【感想・ネタバレ】君が手にするはずだった黄金についてのレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年05月01日

語り手が「小川」であることや職業が小説家である事などから、エッセイのようにも見える不思議な読み心地。
こうかもしれないし、違うかもしれない、ということを常に考えてしまって、別に庇いたい訳でもない人を擁護するような発言をしてしまったり、自分が言ったことをそのまま流用している人を見て恥ずかしくなったり、...続きを読む質問の意図は分かっているけれど言葉通りに受け取ったら自分はその質問に答えられないことに勝手に戸惑ったり、主人公「小川」には共感できる部分が多い。
電話口での「どちらの小川さまですか?」悩む問いかけだ

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Posted by ブクログ 2024年05月01日

3/11の話が特にお気に入りです


話の流れやつながりが独特で、人の脳内を覗いている感覚になった

凄そうな役職、肩書き、SNSの数字、ロレックスをアピールしながらグリーン車に乗るババ

勉強も出来ず、就職も失敗して、情報商材屋になり同級生には馬鹿にされ、かりそめの成功をSNSでアピールする片桐
...続きを読む
かたや現役で東大に合格してSNSをしなくても小説家として成功し、高級時計を付けなくてもグリーン車に乗らなくても自尊心が保てる小川

対比して描かれていくのが狂気的で面白かった
登場人物全員しんどいけど愛おしい
愛されたい認めらたい、そんな純粋な気持ちは誰でも持っているはずなのに

誰かの才能を、手柄を、自分のモノだった事にしてしまいたいという気持ちは、才能が無かった人なら誰でも経験あるよなーと思いながら読んでいたけど

小川は自分を才能が無いサイドの人間だと自認していて…片桐とかババの行動原理が初めから解らないなら才能あるサイドの人間なんだけど!!って思った

なんにしろ歪んだ承認欲求を面白いストーリーとして読める作品でした

性格良かったらこの承認欲求を拾い上げて小説にしようと思わないだろうから作者もちゃんと性格悪いはず!そこがいい!



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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年04月30日

すごく好きなタイプの文章。

無駄がなく整えられている。私の感覚で賢い人の話し方だと思ったし読んでいて不快なところが無かった。

ただ賢くて人を踏みつけようとせずに物事を見ている、打ちのめそうという雰囲気を感じない、自信に溢れているのは占い師のところ以外感じなかった。

「お前いつもそんなことを考え...続きを読むてるの?」を言う人間に不快感を持ち、状況が違えば、と思い直す。

他人の言動の根拠を、憶測によって決めるべきではないと考えているだけだ…「自戒を込めて」という意味合いが強い…考えようと努力している。
ここだ。そういう人が好きだし考えることが面白いし、決めつけの不快はアホそうにみえるというところにもある。しかしながら小川の友達はどれもある程度の賢さが見えて、嘘つき達ですら上手くやるなと思う。別の話かもしれない。

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Posted by ブクログ 2024年04月27日

似非エッセイですか?各話の登場人物たちのなにかと恥ずべき過去の事象が身につまされるやで、やたら共感を覚えた。小説もどきを書いて悦に入り、時を置いて読み返せばあからさまにお気に入り作家の文体のパクりだったこと。占い師に手相を見てもらい、いきなり血液型を当てられたもんで興奮し、その後の言葉をすっかり信じ...続きを読む込んだこと。偽物のロレックス・デイトナ、中国で買いました。2011年3月10日になにしてたか、具体的な記憶はないが忘れもせぬ3月11日とほぼ同じ業務に携わっていたのは間違えない。我が人生でも大仕事の最中だった。

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Posted by ブクログ 2024年04月27日

面白い!
頭がいい人って大変なんだな。そしてめんどくさい人だな。でも、その頭の良さ、めんどくささがイイ!

p.15
僕は「今度の楽しみにしておく」が苦手だった。興味のある事柄を知ると、すぐに飽きるまで調べ尽くした。わからないことがあれば、わかったつもりになるまで他の話は一切頭に入らなかった。(略)...続きを読む
今、この瞬間、僕は何かを我慢したくない。

p.202
思えば、当時から僕は、自分以外のみんなが自分と同じような疑問を抱かずに生きていけることに苛立っていた。七転び八起き。どうして転んだ回数と起き上がった回数が違うのか。青、赤、白、黒は「い」をつければ形容詞になるのに、他の色がそうではないのはなぜか。子供の「供」の部分が納得できない。「子」の「お供」なのだとしたら、それは大人だろう(これらの疑問も、現代ならネットで調べればすぐに答えがわかる)。

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Posted by ブクログ 2024年04月25日

初小川哲作品。彼のラジオも聴いているが、こちらの作品からも彼の哲学的な思考が伺えて面白い。他の作品も読んでみたい。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

スリルがあるわけでもなく、切なさで押し潰される訳でもないのにこんなにも面白い、面白すぎるって……もっと読んでいたい

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

短編でありながら、小説家の主人公という点は一貫していて著者を思わせる書き振りが面白かった。創作小説なのだろうけど、どこかエッセイのような。ちょっと哲学的で、理屈っぽいがそこがいい。
冒頭の1作目が好きだ。埋まらないエントリーシート,自分を構成するグラフの、そこに書ききれないものについて。

