【感想・ネタバレ】ゲームの王国 上のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年02月28日

ポルポト政権下の自国民大虐殺時代をベースに、史実とフィクションを織り交ぜた歴史長編にしてSF作品。カンボジアについての知識はほぼなく、これが本当に起きたことなのかと目を覆いたくなる。相手の真実を見ることができるソリヤ、天才ムイタック、二人の出会いはカンボジアの革命期に何をもたらすのか。
グロいシーン...続きを読むや凄惨な出来事が随所にあるが、小川哲さんの軽やかな文体でグイグイ読んでしまう。この作品は大量の取材による裏付けと、圧倒的な想像力が相まった傑作だ。
伊藤計劃さん以降、日本のSFは新たな段階に入ったように思える。

1

Posted by ブクログ 2024年05月09日

全編にわたって著者の初期衝動が爆ぜまくっていて、一気に読みました。

昔、仕事でポルポトやクメールルージュのことをかなり調べました。

資料的な理解が進めば進むほど、理解の本質からは遠のく違和感がずっとあった。こういう時代だったとは頭でわかる。けれど、人々の息遣いや、緊張感や、死は、どうしても質量を...続きを読む伴って身体に落ちてこなかった。

あのとき、この本が世の中にあったら良かった。

いつだって、胸を刺すのは誰かの人生の物語。

多くの生きる喜び、死への痛みに刺され続けた上巻でした。

下巻も楽しみです。

0

Posted by ブクログ 2024年03月09日

カンボジア独裁政権下を知略・運・不思議な才能等持てる力を駆使して生きた人々の物語。前編。

平和な日本にいる身にはファンタジーに感じられるほど個人の権利、生命が脅かされる様子が淡々と描かれている。さっきまで笑ったり将来を憂いていた人物がほんとうにあっけなく死ぬ。たった一手間違えたがために局面が悪くな...続きを読むって死ぬ。真実のデスゲーム。

0

Posted by ブクログ 2024年02月14日

何かの書評をみて、何気に買ってみた本。ジャンルはSF?小説?とにかく引き込まれました。話の内容は、想像と全く違う笑 ポルトガルについて全くの無知!なので、頭が追いついていかない、、、でも途中から、どんどん進む速さが速くなります。

カンボジア
ポルポト
革命
聞いたことあるけど、全く知らない世界の話...続きを読む
でも、それは確かに存在した事実が含まれていて
事実の上の物語だからこそ、現実に
重ねることができたと思う。

人生で、カードを最後まで引き続けるのは
怖いことだし後悔することもあると思うけど
引かないとそれもわからない
人生のルールは、つくられてるけれど
つくってもいける
自分の物語は、あるようでない
覚えてるようで不確かで作り上げてるものかもしれない
人生は勝ち負けじゃないけど、なにかを勝ちとして、何かを信じて生きていくしかないんだと思う。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年02月08日

Audibleで聴いた。

登場人物が多くてカタカナなので、最初の方は誰が誰だったかわからなくなりかけたが、紙の本で確認しながら聴いた。
面白い!
でも残酷なシーンが多いので、映像化したら楽しめないと思う。
理不尽に殺されてしまう、ゲームのような世界。
ソリアとムイタックという2人の天才が、これから...続きを読むどのようにカンボジアを変え、戦って行くのか下巻が楽しみ。
最初はこの2人は協力関係になるのかと思っていたが、上巻の最後で敵対関係になったのが意外な展開だった。
他にも、面白いキャラクターが沢山出てきて、面白かった。輪ゴムとか。

0

Posted by ブクログ 2024年01月28日

政治とは何か? 正義とは何か? 思想とは何か? 思考とは何か? 生き残ることと勝つことは同義なのか?

強者が弱者に、弱者が強者に、一瞬で替わる時代。

本当の強さとは何か? 答えは存在するのか?

