小川哲のレビュー一覧
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購入済み
問題を一文字も読み上げていないのに、クイズに正解してしまったのは何故?というシンプルな謎を解いていく。
ミステリーというよりはクイズのことを深く知れる面白い作品でした。
昔友達にクイズをしてる人がいたので主人公とその友達を重ねて読みましたが、本当に似ているところがたくさんあり、特にクイズをやっていると恥ずかしくなくなるというのはなるほどな〜と思いました。
クイズ番組を見る目が変わる作品でした。 -
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私の購入した本は帯がショッキングピンクで、表紙の3/4を占めていた。『僕のクイズ』がこれまでにない文章で、作家さんに興味もあったけど、何より帯文を飾る面々があまりに魅力的だったので即購入。今まで読んだ本の中で「絶対おもしろかった」と言える本になった
「本になる小説はどう作られているか」を、それはそれは丁寧に考察した本。本=商品だから、売れないと意味がないのは分かる。でも「売れるための本」は総じて読者=消費者には「売りたいんだな」と分かり、購入意欲が下がる
「小説は読者とのコミュニケーション」伏線ですよと言わんばかりの説明描写過多や、感動するでしょ怖いでしょという押し付けがましい心情表現は「 -
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ネタバレ小説というものについて、明晰に分析し、わかりやすく説明した名著。これまで小説を読むうえでぼんやり思っていたことも含めて言語化されて整理され、それをまた小説を書く側の視点から説明してくれており、今後小説を読むうえで非常に役に立つと感じた。
小説は作者と読者のコミュニケーションである、ということが一貫して述べられており、また以下のような視点も面白かった。
・自分の「小説法(=小説についての好み、考え方)」と作者の「小説法」を知ることで無駄な時間を費やさずに読書を楽しむことができる。
・小説を書くときには、「抽象化をして個別化する」
・「文体」とは「情報の順番」である
・「伏線」という言葉は嫌いであ -
Posted by ブクログ
ネタバレ火星にも人生はある。
火星人は、ほんとうにいるのだろうか…?
火星移住は、近未来で起こりうる?
・実際、地球火星間のやり取りには10分程度のラグが生じる。
・火星の重力は地球の3分の1
(地球は、「酔って転んだだけで三倍の重力で死ぬかもしれない星」)
SF小説ではあるものの、SFの世界観に慣れていない人でも読みやすい作品◎
本作は、NHK放送100年記念ドラマの原作とのこと。
ドラマを初回放送で見るのを失念してしまったので、本日の再放送を録画してみようと思う!
映像も楽しみなので、ドラマを観るのがワクワクしています。
是非おすすめの1冊です!
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説法(自分の書き方・読み方・理解のされ方などで構成されたもの)のお話がまず面白かったです。所々マッチングアプリのミッチーの例や内輪ノリの説明の部活、大学のサンダルの話など、笑い話とするには性格が悪いなと、にやっとしてしまう部分と、理路整然と分かりやすく論理的に噛み砕いて語られる小説思考のこと、言語にしないと他の人にわかってもらえないし、小説法に触れることすらできない点が面白かったです。
異世界転生の分析する人確かに多いけど、二流広告マンのマーケティングに咽てしまいました。ここもにやけた。文章の語順や提示順読みやすさ出し方は普通に頷いた。ラストに【エデンの東】という小説があるのですが、こ -
Posted by ブクログ
ネタバレこれがデビュー作だなんて信じられないくらい良かった。
よい生活をするためにはよい思想を持つ必要がある。物騒なことやネガティブな考えを抱いては自分の価値が下がるなんて、ゆるやかな思想統制に違いなかった。
でも労働のない安心安全な暮らしは多くの人間が望むものだろうとも思えるので、それを求める気持ちも分からなくはない。思想の自由と犯罪を事前に取り除いた社会、比べることのできないこのふたつの狭間で悩まされる読書となった。
章ごとに視点が変わっていくところが特に良かった。さまざまな立場の人間のさまざまな選択と主張から、リゾートの何が問題なのかが見えてくる。人類全員が同じ考えを持つことはできないからこそ対