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Posted by ブクログ 2024年05月05日

「君のクイズ」が抜群に面白かったので、
本作もずっと気になっていた。
小説家の「僕」が著者本人なのか、
そうでないのか、フィクションなのか
ノンフィクションなのか、時々気になったが、
それでも6つの作品はどれも非常に上手く、
面白かった。
自分は小説家なのか、小説家とは何か。
才能とは、本物とは、偽...続きを読む物とは何か。
色々と考えさせられる。

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Posted by ブクログ 2024年05月01日

人生の円グラフや、「どちらの小川さんですか?」への返答。自分に置き換えて考えているうちに深すぎる沼にはまりそうになった。
3/10に何をしていたか思い出せないとか怪しげな占いを異常に敵視するところなど、共感できて面白かった。

主人公の心の声は夜に読むととても哲学的で穏やかに読めたのに、昼間に読むと...続きを読むなぜか面白く感じて吹き出してしまった。不思議。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

連作短編集。
プロローグは何か小難しくて面白くないんじゃないかと思ったが、次の「三月十日」からの話から物語に入り込んでいった。
作中の「ぼく」の名字が「小川」だったので、もしかして作者自身のことなのかなと考えながら読んだ。
何もできないから小説家になるという文言があったが、そんなことはないだろうと思...続きを読むった。感情を揺さぶる話を作れる、書ける才能は誰もがもっているわけではない。その意図は何だろうと考えさせられた。
また、占い師の手口についての説明は作家ならではの鋭い観察と分析で、なるほどと納得させられた。
「三月十日」を読んで、人生のほとんどは記憶に残らないような平凡な出来事なんだろうと思った。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

短編6作にて構成されている。
6つの話が最後でひとつに繋がる
というわけではないが、
登場人物やエピソードに関連性があり
テーマは一貫していた。
物語として驚きや感動はなかったが、
とにかく作者 (「僕」) の物事の見方や考え方が
面白く、特に「プロローグ」のエントリーシートの
"ある設問...続きを読む" について答えを見出そうとするシーンは
就職活動においる自己分析について
新鮮な視点を与えてくれた。
作家の生活や業界の話も多少出てきて面白かった。

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Posted by ブクログ 2024年04月28日

書き手の言葉選びや感覚が、自分と近い世代・属性だなと感じた。朝井リョウの小説を読むときの感覚と似ている。6編の短編が不思議な繋がりかたをしていた。三月十日が好きだったな。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

久々にこんなに心が躍る作品に出会った。
イマジネーションと知の化学反応がどんどん溢れてくる。面白すぎる。もっと彼を知りたい。
いや、彼の思考、脳みそを、か。
読めばわかる。このフレーズが浮かび上がる。
「エジソンはこんな人間だった」

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

面白かった。

プロローグ含めて6章あり、同じ主人公、同じ世界の話ではあるが、それぞれ独立している連作短篇集。
主人公は作者の小川哲自身がモチーフとなったであろう小説家。
話の内容的には、50%は風刺や落語といったジャンルに近く、残り50%はエッセイのようにも読める。

半日もあれば読めるくらいの分...続きを読む量で、リフレッシュにちょうど良さそう。

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Posted by ブクログ 2024年04月20日

この人は哲学者なのか?の目線で、「日常いるよねー」って言う人を描いたエッセイのような短編。これは実体験に基づくものなのか?だとしたら同級生濃い人ばかり(笑)

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Posted by ブクログ 2024年04月16日

何も情報なして読んだけど…
エッセイ的な?
でも、それにしては哲学的な考え方。
頭の中を見てみたいほど。
この方とお話ししても理解できるスピードが違うだろうな。
え?エッセイ?でも結末が二転三転するけど…
どんでん返しのように。
そこに食い付いてしまう。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

全6話とも小川さんの過去の出来事のようだけどフィクション?ノンフィクション?わかりませんが、友人または恋人と本が共通して物語が展開していたように思いました。

「プロローグ」では当時お付き合いしていた女性との会話でも自分が思い通りにいかないことも含めて今に至った可能世界の想いを真剣に追求。

「三月...続きを読む十日」では忘れる現象はどうして起こるのか、追跡した挙句なんとなく自分にも心当たりある結果に腑に落ちます。

「小説家の鏡」では友人の奥さんが仕事を辞めてまで小説家を目指したいと言い出したのはインチキ占いのせいだっ!と。その相談に乗るのだが、そこに上手く本全体として迷い込んで不思議な感覚になりマインドスクリプトしました。

そして「君が手にするはずだった黄金について」ですが本当の話しなのか、つくり話なのか、本当だったらそんな友人怖いと思ってしまいます。そんな友人でも小川さんは相手の長所と短所を考え、自分とどこが違うのか、そしてどこか似ているところも認めたりしていくところがとても勉強になります。

次の「偽物」でも前の章で登場した友人たちと関わっていて、フィクションだと思うのですが、こちらで登場したババさんにはだんだんと裏切られた感が出てきて切なくなってきますね。

