小川哲のレビュー一覧

  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    個人情報を提供することによって、アガスティアリゾートというユートピアに住むことができる世界を描いたディストピア小説。
    メインの舞台がアメリカであることや、登場人物の名前が海外ドラマのそれのようだったこともあり、翻訳ものの小説を読んでいるような感覚があった。
    第五章で登場する、人間は不自由がなければ自由を感じることができないという考え方が、それまで読んできて感じていた、このリゾートのまわりに存在する様々な矛盾をよく言い表せていると思った。

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    2025年05月05日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    シゲはラジオじゃなくてダヴィンチの再録。面白かったのは仲良しの万城目学と奥さんの友達みりんちゃん。小川哲は神谷浩史プロデュースの朗読劇「Staging‼︎」のアフタトークでひととなりを少し知ったので、トークも聴きたいな。ラジオも聴こ!

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    2025年04月29日
  • スメラミシング

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    難解だったけどぼんやり言いたいことが伝わるような、新しい読み味でした。星新一の短編集をもっと難しく、現代風にした感じ?最初の話からなかなか攻めてて面白かったです。

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    2025年04月27日
  • ゲームの王国 下

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    ネタバレ

    クメール・ルージュへの迫害から、そのクメール・ルージュによる大虐殺までが描かれていた上巻は打って変わって、下巻では、2000年ごろから現代にかけてを舞台に、いまだ腐敗が続くカンボジアを救うために権力を求め、首相をめざすかつての少女ソリヤと、ソリヤが権力の中枢に近づいていく過程で、村の仲間や両親を見殺しにされたかつての天才少年ムイタックが(間接的に)戦う話が中心になっている。

    ソリヤはカンボジアを救うという大きな正義を実現するため、腐敗した現実という「ゲーム」の中で権力を得ようとする。つまり、現実を操る。
    一方、教授となったムイタックは、そんなかつての少女に対抗するヒントを、脳波を用いて仮想現

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    2025年03月29日
  • ゲームの王国 上

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    ポル・ポトの隠し子かもしれない少女ソリヤと、科学も教養もない村に突然変異のように生まれた天才少年ムイタックを(いちおうの)中心人物として、おおむね時系列で、いろいろな人の視点から、それぞれの見た世界が語られる。

    上巻の舞台は、フランスから独立したカンボジアの、汚職や賄賂が続く状況を共産主義によって変えようとするクメール・ルージュが政府によって敵視され、関係者とされる人々が冤罪で次々と殺されていった時代から、そのクメール・ルージュの統治が始まり未曾有の虐殺が行われた時代である。

    ポル・ポトの大虐殺についての前提知識がほとんどなく、馴染みのない固有名詞に苦労はしたが、わりと細かに切り替わるそれ

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    2025年03月28日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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     君のクイズ、スメラミシング、嘘と正典、君が手にするはずだった黄金について等、小川哲の本が大変面白く、作者について気になったことから手に取った。
     様々な業種(皆クリエイター)と対談をしていく形式となる本書は、とても読みやすく、作者と対談者との接点のなかで、作者と対談者の核(仕事の流儀?)を確認し合っていた。作者の小説への考え方等が分かり、より小川哲の書いている小説を読んでみたいと思える本であった。
     
     追記、様々な種類の本がおすすめされており、読みたい本がたくさん増えました。

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    2025年03月25日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    一生本を読んで暮らせるなら、
    人生と引き換えでもよいか?

    そこで得た報酬を娘たちに残し
    サラッと宇宙へ旅立てる?

    ふとそんなことを考えた。

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    2025年02月14日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    直木賞受賞など、今勢いのある作家の一人である小川哲さんと、各界の方々との対談が収録された本。

    音楽のライナーノーツを読むのが好きなので、作品の意図や裏側がズラリと並んだ内容に終始ワクワクしながら読んでました。装丁かっこいい!

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    2025年02月01日
  • ゲームの王国 上

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    「日本SF大賞受賞作品」という帯のタイトルに惹かれて買った。久しぶりにSF、日本のSF物を読みたくなったのも手に取った理由の一つ。
    読み始めるとカンボジアの革命の話から始まった。「え?歴史物なの?」と戸惑いながら読み進めるとこれが面白い。登場人物も多くそれぞれの物語が交差しながら話が展開していく。SF?なのかな?と思いつつ下巻の展開がとても楽しみ。

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    2025年02月01日
  • ユートロニカのこちら側

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    著者のデビュー作。荒削り…みたいな書評を見かけたことがあるけど私は結構好きだと思った。最近彼の作品は難しい短編集が多かったが、この近未来都市のSFは、エンタメよりの楽しみ方をした。数年前の、情報銀行などか話題になっていた頃に書かれたのかなという内容。一応ディストピア小説というジャンルだと思う。

    あらゆる個人データや生体データ、行動データをその会社に提供することに同意し、「あまり深く考えない質」であることで情報ランクが高いと評価された人間は、その会社が運営するカリフォルニアの実験都市の住人になれる。そこでは仕事をしなくても平均以上の生活が保障されるユートピア。トイレ以外の場所はカメラで監視され

