【感想・ネタバレ】ゲームの王国 下のレビュー

あらすじ

「君を殺す」――復讐の誓いと訣別から半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックがゲームの終わりに手にしたものとは……。 第38回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞受賞作品

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

2回目聴き終わった。むかーし読んだ吉里吉里人とどことなく印象が被る。百年の孤独みもある。あとがき含めて人生ベスト級に好き

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2026年07月12日

Posted by ブクログ

面白かった。

上から時間が経って、20年後の話だった。
上から、ポルポトをソリヤとムイタックが協力して打倒する話になるかと思っていたが、意外な内容だった。読み始めて、半分までは、人が切り替わるごとに内容がとびとびになる感じで、ついていくのに苦労することもあったが、物語終盤になるにつれて、それが一つに集結していく感じが、上と同様で気持ち良くて、面白くなっていった。

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

下巻は変人キャラクターたちのクセがますます強くなっていた。
本人たちは至って真面目なのがまた良い。

​私の中で完全に主役を食ってしまってたのが、ヘモグロビン先生。
あまりに好き過ぎて、該当シーンだけ5回も聴き直してしまった。沈んでいた気持ちまで一気に元気になった。
一度でいいから私もヘモグロビン先生に診察してもらいたい。予約でいっぱいなのは、多分私みたいな患者がいるからだろう。
もはやヘモグロビン先生に会うために下巻を読んだ気さえしてきた。

普通の小説だと「この先どうなるんだろう」というハラハラ感で読みたくなるけど、個人的に小川さんの作品は少し違う。
ストーリー展開や結末そのものよりも、次から次へと溢れ出てくるユニークな思考に脳が刺激されて、ワクワクする。
下巻の方がそれがより強くて、とにかく楽しかった。

人間の記憶って不思議。
たぶん私の脳は、この作品の内容を忘れても、ヘモグロビン先生のことは絶対に忘れない。
Audibleにて。

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2026年06月09日

Posted by ブクログ

自分が今まで読んできた作品はある程度起承転結に沿って書かれてた。無駄に思えるような描写は多少あるにしても、全体通して見れば「結」に向かうような流れが存在していて、次の展開をイメージしやすかった。

この作品はごっちゃごちゃ。結はもちろんあるにしても、時間軸、場面、キャラクター、幾度となくかき回されたし、「これいらなかったのでは?」という描写も多々。
『言語化するための小説思考』に感銘を受けた身からすると、回収されない伏線が多くて腑に落ちない。

けどあとがきで

> ひとつだけ言えるのは「今の自分には書けない」ということです。本書の節々に、まだアマチュアだった僕が、暗闇の中で何かを見つけようと格闘した痕跡が残っていました。

納得した。そして、

> その格闘は、登場人物たちや物語の力を借り、時として僕の実力を超えた次元に到達していました。そういった意味で、本書にはかけがえのない価値があります。

万人受けはしないが、「時として」特定の誰かにはブッ刺さる、そんな作品でした。

映像化不可能でこの小説を読むことでしか味わえない体験ができたという喜びと同時に、「書きたい」という意思だけでカンボジアについてめちゃくちゃ調べきったある種の狂気を感じた。
小川さんに対して畏敬の念が高まった。

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2026年06月07日

Posted by ブクログ

思考力と感受性は両立できるんだなと驚かされた作品。小川哲の文章には新しい価値観をインストールしてくれる力がある。複雑な物事を単純化せず複雑な状態のまま理解させてくれる魔法のような文章。

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2026年03月25日

Posted by ブクログ

長年、今まで読んだ中で1番面白かった本はコニーウィルスの航路と言い続けてきたが、ゲームの王国は、航路を読んだ時のようなインパクトがあった(航路に似ている部分もある気がする)
若い頃に読んでいたら人生観が変わっていたと思う
本当に素晴らしい小説でした

