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「君を殺す」――復讐の誓いと訣別から半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックがゲームの終わりに手にしたものとは……。 第38回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞受賞作品
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Posted by ブクログ
ようやく上巻の複雑に交錯する登場人物らと舞台設定に慣れたと思ったら、物語は突然のリセット(半世紀の時が流れる)。 アルンとリアスメイに世代交代、ムイタックとソリアの神話(ゲーム)はようやく幕を下ろした。 本書の雰囲気や読後感はマルケスの『百年の孤独』っぽい。 先に『地図と拳』を読んでいたが、本書のほ...続きを読むうが好み。
クメールルージュ、ポルポト、カンボジアの話? 作家はカンボジアに住んでいたのか? そんな事を思いながら、それはそれは不思議な登場人物達のそれぞれの人生を読み進めていく。 カンボジアを旅行した事はなかったけど、作品を通して情景が目に浮かぶ。 それぐらい描写が細かい。 いつかテレビでクメールルージュ...続きを読むの虐殺を特集した番組を観たことを思い出した。 土臭く、地に這いつくばって生きているキャラクター達。 最後交わったのか、全てが回収されたのか、それはわからないけど、未完のような、ただ、作者の情熱が伝わってくるこの作品、読み終わり、ただ余韻に浸る。 日本人で、外国を舞台にここまで書き切れるだろうか、と圧倒されながら。 あとがきを読むと更に驚かされる。 面白い作家さんを見つけた。
上巻に引き続き、あっという間に読み終えた。すごい筆力だ。久々に世界観に没頭できるフィクションだった。下巻を開いた瞬間、上巻とは別世界のようで、それも面白かった。ノーマークの著者と著書だったので、読み終わってすぐに、家族や友人におすすめしまくってしまった笑 下巻も変わらずカンボジアが舞台だが、上巻が...続きを読む1950-1970年代のポルポトやクメール・ルージュの史実を元にした時代だったのに対し、下巻は2000-2020年代に一気に飛ぶ。下巻になり、SFというジャンル設定がはじめていきてくる。脳波でコントロールできるメタバース的なゲームが登場する。どのように物語が着地するのか、誰かの命がいつ奪われるかわからないスリルを味わいながら読み進めた。 時代が行きつ戻りつしながら物語は進み、主人公の一方が政治家になった経緯、もう一方が教授になった経緯が少しずつ明かされ、そこに新たに登場する若い世代の登場人物たちが絡んでゆく。 新しい時代だが、時折上巻の登場人物が上巻の時代の価値観のままで登場しては不穏な空気を醸し出す… 今のカンボジアで生きるということは、そういうことなのかもしれない。つまり、新しい時代の顔をしてるが、古い時代の悪しき遺物がそこここに根を張って生活を支配している。負のスパイラルから抜け出すのはたいへんだ。カンボジアでNPO, NGO活動をする際の徒労感や、背徳感のない不正の横行や、悪意のないルーズな働き方の常態化など、どうしようもない状況がよく伝わった。 ちなみに、上巻のラストで袂を分かった主人公の少年少女は下巻では、老齢に差し掛かっている。上巻の最後のページまでは少年や少女だったのに、下巻の1ページ目をめくってすぐに、彼らが初老を迎えていることに気づく構成。それなりの地位にいる彼らを確認しながら、人の一生ってすごい!という気持ちになった。どのような人生を送ってそこにたどり着いたのか。人生ってあっという間だし、千差万別だし、予想もつかないものだよね…と、人生まだ道半ばの私は不思議な感覚に。日々の積み重ねがどこにたどり着くかなんでわからなくても、きちんと積み重ねていくことが、子ども時代の自分に対する誠意かなぁという気持ちになった。全然この話の本筋とは関係ないのだけれど。一生懸命生きていた子供時代の自分に、報いなくてはね… 作者のあとがきも良かったです。 半分アマチュアな時に描いた作品とのことで、今の自分にはなぜこれが書けないのか、について、作者の素直な言葉に触れた気分。このあとがきも含めて、読後感の良さがある。
上下巻の二部作をようやく読み終えました。 歴史小説然とした上巻は自分がカンボジアの歴史について不勉強な事もあり、重苦しい歴史の追体験も辛すぎる上、数の多さと読み慣れない名前で登場人物が覚えられず、中々読み進められず断念しそうになるほどでした… しかしながら、登場人物達が時代のうねりに翻弄され続け...続きを読むる上巻を通して自分の中に蓄積された「記憶」のような何かが、下巻で2人の元少年少女の愛の物語の結びを読むためのエッセンスだったと思うと、とてもくたびれましたが最後まで読み切って良かったと思える作品でした。
