小川哲のレビュー一覧
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めっちゃ面白い!まさに「小川哲神回切り抜き集」
クスッと笑えるものからスン…っと落ち着いてしまうものまで色々ある
最初は、何も考えずに笑える文章が細切れに書かれてるのかと思ったけど、哲学とか概念に関して触れてる文章が多くて、1話1話は短いとはいえ読み応えがある
あと、ちょこちょこ出てくる文章で、小説という矛盾を孕んだ存在がこの人は大好きなんだろうなと思わされた
小川哲という人間の考え方というか物の見方というかスタンス結構好きだなーと改めて思ったので、次は『言語化するための小説思考』読みます!
哲学やら思想について考えるのは好きそうだけど、神様とかスピリチュアルめいたことは全然信じて無さそうだった笑
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サクサク読めて面白かった。作家による小説論を読んでも小説を書けるようになるわけはないが、好きな作家のこの手の本を読んで、「あの小説はこういう手法で書かれていたのかな?」と想像したりするのは楽しい。
小説国の法律、あるあるで笑った。世評が高い小説を楽しめなくてもやもやすることがよくあるので、「必要以上に深く考えず、小説法の違いだと割り切」った方ががいい、自分と小説法の一致する著者を見つけることが重要、というアドバイスは有益だった。
私はミステリ小説の伏線らしき文章にいつも気を取られて、全てを疑った挙句騙されてしまうことが多いが、「今のところ何の暗示にもなっていない文章」に注目するのが、犯人を見破るコツらしい。今度やってみます。
小川さんはプロットを作らずに小説を書いているという。すごい。普通の人には真似しようと思って出来るものじゃない。
巻末の「エデンの東」の小笠原先生、面白すぎる。阿部くんと甲斐くんがどうなったのか気になりすぎるので改稿版を読ませてください。
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ネタバレ◎七十人の翻訳者たち
七十人翻訳聖書にまつわる新たに発見された「デメトリオスの処刑」と七十人翻訳聖書とを量子解析する話(AD2036)とデメトリオスの弁明の話(BC262)が交互に進み、七儒人翻訳聖書は無から突然与えられたものと…。
×密林の殯
運送会社のサービスドライバーをしている八瀬童子
〇スメラミシング
Qアノンと反コロナウィルス。世界は作家によって綴られた物語
◎神についての方程式
22世紀大断絶により物理法則が変革後のインド人の宗教歴史学者が21世紀に生まれたヒンドゥー教の新興宗教ゼロ・インフィニティの開祖ムゲンを追う。宇宙をゼロで割る。
◎啓蒙の光が、すべての幻を祓うまで
超越的存在や概念を前提とした反証不能な理論が禁止された極めて理性的な世界で、矛盾が発見され、宇宙人による地球人播種計画が明らかになる。宇宙人は自らの限界を悟り、地球人を播種し万物理論を完成させようとするが。
◎ちょっとした奇跡
既読。時点が停止した地球でレーンを走行する2隻の宇宙船の少年と少女の話。 -
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・魔術師
これだけでも★5 小川哲、凄い!
一回読んだだけでは理解しきれず、二回読んだ。
マジックがテーマということもあり泡坂妻夫を読んでいるようだった。
・ひとすじの光
競馬の話。どんな性格の馬が競走馬に向いているかを考察したりしていて着眼点が独特だ。
・ムジカ・ムンダーナ
ダイヤモンドや金、絵画や彫刻などに価値があるように、音楽作品に金銭や資産と同等の価値を与えるという作品。
発想もいいが、そのアイデアを小説にしてしまう筆力に脱帽。
・嘘と正典
二重スパイと歴史を変えた出来事は、実際の歴史を学んでいるようだった。
そこに、タイムマシン的な時間を操る要素が入り込んでくる。
宗教的要素もあり、歴史と科学と哲学で遊んでいるような小説でもあった。 -
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面白かった。
小川哲さんの思考を自由に書き散らしている。
(本当は「自由に」ではないかもしれない)
エッセイの要素もあって、そのエピソードに笑ってしまう。
初っ端の「小説国の法律について」がまずめちゃくちゃ面白かった。
小川哲さんは、小説を読む時に共感を求めないらしい。
そして、小説を書く時に、緻密なプロットをたてていないことに驚いた。
この本を読んで、小川哲さんの小説が面白い理由は何なんだろと結論みたいなことを考えたけれど、結局何が面白いのか言語化できない。
苦手な本についてはいくらでもダメ出しできるのに(作家の皆様申し訳ありません。最近では『罪と罰』のダメ出しをしてしまいました。ドストエフスキーさんごめんなさい。個人の感想です)、好きな本についてはどこがどのように好きかうまく伝えられない。言語化は難しい。
好きな本をもっと世の中に広めたいのに。
小川哲さんといえば、SF作家なのか?
『君のクイズ』はSFじゃないと思うけれど?SF?
