小川哲のレビュー一覧

  • 嘘と正典

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    この本を読んで小川哲の脳は宇宙だと思った。
    その複雑な論理的なパズルに創り上げる創造力は圧巻だった。
    気を抜くと落ちてしまうような綱渡りをしているような気分でこの本を読んだ。
    ここに載っている作品はどれもわたしの心を鷲掴みするような内容だった。

    収録作は全て素晴らしい短編小説だったが『嘘と正典』はやはり素晴らしかった。

    歴史を構成する上で代替可能なピースとなる存在と代替不可能なピースの存在という考え方がとても面白いと思った。
    時空間通信技術を使って、未来を変えようとする存在に対し、正しい歴史に戻そうとする未来人。
    そもそも、正しい歴史とは何なのか?未来人がなぜ正しい歴史がわかるのか?正しい

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    2026年06月23日
  • 地図と拳 下

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    戦争では、なぜ人はここまで人間性を失ってしまうのだろう。
    下巻で、その理由が少しわかった気がした。

    とても印象的だったのは、死と隣り合わせの時にある人物が、戦争とは何の関係もないことを思い浮かべる場面。
    あまりにも何気ないその思考が胸に残った。
    もし自分が同じ状況に置かれたら、きっと私もそんなことを考えている気がする。
    極限状態では、人はそうやって自分を保つしかないのかもしれない。

    小川さんは、あえて戦争を劇的なドラマとして描いていない。
    普通なら感動的な言葉が出てきそうな場面でも、あえてそう描かない。
    そこにリアリティがあると思ったし、ドラマチックに感動させようとしないところが小川作品

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    2026年06月19日
  • GOAT

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    GOAT 愛特集。テーマが愛だから愛についてエッセイだったり小説だったり対談だったり書かれている。ボリュームがあるので読み応えがある。めっちゃ売れているので品切れする程本屋に売っていない。やっと手に取れた本。

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    2026年06月18日
  • スメラミシング

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    小川哲が神とか信仰とかに思うこと、思いついたことをツラツラ書いている短編集。だいたい意味はわからないけど、面白い。言葉が里芋の葉っぱの上の水玉のようにツルツル滑っていくなぁと思う。

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    2026年06月16日
  • 地図と拳 上

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    歴史に疎く、これまで戦争を扱った作品はほとんど読んでないので、この作品は敬遠していた。
    でも、高木という男の戦争に対する心情を読んだ瞬間から、物語の中へ完全に没入した。
    そこからは面白くて途中でやめられず、朝方まで一気に読んでしまった。(それでワールドカップは起きられず…)

    「満洲」の架空の都市を舞台に、理想の国家や都市を築こうとする人々と、その裏にある戦争の狂気が描かれている。

    ​「自分の命よりも重要。でなければ滅びる」という高木の心理が心に突き刺さる。
    自分の命より国が大事だなんて今の時代にはとても理解できない。
    歴史の知識としては知っていたつもりだったけど、一人の人間の切実な思いとし

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    2026年06月15日
  • ゲームの王国 下

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    面白かった。

    上から時間が経って、20年後の話だった。
    上から、ポルポトをソリヤとムイタックが協力して打倒する話になるかと思っていたが、意外な内容だった。読み始めて、半分までは、人が切り替わるごとに内容がとびとびになる感じで、ついていくのに苦労することもあったが、物語終盤になるにつれて、それが一つに集結していく感じが、上と同様で気持ち良くて、面白くなっていった。

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    2026年06月15日
  • ゲームの王国 下

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    下巻は変人キャラクターたちのクセがますます強くなっていた。
    本人たちは至って真面目なのがまた良い。

    ​私の中で完全に主役を食ってしまってたのが、ヘモグロビン先生。
    あまりに好き過ぎて、該当シーンだけ5回も聴き直してしまった。沈んでいた気持ちまで一気に元気になった。
    一度でいいから私もヘモグロビン先生に診察してもらいたい。予約でいっぱいなのは、多分私みたいな患者がいるからだろう。
    もはやヘモグロビン先生に会うために下巻を読んだ気さえしてきた。

    普通の小説だと「この先どうなるんだろう」というハラハラ感で読みたくなるけど、個人的に小川さんの作品は少し違う。
    ストーリー展開や結末そのものよりも、次

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    2026年06月09日
  • ゲームの王国 下

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    自分が今まで読んできた作品はある程度起承転結に沿って書かれてた。無駄に思えるような描写は多少あるにしても、全体通して見れば「結」に向かうような流れが存在していて、次の展開をイメージしやすかった。

    この作品はごっちゃごちゃ。結はもちろんあるにしても、時間軸、場面、キャラクター、幾度となくかき回されたし、「これいらなかったのでは?」という描写も多々。
    『言語化するための小説思考』に感銘を受けた身からすると、回収されない伏線が多くて腑に落ちない。