すべてが混沌と暗澹に包まれた世界。

0

Posted by ブクログ 2023年11月03日

理想に向かって革命を起こしたのに、理想通りに行かない、理想通りにいかない理由を読み違える、その結果、革命前と変わらなかったり、かえって悪くなることがある。

どこまでがノンフィクションで、どこからがフィクションなのか、無知な私には良くわからなかった。

下巻の展開が楽しみ。

0

Posted by ブクログ 2023年08月02日

シハヌークからロンノル、そして革命により誕生したポルポト政権。
移りゆくカンボジアの情勢を史実とフィクションを混えて描かれた作品。

これスゴい、、
まだ上巻だけど、めちゃくちゃ読み応えあって引き込まれた。

ポルポト政権って言葉は聞いた事あったけど、無知で詳しい事は全く知らなかった。
歴史に残る独...続きを読む裁政治家。
だけどこれって1970年代の話で、そんなに昔ではないという事が衝撃だった。
凄惨で痛ましい描写にゾッとしながらも、混じえられた個性的なキャラの魅力にクスっと和まされたり、嫌になる事なく夢中で読み終えた。

上巻の話の軸になってたソリヤとムイタック。
2人のこの先が気になる。
下巻が楽しみ!!

0

Posted by ブクログ 2023年07月21日

胸が詰まる怒涛の展開。
共産主義のイデオロギー暴走をつぶさに描いておる。
奇抜なキャラ多いけど、何か絶対的なものに縋って生き抜くしかない人間の脆さをひしひしと感じる。

では下巻へ。

0

Posted by ブクログ 2023年06月01日

小川さんの文章はこの本の上巻の中のものが一番良いと思う、特に序盤、小市民の日常が暴力で理不尽に引き裂かれるところがほんとに恐ろしい

0

Posted by ブクログ 2023年04月24日

最高だった。
まずはヤバすぎるカンボジアの歴史を学べたこと。
概略程度の知識しかなかったポルポトあたりのカンボジアの悲惨さがリアルに描写されていた。
知的興奮が味わえて、裏切りの連続で物語としてめちゃめちゃ面白く、それに作者独特の淡々とわけのわからない話を魅力的に展開していく力が融合して、新感覚を味...続きを読むあわせてくれる作品だと思う。
新感覚すぎて途中何回か「これなに?」って思うかもしれないけど、読み切ってほしい作品。
泥が無双するところとかポカーンとしてしまった。

0

Posted by ブクログ 2023年01月23日

「共産主義を知りたければカンボジアを知れ」と直接言われた事があって、カンボジアの歴史を調べてみた事があった。
狂気と残虐が度を超えていて共産主義を知るどころの話ではなかった。
物語はその歴史の中の話で、登場人物の名前が覚えにくい事以外は文句の付け所がなく上巻を読み終えた。
上巻を読み終えて、この本が...続きを読む日本SF大賞と山本周五郎賞を受賞している事を思い出して、今の所SF要素が皆無だと気付く。
表題の理由も含めて続きがめちゃくちゃ気になる。

0

Posted by ブクログ 2022年11月19日

登場人物が多いので、何度もこの人誰だっけと説明を見返し、えっこの人が死んでしまうのと恐れ慄きながら読んでいました。

戦後のカンボジアの歴史やカンボジア難民については覚えていたようで覚えていなくて、今更ながらクメール・ルージュとかポル・ポトについて調べ直したりしながら手に汗握って読みました。

いつ...続きを読むの時代も結社や宗教には内ゲバや粛正があり、その中を命をかけて逞しく生きて行く登場人物に感情移入しながら読んでいました。

シリアスな話にも関わらず、ところどころ超能力を持つ人物がいたりしてそこも面白かったな。

自分がこの時代のカンボジアに生きていたらあっという間に殺されていたなと思いながら、この時代の理不尽かつ狂気に満ちた殺戮に怒りを覚えたのに、現実世界で起きている同様の出来事には完全な他人事と受け止めていた自分自身に気づいてなんとも言えない気持ちにもなりました。

正しい考えが正しい結果を生むわけではない。政治とは正しい考えを競うゲームではなく、正しい結果を導くゲームだ。

0

Posted by ブクログ 2024年04月19日

舞台は1956年〜1978年のカンボジア。ポル・ポト率いるクメール・ルージュの誕生から支配までを背景に、一市民や秘密警察官、クメール・ルージュ幹部など視点を変えながら、その時代を描く。