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前半と後半の時間軸が全く違っていて、その間の話を中としてあったらなお良かったと思う
ムイタックとソリヤはお互いに意識しあって生きていて同じに日になくなるのは最後の対戦で全てを出し合ったこたで決まっていたことなのかと感じる
少し話し合えば違った運命になっただろうにお互いのバックグラウンドが話し合うとかじゃなくて背負いすぎる、故にあんな最後になったと感じる
SFっていうと未来、宇宙の話って感じがしたが、史実を絡めるという新しいSFに出会ったと思う
ラディーはもっと苦しんでほしい

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

上巻はたしかにカンボジアの歴史的背景をもとに共産主義の破綻や翻弄される国民を描いていたはずだった。 
このテイストで物語が続くのかと思いきや、下巻に入った途端、2023年という現代に突然移り変わる。

そして、何より脳波を使ったゲーム「ブラクション・ゲーム」を基準に人の思い出や社会とゲームの違い、勝利と敗北…色んなところに話を展開する。最終的な場面はゲームの情景を説明しているのかムイタックとソリヤが思い出を懐古してるのかもぐちゃぐちゃなんだが、たしかにSF小説であり、でも読み手を置き去りにしてるような感じで…。

なのに、なんだこの満足感。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

ようやく上巻の複雑に交錯する登場人物らと舞台設定に慣れたと思ったら、物語は突然のリセット(半世紀の時が流れる)。
アルンとリアスメイに世代交代、ムイタックとソリアの神話(ゲーム)はようやく幕を下ろした。
本書の雰囲気や読後感はマルケスの『百年の孤独』っぽい。
先に『地図と拳』を読んでいたが、本書のほうが好み。

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2025年05月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(上下まとめての感想)

とんでもなく面白かった、、すごい作品に出会ってしまった、、、
カンボジアを舞台にした近未来SFといった感じ
そこまでSF要素はなかった

色んな話が並行して進んでいくけど、話の中心人物として大きくスポットを浴びているのが、ムイタックとソリヤ。
最後まで読んでようやくわかったような気がしているけど、この小説は2人の壮大な追いかけっこだったんじゃないかと思った。
人生をかけた壮大なゲーム、素晴らしかった。
1度会ったきりなのに、お互い無意識下で執着してしまう。もっと掛け合いがみたいなとも思いましたが、余韻を残したこの終わり方が1番美しく儚い、素晴らしい終わり方だったと思います。

上はひたすらカンボジアでの共産革命を巡った話で、面白いけれどどういう話なんだろう?どう展開していくんだろう?と全く先の読めない展開でとても楽しめました。
残虐なシーンも多かったけれど、キャラが立っていて、面白いシーンも沢山あり、どこか憎めない愛すべき登場人物がたくさん。カンボジアについてはほとんど知らない状態で読みましたが、描写が非常に細かく、読みやすくてとても想像しやすかったです。

下はガラッと雰囲気が変わり、ゲームにかなり焦点の当てられたストーリーに。
時代はポルポトを一気に通り過ぎており、どういうことが起きたのか少しずつ追体験していくところも大変良かったです。
最後の最後まで展開を読ませない構成力。圧巻でした。
ゲームの王国を実現しようとするソリヤとそれを防ごうとするムイタックという構図が明確で、かなり読み進めやすかったです。

とにかくめちゃくちゃ楽しくてめちゃくちゃ面白かった!
久々にこんなに展開にワクワクさせられました。
素晴らしい。

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2025年01月22日

Posted by ブクログ

クメールルージュ、ポルポト、カンボジアの話?
作家はカンボジアに住んでいたのか?
そんな事を思いながら、それはそれは不思議な登場人物達のそれぞれの人生を読み進めていく。

カンボジアを旅行した事はなかったけど、作品を通して情景が目に浮かぶ。
それぐらい描写が細かい。

いつかテレビでクメールルージュの虐殺を特集した番組を観たことを思い出した。


土臭く、地に這いつくばって生きているキャラクター達。
最後交わったのか、全てが回収されたのか、それはわからないけど、未完のような、ただ、作者の情熱が伝わってくるこの作品、読み終わり、ただ余韻に浸る。
日本人で、外国を舞台にここまで書き切れるだろうか、と圧倒されながら。