ミステリ作家といわれるとミステリしか書けなくなる葛藤みたいなところも書かれていて、確かにと思った。「この作家ならば、こういう作風」を期待して読むことはよくある。
(私は未だに何が純文学で、何がSFで、何がミステリなのか小説の分類の定義がわかっていない。なので、胸を張って「SFが好きです!」などと言えないところが悩み。たぶん、SFが好き)
小説が売れるかどうかは、小説家にいかに有能な編集者が付くかが大事だということがわかった。
(もちろん、小説が売れるためには、それ以外の要因の方が大きいけれど。そもそもの話が面白くなければ、どんな素晴らしい編集者が付いても意味はない)
『PRIZE/村山由佳』が参考となる。
編集者は強靭なメンタルと才能が必要だ。
小説編集者人気ランキングで検索してみたけど、そんなランキングは見当たらなかった。何人か編集者の名前は浮かぶから、本当は、業界内では人気編集者っているんだろうな。推しの編集者を見つけてみるのも面白いかもしれない。
小川哲さんの小説は「まずは『地図と拳』を読む!」と意気込んでいたのに、なぜか『地図と拳』だけ読んでない状態に至りつつある。
だいぶ『地図と拳』への期待があがってしまって、期待を裏切られたくないという感情から、なかなか読めないでいる。
この勢いで『地図と拳』を買ってみようかな。こうやって、買ったはいいけれど期待が大きすぎるが故に積読入りする本が増えていく。
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■はじめに
著者・小川哲は、自らをひねくれ者と称する。
〈ひねくれ者の文学者〉――実に惹かれる形容ではないか。ならば、その“ひねくれ者ぶり”とやら、とくと拝見しようではないかと本を開く。
■内容
「上から目線」という表現はよく聞くが、「斜め45度」という言い方は、目にはしても使ったことがない。
そもそも、“何”に対して45度なのか。本書では“社会常識”を基準にして、そこからのズレ具合を角度で表している。
例えば「人間関係に思い悩むのは傲慢である」という稿。相手から自分がどう思われているのか…と悩む前に、まず自分がなるべく相手を嫌いにならずに済むよう、適切な距離感をつかむことが大切だと説く。
「いい人か悪い人かの価値基準」では、他人から聞かされる愚痴や悪口には、語られていない文脈や事実があると考える。第一印象だけでその人物を推し量らず、たとえ良い面を見たからといって、過度な期待や幻想を抱くべきではないと諭す。
そして「人間にできて、AIにできないこと」。隙のない能力を持つ生成AIの登場は、むしろ人間の弱さや愚かさの価値を上げてくれるかもしれない。手痛い失敗をした時には、「AIにはできない経験をした」と考えてみる。僕たちが間違えるのは、僕たちが人間だから。人間としての価値までAIが代替することはできない―とアンチテーゼを投げかける。
■感想
本書は〈斜め45度〉に至るまで、15度、30度と徐々に傾斜角度を上げていく。
では、角度が上がるにつれて著者の“変人ぶり”が際立ってくるのか…と言えば、いやいや、少なくとも僕には、まったくもって常識人に見える。
一般に、できれば避けて通りたいこと、関わりたくないこと、不得手なことを語ろうとすると、「なぜそう思うのか」を説明するために、どうしても話が長くなる。
挙げ句に、神経質、自意識過剰、偏屈―今風に言えば「面倒臭い人」と見なされかねない。
ところが著者の場合、実に平易な文章で、しかも冗長に走らない。だから、すんなり腑に落ちる。
気難しい人、ましてや“ひねくれ者”には到底思えない。むしろ読み手に差し出される物事の見方、捉え方が新鮮で、
「汝、思い悩むことなかれ」と諭されているような感覚すらある。
中でも、ふむふむと膝を打ったのが、「人を嫌いにならないために、自分が距離を取る」「他人はコントロールできない。だから自分の感情をコントロールする」という考え方。物事を冷静かつ俯瞰して捉え、いかにストレスを軽減するかに重きを置いている。
“自他”の距離感に少し神経を配る。それが人間関係の“ショックアブソーバー”となり、たいていのストレスは軽減できるんではないか…そんなことを思った。
■最後に
僕は自己啓発本をあまり読まない。小説で事足りると思っているから。
確かに自己啓発本は、人間関係や生き方の悩みに対して、速効性があるのかもしれない。
一方、小説はストーリーを追わなきゃならないし、一見すると悩みの解決には関係のない“ノイズ”もたくさんある。
でも、そこには様々な人間模様や、他人の人生航路が描かれている。その生き方に自分を重ねたり、比べたり、思い巡らせたりすることができる。
言うなれば、自己啓発本は鎮痛剤や止血剤。小説はビタミン剤だと、僕はそんなふうに思っている。
ただ、この本はちょっと違った。何かを教え込もうとするのではなく、世の中を真正面から見て、しんどくなった時に、ほんの少し見る角度を変えて見ることを教えてくれる。
なるほど、斜め45度とはそういうことか。
側に置いて、そして、「ああ、もうやってられんなぁ」となった時に、適当なページを開く。
真正面から受け止めず、少し斜めから眺めてみる。それくらいが、案外ちょうどいいのかもしれない。 -
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面白い。ポル・ポトがやばいのは知ってたけどカンボジアの歴史はよく知らなかった。
革命思想は分かるけど、理想と現実は明確にしなければというか、思想に近づけるために現実の認識を曖昧にして近づいたことにする、という方法では全く良くなっていかないと思う。
農民的に生きて全てを自給自足というのは分かるけど、その為に知識人や異を唱える者を全員殺してしまってはまともな社会は成り立たない、どんな時代にも医師や薬剤師はいただろうから。
思想自体は悪くない気がするけど、現実にどう落とし込むかが全てなんだなあ。難しい。
ストーリー自体も面白かった。ロベーブレソンの村での出来事は百年の孤独のようなマジックリアリズムを感じた。特に泥の覚醒シーンは強すぎて面白かった。みんな頭が悪すぎるけど素直、けどどんな組織にも根っから悪いやつは居る。 -
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残念ながら著者の小説は読んだことがないが、
(地図と拳 で直木賞受賞のSF作家?)
