小川哲のレビュー一覧

  • 君が手にするはずだった黄金について

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    とても面白かった。著者を彷彿させる主人公の淡々とした、しかし深い思考に、ハッと気付かされることが多い。ぼんやりと感じたこともあったような気がすることが言語化されており、深く納得する。 

    小説ではあるが、深い思考の後に庶民的な一文が来るとどうしてもそれが著者の人柄とリンクして、著者の思考にとても心惹かれる。何度でも読み返したくなる一冊。

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    2026年02月23日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    すごく哲学的なお話で一見難しそうやけど、シンプルにわかりやすく描かれていて賢い人の書いた文章って感じで面白かった!
    短編の主人公はそれぞれ作者を少しずつモデルにしているのかな?

    日頃から
    「〇〇とは?」「〇〇の定義とは?」
    と、すぐに脳内会議しちゃう私。すごくこの作品ハマりました。あと、とても勉強になった!
    残しておきたい言葉がたくさんあったのでメモ↓



    「読書とは本質的に、とても孤独な作業だ。最初から最後までたった、一人で経験する。読者は自分の意志で本に向き合い、自分の力で言葉を手に入れなければならない。」

    「本とはつまり、記述の束だ。豊かな世界を言葉に閉じ込める作業だ。」

    人生の

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    2026年02月22日
  • スメラミシング

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    ネタバレ

    難しかった~ 
    「スメラミシング」
    ずっと「すみません」と謝っているのが印象的だった。
    高校生の時に、クラスメイトの長田と小海線に乗りに行こうと計画を立てたが、
    結局行けず、長田とはその後、疎遠になるのだけれど、あの時、一緒に行けていたら、
    また違った関係になっていたのではと、そんなことを何度か考えたという話。
    本筋とは関係ないけれど、こういう感じ、感覚が僕はとても好みでついつい繰り返して読んでしまう。
    「何度か」という言葉に、「ああ、何度か考えたんやな」などと思ってしまうのだ。
    自分の癖なのかもしれないです。

    「神についての方程式」
    数学的なことはさっぱりわからんが、物語の構造がおもしろか

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    2026年02月22日
  • 嘘と正典

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    小川哲さん、『ゲームの王国』からのファン。
    これからゆっくりと、読んでいきたい作家さん。

    この本は、知的なSF短編集で、
    最後の”噓と正典”が秀逸だった。

    時間の観念がバグって
    過去が揺れる→現在の意味が変わる→未来も変わる
    時間が一直線じゃなく、
後から書き換えられるものになる。という不思議な感覚。
    さすがーー。
    他の作品も何というか品?があり満足です!

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    2026年02月21日
  • ゲームの王国 下

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    これはすごい小説! なんか、安易に感動しようと思って読んだら、がつんとやられた。あとがき(解説)に、驚愕の作り方がかいてあった
    読書体験を根底から考え直される作品

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    2026年02月26日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    ネタバレ

    架空の話を作り上げる小説家として一定の成功を収めている作者小川と、起業家、漫画家、小説家など自分が望む何者かになる(黄金を手にする)はずだった虚構の登場人物が描かれている。

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    2026年02月20日
  • 地図と拳 下

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    ネタバレ

    普通サイズの上下巻の本なのに、大河小説を読んだくらいには体力を失った。
    長い年月「地図」を仕事としていたので、書名に「地図」という文字が入っていると、つい手に取ってしまうのだが、重苦しい本である確率が結構高い。

    この本も、日露戦争を前にした時期から第二次世界大戦後までの長い年月を、ほぼ満州を舞台に書かれている。
    最初から最後まで通して細川という男が出てくるところから、いかに短い期間に立て続けに日本が戦争という大きな波に翻弄されていたのかが、恐ろしいほどにわかる。

    満州の東側の海に浮かぶ青龍島(チンロンタオ)が描き込まれた地図。
    ないはずの島が、どうしてその地図に描き込まれたのか。
    それを探

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    2026年02月18日
  • 地図と拳 上

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    ネタバレ

    地図と拳(上巻)は、一つの都市を舞台に、人間の理想と暴力、知性と欲望が交錯するさまを壮大なスケールで描き出した、まさに圧巻の歴史群像劇である。

    物語は、まだ何ものでもない「土地」に、人が線を引き、名を与え、意味を刻みつけていく過程を丁寧に追っていく。地図とは本来、世界を理解するための道具のはずだ。しかし本作では、その地図がやがて支配や野望の象徴へと変質していく。理性の結晶であるはずの“地図”と、衝動や暴力の象徴である“拳”。その対比が、時代のうねりの中で否応なく絡み合っていく構図が胸を深く打つ。

    登場人物たちは誰もが単純な善悪では割り切れない。彼らはそれぞれの正義と信念を抱きながらも、時代

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    2026年02月17日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    「『あーめんどくさ』って思ったでしょ?」
    わかるって思い、最初から引き込まれた。
    「読書をしている間は、時代や国も越えて、本と読者だけが存在している。」
    読書好きを惹きつけてくれる本。

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    2026年02月18日
  • 火星の女王

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    火星は特別な感情を呼び起こす惑星ですね。色々な物語の舞台になってる。これもそのひとつ。またひとつ火星の特別な物語を知りました。生きてるうちにこんな未来はないかもですが、いつか火星にも人類が…。もしくは生命体が…と思わせる。

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    2026年02月15日
  • スメラミシング

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    結構時間がかかって読んでしまったのですがとても興味深い話だらけでした。
    それぞれの話は短いですがどの話も余韻を残す感じで終わっていて
    続きが気になる感じでした。

