小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレエッセイは小説に比べてカロリー少なく、楽しむことができるから、読書疲れの時に良いです。
このエッセイもページの上下に大きなスペースがあり、160ページほどの作品だが、実態としては100ページもあったのかと言えるほどあっさりと読むことができる。
好き嫌いは言語化しない方がいい
無理やりで言語化するとそれが本当に思っていたかどうかわからないようなこと。でも、それが真実になってしまう。自然に言葉が出てくるようになるまでは無理に言語化しなくていいのでは?
人間関係に悩むのは傲慢である
人間関係で気をつけているのは相手のことを嫌いにならないという一点だけだ。他人の感情はコントロールできないが、自分の感情はある程度コントロールできる
第1に嫌いになりそうな人と出会ってしまったら、なるべく会わない
他人の感情より自分の感情に気をつけること。
失敗は成功のもとではない
何かに成功した人はよく何度でも失敗しろ。
うまくいかなかった経験を次に行かせなどと口にする。でも、現実はそういう風に動いていない。5年間、塾講師を続けて分かったのは多くの子供は失敗を生かすことなどできず、そのままやる気を失ってしまうことだ。もちろん失敗した人にチャンスを与えることは重要だ。しかしたった1回の失敗によって縛り付けられてしまって、そのまま動けなくなる人もいるということを事実も覚えておいた方がいい。あなたが失敗を糧に生きてきたのならなおのこと。
正直者は嘘が得意
事件が発覚して解雇されたり、逮捕されたりするのは悪の中。ではどちらかというと知恵が回らない。人間で本当の悪というものは表に出ないで、ハラスメントを継続している。
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Posted by ブクログ
ネタバレ様々な登場人物の視点から日露戦争〜第二次世界大戦頃の主に満州を舞台に地図と拳、つまり地図と戦争の話がテーマで描かれている。一度も主観的な視点が描かれない細川の行動が常にキーで日本のために活躍、時に暗躍する。常に気になり続ける存在だった。ただ、私が好きだったシーンは別の人物、中川のシーンだった。彼は非常に頭がキレて、反戦主義で左翼活動までしているキャラで戦場にいっても人をなるべく殺さないようにしていた。そんな彼が度重なる行軍で疲れ果て、暗闇の中で尿意を催した時に、明かりをとりトイレするために他人の家を燃やす。建築学生として優秀だった彼は家の価値を知っていたのでそれは彼を軍人として覚醒させてしまう。このシーンがとても印象的だった。
地図は国を国の歴史を物語ると作中で言われていた。今、ロシアやアメリカが大きな戦争をしていることを思い出す。地政学を勉強したくなる本だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ人間とは不幸せ、不自由がなければ幸せとは、自由を感じられない
区画内の人間が享受している自由は、監視下におけるある意味の不自由であり、それを不自由だと感じなくなることで幸せになるという
ドアノブを意識なく(ストレスなく)回して扉を開けるように、幸せへの道は不感になることであることは一つの正解であるが、全てのストレスや不安が取り除かれた世界では自分の意思を持つことが減っていく。本人はそれに気づかない。
本を読んでいる我々や区画外の一部の人間から見るとディストピアと感じるが、区画内の人間にとってはこれ以上ないユートピアであり我々の意見は何もわかっていない妄言と捉えられてしまう。
新興宗教やマルチにハマってしまう現実の人もある意味アガスティアリゾートの一員なのかもしれない。
自己をアウトソーシングするのではなく常に自分として生きていきたい。 -
Posted by ブクログ
出てくる地名や川の名前に場所の注釈が無く
自分の不勉強のつけがとうとう回って来たなと思いながらも
背表紙に世界地図を描き、地名を調べながらプロットしていく始末(架空の地名も幾つかありました)
やっているうちに、楽しくなってしまい
この1冊のプロになってやるというスイッチオン
知らない単語に丸をつけ、余白に解説を書き込む
上下と読み切るまでに四日と時間を要しましたが、圧巻の小説でした
同じ直木賞受賞作品でもある「同志少女よ敵を撃て」でお馴染み、歴史的事件をミクロな視点で描く本作品は、それぞれの正義、視点が描かれており最後まで楽しめました
また、日露戦争について学び直すきっかけにもなり面白さもさることながら、為になる1冊となりました
大河ドラマ好きにおすすめ!