作家の頭の中を垣間見たるようで、
非常に興味深い本であった。
最初はあまりピンとこなかった。
何をぐちゃぐちゃねちねち語っているんだろう、
と思いながら読み進めたが、
その前提あってだんだん小説づくり?が見えてきた気がした。
素材をこう扱っても小説にはならないが、
こう組み合わせると、あら不思議、形になる。
このあたりのテクニック、というのではないが、
見せ方というのは、小説ではない普通の文章、
いや、日常の会話でも当てはまるものがある、と思った。
「読み返しを強要する」文章はよくない、と。
読むリズムが狂うからだろう。
確かに私も読んでいてポンポン読めるものと、
あれ?と数行戻って理解して読むものがある。
当然前者の方が小気味いい。
後者が悪いとは必ずしも言えないが、
ま、日常会話ではよくないだろう。
「え、今言ったこれこれってどういう意味?」なんて聞いたら、
相手の話の腰を折ることになる。
複数人の会話をいかに表現するか、とか。
良書。
1 小説国の法律について
2 小説の「勝利条件」
3 知らない世界の話について堂々と語る方法
4 「文体」とは何か?
5 君はどこから来たのか、君は何者か、君はどこへ行くのか
6 小説はコミュニケーションである
7 「伏線」は存在しない
8 なぜ僕の友人は小説が書けないのか
9 アイデアの見つけ方
10 小説ゾンビになってわかったこと
11 小説の見つけ方
12 本気で小説を探しているか?
小説「エデンの東」 -
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対談の中では、音楽で言うところのセルフライナーノーツの如く執筆していくにあたっての骨組みや舞台装置となる部分の解説をガッツリして下さっているので滅茶苦茶勉強になる。もちろん相手作家の作品の掘り下げもだし、それ以外でお互いに課題図書を出し合って読んだ感想や書き手ならではの着眼点を語り合っており、読み応えがありすぎる。3000円弱で読めてしまっていい内容ではない。「誰でも小説が書けるメソッド」「ヒットする物語の書き方」とかじゃなく、こういうのが読みたいんだよこういうのが!という字書きの深層ニーズをあまりにも的確に捉えている。本当に有難い。
元々佐藤究さんの名前に飛び付いて購入したようなもんなので、個人的にはお二人の対談が一番良かった。お互いリスペクトし合っていることが文章から滲み出ているように感じられてにっこり。小川さんは呉さん今村さんとの対談でもテスカトリポカをベタ褒めしていて「わかる〜♡♡♡♡」と首もげるほど頷きながら読んでいた。あと、わたしも佐藤究は『狂気』の人だとつくづく思っていて、そこに言及されていたのが嬉しかった。単に狂気を自分の中に飼い慣らしているとか手札として持っているというより、狂気そのものが人の皮を被って歩いているような底知れなさを感じる作風――ド癖です。と言いつつ爆発物処理班はまだ積読状態なので可及的速やかに読みます。
全編通して本当にどれも興味深いトピックばかりで夢中になって読んだのだけれど、特に印象に残ってるのは「ゲームと物語性」のところかなぁと。わたしがゲームを触りだした頃には当然の如くRPGがあって、プレイする中でシナリオを進めていくことが遊び方のルールとして浸透していたので、改めてその起源を辿っていくという内容がとても面白かった。
あと思わず唸ってしまう内容だったのは、終盤に収録されている町屋さんとの対談内での「小説用の言葉・小説についての言葉・小説用じゃない言葉」。小川さんの言語化スキルがこれでもかというほど光っているパートで、純文学とエンタメの境目についても濃密な議論がなされており圧巻の一言。
ちなみに、素人ながら一書き手として最も勉強になったかつ即実践できると思ったのは、最後の対談で小川さんが話されていた「読点の打ち方」。一つ前に出版された「言語化するための小説思考」でも挙がっていた話ではあるけれど、漫画におけるコマ割りから生まれる‘‘リズム’’の文脈に沿って今回詳しく解説されていて、物凄く腑に落ちた。
何回でも読み返したい、これぞ珠玉の対談集。