読書「体験」とはよく言ったもので、時たま自分の見ている世界を一変させるような本があると思います。私にとって「ゲームの王国」はそんな作品でした。 時代や国を隔てれば、あらゆるものが今とは違う 。文化、価値観、経済。枝先の違いを見つめれば、それは遠くの物語。 でも、生と死だけは変わらずそこにあり、祈...続きを読むりはいまもここにある。 日々の、仕事の、生活の、スケールの小さいルールのなかで生きる自分を顧みながら、それでも人生というゲームのルールに「楽しむ」を組み込んで生きていきたいと、そう思いました。 この理の彼岸で、彼と彼女が幸せでありますように。
オレ頭良い!オレ変人!的な中2感満載のストーリーだが、史実であるポル・ポト時代のカンボジアと絡めることでなんか真面目に正座して読まないといけない雰囲気になってて面白い。
小川哲さんの作品を書かれた順に読み始め、ユートロニカに次いで2作目。この方の作品は科学、政治、宗教とか哲学、犯罪が織り交ぜられていて、深い。 田舎の村では昔からの流れ(風習)で運営されているが、掟のようなものは存在する。何か問題が起きると呪術とか祈祷のようなものが判断に大きな影響を与え、村長の判断...続きを読むが全てだったりする。 これが国の単位になるともう少しルールができてくるが、ルールが不完全だったり、ルールはあっても正しく運用できていなかったりする。他国との外交とかが絡むとさらに複雑化する。 ルールに従ってどう勝つか、どう楽しむかを考えるのがゲームだが、国の運営はゲームほど明確なルールが決まってない。というより守られていない。胴元が得する仕組み。 国のルールが良くないとき、ルールが正しく運用されていないとき、その状況を変えたければルールを作る立場になればいい。ただ、そこに行き着くまでに、すでに権力を持っている者たちに反則技で潰される。うまくやったとしても時間がかかる。時間を短縮しようとすれば自分が汚い反則技を使わざるをえない。 人の記憶は頼りない。不確実なものをつなぎ合わせている。概念を視覚的な刺激に置き換えて勝手にイメージしているかもしれない。さらにそれをあたかも本当の記憶として保存してしまっているかもしれない。逆に都合の悪いことは完全に記憶から消し去っているかもしれない。 この小説の中ではさらに何かを求めて強く記憶を呼び出そうとすると、他人の記憶を自分の脳に取り込んだり、自分の記憶を他人の脳に渡すことができる可能性を言っている。(完全なフィクションなのか、本当にそういう研究が進んでいるのかは、残念ながら私には良くわからない) ただ、どんなに科学が進んでも人間は最後には神に祈ったりマジナイの類(輪ゴムとか頭の中の綱引きとか勃起とか)を信じたりするのだろう。 ●勝手にキャスティング ・サトロ・サル 市村正親 ・ソリヤ 芦田愛菜 ・ムイタック 櫻井翔 ・チリト 泉谷しげる ・ティウン ユースケサンタマリア ・フオン 生瀬勝久 ・ソム 西島秀俊 ・泥 山田裕貴 ・鉄板 眞栄田郷敦 ・輪ゴム 劇団ひとり
あとがきまで全部読んだ唯一の本
すばらしい
1970年代の地獄のカンボジア。 ポル・ポトの支配していた時代を駆け抜ける、史実を元にした物語の下巻。 大量殺戮の季節が生んだ、復讐の誓いと二人の訣別。そこから半世紀後。 政治家となったソリヤは理想とするゲームの王国を 実現すべく権力の頂点を目指す。 一方でムイタックは自身の渇望を完遂するため、 ...続きを読む脳波測定を使用したゲーム『チャンドゥク』の開発を 早熟な少年アルンと共に進めていた。 過去の物語に呪縛されながらも光ある未来を 希求して彷徨うソリヤとムイタックが最後に手にしたものとは。 壮絶な歴史を描いてきた上巻とは打って変わって、 いきなり物語は50年後の現代、そして一気にファンタジー感を増す。 思ってもみなかった展開に最初は拍子抜けしたが、 根本は一応変わってはいなかった。 ゲームの王国というタイトルから想像できる内容になってきた。 それはつまり予想ができてしまう物語ということなのだが。 上巻の圧巻的な内容からは少し薄味かなという印象。 この下巻に記された物語をメインとして考えるならば、 上巻はそのためのセットアップといったところか。 だが、そのセットアップが歴史も相待って強烈過ぎたところが 下巻に対する評価の分かれ目だったのかもしれない。 とは言え、これだけの重厚な物語を 日本人の作家が描ききったという点は賞賛に値すると思う。
2023年を過去のものとして読んでましたが、こちらの刊行は2017年であったと「あとがき」読んで気付きました。本書の内容良かったですが、「あとがき」もとても記憶に残る何かが届きました。
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