あとがきを読むと更に驚かされる。


面白い作家さんを見つけた。

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2024年11月22日

購入済み

あとがきまで全部読んだ唯一の本

すばらしい

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2021年01月10日

Posted by ブクログ

クメール・ルージュ下の
カンボジアを舞台にした壮大なSF。

第38回日本SF大賞、
第31回山本周五郎賞受賞。

クメール・ルージュ。
20世紀後半のカンボジアで権力を掌握し、
急進的な社会改造と暴力で
国家を統治した共産主義勢力。
1975年に首都プノンペンを制圧し、
都市住民の強制移動、貨幣や市場の否定、
集団農場化を推進。
その過程で粛清や残虐が広がり、
カンボジアの社会を根底から破壊した。

このクメール・ルージュ時代を生きた
ソリヤーーーサロト・サル、後のポル・ポトの隠し子、
そして、ムイタックーーー貧村ロベーブレソンに
生まれた神童、
この二人を中心とした物語。

上下2巻の大著。

舞台はクメール・ルージュ以前。
シハヌークの圧政下のカンボジアで始まる。

前半、ムイタックの神童ぶりや
ロベーブレソンの奇妙な能力をもった
村人たちが描かれる。

一方、ソリアは、シハヌークの秘密警察により
育ての親を殺されてしまう。

この二人、ムイタックとソリアが
首都プノンペンで偶然出会う。
二人はゲームをして過ごす。

その日。
クメール・ルージュは
首都を陥落させ、シハヌーク体制は崩壊する。
ソリアは窓を飛び出し、クメール・ルージュが
解放した街へと躍り出た。

そこから。
クメール・ルージュの悪夢が始まる。

ゲームをした二人は
それぞれに生き抜く。

大人になった二人は
新たな邂逅を遂げるのだった。

シハヌーク時代から
クメール・ルージュ時代が
奇妙な幻想と現実がないまぜになった
表現で描かれていく。

超能力を持つ人々が普通に描かれる。
どこか歪んだ現実。

ある人は書評で
中南米のマジックリアリズムに
酷似すると語った。
その言を意訳すれば
凄惨な現実に時空がたわみ、
リアリズムを超える描写がなされ、
超能力が現出されたということか。

ともあれ、ファンタジーのような、
ミラクルのような特殊な能力をもった
人々が続々と登場し、
クメール・ルージュの凄惨な現実と対峙する。

そして、後半。
大人になったムイタックとソリアは
お互いを戦う相手としていた。

権力を手中に収めようとしているソリア。
一方、ムイタックは脳科学者となり、
脳波で操作するゲームを開発していた。

そのゲームをキーに、
カンボジアを舞台に
かつての少年と少女は
再び対決しようとしていた。

シハヌークからクメール・ルージュへと続く
カンボジアの凄惨な歴史。

その時代を舞台に
次々と現れる不思議な能力を持った人々。
彼らが淘汰された後に残る
少年と少女のカンボジアの未来をかけた戦い。

リアルとファンタジー。
現実とゲーム。
過去と未来。
さまざまな錯綜が混然一体となって、
整理のつかない、不思議で圧倒的な物語が生まれた。

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2026年07月15日

Posted by ブクログ

急に時代が飛んで驚いたけど、物語がぐっとSFになって面白かった。今の自分と全く異なる価値観を持つ各キャラクターから見た世界の描写を読むのが好きで、特に天才がメインの部分が好きだったので、老成したムイタック視点でのパートも読んでみたかった。
世界観の迫力がすごい。
あとがきの知性と熱量もかっこいい。