最後の「受賞エッセイ」で、自分とは何者か、どちらの小川さんなのか、小説家とは何をするのか、今後が期待したくなるような締めくくりとなっていたように思います。

ここまで真面目に自分と向き合う姿勢に感心してしまいます。わたしももっと深く自分を見つめながら考えることができたらなと強く思いました。

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Posted by ブクログ 2024年04月10日

エッセイのような小説で、哲学的な感じが好きです。面白かったです。

【暫定】私的本屋大賞2024 第3位

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

埋まらないエントリーシート。忘れられた三月十日の記憶。偽物の高級腕時計を巻いた漫画家…。どこまでが真実で、どこまでが虚像なのか。小説家の「僕」が関わった人々との間に起こる奇妙な事件を描いた連作。
エッセイ? それとも小説?と惑わされる不思議な読み心地。どこかドライな文体は村上春樹あたりを思わせる。や...続きを読むはり印象的なのは表題作。承認欲求に取り憑かれた元同級生の末路には寒気がするが、成功や承認を求める気持ちは誰にでもあるもの。SNSを使って自分を実際より大きく見せたいという現代特有の誘惑に、なぜ人はこんなにも弱いのだろう。

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Posted by ブクログ 2024年05月04日

本屋大賞ノミネート、おめでとうございました。

著者自身を彷彿とさせる主人公の「僕」によって語られる、承認欲求をテーマとした6つの連作短編集です。

私小説的かつエッセイ的な内容で、どこまでが事実でどこからがフィクションなのか、それとも実は全部フィクションなのでは?と考えさせられます。

おもしろく...続きを読むなかったわけではないのですが、正直なところ、えっ、本屋大賞ノミネート作品だよね?と思ってしまいました。私にはそこまでの良さがいまいちわからず、ちょっと残念でした。

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

 著者自身の自伝的なストーリー。でもたぶんほぼ嘘。小説家とはそういうもの。短編集で、前半2編はすごい面白かった。就職のエントリーシートにあった「あなたの人生を円グラフで表してください」という設問について、延々と自問し続ける、という、そんなので小説になるのか?っていうテーマで、面白い話に仕上げている。...続きを読むすげぇ技量だ。あと震災前日の3月10日、自分は果たして何をしていた?ということをひたすら思いだそうとする話も面白い。そんなの面白いわけないじゃん!って思うでしょ? それが、推理小説的手法で、面白くしちゃってる。ところがその後の短編が、凡庸なストーリーになってしまった。何なんじゃ!  
 表題作が一番つまらなかった。

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Posted by ブクログ 2024年04月26日

小説家となった「僕」が遭遇する人達や出来事の6つの連作短篇集。僕思考で綴られるが、なんとなく哲学的思考を感じさせる。
プロローグ[交際相手美梨]、三月十日[高校の同級生加藤•西垣•岡島]、小説家の鏡[占い師]、君が手にするはずだった黄金について[高校の同級生片桐]、偽物[漫画家ババリュージ]、受賞エ...続きを読むッセイ[小川という自分]。

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Posted by ブクログ 2024年04月23日

読みやすかった。
ノンフィクションであればすごく面白いと思うけど。

東大っていうのを鼻にかけた作品でもある。

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Posted by ブクログ 2024年04月21日

承認欲求について書かれていたのか?
前情報無しで読み解く読書力が自分にはないな
作者自身の話のようで要所に繋がりが散見
でも微妙にズレてる?
考えさせられる内容として受け止められていないのは、自分が「言葉通り」にこの本を読んだからか

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

小川さんの経験(たぶん)を小川さんの視点で分析した人間観察論のような一冊。浅はかな人たちを嘲笑うような冷たさはなく、世の中にはこんな人もいるよね、と共感したり反省したりと後味良く読めました。

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

2024/04/18
エッセイのような。でも小説なのか…?ちょっと哲学ぽくてとっつきにくいなーとはじめは思ったけど段々慣れていった。面白い!っていうよりか不思議な読後感、、
偽物 と 君が手にするはずだった黄金について が印象に残ってる。偽物のババさんにしろ君が〜の片桐にしろ、自分のついてる嘘に自分...続きを読むを燃やしてるさまが痛々し過ぎる、、、

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Posted by ブクログ 2024年04月18日

私小説?っぽい哲学な雰囲気いっぱいの連作集の一冊
序盤は、ホントに読みにくい感じでなじめませんでしたが、徐々に作者のワールドに引き込まれていく感覚でした。承認欲求突き詰めていくとこうなってしまう?

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Posted by ブクログ 2024年04月16日

小難しいことを考えている主人公を軽やかに書き上げている感じ。(別に小難しい内容ではない)
ススっと読み進められる。時計の人と、当時の人のエピソードが特に印象深い。現代はネット上での炎上が怖いよねえ。

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Posted by ブクログ 2024年04月15日

とーっても読みやすくて、スラスラ読めました。面白かったです。snsはマウント取れる場所だと思うけど、自分で制限しないと飲み込まれちゃうねってこと。sns離れしたーい

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