    全体的に信仰心的な話がキーとなっていて
    目に見えないものをいかに信じるか信じないかみたいな
    そんなところがテーマになっているのかなと。
    裏に一貫したテーマを感じるにも関わらず表面的には時代も世界観も
    語り口も何もかもが違う話で構成されていて著者の幅広さと
    頭の良さをヒシヒシと感じました。

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    2026年02月14日
  • ゲームの王国 上

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    50年前のカンボジア。
    共産主義革命前夜の秘密警察の暗躍と、革命後のクメール・ルージュによる数々の虐殺の時代。

    クメール・ルージュのやり方に疑問を覚え、ロベーブレソンに理想郷を作ろうとしたフオン。
    フオンの目論見を利用し、元秘密警察のラディが力を持ち始める…

    孤児であり、ポル・ポトの娘・ソリアもまたクメール・ルージュの疑問を覚える。

    そして、ロベーブレソンは…
    ムイタックは…

    なかなか長かった…
    特に前半は、登場人物が多すぎて。
    それぞれの視点からの話で…
    ようやく登場人物が交わり始め、話が動き始める。
    そこからは、怒涛の展開で進み始める。

    ポル・ポト時代のカンボジア。
    共産主義とは

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    2026年02月11日
  • 火星の女王

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    題名から勝手にハードSFかと思って読み始めたら全然違いました。新種のレアメタルを発見して大騒ぎをする火星の独立戦争と政治のお話。
    どっちかと言うと娯楽政治SF小説。
    新ジャンルやね。
    話は上手に纏まってる。上手すぎて話が小粒になってる気もする。もう少しハード部分を足して長編に出来なかったかな?いやいや。このくらいの長さが丁度良かったのかな。
    NHKがドラマにするくらいだからチープなSFには違いないけど。

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    2026年02月07日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    小説だと思って読んでいたら、あらこれはエッセイだったのか?となり、嫌でもこれは現実の何かにリンクはしているとしてもフィクションも混ざっているだろうな。と感じてなんだかどういう立ち位置で読んでいいのか一時混乱する。

    それがまた著者の狙いでもあるのだろうけれど。
    知り合いの東大出身男性が著者、というか、主人公小川と重なって東大生ってこういう感じな人いるよなぁと思いながら読んだ。

    なんだかスッキリしないのが日常らしくていいけれど、
    私はこういう人の考えている事が言語化されて組み立てられてまとまっていく感じを読んでいくのは結構好きだった。

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    2026年02月07日
  • GOAT

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     愛が詰まった本だった。
     いつも本を買うときはふらっと本屋に行って、なんとなく気になったものを手にしていたから、まだ1度も作品を拝読したことのない方々を知るきっかけにもなった。これも一種のバリアフリーかもしれないし、本に熱を注ぐ人がまだこんなにもいるのだなと勝手ながら嬉しく思った。

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    2026年02月06日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    初の小川哲さん。面白い、めちゃくちゃ好き。恋人や友人等、人間関係の距離感が良い。人に対して、あんまり踏み込まないけど、冷たくはない。
    本の内容とは関係ないが。朝井リョウさんの作品を読んだ時と、ちょっと似た感覚を覚えて、知り合いかなーと思って、ネットで調べたら対談してた。私が見た記事の会話は、そんなに面白くなかったけど。もっと話盛り上がりそうなのに、、、

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    2026年02月03日
  • GOAT

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    全部読み切り短編というのが、すごくいい。
    今までの文芸誌は、連載ばかりなので、なんだか蚊帳の外感があって、書い続けないと仲間に入れてあげないよーと言われてるみたいで寂しさを感じることしばしば。

    しかも豪華ラインナップに、いいの?この値段で?と問いたくなる。赤字だよね。

    ともあれ、西加奈子「デヴィアン」市川沙央「音の心中」小川哲「嘔吐」をまずは読む。

    全部面白い!
    小川哲は、朝井リョウと仲良しになって影響受けてるような笑。
    西加奈子も仲良しの村田沙耶香となんか似てるような。
    互いに影響しあって、短編だから、肩の力を抜いて自由に書いてる感あり。

    葉間中顕「五十歳,ロスジェネ、ギバー落ち」も

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    2026年01月31日
  • ユートロニカのこちら側

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    自由とは?と考えさせられる小説でした。
    AIが発達し、人間の苦しみがなくなる楽園(ユートロニカ)が、拡大していく物語。
    AIが人間の苦悩等がなくなるよう事前に行動を予防していく(またはそうさせる。)世界では人間は無意識的になる。それにたいて意義を唱える人たちを描いた物語。
    作中でたびたび、自由とはなにかと問いかける部分があり、そもそも何を以って自由なのかと考えさせられる小説でした。

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    2026年01月29日
  • 大宮エリーの東大ふたり同窓会

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    東大は国立大学とあってか、東大を目指した経緯とか、生い立ちとかに幅があっておもしろかった。

    あと、ここに出てきた人特有の共通項なのかもしれないけど、みんな群れない生き方をしている。
    常人が考えてもみない、困難な道を自分1人で切り拓くのが得意な人が東大に集まるのかも?

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    2026年01月27日
  • ゲームの王国 下

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    個人的には上巻よりも面白かった。
    重畳的に奥深く世界感が構成されており、まとめて一気に読みたい作品(途中で時間が空いてしまうと、この作品の世界から離れてしまい、再び奥深くに入り込むことが難しくなる感覚がある。また、一度奥に入り込んでしまうと中々出てきにくいので、一気読みの方が楽しめるように思う)

    著者の一作目、ユートロニカのこちら側に続いて読んだが、確かに指摘されている通り、史実をベースとする展開や狂気を孕んだ人の表現の具体性が、ごつごつとした手触りをもたらし、前作に比べて人工的な洗練さからの脱却が見られて、著者の進化を感じられる。

    自分自身が研究者であること、またメカニズムデザインを齧っ

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    2026年01月27日