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    2025年01月30日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    見たことのある名前の作家さんがたくさんの、ぜいたくな1冊。
    私は呉勝浩さんのお話が1番印象的だった。他の本にもあたりたいと思う。
    多崎礼さん、岸田奈美さん、米澤穂信さんは何作か読んだことがあり、短編でも“っぽさ”が出るなと感じる。様々な「これが最後の仕事になる」が読めて良かった。

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    2025年01月21日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    小川哲さんのラジオ番組でのゲストとの対談を本にまとめられたもの。影響を受けた小説、面白い小説が紹介されていて読んでみたい本が増えた。

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    2025年01月19日
  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    久しぶりに結構しっかり目のSFを読んだ。

    内容としては、個人情報やプライバシーを切り売りすることで働かずして暮らせるようになるという実験都市、アガスティアリゾートにまつわる人物たちを描いた作品。

    サーヴァントと呼ばれるAI?の指示通り動けば大きな間違いや苦悩にぶつかることなく過ごせるというところから人々は徐々に思考(作中でいう意識)を放棄していく様に妙にリアリティを感じる。久々に「言葉で感想を上手く言えないけどなんか面白い…」と感じる作品。

    ユートピア×エレクトロニカという造語も納得できるような作品。

    ただし、かなり小難しい。

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    2024年12月12日
  • スメラミシング

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    帯の裏、「この世界は末期です。全部壊さないといけません」
    強い言葉で引用されているが作中の展開に大きい展開はない。
    内容は中々に難解で、複雑な科学用語に陰謀論の元となる要素が入り混じるので分かりにくい。ある種、現実の陰謀論もそんな感じなのかもしれないがそこは分からない。
    ある作品こそ清涼感のある終わり方だったが、帯にあるような『弩級エンタメ』作品ではない思想的作品と感じられる事は言っておきたい。
    少なくとも一般大衆向けのエンタメではないということは。

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    2025年06月26日
  • ゲームの王国 下

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    2023年を過去のものとして読んでましたが、こちらの刊行は2017年であったと「あとがき」読んで気付きました。本書の内容良かったですが、「あとがき」もとても記憶に残る何かが届きました。

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    2024年10月19日
  • ゲームの王国 下

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    上巻は、カンボジアの現代史を巻末の参考文献を読んだりして、知識を広げたいと思わせる内容だった。
    下巻はその時代のことが土台になって展開された、ゲームを開発する話がメインだった。
    どちらにも知識が乏しい私としては、自分の理解の範囲で読むことしかできない。
    それでいくと、ところどころに差し込まれた、政治や経済についてのセリフだったり、地の文だったりに、ハッとしたことが多かった。暗黒の時代を描いた小説や評論に、現代の日本を合わせてみるクセが付いている。歴史から学ばなければいけないことがたくさんあると思うし、想像力を広げなければと思っている。

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    2024年10月06日
  • ゲームの王国 上

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    文庫化されたことでとあるし『百年の孤独』に再チャレンジしようか、と思わされました。「泥」のあたりは、かなりそれに近いように思いましたが、記憶はあやふやです。先に下巻を読みますが

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    2024年09月01日
  • ゲームの王国 下

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    上巻を読み終わり下巻を開いた時には、いきなり30年以上経った現代に飛んでいて少し不安にも思ったが、それは杞憂に終わり、上巻同様に楽しめた。脳波を計測して遊ぶゲームなど、SF要素が出てくるものの、人生や社会が物語のメインテーマであることは変わらず良かった。ムイタックが提示する「人生」と名づけた数字を選ぶゲームはシンプルながらメッセージ性が強い。

    最後は唐突に終わった印象を受け、そこが少し残念ではあった。下巻から登場する人物も多く、日本人のNPO職員が語る途上国支援のあり方の話は興味深かったものの、本筋には深い関係はなく、そこにページを割くよりは最後をより深く描いてほしかったとも思う。

    とは思

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    2024年04月28日
  • ゲームの王国 上

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    舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。

    クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自身の目で見たのではないかと思うほど情景が精緻に描かれており、殺戮や拷問などのおぞましいシーンがありつつも(とはいえそれほど長くもない)、引き込まれるように読んだ。

    中には、輪ゴムで未来を予知する村人や、泥を操れる村人など特殊能力を持った人物も出てくるが、さほど物語に重大な影響を及ぼすのでもなく、個人的には余計に感じて

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    2024年04月19日
  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    情報銀行に個人情報を預けることで収入と福祉や安全が得られるようになった社会を、主にそれに違和感や疑問を持つ人の視点で描いている。

    登場人物が章ごとに変わる群像劇風。後半になるにつれて哲学的、思索的な内容が増えてくる。個人的には面白かったが読む人を選ぶと思う。

    (少なくともメインの登場人物は)意識があること、考えることに価値を置いていて、その見方に立つとディストピア小説に見えるが、本当にそうなのか?意識があり自由である(と思っている)ことに、実際のところどれだけの価値があるのか?といったことについて考えてしまった。

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    2024年04月02日