小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
つい先日、時間もあるし小説を書いてみよう!と思い立った。PCを開いて、想像を巡らせて、自分の経験や知識に基づいたシナリオを思いついて、さてどのように書き始めるか。。。で、一行も進まず断念。
小説って難しすぎる。。
と、ど素人ながらに実感した経験もあったところ、本書を見つけ購入。
小説を書くことの難しさを(おこがましくも)体験したうえで、小説家の思考をのぞかせてもらうと、なるほどなぁ〜と(おこがましくも)勉強になる点がたくさんあった。
本書の内容からは書き手の思考を学べるというのはもちろんのこと、一方で読者側が小説に面白みを見出すための思考方法が散りばめられていて、新しい視点をゲットできる -
Posted by ブクログ
小川哲の直木賞受賞作。
満州というかつて様々な国の思惑が重なった地図に、様々な背景の人間が心を描く群像劇。
全部読み終えた今、高木が小刀を頑なに手放さなかったのは何故だろうと考えてみる。小刀が指す意味は『拳』であり、つまり戦争である。高木は葛藤の末、その拳を手放さなかった故に細川が命の危険に陥るものの、細川はその拳を回収することに成功する。
この物語において、戦争は決して肯定されるものではないが、その拳がなければ高木が決死の戦線に向かって死線を守ったように、今がこの形で存在していたかはわからない。戦争において、拳は必ず必要なものなのだ。
しばらくして、その細川によりオケアノスの意味を持つ名 -
Posted by ブクログ
GOAT創刊号!
小説、詩、短歌、エッセイ、哲学。
ジャンルも国境も超えて、かつてない文芸誌、ここに爆誕!!!
あ〜面白かった〜!!
買ってからずっと置いたままだったけど、第2巻も出たことだしと思って 読み始めたらめちゃくちゃ面白かった!
たくさんの著名な作家さん達が こぞって名を連ね、"愛"をテーマに ほとんどが読み切りで書かれている。
対談はスルーしちゃいましたが、それ以外はほぼ読んだけど ハズレなかったな〜!
たった510円で(ゴートにちなんでの510円) こんなに盛りだくさん!
紙は再生紙を利用してるけど、味があるしカラフルで可愛い♡
読み切りだったのが -
Posted by ブクログ
★5 火星での新発見をきっかけに、地球の関係に歪が生じ… 創造性豊かな火星SF小説 #火星の女王
■あらすじ
地球から火星への移住、生活が実現している近未来。火星で研究をしている生物学者のリキ・カワナベは、地底湖でスピラミンとい物質の構造変化を発見する。新しい可能性がある発見とされ、世界を揺るがし始めていた。
一方、火星で生まれ育ったリリは、地球への憧れをもちながら重力の訓練を行っていた。まもなく地球への出発のため船に登場するリリだったが、トラブルに巻き込まれてしまう…
■きっと読みたくなるレビュー
おもろい!★5 地球から最も近い惑星ながら、人間にとってはあまりに遠すぎる火星。そんな火 -
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SNSで流れてきた本書のWeb記事(なのかな)があまりにもよかったので、普段この手の本は読まないにも関わらず読んでみたら、面白くてほんとあっという間に読み終えてしまった。
お気に入りの小説に出会ったとき、ふと、この小説ってどんな風に浮かんで、どうやって生み出したの?なんて考えを巡らせたことは、小説を書きたい人ではなくとも、読書好きならきっと一度や二度はあるはず。そんな疑問に答えてくれる、小説家の頭の中を少しだけ覗き見させてもらえる作品であることはもちろん、小川哲さんの思考プロセス、人間性、物書きとしての姿勢などが伝わってくる一冊でした。
各トピックについて論じるにあたり、決して頭でっかちに -
Posted by ブクログ
芸術創作系の中で、最も知りたかったことが書かれてしまっている名著。
後半で端的に述べられる、表現活動とは何か?と、それに則った小説の技法は、全クリエイター必読かつ即実践すべき内容の嵐(まったくの異分野な私も、今日から早速活用させて頂いている)。
それにしても、著者は何者なのか。小説家の書いた本でありながら、「面白い」の古今東西を専門研究する分析哲学者なんでは?と思えるほど、様々な視点から、小説、いや商業クリエイティブも含むあらゆる表現サービスの所要を解体的に露わにして、その本質を浮かび上がらせてくる。
全くの異分野の人間だが、「ユーザーとは何か?面白いとは何か?」を日々探求しているという意味