クメール・ルージュのことは概要しか知らなかったものの、著者がまるでこの土地、この時代を生き自身の目で見たのではな...続きを読むいかと思うほど情景が精緻に描かれており、殺戮や拷問などのおぞましいシーンがありつつも(とはいえそれほど長くもない)、引き込まれるように読んだ。

中には、輪ゴムで未来を予知する村人や、泥を操れる村人など特殊能力を持った人物も出てくるが、さほど物語に重大な影響を及ぼすのでもなく、個人的には余計に感じてしまった。本の紹介にSFとはあるものの、SFと呼べそうな要素は上巻を読んだ限りではこれくらいで、歴史小説という方が近い。

一方で、下巻は少し開いて見た限りではだいぶ雰囲気が変わりそうな感じもする。引き続き期待。

0

Posted by ブクログ 2024年02月11日

理解力・思考力が低いわりに傲ってて会話が通じない年配との会話の解像度があまりに高くて笑ってしまった。綺麗事ではどうにもならないODAの難しさ。
そんな農村でのムイタック・ソリアの邂逅、徐々にタイトルの「ゲーム」の意味が判明してくる過程は興奮した。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年12月06日

「そんな人いないだろ」と思うというより、神話的に受け入れることができる人物描写。
コメディかと思うような文章の後にシリアスな場面がサラッと描かれるのがさらにそのシリアスさを増す。
理屈にならない理屈が罷り通っていた時代に、天才同士が邂逅を果たす。

0

Posted by ブクログ 2023年10月10日

上は面白かった。カンボジアの歴史という、あまり知らない知識に触れられた。
社会描写はある程度史実に基づいているらしいのに、天才児ムイタックや、輪ゴムから未来を予知するクワン、土を自在に操る泥、など不思議で強烈なキャラクターが出てきて、マジックリアリズムを感じさせた。
翻訳された外国文学を読んでいるよ...続きを読むうな気がした。
SFかどうかは別にどうでもいい。

0

Posted by ブクログ 2023年10月11日

シハヌーク〜ロン・ノル〜ポル・ポト。時代背景は大虐殺があったカンボジア激動期。理想の王国の建設、渦巻く知略謀略、特殊能力を持った子どもたち…なるほど、後の「地図と拳」「君のクイズ」の原点とも言えるような要素があちこちに見受けられ、引き込まれた。上巻はSFというより歴史小説。

0

Posted by ブクログ 2023年08月14日

ポル・ポト、クメール・ルージュについての話ということだったので前もって歴史をおさらいしてしまい、どんよりとした気分で読み始める。
史実、ノンフィクションに近いと思われる部分にはやっぱりどんよりしつつ、突然能力バトルみたいな話になって唖然としたり、ムイタック、ソリヤがその才能の片鱗を見せつける場面には...続きを読むワクワクしたり、そして上巻ラストではうわー!ってなったり…感情揺さぶられまくりながら下巻へ続く。
…下巻1ページ目、どういうこと!?

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月20日

1970年代のカンボジア暗黒時代を舞台にした物語。
腐敗した王族の専制、資本家の搾取、秘密警察の暗躍。
こうした腐った社会を打ち倒すために反政府革命を目指したはずだったが、革命の理想は曲解され、社会はより一層荒廃し、事実無根の罪で大量の人が軽々と殺されていく。

愚かさと理不尽さと残酷さが執拗なまで...続きを読むに描かれ、タイトルの「ゲーム」とはほど遠い展開が続く。どこにゲームっぽさがあるんだろうかと思いながら読み進める。

中盤くらいになって、やっと「ゲーム」の意味が分かってくる。この物語におけるゲームとは、「複雑怪奇なルールの下で、一つでも違反をすれば殺される命賭けのゲーム」であり、理不尽な社会の下で生き残るためのゲームだった。

世界のあちこちで、密告と疑心暗鬼と殺戮による支配が繰り返されてきたのかと思うと、人間の愚かさにウンザリしてくる。国ガチャと時代ガチャのハズレはキツい。個人の力ではなかなかどうにもできない。
「最も高い理想を掲げている人が最も残酷なことをする」という言葉が重い。下巻で救いはあるんだろうか。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年03月17日


