【感想・ネタバレ】Street Fiction by SATOSHI OGAWAのレビュー

あらすじ

新時代の直木賞作家・小川哲の初となる対談集。

僕が考えたことはただ一つ――小説家として語ること――だけだ。
僕より喋りが上手な人なんて、この世界には数えきれないほどいる。でも、僕より小説について考えている人は、たぶんそれほど多くはない。番組には、小説家だけでなく、実にいろんな活動をしているゲストに来ていただいたが、彼らの話の中に「小説」を見つけ、その部分を広げることならできる。(中略)ただゲストが何に興味を持っていて、どういうことを考えているのか、「ゲストの人生」という小説の読みどころを探るように気をつけた。(「まえがき」より)

TOKYO FM/JFN発のラジオ対談番組『Street Fiction by SATOSHI OGAWA』がついに書籍化!
いま大注目の直木賞作家・小川哲が濃密な対話を重ねたゲストのうち、11名を厳選して収録。
小説家はもちろん、映画監督からアイドルまで、さまざまな分野の異才たちの原点と創作のアイデア、そして知られざる本心に迫ります。

書籍化を記念して、雑誌『ダ・ヴィンチ』(KADOKAWA)2024年1月号に掲載された加藤シゲアキ氏との対談も特別収録。


【対談相手一覧(敬称略)】
万城目学(小説家)
小泉今日子(俳優)
渡辺祐真(書評家・ゲーム作家)
千早茜(小説家)
逢坂冬馬(小説家)
古川未鈴(でんぱ組.inc)(アイドル)
太田光(芸人・小説家)
九段理江(小説家)
濱口竜介(映画監督)
加納愛子(芸人・小説家)
福本伸行(マンガ家)
加藤シゲアキ(小説家)

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Posted by ブクログ

著者と様々な分野のゲストが語り合うラジオ番組を書き起こした本。著者があくまで小説家としてラジオを進めており、その中でフィクションとはなんなのか、全く関係のない他分野とどのような共通点があるのかといった洞察が散りばめられていた。

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2025年06月27日

Posted by ブクログ

ラジオで放送していた内容の書籍化。
小説家を中心とした豪華な面々との対談は軽快で読みやすい。が、まえがきとあとがきは小川先生らしい捻くれた感じで、このスタンスで対談してるの面白いな。小泉今日子さん、千早茜先生、逢坂冬馬先生、太田光さん、加藤シゲアキ先生の回が好きです。
最初は二人だけ挙げたのに、後からこの回も良かったなと書き足してしまい、今の段階でも(でもあの人の回も良かった……)と思っているので、それだけどなたとの回も面白かったということで。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

シゲはラジオじゃなくてダヴィンチの再録。面白かったのは仲良しの万城目学と奥さんの友達みりんちゃん。小川哲は神谷浩史プロデュースの朗読劇「Staging‼︎」のアフタトークでひととなりを少し知ったので、トークも聴きたいな。ラジオも聴こ!

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2025年04月29日

Posted by ブクログ

 君のクイズ、スメラミシング、嘘と正典、君が手にするはずだった黄金について等、小川哲の本が大変面白く、作者について気になったことから手に取った。
 様々な業種(皆クリエイター)と対談をしていく形式となる本書は、とても読みやすく、作者と対談者との接点のなかで、作者と対談者の核(仕事の流儀?)を確認し合っていた。作者の小説への考え方等が分かり、より小川哲の書いている小説を読んでみたいと思える本であった。
 
 追記、様々な種類の本がおすすめされており、読みたい本がたくさん増えました。

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2025年03月25日

Posted by ブクログ

直木賞受賞など、今勢いのある作家の一人である小川哲さんと、各界の方々との対談が収録された本。

音楽のライナーノーツを読むのが好きなので、作品の意図や裏側がズラリと並んだ内容に終始ワクワクしながら読んでました。装丁かっこいい!

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2025年02月01日

Posted by ブクログ

小川哲さんのラジオ番組でのゲストとの対談を本にまとめられたもの。影響を受けた小説、面白い小説が紹介されていて読んでみたい本が増えた。

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2025年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 本書は、小川哲がパーソナリティを務める(務めた?)ラジオ番組でのゲストとの対話をまとめたもの。作家、映画監督など表現者との対話が主であり、なかなか錚々たる顔ぶれだ。1年半ほどの番組の中からセレクトした12人、12章が並ぶ。
 ざっと見て、万城目学、逢坂冬馬、九段理江、加藤シゲアキとその著作を読んだことのある作家が目立つ。芸能人作家でもある小泉今日子に太田光も、どちらの著書にも触れたことがある。映画監督濱口竜介は、ちょうど『悪は存在しない』が上映されていたころの対談か。映画も観ているので話が分かりやすい。
 そう、登場人物たちの作品にある程度触れていないと、その会話の深みが味わえない部分もあるが、本書をきっかけに、それぞれの作家の作品へ目を向ける一助にもなる。

