事が色々とぶっ飛んでいる)。通勤電車の時間があっという間に過ぎた。ただいま下巻進行中。主人公の2人の運命がこれからどうなるんだろう。

    0
    2026年05月17日
  • 君のクイズ【単行本版】1

    ネタバレ 無料版購入済み

    これは正解はできなさそう

    過去のTV番組だとTBSでかなり大規模なクイズ王戦をしていたのはヤラセを感じさせない良質なものでしたが(水津さんと西村さんの死闘が印象的でした)、最後に正答した問題はそもそも何も読まれていないので、設問を知らなければ当然、正解できそうにもないです。
    気になる導入部でした。

    0
    2026年05月14日
  • 君のクイズ【単行本版】1

    購入済み

    原作を知っていても楽しかった

    映画化を機に読みました。
    小説を忠実に再現したように思えて、面白かったです(ただ、白瀬矗というワードはこの巻では出てこないことが惜しいです)。

    2巻も発売されたら読みたいです。

    #アガる #ドキドキハラハラ #アツい

    0
    2026年05月08日
  • 嘘と正典

    Posted by ブクログ

    そうきたか…!なるほどな!と閃く感じの瞬間があった
    ユートロニカのこちら側も読んだことあるけどこの人の作風は面白いしかない

    0
    2026年05月08日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    冒頭は上巻から急に時間が経過してる上に予想しなかった方向に話が展開していき少し戸惑った。ポル・ポトの時代終わってるし。
    けど作家のストーリーテリングの巧みさでぐいぐい惹き込まれ、登場人物たちの突拍子もない言動に爆笑したり、格言めいた台詞に深く納得したりしながら読み終えた。(ヘモグロビンが殺し屋と戦うところは声出して笑った)
    ソリヤとムイタックがもし別のタイミングで、あるいは別の場所で出会っていたらどうなっていたんだろうと妄想するなどした。
    ラストがちょっと不完全燃焼感があったので星−1。

    0
    2026年05月07日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

    Posted by ブクログ

    ラジオ番組の内容を本にしたもの。
    小説家がゲストのものが面白かった。小川哲さんやゲストの作家さんの創作に関する姿勢や思考がとても興味深いし、言及された本を読みたくなった。
    (ゲームや漫画を知っていたら他の部分ももっと楽しめただろう。)

    0
    2026年04月30日
  • 地図と拳 上

    Posted by ブクログ

    小川哲の力量を感じる本だった。通勤電車でこの分厚い本を出して読む勇気を誇りたい。
    そのくらい必死に読まなければ読みきれない。
    しかしながら、日本が世界を舐めてかかっていたその時代の一端を知るいい機会をいただいたと思った。
    日本にとって、日露戦争から第二次世界大戦までの長い戦争の時代を感じつつ、
    私の長い、分厚いこの本の読書も終えることができた。
    終わって思ったこと。長いわ

    0
    2026年04月29日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    ひねくれものと自称する著者が、身近なエピソードから考えすぎな面を提供してくれる本です。
    小川さんのものの見方を通じて自身のものの見方を整理させてくれます。
    最初から最後までクスッとさせてくれる本でした。

    0
    2026年07月24日
  • スメラミシング

    Posted by ブクログ

    短編集なのに作品間の振れ幅が広すぎる小川哲ならではの小説を楽しめた。表題作の狂気っぷりはある種人間味があり、密林の殯にあった神がたくさんいる文章は強烈だったし、ちょっとした奇跡は凄く良かった。

    0
    2026年04月26日