 全く先入観の無い状態から始めた。読み始める前はタイトルからはルノワールの映画「ゲームの規則」か、レディープレイヤーワンみたいな小説かなと想像していたけど、話はいきなりカンボジアに行くのだ。しかも主人公はサロト・サル。この名前を知っているのであれば、それはカンボジア通だろう。そして彼のある気づき、...続きを読む「結局のところ、権力を握った者が全てのルールを決めるのだ」ということになり、サロト・サルがぎその後の共産党内での議論を操っていくプロセスが描かれていく。そして彼にとっての「カンボジアを正しい形に直すのだ」という決意となる。ゲームのルール「規則」というキーワードが早くも出てくる。
 それからはプノンペンの家族描写。アモックという食事がご馳走ということで早速作ってみたが、レモングラスの香りのついたスープカレーと感じたけど、インドのカレーと同様沢山のバリエーションがあるらしい。2章にもストーリーの全体に影響する女の子が登場する。 その名前はソリア=太陽らしい。
 次第に現政権の恐怖政治からポルポト時代に入っていく。それは生きるか死ぬかのゲームとなっていく。警察内部での密告である捜査官が「それでもこのゲームであなたが負けたことに変わりはありません」。
 プノンペンを離れ話はカンボジア奥地の開墾地に飛ぶ。ポルポト時代にはプノンペンの人びとは皆田舎に送られ農業に従事することでユートピアが作れると信じられたからだ。 
登場人物が急に増えて混乱を来たしそうになるが、ロベーブレソン村は、人物の宝庫。石と会話したり、輪ゴムで未来を予測したり、荒唐無稽な人物がか活躍する。そしてこの世代が、彼らが遊ぶ鬼ごっこでも「ダメだよ、ゲームなんだから、ルールは守らないと」と、ゲームの規則が言及される。
この本の主題はタイトルの通り「ゲーム」そのもの。一方クメール・ルージュの革命は「みんなが決めたルールの中で勝つっていう、なんというかゲーム的な行為ではなくて、そもそもそのルールの外からルール変更を押し付ける」もので、「世の中がうまくゲームのようになっていければいいんだけど」という2巻のテーマが提示されていく。
引き続きポルポト政権の中で、人物がそれぞれ「自分の生死を分けるクイズ」を乗り越えたり、失敗して殺されたりしながら、2巻への導入部となっていく。

 この本はゲームのルールと政治のルール、を対比させつつ、共通と差異を繰り返しながら、物語を作っている。作中人物は「地図と拳」と同様たくさん。「地図と拳」が満州あるいは「土地」が主人公だとすれば、こちらは「ゲーム」が主人公のようだ。
 ポルポト政権自体が私が生まれる前後の話であり、カンボジアの位置ですらタイとベトナムの間にある国というイメージしか持っていなかった私には学びは多かったかな。

0

Posted by ブクログ 2023年03月13日

シアヌーク政権下の腐敗、ポル・ポト政権下の非道が実感される。
国は違っても同様の悲劇が繰り返されるというのは、共産党支配の本質とも思える。
体制派でも非体制派でも生き残り自体が困難な状況で、話はどう展開していくのか。

0

Posted by ブクログ 2023年03月07日

つらく。かなしく。やるせない。
酷い歴史の惨劇の中、そのドラマをきちんとエンタメとしても成立させている良作です。
まだ上巻しか読んでいませんが、上巻最後は涙なしには読み終えれません。。。

0

Posted by ブクログ 2023年02月15日

この本を読んでいる時、著者の『地図と拳』が2022年後半期の直木賞を受賞したとのニュースに接しました(1.19)。作品の構成?が『ゲームの王国』と似ているみたいなので、楽しみです。

0

Posted by ブクログ 2023年01月08日

カンボジアの歴史を舞台にし、一部史実も盛り込んだフィクション小説。上巻は、カンボジアで共産党(ポルポト)が権力を握り革命を起こすまでを、ソリヤとムイタックの二人の主人公やそれを取り巻く人々とともに描写している。
二人の天才はクメールルージュの革命の日に出会い、ゲームに興じる・・。特殊能力をもった様々...続きを読むな人物が登場するが物語の大筋とはあまり関係ない。

