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個人情報を提供する見返りとして、生活全般を保証する実験都市アガスティア・リゾート。理想的な環境で生きる人々が向き合うのは、進化と未来を啓示する“永遠の静寂”だった――『ゲームの王国』で話題を呼ぶSF新世代の俊英がユートピアの極北を描き出す! 解説収録/入江哲朗
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Posted by ブクログ
登場人物たちの問いが頭をぐるぐるとまわる。なんて哲学的な小説なんだ! デビュー作ということで後回しにしてしまっていた小川哲作品だったけれど、圧倒され魅了された。 名言もいくつか。 作者はおそらくリベラルであり対話を諦めていないと勝手に信じ込んで(確信に変わった)、今後の作品を心待ちにしています。
直木賞作家、小川哲氏のデビュー作ということで読書開始。 壮大な世界観と近未来の倫理が、美しい比喩表現で描かれていて、終始圧倒された。 ビックテックに個人情報が握られる監視資本主義や、防犯カメラだらけの現代が描かれていると感じる。 最後が読みにくいという意見もわかる。最終章は、哲学書のような文体になっ...続きを読むている。 ただ、全体を通じて傑作としか思えない。
その街ではお金はもらえる、仕事はしなくていい、犯罪は起きない、まさに楽園だというのに、はじめからディストピア感満載だ。 小川哲さんのデビュー作は、すでに彼独自の文体、世界観が確立されており、唯一無二を感じさせる。ここから『ゲームの王国』や『地図と拳』等へと連なっていくわけだが、この淡々と進む物語はな...続きを読むぜか叙情的な読み心地にさせる。 作品の根底に流れる哲学的な要素は、著者の岩波文庫を読破した下地があることは間違いなく、そこからの面倒くさい思考、さらに作品への落とし込みが、まさに魅力になっている。
ユートロニカのこちら側 近未来、監視社会ディストピア。 複数の視点からの物語で構成されている。 各々の事情でアガスティアリゾートという居住特区に関わり、サーヴァントと呼ばれる個人情報を収集し情報を基にアルゴリズムされたAIと自己意識の葛藤を描く群像劇S F ストーリー。 人々は個人情報を提供すること...続きを読むで労働から解放され、日々の選択もサーヴァントに依存する生活で、日々の様々な選択からも解放される。 果たして自らで考えることを図らずも放棄した人々は、自由といえるのろうか。そこに意識としての自己は存在するのかを考えさせてくれる。自由とは何か。不自由があるからこその自由。自由の定義。意識と無意識。やがて到来するであろう人類の在り方についての問題提起。テクノロジーが発展していく先に人類が直面する可能性のある世界軸。人間が人間としてあるための戦いでもあるように感じた。
個人情報や視覚・聴覚まで無制限に差し出す代わりに、高水準の生活が保証される特別地区。 最近、検索もしていないのに家族と話したピンポイントな内容の広告が出ることが多くて、「これスマホに盗聴されてるよね!?」と息子と冗談半分で、わざと変なダミーの会話をして広告に出るか試して遊んでいた^^; それだけに...続きを読む、この作品が2015年に書かれていたことに驚いた。 今では相談ごとまでAIに頼る時代になり、ますますこの世界観が現実に近づいてきた気がする。 最初の方は好きな感じのSFでワクワクしながら読んでいたけど、後半にいくにつれてだんだん哲学的になっていって、よくわからなくなっていった。 でも、全体的に海外の翻訳SFのような独特の空気感があって、こういう世界観はかなり好き。 ちなみに、作中に出てくる「バンドゲーム」という妄想遊びが最高だった。 日常の何気ない電車での時間を楽しむ発想が面白くて、妄想好きなので今度真似してみたくなった。 こういう何でもない日常を面白く変えてしまう小川さんの発想が好きだ。 第3回ハヤカワSFコンテスト大賞を受賞した、小川哲さんのデビュー作。
自由を望む人たちがアガスティアリゾートというものに振り回されているようなイメージ 自由とは?正しさとは?律することとは? 短編のような長編のような不思議な作品だった SFやディストピアのような作品を読み慣れてないとちょっと思考がごっちゃになりそうだな
近未来のディストピア小説で設定・世界観・テーマにした纏わるエピソード展開や知的で洗練された文章がとても良かった。どこか入り込めなかったのは狂気と変態的な部分までもを知的に描いたから?それでも十二分に面白かったを
自由とは?と考えさせられる小説でした。 AIが発達し、人間の苦しみがなくなる楽園(ユートロニカ)が、拡大していく物語。 AIが人間の苦悩等がなくなるよう事前に行動を予防していく(またはそうさせる。)世界では人間は無意識的になる。それにたいて意義を唱える人たちを描いた物語。 作中でたびたび、自由とはな...続きを読むにかと問いかける部分があり、そもそも何を以って自由なのかと考えさせられる小説でした。
近未来SFだが、もはや現実であろう。無料でYouTubeを見れて喜び、LLMに思考をアウトソースする私たちは、果たしていかに(あるとするならば)自由を、得られるのだろうか。
タグにディストピアって入れたけど、 本来この小説の世界では、舞台となる近未来アメリカで開発された【アガスティアリゾート】という街はユートピアのイメージなんだと思う。 個人の情報を全て売り渡す見返りとして、何から何まで管理され安全で働かなくても生活できる街への移住ができる。 そんな一見夢のような街、...続きを読むだけどそこに住む人は全て幸せになれるのか? そのシステムに対してちょっと疑問を持った人たちの視点で各章ごとに、正解がなんなのかを考えさせられるお話。 解説にもあったんだけど、ドーフマンの笑える章がなかったら眠くなる小説だったって印象になりかねない。 SF小説ってあんまり読まないし、苦手な気持ちもあったけど、小川哲さんの小説ならばと思って読んでみた。 面白く読めた。 私はアガスティアリゾートには移住できるよって言われても拒否するわ。
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