    けどあとがきで

    > ひとつだけ言えるのは「今の自分には書けない」ということです。本書の節々に、まだアマチュアだった僕が、暗闇の中で何かを見つけ

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    2026年06月07日
  • 火星の女王

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    <poka>
    火星モノが大好きなので。「火星ダーク・バラード」、「火星人先史」、「火星の人」。
    <だいこんまる>
    「スピラミン」なんか探すより、じゃがいもを作りませんか。

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    2026年06月07日
  • 火星の女王

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    ストーリーだけでも十分におもしろいのですが、登場人物がみんな淡白で冷静でちょっとユーモアがあって、いろいろ大変なことが起きるのに物語が淡々と進んでいくところがよかったです。

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    2026年06月06日
  • 火星の女王

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    これまで圧倒的に「読んでから見る派」だった私には珍しく、昨冬NHKのドラマを見てから読んだ本書。いや〜なるほどなるほど!そう来ましたか!「見てから読む」もなかなか良い。キャスティングも映像美も、それからストーリーも原作の雰囲気を損なわずとても良かった!読みながらどんどんイメージが膨らむ、好みのタイプの作家さん。『地図と拳』に続いて2冊目。

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    2026年06月04日
  • スメラミシング

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    啓蒙の光がすべての幻を祓う日までは、世界の仕組みを疑いたくなりました。社会のルールや自然の掟など、土台からひっくり返される感じがしました。また、ひっくり返すための道筋も驚きでした。矛盾に気づけるなんてすごいなあと。人々の知的欲求や疑問を解決しようとする姿勢にドキドキしました。

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    2026年05月18日
  • 地図と拳 下

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    歴史とファンタジーが8∶2くらいで融合した小説。日清日露戦争、日支事変から日米開戦そして敗戦までを描いた大河小説。人類は「拳」に頼るのを止められない愚か者。個人的に石本に惹かれた。

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    2026年05月16日
  • ゲームの王国 上

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    詳しくは下巻を読んでからにするが
    とんでもなくうまい話の進み方。
    こんなに登場人物がいて月日も経つのに混乱しない物語は久々だ。
    まだ上巻なのにこんなに事が起きている…とおもったら上巻ラストで衝撃。
    早く下巻読まないと…

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    2026年05月16日
  • 地図と拳 下

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    かなり調べているなと思いました。
    登場人物が多い割にキャラが立っているのと入場退場のタイミングが良いので混乱少なく読めました。
    この辺りは作者の力量でしょう。

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    2026年04月18日
  • ゲームの王国 下

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    思考力と感受性は両立できるんだなと驚かされた作品。小川哲の文章には新しい価値観をインストールしてくれる力がある。複雑な物事を単純化せず複雑な状態のまま理解させてくれる魔法のような文章。

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    2026年03月25日
  • GOAT

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    読みやすいので、寝る前ひとつお話を読むのにいい
    様様な愛の捉え方があり、作家ごとに色んな観点があって読んでて楽しかった

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    2026年03月15日
  • ゲームの王国 下

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    長年、今まで読んだ中で1番面白かった本はコニーウィルスの航路と言い続けてきたが、ゲームの王国は、航路を読んだ時のようなインパクトがあった(航路に似ている部分もある気がする)
    若い頃に読んでいたら人生観が変わっていたと思う
    本当に素晴らしい小説でした

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    2026年03月15日
  • 地図と拳 下

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    ネタバレ

    様々な登場人物の視点から日露戦争〜第二次世界大戦頃の主に満州を舞台に地図と拳、つまり地図と戦争の話がテーマで描かれている。一度も主観的な視点が描かれない細川の行動が常にキーで日本のために活躍、時に暗躍する。常に気になり続ける存在だった。ただ、私が好きだったシーンは別の人物、中川のシーンだった。彼は非常に頭がキレて、反戦主義で左翼活動までしているキャラで戦場にいっても人をなるべく殺さないようにしていた。そんな彼が度重なる行軍で疲れ果て、暗闇の中で尿意を催した時に、明かりをとりトイレするために他人の家を燃やす。建築学生として優秀だった彼は家の価値を知っていたのでそれは彼を軍人として覚醒させてしまう

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    2026年03月12日
  • 地図と拳 上

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    ネタバレ

    上巻は下巻のための下拵えという感じ。主に満州を舞台に日露戦争前後の日本人やロシア人や現地人の登場人物が揃えられたという感じ。タイトルの地図と拳を思わせる地図や暴力・戦争の話が出てきたがこれからどうなっていくんだろう。細川は今後どう動き、須野や明男はどう巻き込まれていくんだろうか

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    2026年03月08日