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2026年06月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻で出てくるのは、ソリヤの養子、リアスメイ(政治家になるため養子をとった)と、アルン(中古転売屋の養子)、それからテレビ界隈の人と、警察官数人。ポル・ポトが、村人をほぼ全員殺した上巻の終わりから、一気に四十年ほど時間が飛ぶ。ポル・ポトが失墜した国で、ソリアは国を立て直すため総理大臣的ポジションを狙っていて、一方、ムイタックは大学教授になって、ゲームの開発に力を注いでいる。そのゲームの考案者がアルン。

ゲームは対戦型で、特定の感情を抱いた時に出てくる脳波によって、様々な呪文が使えるというもの。感情を抱くことには、記憶が関係している。そこから、逆に、特定の呪文を使わせるために、記憶をプレイヤーの脳内に作り上げるということに成功する(このへんがSF。あまり得意ではないので、完全に理解しているとはいいがたい)。

ムイタックがリアスメイにもちかけたアナログなゲームもなかなか興味を引いた。一方が、19枚の紙に自由に数字を書く。もう一方はそれを一枚ずつ開けていき、運命か抵抗か決める。運命だったらそこでストップ。抵抗だったら次の紙。19枚の中でいちばん大きな数字を当てるというゲーム。

「捨ててしまった九十一について、今でも後悔しています。でも、すべての数字を見なければ、その後悔すら存在しませんでした。」

人生における選択についても、同じことが言える。
対照的な生き方をしたリアスメイとムイタック。しかし互いに互いの、唯一の理解者であった。運命に翻弄された二人が、違う時代の違う場所で出会っていたら、どうだったのだろう。

上下ともに重厚で、内容も難しい。ただ、とても理解しやすく、おもしろく書かれている。カンボジアに起こった悲劇を、このようなフィクションにできるとは。これを読まなければ、わたしはカンボジアについて知らないままだった。小説ってすごいな。

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2026年05月30日

Posted by ブクログ

あれ、中がある????と思ったくらい急に年代が飛んでてびっくり
でも登場人物は変わらず、追加されたキャラクターたちによる物語。
上巻は説明に近かったのかとやっとわかった。
読みやすさ的には自分には合ってたけど読みづらい人もいるだろうな。

ソリヤとムイタック。
太陽と水浴び。
火と水。
対するようで並行なのかもしれない。
彼らのゲームは続く。

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2026年05月19日

Posted by ブクログ

冒頭は上巻から急に時間が経過してる上に予想しなかった方向に話が展開していき少し戸惑った。ポル・ポトの時代終わってるし。
けど作家のストーリーテリングの巧みさでぐいぐい惹き込まれ、登場人物たちの突拍子もない言動に爆笑したり、格言めいた台詞に深く納得したりしながら読み終えた。(ヘモグロビンが殺し屋と戦うところは声出して笑った)
ソリヤとムイタックがもし別のタイミングで、あるいは別の場所で出会っていたらどうなっていたんだろうと妄想するなどした。
ラストがちょっと不完全燃焼感があったので星−1。

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2026年05月07日

Posted by ブクログ

下巻は『記憶』を主軸に話が進んで行く。
上巻のクメール・ルージュの時代からいきなり現代まで時代が進むが、引き続きトンチキな能力者や、変わった奴らが出てくるのでそこら辺は安心してよい。
壮大で予測不能なこの話をどう終わらすのか期待していたが、結末としては至極平凡。
過程がとても面白くて結末が綺麗に締められてるならそれで良しかとも思った。

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2026年04月20日

Posted by ブクログ

これはすごい小説! なんか、安易に感動しようと思って読んだら、がつんとやられた。あとがき(解説)に、驚愕の作り方がかいてあった
読書体験を根底から考え直される作品

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2026年02月26日

Posted by ブクログ

個人的には上巻よりも面白かった。
重畳的に奥深く世界感が構成されており、まとめて一気に読みたい作品(途中で時間が空いてしまうと、この作品の世界から離れてしまい、再び奥深くに入り込むことが難しくなる感覚がある。また、一度奥に入り込んでしまうと中々出てきにくいので、一気読みの方が楽しめるように思う)

