小川哲のレビュー一覧

  • 君が手にするはずだった黄金について
    スリルがあるわけでもなく、切なさで押し潰される訳でもないのにこんなにも面白い、面白すぎるって……もっと読んでいたい
  • 地図と拳
    直木賞受賞だからってより、ミステリガイドとか、色んな書評で推薦されているのを見るにつけ。ボリューム感に一瞬怯むけど、”ゲームの王国”もたいがい超大作だった訳だし、まあこんなもんか。で、自身の印象としては、超大作同士でもこっちがだいぶ上。作者のこなれもあるのかもしれないし、こっちの舞台のが理解しやすい...続きを読む
  • 君が手にするはずだった黄金について
    短編エッセイのような小説?
    主人公の考え方は、
    自分にとっては「考えたこともないけど言われてみれば確かに共感できる」ものだった。

    短編それぞれが著者の実体験から生まれたものだとしたら、
    まず昔の出来事やそこでの自分の思考をよく覚えてることにまず驚き。
    常に何らかの思考や自問自答を続けている人である...続きを読む
  • 君が手にするはずだった黄金について
    どうしよう、すごく好きな文章だった。

    エッセイのような短編集で、淡々としてるんだけど、わたしは時々胸が熱くなりました。

    手元に置いておきたいなぁ。
  • 君が手にするはずだった黄金について
    好きでした。

    小説家の主人公の短編小説集。人生の中でやはり題材、というものに溢れていますが、その選別、組み立てが小説家なんだなと改めて思いました。
    点と点を結び合わせる小説家の頭の中をのぞいたような気がしてとても面白かった。
    内容はそんなことないのですが、物語を読んでいると、不思議とポップというか...続きを読む
  • 君のクイズ
    読み始めたら止まらず一気読みのエンターテイメント。超難問の早押しクイズ番組を題材にしたこの小説はミステリーとしても面白いが小説自体がクイズ番組のような、いやそれ以上のワクワク感があった。そういえば最近東大王はあまり面白くないなあとか思い出したりして、リアル感もありでまさに今どきの小説、今読んでおいて...続きを読む
  • 君のクイズ
    面白かった~。自分がこのクイズに参加しているかのように感じられて、ドキドキワクワクしながら読み進められる。清涼院流水『全日本じゃんけんトーナメント』にちょっと似ている印象。それにしてもクイズは奥が深いということが分かった。メインの謎がラストで解明されて三島とともにスッキリできる。
  • 君のクイズ
    クイズに対する考えが変わった。
    知識だけでなく駆け引きや戦略、出題傾向などあらゆる技術を駆使して勝負に挑む。そのクイズの奥深さに感銘を受けた。

    ミステリーを介してクイズの奥深さを紹介するだけでなく、"人生とは"を問う最後のオチも良い意味で裏切られ、自分の中ではスッキリした終わり方だと感じた。


    ...続きを読む
  • 君のクイズ
    クイズプレイヤーやクイズにおける戦い方について、知ることが出来る小説でした。

    分かったからボタンを押すのではなく、分かりそうだからボタンを押す。恥を捨てる。というクイズへの向き合い方を知り、勉強になりました。

    相手に対して偶像を作り崇めてしまうという言葉にハッとしました。
  • 君のクイズ
    189ページ
    1400円
    2月29日〜3月1日

    優勝賞金一千万円のクイズ番組の決勝で戦うことになった僕と本庄絆。最終問題で本庄が問題が一文字も読み上げられていないのに正解して優勝した。これは果たして、魔法なのか、やらせなのか。僕は本庄絆について調べ始める。

    問題が一文字も読み上げられていないのに...続きを読む
  • 嘘と正典
    短編小説集とは知らず
    ゲームの王国を読んで以来、小川哲さんにひかれ
    全部読みたいと思って購入しました。
    6作品いろんな顔をもつ話で
    こんなにあちこちからよく思いつくなー
    と本当に感心しました。

    どこか哲学的であるところ
    哲学や、外国の話が日本人が書くから
    読みやすいのも魅力ではないでしょうか?

    ...続きを読む
  • 地図と拳
    読むのに大変体力が必要。満州国のことを知らなかった世代としては勉強にもなったし、なぜ中国で日本の製品のバッシングが定期的に行われているのか、などその起源を知ることができる。勉強になるという以上に物語としての完成度、かっこよいセリフ、没入させる作者の技術、どれをとっても最高傑作に違いない。この年度では...続きを読む
  • 地図と拳
    皆かっこよくてそして虚しい。
    皆が時代の被害者で、構成者だった。
    読み終わって思わず仙桃城って調べちゃった
  • 地図と拳
    出た時から気にはなってたものの文庫待ちしてたところで古本屋で見つけたんで買ってみた。
    架空の都市を舞台にした満州国偽史大河小説。序盤はハード目のスパイ小説っぼさもあり、一つの街の物語って点では「百年の孤独」みたいな雰囲気もあり、600ページの物量を飽きさせない力量さすが。
  • ゲームの王国 上
    カンボジア独裁政権下を知略・運・不思議な才能等持てる力を駆使して生きた人々の物語。前編。

    平和な日本にいる身にはファンタジーに感じられるほど個人の権利、生命が脅かされる様子が淡々と描かれている。さっきまで笑ったり将来を憂いていた人物がほんとうにあっけなく死ぬ。たった一手間違えたがために局面が悪くな...続きを読む
  • 君のクイズ
    クイズという近年注目を増している題材に
    業界の闇、クイズプレイヤーの心理、そしてビジネス全てが一つの本に上手く組み込まれている。一見ミステリーではないのに、読んでいて真相は何なのかワクワクする感じが新感覚のミステリー。とても面白かったです
  • 地図と拳
    600ページ超えの大作。
    30代の著者が描く近代史。
    偶像劇なので、キャラをプロットしていく事、
    近代史を片手に用意しておくと良いのではと思った。
    最初の100ページが血生臭く船酔い感覚になったけれど、
    その後は没入し、スピードを上げて読む事ができた。
  • ゲームの王国 上
    何かの書評をみて、何気に買ってみた本。ジャンルはSF?小説?とにかく引き込まれました。話の内容は、想像と全く違う笑 ポルトガルについて全くの無知!なので、頭が追いついていかない、、、でも途中から、どんどん進む速さが速くなります。

    カンボジア
    ポルポト
    革命
    聞いたことあるけど、全く知らない世界の話...続きを読む
  • ゲームの王国 上
    Audibleで聴いた。

    登場人物が多くてカタカナなので、最初の方は誰が誰だったかわからなくなりかけたが、紙の本で確認しながら聴いた。
    面白い!
    でも残酷なシーンが多いので、映像化したら楽しめないと思う。
    理不尽に殺されてしまう、ゲームのような世界。
    ソリアとムイタックという2人の天才が、これから...続きを読む
  • 地図と拳

    複眼的に虚実を縫い上げた

    日本びいきとしては耐えられない場面もある一方、
    他国の人たちにもそれぞれの悪い点や弱い点が
    描かれていて、いろいろな立場の内情を
    その内側に入らされ、感じさせられる。
    複眼的だ。それぞれに地図があり、拳がある。
    歴史に忠実なところがあり、その一方で
    超自然的な、ほら話的な部分も現実味がある。
    はじめ...続きを読む