【感想・ネタバレ】ゲームの王国 上のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

Audibleで聴いた。

登場人物が多くてカタカナなので、最初の方は誰が誰だったかわからなくなりかけたが、紙の本で確認しながら聴いた。
面白い!
でも残酷なシーンが多いので、映像化したら楽しめないと思う。
理不尽に殺されてしまう、ゲームのような世界。
ソリアとムイタックという2人の天才が、これからどのようにカンボジアを変え、戦って行くのか下巻が楽しみ。
最初はこの2人は協力関係になるのかと思っていたが、上巻の最後で敵対関係になったのが意外な展開だった。
他にも、面白いキャラクターが沢山出てきて、面白かった。輪ゴムとか。

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2024年02月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「そんな人いないだろ」と思うというより、神話的に受け入れることができる人物描写。
コメディかと思うような文章の後にシリアスな場面がサラッと描かれるのがさらにそのシリアスさを増す。
理屈にならない理屈が罷り通っていた時代に、天才同士が邂逅を果たす。

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2023年12月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1970年代のカンボジア暗黒時代を舞台にした物語。
腐敗した王族の専制、資本家の搾取、秘密警察の暗躍。
こうした腐った社会を打ち倒すために反政府革命を目指したはずだったが、革命の理想は曲解され、社会はより一層荒廃し、事実無根の罪で大量の人が軽々と殺されていく。

愚かさと理不尽さと残酷さが執拗なまでに描かれ、タイトルの「ゲーム」とはほど遠い展開が続く。どこにゲームっぽさがあるんだろうかと思いながら読み進める。

中盤くらいになって、やっと「ゲーム」の意味が分かってくる。この物語におけるゲームとは、「複雑怪奇なルールの下で、一つでも違反をすれば殺される命賭けのゲーム」であり、理不尽な社会の下で生き残るためのゲームだった。

世界のあちこちで、密告と疑心暗鬼と殺戮による支配が繰り返されてきたのかと思うと、人間の愚かさにウンザリしてくる。国ガチャと時代ガチャのハズレはキツい。個人の力ではなかなかどうにもできない。
「最も高い理想を掲げている人が最も残酷なことをする」という言葉が重い。下巻で救いはあるんだろうか。

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2023年06月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ


 全く先入観の無い状態から始めた。読み始める前はタイトルからはルノワールの映画「ゲームの規則」か、レディープレイヤーワンみたいな小説かなと想像していたけど、話はいきなりカンボジアに行くのだ。しかも主人公はサロト・サル。この名前を知っているのであれば、それはカンボジア通だろう。そして彼のある気づき、「結局のところ、権力を握った者が全てのルールを決めるのだ」ということになり、サロト・サルがぎその後の共産党内での議論を操っていくプロセスが描かれていく。そして彼にとっての「カンボジアを正しい形に直すのだ」という決意となる。ゲームのルール「規則」というキーワードが早くも出てくる。
 それからはプノンペンの家族描写。アモックという食事がご馳走ということで早速作ってみたが、レモングラスの香りのついたスープカレーと感じたけど、インドのカレーと同様沢山のバリエーションがあるらしい。2章にもストーリーの全体に影響する女の子が登場する。 その名前はソリア=太陽らしい。
 次第に現政権の恐怖政治からポルポト時代に入っていく。それは生きるか死ぬかのゲームとなっていく。警察内部での密告である捜査官が「それでもこのゲームであなたが負けたことに変わりはありません」。
 プノンペンを離れ話はカンボジア奥地の開墾地に飛ぶ。ポルポト時代にはプノンペンの人びとは皆田舎に送られ農業に従事することでユートピアが作れると信じられたからだ。 
登場人物が急に増えて混乱を来たしそうになるが、ロベーブレソン村は、人物の宝庫。石と会話したり、輪ゴムで未来を予測したり、荒唐無稽な人物がか活躍する。そしてこの世代が、彼らが遊ぶ鬼ごっこでも「ダメだよ、ゲームなんだから、ルールは守らないと」と、ゲームの規則が言及される。
この本の主題はタイトルの通り「ゲーム」そのもの。一方クメール・ルージュの革命は「みんなが決めたルールの中で勝つっていう、なんというかゲーム的な行為ではなくて、そもそもそのルールの外からルール変更を押し付ける」もので、「世の中がうまくゲームのようになっていければいいんだけど」という2巻のテーマが提示されていく。
引き続きポルポト政権の中で、人物がそれぞれ「自分の生死を分けるクイズ」を乗り越えたり、失敗して殺されたりしながら、2巻への導入部となっていく。

 この本はゲームのルールと政治のルール、を対比させつつ、共通と差異を繰り返しながら、物語を作っている。作中人物は「地図と拳」と同様たくさん。「地図と拳」が満州あるいは「土地」が主人公だとすれば、こちらは「ゲーム」が主人公のようだ。
 ポルポト政権自体が私が生まれる前後の話であり、カンボジアの位置ですらタイとベトナムの間にある国というイメージしか持っていなかった私には学びは多かったかな。

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2023年03月17日

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