著者の一作目、ユートロニカのこちら側に続いて読んだが、確かに指摘されている通り、史実をベースとする展開や狂気を孕んだ人の表現の具体性が、ごつごつとした手触りをもたらし、前作に比べて人工的な洗練さからの脱却が見られて、著者の進化を感じられる。

自分自身が研究者であること、またメカニズムデザインを齧っているということもあり、ゲームの王国という設定自体がより面白く感じられた。

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2026年01月27日

Posted by ブクログ

SF最高!
『三体』でSFの面白さを知って、『ゲームの王国』でやっぱりSFっていいなと改めて思った。
『ゲームの王国』は哲学的な思索に満ちたSFとして非常に面白かった。

「感情とは物語」ってくだりが好き。

キャラ設定はクレイジーでめちゃくちゃ異世界。
私もヘモグロビン改善しようと思う。

ただ、表現の一部には男性作家特有の癖を感じるところもあって、一歩引いて読んだ。
村上春樹的な・・・(個人の感想です。ハルキストの皆様、すみません。)

ポル・ポト支配のカンボジアの悲惨な時代を生き、その後の腐敗した政治を変えるために権力を手に入れようとしたソリヤ。
本当にポル・ポトの娘だったのだろうか。
「世の中を変えるためには、多少の犠牲は仕方ない」といって簡単に人を殺すことができる時点で、ソリヤはポル・ポト側の人間だと思う。

洗脳ゲーム、他人事ではない。怖いね。

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

上巻と下巻でガラッと趣が異なる。

上巻は20世紀のカンボジアの歴史を駆け巡る内容。不安定な政情と政府の弾圧・暴力が容赦無く民衆を攻撃する展開に思わず目を覆いたくなります。多少魔術的な要素を秘めつつも、SF的要素は皆無で、「あれ、この作品、日本SF大賞受賞したんだよな」と思うことしばしば。そんな極めて過酷な情勢下で生まれ育った神童ムイタックと人の嘘を見抜ける不思議な少女ソリヤは運命の糸に絡め取られるように出会い、そして宿命的な決別を遂げます。かなり怒涛の展開のなかで、悲惨なシーンを抱えて上巻は幕を閉じるのですが、下巻はそこから一気に半世紀も時を下ります。
ここからSF的要素が加わってくるのですが、冒頭のとおり、なんというか歴史の一端を垣間見ていた上巻と大きく展開が変わるので、正直、読み進めは戸惑いました。もはや初老に差し掛かったムイタックとソリヤは、それぞれ強い信念を抱えて前進します。ルールのなかで争うムイタックとルールを変える立場に挑むソリヤ。運命に翻弄された少年少女の行き着く先はなんとも悲しい結末。

善悪二元論で片付けられる話ではないのですが、正しい思いで前進するムイタックやソリヤが退場し、ラディーのような性根が腐った人物が蔓延る結末に、物語に対する多少の不満を抱きつつ、なんだか現実を突きつけられているような気がします。また、正しい思いといいつつも、この正しさを盲信する危うさを感じる場面もありました。物語は終盤、ソリヤが取り巻きに対して行った小さな演説に、ポル・ポトを重ね合わせたのは、もしかしたらソリヤが次のポル・ポトになり得るという警告を表しているのかもしれません。
そんな複雑な感情を抱えて読み終えた本書でした。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

1970年代の地獄のカンボジア。
ポル・ポトの支配していた時代を駆け抜ける、史実を元にした物語の下巻。

大量殺戮の季節が生んだ、復讐の誓いと二人の訣別。そこから半世紀後。
政治家となったソリヤは理想とするゲームの王国を
実現すべく権力の頂点を目指す。
一方でムイタックは自身の渇望を完遂するため、
脳波測定を使用したゲーム『チャンドゥク』の開発を
早熟な少年アルンと共に進めていた。
過去の物語に呪縛されながらも光ある未来を
希求して彷徨うソリヤとムイタックが最後に手にしたものとは。