0

Posted by ブクログ 2022年12月27日

久しぶりにノンフィクション物を読んだ気がする。
ポルポトの事はサラッと書かれてて、それを取り巻く時代背景が主に。
2人の主人公(恐らくフィクション)がこれから下巻どうなっていくのか楽しみ。

0

Posted by ブクログ 2022年12月25日

カンボジアの残虐な歴史(シアヌークの赤狩り、ロンノル政権の腐敗、クメールルージュ・ポルポトの反対派・知識人虐殺)を背景に、育ての親を無実の罪で殺されたソリヤと貧村ロベーブレソンの天才ムイタックの生い立ちを描く。SFだと思っていたが、上巻はあまりSF感がない。神のおつげで歌手になった鉄板、土と会話でき...続きを読むる泥、輪ゴム占いのクワンの話がSF的だが、それよりも秘密警察の残酷さ が生々しく、こんな国に生まれなくてよかったと思いながら読んでいた。登場人物が次々と舞台を去り、上巻の最後には大量虐殺が行われた。このあと 物語はどのように続くのだろうか?

0

Posted by ブクログ 2024年05月05日

2024年25冊目
山本周五郎賞を受賞された本作の上巻。それぞれのキャラを覚えるのに苦戦したが、共産主義の世界を理解するのに非常に良い一冊。まだ話の途中なので、トータルの評価は下巻で。

0

Posted by ブクログ 2024年03月30日

山本周五郎賞というか手の香りをよく理解していないから、この作品が合致していることを極めるために取り組んだ。
しかもSFは好みじゃないというハンデもおまけで。

ポルポトは世界有数のジェノサイドの現場・・キリングフィールドを観た記憶が長い時間を経ても離れない悍ましい出来事。

SF作品とうたっているも...続きを読むのの、情感を終えた時点ではその匂いは薄く、むしろ、子供を取り巻く世界の惨さと聡明な子供らが浮上する絵図がゲーム感覚のように映るイメージ。ムイタックは水浴び、プックは泥、クワンは輪ゴム、綱引きで運命が切り開けていったマットレスという大人も登場し、どんどん世界観を掴めなくなっていく。
その合間で虫けらのようにあっという間に殺されて行く人間の存在。
時代は1956~1978  世界的に再貧困の層に属するといわれてきたカンボジアが宗主国 フランスから独立し 独裁君主シアヌーク~アメリべったりの腐敗政権ロンノル~そして中国から教示を受けたポルポトへ猫の目の様にトップが変貌していった時間。

クメール・ルージュ・・時間的に世界が共産主義哲学、思想に染まって行ったエリアが増えた時間である。
名を隠し、愛称ポルポトで終始し、最後までなぞと言われた彼・・作品ではサロト・サルで登場。
思想 哲学 倫理 ヒューマニズム 正義 腐敗 …通常頭にあるそれらの語彙が本来の意を持っているか否かすら揺れ動く場面が連続し、結局 下巻への展開に繋ぐ。
ただ、リアとムイタックは目指す方向は同じながら相克の関係に流れていきそうな感じ。

0

Posted by ブクログ 2023年07月17日

小川哲さんの本はこちらが初めて。話題になっていたので、いつか読みたいと思っていたのですが、長編がよいかなと思い、プノンペンもシェムリアップも行ったことがあったので、親近感が湧いたこちらの作品を選びました。

上巻を読んでの率直な感想。

・なんとなくクメールルージュについて知っていても、なかなかつい...続きを読むていくのが大変。背景知らずに読んだらきっと話についていくのが大変そう。
・馴染みのない名前の登場人物なので、ついていくのが大変。
・かつ50年前のカンボジアを舞台としているため、登場人物に感情移入しにくい。はたして当時の人らはこういう行動をするのだろうか。
・内戦だけあり、状況はかなりグロい。気持ち良くは読めないので覚悟して。
・長い。
・ある程度史実に基づくのか、完全なフィクションなのか。
・ただキャラクターがとても個性的で活き活きと描かれていて、引き込まれるストーリーラインも上記の点を補っている。

0

「SF・ファンタジー」ランキング