小川哲のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
歴史に疎く、これまで戦争を扱った作品はほとんど読んでないので、この作品は敬遠していた。
でも、高木という男の戦争に対する心情を読んだ瞬間から、物語の中へ完全に没入した。
そこからは面白くて途中でやめられず、朝方まで一気に読んでしまった。(それでワールドカップは起きられず…)
「満洲」の架空の都市を舞台に、理想の国家や都市を築こうとする人々と、その裏にある戦争の狂気が描かれている。
「自分の命よりも重要。でなければ滅びる」という高木の心理が心に突き刺さる。
自分の命より国が大事だなんて今の時代にはとても理解できない。
歴史の知識としては知っていたつもりだったけど、一人の人間の切実な思いとし -
Posted by ブクログ
積読だらけで雪崩が起きそうな状態の中で、久しぶりに完読した。
面白すぎて電車の中で読むのは要注意!
ひねくれ具合が私のことのよう...みたいな箇所が所々にあり、気がつけば先へ先へと読み進めた。
一つの章がとても短く、ほぼ4ページずつというのが絶妙。
読書初心者には最適だと思う。
だからと言って著者の小説はなかなかハードルが高い。
本当に頭が良すぎる!と思う。
なぜにこのような発想になるのかと、???となることも。
ちなみに「言語化するための小説思考」もなるほどの連続で、今までモヤモヤしていたことを、こんな風に的確なことばで表現できるなんて、やっぱり頭が良すぎる人なんだ!なんて的確な語彙で表せな -
Posted by ブクログ
下巻は変人キャラクターたちのクセがますます強くなっていた。
本人たちは至って真面目なのがまた良い。
私の中で完全に主役を食ってしまってたのが、ヘモグロビン先生。
あまりに好き過ぎて、該当シーンだけ5回も聴き直してしまった。沈んでいた気持ちまで一気に元気になった。
一度でいいから私もヘモグロビン先生に診察してもらいたい。予約でいっぱいなのは、多分私みたいな患者がいるからだろう。
もはやヘモグロビン先生に会うために下巻を読んだ気さえしてきた。
普通の小説だと「この先どうなるんだろう」というハラハラ感で読みたくなるけど、個人的に小川さんの作品は少し違う。
ストーリー展開や結末そのものよりも、次 -
Posted by ブクログ
自分が今まで読んできた作品はある程度起承転結に沿って書かれてた。無駄に思えるような描写は多少あるにしても、全体通して見れば「結」に向かうような流れが存在していて、次の展開をイメージしやすかった。
この作品はごっちゃごちゃ。結はもちろんあるにしても、時間軸、場面、キャラクター、幾度となくかき回されたし、「これいらなかったのでは?」という描写も多々。
『言語化するための小説思考』に感銘を受けた身からすると、回収されない伏線が多くて腑に落ちない。
けどあとがきで
> ひとつだけ言えるのは「今の自分には書けない」ということです。本書の節々に、まだアマチュアだった僕が、暗闇の中で何かを見つけ -
Posted by ブクログ
遥か未来、人類は火星に移住することが可能で
あり、その火星が生まれ故郷になっている人々
も多数存在していた、という設定です。
地球上においてさえも文化や思想の違いで、
イデオロギーの対立は発生します。
ましてや、火星という距離は、光の速さで通信網
を構築したとしても5分の時差が発生してしまう。
その時間のズレが対立は深まるばかりです。
案の定、ある「武器」を手に入れた火星陣営は地球
からの独立を仄めかします。
果たして惑星間戦争は起きてしまうのか。
人間とういうのは、いつになってもどこに行って
も同じことをやってしまうのだなあ、とありえない
設定だからこそ、そんな人間の愚かさが際立 -
Posted by ブクログ
『火星の女王』は、もともとドラマ化を前提に書かれた作品だと作者インタビューで知り、物語の構成や展開のテンポに納得がいった。
私はNetflixでドラマ版を先に視聴してから原作を読んだため、登場人物やテクノロジーの名称に戸惑うことなく、スムーズに物語の世界に入り込むことができた。映像のイメージがすでに頭にあったことで、むしろ細かな描写や心理描写に集中できたように思う。
火星で生活することの過酷さや制約がリアルに描かれており、その中で生きる人々の人間味が強く印象に残った。また、地球と火星という物理的に大きく隔たれた距離というのが絶妙で、それを逆手に取った作戦には、独特の緊張感とワクワク感があり -
Posted by ブクログ
人類が火星に進出し、そして撤退が検討されているような未来のお話。生物学者リキ・カワナベが未知の生物?を発見をきっかけに、地球への旅行を夢見る盲目の少女リリ-E1102とその周りの人々が織りなす人物模様。
SF小説と言うよりは特殊環境の事件ものだと思いました。無難に面白かったです。気になった点と言えば、設定にISDAという組織がて出てくるがどんな規模なのか、どういった目的なのかがよく分からないのでちょっともったいない。
あと事件が起きるわけだが舞台に対して小ぶりなのでスケールが小さく見える。こんなもん?となりました。
印書的なのは光の速度の扱い。宇宙を舞台にすると『光』は遅いんですね。この