小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
映像が先か原作が先か問題は、常にあるのだが、基本的に原作を先に読んで、どう映像化されたか見るのが好きだ。
でも、何でもかんでも先に読んでるわけでもなく、しかも、今回みたいに同時に原作とドラマが出現するととっても困る!しかも、積読本にも囲まれてるわけだし。
でも、どうしても先に読みたくなって読んでみましたが,面白かったです。半分くらい読んだところで第1回のドラマ90分を見たけど、ずいぶん設定が違うのに驚き。でもそれもまた新鮮な感じ。ドラマは出演者が多国籍だし、各国語で話しても互いの言葉が通じるシステムが可視化されて楽しめました。
その上で続きを読むと、原作もイメージしやくすくて、このやり方は良 -
Posted by ブクログ
ネタバレ拳とは暴力、すなわち戦争のこと。
これは、地図と戦争の物語。
細川〜〜〜!上巻の時から好きなので、活躍(及び暗躍)が沢山見られてとても嬉しい!
安井は今の感覚で見ると愚かに見えなくもないけど、彼は「大日本帝国の臣民、皇民」の象徴だと感じた。彼ほど純粋に真っ直ぐ天皇への忠誠心を抱いている人間が当時どれくらいいたのか分からないけど、当時国民に求められていた「あるべき姿、思想」がこの安井なのだと思うと背筋が凍った。
明男は、登場当初は超機械的な青年、という感じだったけれど、徐々に彼の感情や思想が明らかにされていって、後半どんどん人間くさくなっていったなという印象。建築への熱意や丞琳への淡い感情(? -
Posted by ブクログ
壮大なテーマで、部分的に面白い要素が散らばっているのに、全体像が中々掴めず読み難かった。作者が思い浮かべながら書いた光景と、私が読みながら想像する光景が大きく乖離しているのだろうなというもどかしさが消えなかった。火星の居住地の簡単な図や、地球−火星間のやりとり、登場人物の役職がメモとしてあるともっと読みやすかったのではないかと思う。
火星移住計画のその後は想像もつかないが、独創的で考え抜かれた展開についていくのが面白かった。宇宙SFの醍醐味だと感じている異星物質に関して、「光が遅すぎる」という印象的な言葉と共に示された使い道にとても興味が湧いた。終始、スケールの大きさと発想力と統合力に圧倒され -
Posted by ブクログ
ネタバレSFは設定を飲み込むまでのモヤモヤ感をどう処理出来るかが肝な気がしている。
耳慣れない単語を次々と投入してきて、軽い混乱の最中でめくるめく非現実的な世界観に引き込むやつもあれば、特殊な状況に焦点を当ててその興味深さでその他の不透明な状況はさておきぐっと心を掴んでくるやつもある。
『書架の探偵』なんかが前者で『魂に秩序を』なんかが後者。
自分的には後者の方が好みなのだが、本書はどちらかと言うと前者。
何やらドローンを使って火星での採掘作業をしている模様だが、機器の名称やら地質学的(?)な単語やら、あまり脳内可視化できない近未来的作業情景やらで面食らう。
ましてや章が変わり、視点人物ががらっと変 -
Posted by ブクログ
評価が難しい。前半はやや登場人物が物語のための装置のような感じがしてしまい思ったよりは読むのに時間がかかった。もっと高木の苦悩をみたかったよ。
でもこれは都市を中心にしてある時代を切り取った壮大な空想科学小説。これ以上の書き込みは作品として長大になりすぎて成立しない気もする。ただ壮大さ故に世界史の教科書的な概観が多い気もしてしまう。
あとミステリーに慣れすぎて目標が設定された道のりの予想との差異を楽しむような読み方になっている感はある。
この物語の強みは壮大で重厚なテーマの中でキャラクターが持つ狂気を魅力として掴みながら引っ張り回されるような読み方がいいのかもしれない。