壮絶な歴史を描いてきた上巻とは打って変わって、
いきなり物語は50年後の現代、そして一気にファンタジー感を増す。
思ってもみなかった展開に最初は拍子抜けしたが、
根本は一応変わってはいなかった。
ゲームの王国というタイトルから想像できる内容になってきた。
それはつまり予想ができてしまう物語ということなのだが。

上巻の圧巻的な内容からは少し薄味かなという印象。
この下巻に記された物語をメインとして考えるならば、
上巻はそのためのセットアップといったところか。
だが、そのセットアップが歴史も相待って強烈過ぎたところが
下巻に対する評価の分かれ目だったのかもしれない。
とは言え、これだけの重厚な物語を
日本人の作家が描ききったという点は賞賛に値すると思う。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

クメール・ルージュへの迫害から、そのクメール・ルージュによる大虐殺までが描かれていた上巻は打って変わって、下巻では、2000年ごろから現代にかけてを舞台に、いまだ腐敗が続くカンボジアを救うために権力を求め、首相をめざすかつての少女ソリヤと、ソリヤが権力の中枢に近づいていく過程で、村の仲間や両親を見殺しにされたかつての天才少年ムイタックが(間接的に)戦う話が中心になっている。

ソリヤはカンボジアを救うという大きな正義を実現するため、腐敗した現実という「ゲーム」の中で権力を得ようとする。つまり、現実を操る。
一方、教授となったムイタックは、そんなかつての少女に対抗するヒントを、脳波を用いて仮想現実で戦う「ゲーム」に見出す。その「ゲーム」とは、プレイヤーは勝つために楽しい記憶を呼び起こすことが必要となるゲームで、開発が進むにつれて、人間は記憶を偽造することができると気づいた彼は、ゲームのクリア条件に絡む形で、プレイヤーがソリヤへのマイナスイメージを持つような記憶を偽造するように仕向けることでソリヤの支持率を下げ、彼女に勝とうとする。

最後は、現実と仮想現実それぞれの「ゲーム」で勝利をめざす彼らが互いに、子供時代の1日だけ一緒に「ゲーム」をしたことをかけがえのない思い出にしていることが描かれて、物語は終わる。

話の内容や登場人物の魅力だけでなく、さまざまな視点から作品世界が重層的に語られたり、「ゲーム論」「国家論」のようなものが散りばめられていたり、カンボジアの歴史について、おそらくかなりきちんと取材されたものが描かれていたりと、読むことの快感を味わうことができる作品だった。

上巻の感想にも書いたが、「テスカトリポカ」以来の興奮が得られた読書で、並べるのは両者に失礼かもしれないが、自分の中ではかなりイケてる。

「地図と拳」も気になっていたので、近いうちに読みたい。

※ 何人かの方の感想で「あとがきがよかった」とあるが、自分が読んだのは文庫版ではない。ハードカバーのバーコードが読めなかったので文庫で登録した。

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2025年03月29日

購入済み

人とルール

カンボジアの歴史。ルールをここまで大胆に根底から覆すゲームは、聞いたことがなかった。そこにどんな崇高な理念があっても、他者を踏みにじるルールが人々に受け入れられるはずがない。過去の日本にも通じるものがあると思う。
ルールは平等をもたらしても、自由を損なう。自由と平等のバランスは集団生活の永遠のテーマなのかもしれない。
個人的には、ルールは誰かから与えられるものではなく、一人一人が育んだものを持ち寄って作れたらと考えるが。

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2021年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

下巻は突然現代になり、戸惑いつつ読み終わった。
ポルポトの娘かもしれない、という設定部分の話が、思ってたより広がらなかったのは少し残念だった。でも読み応えがあった。

