小川哲のレビュー一覧
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『一人 小川哲さんフェア』の締めくくりにピッタリの一冊だった。
それぞれの小川作品のプロセスから、自分の解釈と小川さんの意図の答え合わせをしているようで楽しい。
小川さんは「どんな読者が自分の作品をどう読んでいるか」を論理的に分析している。
だからこそ生まれるギリギリ読者が置いてけぼりにならないぐらいの攻めた作品に、自分は強く惹かれる。
対談で読んでみたくなったのは、佐藤究さんの『テスカポリトカ』。でも、テーマを知ると自分には無理そうで悔しい。
中村文則さんの『列』も読んでみたい。
ちょうど読んだばかりだったテッド・チャンの『息吹』に触れられているのも嬉しかった。
また、葉真中顕さんが -
Posted by ブクログ
買い物に行きたくない?と聞かれたら、まるで自分が行きたいから買い物に行ったようになり、意志の所在が曖昧になるので行きたくない。買い物に行きませんか?なら、相手の意志なのでオッケーらしい笑
スーパーの買い物で、レジの店員に今晩何を作るか悟られたくないので、カレーの材料にプラスしてブロッコリー(これをフェイクブロッコリーと呼ぶ)や、シチューのルーを買って、わからなくする。
店員に意思を奪われたくないので、マックに行ってほんとは月見バーガーを頼みたかったのに、店員から薦められたら、ビックマックを頼んでしまうなど、さまざまな作者の捻くれ者エピソードが笑えた笑
最後の謝辞も感謝人狼という捻くれスタイ -
Posted by ブクログ
君のクイズに続き、小川哲さんの作品は2作目。同じ方が書いてるとは思えない作品で、私は本作のほうがお気に入りでした。「真実を話そうとしすぎ。」「才能という黄金を摑みたかったのだ。」「でもそうだとしたらそれこそ偽物じゃないか?」「自分には知らない事が数多くあるのだということを知る。それこそが転だ」など、自身に響くフレーズが多くあった。そしてなにより、(可能世界の?)小川さんが主人公で、エッセイ風でただ、フィクションという、新しいストーリーが不思議なようで読みやすく、非常に楽しい時間を過ごせた。明日から、いや今日からの自分の人生に鮮やかではないが、暗い彩りを重ねてくれそうなそんな作品です。
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Posted by ブクログ
この本を読んで小川哲の脳は宇宙だと思った。
その複雑な論理的なパズルに創り上げる創造力は圧巻だった。
気を抜くと落ちてしまうような綱渡りをしているような気分でこの本を読んだ。
ここに載っている作品はどれもわたしの心を鷲掴みするような内容だった。
収録作は全て素晴らしい短編小説だったが『嘘と正典』はやはり素晴らしかった。
歴史を構成する上で代替可能なピースとなる存在と代替不可能なピースの存在という考え方がとても面白いと思った。
時空間通信技術を使って、未来を変えようとする存在に対し、正しい歴史に戻そうとする未来人。
そもそも、正しい歴史とは何なのか?未来人がなぜ正しい歴史がわかるのか?正しい -
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戦争では、なぜ人はここまで人間性を失ってしまうのだろう。
下巻で、その理由が少しわかった気がした。
とても印象的だったのは、死と隣り合わせの時にある人物が、戦争とは何の関係もないことを思い浮かべる場面。
あまりにも何気ないその思考が胸に残った。
もし自分が同じ状況に置かれたら、きっと私もそんなことを考えている気がする。
極限状態では、人はそうやって自分を保つしかないのかもしれない。
小川さんは、あえて戦争を劇的なドラマとして描いていない。
普通なら感動的な言葉が出てきそうな場面でも、あえてそう描かない。
そこにリアリティがあると思ったし、ドラマチックに感動させようとしないところが小川作品