 それに作家たちは、小川哲も含めて、いろいろ古今東西の作品を読み込んでいるな、とういうこともよく分かる。小川哲は、このラジオ番組の仕事のためということもあろうかと思うが、対談者の作品は実にしっかり読みこんでいて感心させられた。
 しかも、その読みが、半端なく深い!!
 万城目の文章について、「」の後に“と言った”を付けないと指摘して、そこに気づいたことに万城目から驚かれるシーンは圧巻だ。

 逢坂冬馬、九段理江との創作談義が深みもあって面白かったかな。九段理江は、声もいい。

 そうそう、この対談は、元になったラジオ番組もネットで聞ける。本書の冒頭にQRコードがあり、番組サイトへ導いてくれる。
 聴いてみると、しゃべっていることの3分の1から半分ちかくはカット、本書には収録されていない。ギュッとエッセンスを要約したものが一冊に収まっていて、読んだ方が時間は早い。
 でも、読んでから音声を聴きながら、改めて読み返してもみた。

 万城目学は、そのまま大阪弁全面押しで文章化してもよかったんじゃなかろうか(笑) そのほうが味わいが出る。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

小川哲の対談集。個人的には対談相手の誰よりも、小川自身に人間としての面白さを感じるので、結局は小川の言葉が残った。あらゆる事象に小説を探すという発言に彼の小説家たるを見る。一見、合理的であり商業的でさえあると思ってしまう、時に軽く聞こえる小川のふるまいだが、「人間小説家」小川哲としての素直なふるまいであることを感じた。歴史的なナラティブを読み込み、エクリチュールの無責任さを自明なものとして言葉を残す。よかった。

25/07/16

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

ラジオ放送の書籍化なので、軽い読み物のつもりで手に取ったが、驚くほど読み応えがあった。

著者は、前書きで「本業の支障になる仕事はしないつもりでMCを引き受けた」と後ろ向きな断りを入れている。
しかし、ゲストに著作があれば必ず感想を伝えて、「そこまで読みとってくれて嬉しい」と言わしめ、経歴を踏まえた質問にもそつがない。
ゲストがアイドルの回であっても、著者との共通点をとっかかりに、活動のきっかけや苦労ポイントなんかを丁寧に聞いている。すごい。
あの前書きは謙遜だ。できる人は違う。

既に終了したラジオ番組、リアルタイムで聴きたかったな。

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2025年06月29日

Posted by ブクログ

適度に緩くちょっとしたすき間時間でストレスなく読んだ。
小説家の考えていることや視点が垣間見えて読む時の参考になりそう。
戦争や史実を題材にした作品への取り組み方は書き手として特別なことだと知り、その意気込みを感じつつ手に取ってみよう。

様々なプロフェッショナルな方々との対談は相手への関心やリスペクトなど感じられ清々しかった。

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2025年06月14日

Posted by ブクログ

ラジオ番組での対談をまとめた本。 ラジオの会話なので、適度に気が抜けていて、その分対談相手と小川さんの人となり、考え方、フィクションに対する姿勢などが感じられた。 小川さんの登場人物のミスで話が展開するのが好きじゃない。読書してても、ベストを尽くしてないやつがいると、突っ込んじゃって読むのやめちゃう。というのには共感して笑ってしまったw

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2025年04月11日

Posted by ブクログ

ラジオ対談番組の書籍化らしいが、小川哲氏なので読んでみた。まあ対談なんでこんなもんかって感じだけど、小泉今日子氏の「本を読むのが好きになったのは、本を読んでいる人には声をかけにくいのではないかと思ったから」が滅茶苦茶共感できた。人と会話するのって90%は無駄話だと思っているので、本という防御力を行使している仲間がいるのは心強い。また逢坂冬馬氏の月村了衛が師匠という件もさもありなんと納得。

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2025年04月04日

Posted by ブクログ

作者の小川哲さんがホストを務めるTOKYO FMの同番組の対談書き起こし集。12人のゲストクリエイター(小説家や映画監督など)との対談で、主に小説をフックに創作の心持ちや手法を紐解いていく。ラジオの雰囲気が良く出ていて、読んでもラジオっぽいので気楽に楽しめるでしょう。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

ラジオでの対談,12人との記録集
小説家がほとんどだけど漫画家や映画監督などとも退団されていて,どの人にも好きな小説を尋ねていて,特に気になる作家さんの場合は興味深かった.

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2025年02月27日

Posted by ブクログ

『地図と拳』のような力作を発表して活躍中の小川氏の新刊ということで読んでみた。毎回ゲストを招いて繰り広げたトークを文章化したもので、小説を書く、作品を作るという話題が中心になっているので、イマイチ楽しめなかった。また、彼の大きな関心事であるゲームやアニメの世界が全く分からないというのは、彼の作品を鑑賞するうえではかなり大きなハンディになるようだ。