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2026年07月06日

Posted by ブクログ

クメール・ルージュから約50年後。
2023年に時代は一気に進む。
ソリヤは首相目指す国会議員に。
一方、ムイタックは大学教授として、脳波を利用したゲーム開発を進めている。
ムイタックは、復讐を誓っていたにもかかわらず、ゲーム開発⁇
『チャンドゥク』で最後に2人が…

長かった…
いきなり50年後とは…
ポル・ポトをソリア、ムイタックがどう打倒していくのかと思っていたが、いきなり近未来の2023年。

上巻とはまったく別物…
上巻の流れで来てくれた方がうけいれやすかったかも…

ゲームそのものが目的であれば、みんながルールを守るはずだろう。
ムイタックは、ゲームが目的でなければ、みんながルールを守ることは難しいと考えていたのだろう。
ポル・ポトがルールを守らないなら、学校をなくしたように…

ソリヤは、どういう社会を目指していたのだろう…

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2026年02月21日

Posted by ブクログ

上巻はじっくりと、カンボジアの歴史なんかも検索しながら読み終え、期待しながら開いた下巻。「あれ?世界観が違う?」先が気になる展開には変わりないけど、私には理解するのが難しかった。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

ムイタックとソリヤの関係性というテーマは綺麗に解決して終わったと思うんだけど、それ以外の全てが取っ散らかしっぱなしで終わった感じ。架空戦記じゃなくてSFだったってのも嬉しさより落胆のほうが勝った。出てきた様子のおかしい人たちも雑に死んだり放置されたりでもやもや…… 不思議と読後感は悪くなかったけど、うーん……

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2025年12月16日

Posted by ブクログ

下巻…いきなり現代に切り替わり、日本人も出てきて「おぉ」と期待しながら読み進めたが、絡む事なくそのままカンボジア舞台の話が続く。上巻であれだけ面白かった場面展開や登場人物も下巻も同じパターンの踏襲にやや食傷気味に。ハッピーエンドは期待してないものの何か報われる、救われる登場人物がいても良かったような。ちょっと読むのが辛かったです。

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2025年02月09日

Posted by ブクログ

小川哲さん「ゲームの王国」下巻

上巻から一変して現代の話がメイン。
上巻では「ゲームの王国」というタイトルの持つ意味が曖昧なものだったが下巻で明らかになっていく。

結果から書くと自分にはあまりはまらなかった。物語の中盤から後半にかけて面白味が得られなかった。
下巻の最初の方で展開と結末の予想ができてしまいその予想通りで終わってしまった。

もっとラブロマンスが深くてもよかったと思うし、逆に敵対するならばもっと敵対してもよかったのでは?という読後感が残る。
この作品の本質的な部分は何だったのだろうか?
独裁者、政治、国家、汚職、人命、人権等のテーマが空回りしていく。
そもそもこの作品はそういうものがテーマではなかったのかもしれないと思うほどほとんどが触れているだけで深く読み取る事ができなかった。

登場人物も非常に多く、関わってくる人間も多い。しかしその大半の人々に重要性が特別感じられなかった。あの人は何の為に登場したのだろう?という疑問が幾人にも残る。誰もが関わってくるようなもっと複雑な世界観を期待しすぎてしまったのかもしれない。

SF系の作品と言われればそうなんだと思うが、魔術的なオカルト色が濃くSFとも違う感覚を抱かされる。その辺りは好みの問題なのだが、上巻の史実全開の流れの継続され展開された下巻が読みたかった。本当に一変してしまい別の作品を読んでいるのか?と思うくらいだった。

「地図と拳」も読もうと思っていたが一旦白紙に。今は読みたいと思えなくなってしまった。時間をおいてから読む機会をうかがいたい。

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2024年11月05日

Posted by ブクログ

2024年 31冊目
上巻に続き、個性的なキャラがゲームや政治をテーマに駆け引きを繰り広げ、一冊読み上げるのになかなかの重厚感があった。あとがきが著者らしくて好印象だったものの、ちょっと読み疲れた。

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2024年11月04日

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