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2025年02月23日

Posted by ブクログ

1年半行ってきたラジオでの対談番組の中から面白いものをチョイスして纏めた本とのこと。作家もとい小説家と芸能人が大半を占めている。作家は自分の作品との向き合い方を述べる方が多く、芸能人は読書好きが高じて本・小説を制作した方が大半を占める。そしてここの芸能人は意外にも純文学を良く読んでいることに感心した。また、本書を読んだ後に芸能人の本を読みたいと思ったことは一切ないが、この本に登場する作家の本に手を出そうか出さないか本当に迷っている。辛うじて同志少女のコミックスだけに留めようと考えているが、ちょっと自信がない。小説ではなく対談集なので、あまり何も考えずにスラスラ読める。小川哲の本なので迷わず通販で購入したのだが、対談集と明確に判っていれば書店店頭でパラパラと内容確認していただろう。今回はちょっとモヤモヤしている。

〇 <小説家>万城目学
流行作家・ベストセラー作家なので、話を聞いていると(文章を読んでいると)本を買いたくなる衝動に駆られる。ここは、我慢我慢。
〇 <俳優>小泉今日子
アイドルはやめられないの小泉今日子がここまで本好きとは知らなかった。読売新聞の読書委員も務めていたとは驚き。アイドルと対談できて実に羨ましい。私は明菜ちゃんと対談したい。
〇 <書評家・ゲーム作家>渡辺祐真
ゲームはちょっとやったことはあるけど、ドラクエの様なRPGはやったことはない。ドラクエの組曲なら吹奏楽で演奏したことがある。従って、難しい小説を読んだ感じ。
〇 <小説家>千早茜
直木賞の同期。なので、お友達の会話らしく、とても読み易い。本好きな人って全集を読むのか。時間があれば、私も誰かの全集を読んでみたい。5年ほど前、臭いの研究開発をやっていたので、「透明な夜の香り」や「赤い月の香り」を無性に読みたくなったが、これ以上読む作家の数を増やしたくないので泣く泣く諦めた。
〇 <小説家>逢坂冬馬
ガチ対談。つい先日、同志少女の文庫とコミックスを購入した。取り敢えず最初にコミックスを読んで、面白かったら文庫も読もうかと思っているが、580ページもあるので少し躊躇している。ベストセラーを読むともうSFには戻れない気がするので、できるだけSF以外の小説は読まないようにしている。第二作の「歌われなかった海賊へ」も人気があり、この対談を読んで、逢坂冬馬がベストセラー作家になれた理由が明確に判った。
〇 <アイドル>古川未鈴(でんぱ組 .inc)
でんぱ組って微かに記憶がある。モーニング娘。に憧れて苦労してアイドルになった。大好きなゲームで仕事ができるようになった。見た目より頑張って生きている、素晴らしい。
〇 <芸人・小説家>太田光
こいつが本を出版したのは聞いている。でも読んだことはない。こんなに読書好きとは知らなかった。ネタ担当であることは知っていた。ネタを作成できる能力は読書で培ったものということか。話が長いことと思い込みが激しいのは、文章を書けるという自負から来るものなのだろうか。お笑いコンビで両方ともネタ担当だった場合、コンビの統一性・ネタの文章力の差とかが気になるが、その様なコンビは実在するのだろうか?
〇 <小説家>九段理江
この二人はとても仲が良い。でも残念ながら、二人の間に割って入ることはできなかった。
〇 <映画監督>濱口竜介
「ドライブ・マイ・カー」で有名な映画監督。小説と映画の作り方に微妙な差があることが判った。よく作家が連載を単行本化する際に手直しをすることは良くある。大幅に手を入れる際には最後にその旨を記載する方もいる。しかし、映画の方が自由度は大きい、大きくできるだろう。一方、映画の方もきちんと脚本しばりする監督もいる。私は極力連載を読まないようにしている(時々守らない時がある)。先月以前の内容を忘れてしまうだけではなく、短い文章なので本を読むスピードがなかなか上がらない。
〇 <芸人・小説家>加納愛子(Aマッソ)
この人もネタ担当の芸人。芸能人の本は我が師匠の高田純次しか読まない。ちなみに高田純次の本は小説ではない。内容も殆どないけど文章だけは面白い。二人とも私が最も嫌悪する「~じゃないですか」を乱用する。酷い時には1ページに4, 5回使う時がある。これで内容が全然頭に入ってこなくなった。一応我慢して最後まで読んだが本当に気分が悪かった。
〇 <マンガ家>福本伸行
名前は知らなかったが、画像検索したら顎が尖ったキャラクターに見覚えがあった。この方の漫画を読んだ記憶は・・・昔、床屋で待っている時に近代麻雀で読んだかな。
〇 <小説家・アイドル>加藤シゲアキ
いろいろと話題になっている旅行さんのタレント。繰り返しになるが、残念ながらタレント本は師匠の本しか読んだことがない。内容を読むと、賞レースにも参加しており、最近作家として新たなフェーズに移行したとのこと。NEWSという9人グループのうち7人の名前を知っているが、他のメンバーは現在どこで何をしているのだろう。一人だけ順調だ。やはり歳を取ると、何か特殊技能を持っていないと生き残っていくのは難しいようだ。文学少年だと思っていたが現在37歳。これからも作家という荊の道を頑張って進んで行って欲しい。きっとNEWS時代のファンの皆さんがしっかりと支えてくれると思う。

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2024年12月20日

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