小川哲のレビュー一覧

  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    本書は、SF作家である小川哲がパーソナリティを務めるラジオトーク番組を書籍化したものである。番組には映画監督、女優、芸人、小説家など、ジャンルを横断した多彩なゲストが招かれ、本や映画、さまざまなコンテンツについて語り合う対談集となっている。

    印象的だったのは、対談の随所で語られる「本の味わい方」の多様さだ。ゲストたちは、自分がどのように小説を読み、どこに惹かれてきたのかを自然体で語る。その話を追っていくうちに、小説とは単に物語の流れを追うものではなく、言葉の選び方や語りのリズム、構成の妙といった表現そのものを楽しむ読み方があるのだ、ということが繰り返し示される。

    正直に言えば、これまでの自

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    2026年01月08日
  • 地図と拳 下

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    この本を読んで、祖父母やまたその親たちは戦時中や戦後にどういう生活を送っていたのか知りたくなった。
    まだ、知っている人が生きているうちに聞きたいことは聞いておかないといけないな。。

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    2026年01月05日
  • スメラミシング

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    それぞれの短編の登場人物が、それぞれの信じる宗教の中で生きる話だったように思う。どのような形であっても、人間と宗教は切り離せないものなのかもしれない。自覚していなくても、私もなにかを信じながら生きているのかも。もう一度読み返したい作品。

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    2026年01月02日
  • これが最後の仕事になる

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    作品紹介・あらすじ

    最初の1行は全員一緒。
    1編6ページ、24種の「最後の仕事」。

    早起きした朝、昼の休憩、眠れない夜ーー。
    ここではないどこか、今ではないいつかへ、あなたを連れ出す7分半の物語。

    『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第三弾。

    *****

    24編からなるショートショート集。
    Mephisto Readers Club(MRC)が贈る大好評シリーズ第3弾とのこと。第6弾の「それはそれはよく燃えた」をまず読んだので、次はこれということで

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    2026年01月02日
  • 地図と拳 上

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    『地図』という普段から見慣れているものに対して、時代やそれぞれの人物から語られる意味について考えていくのが非常に面白かった。

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    2026年01月02日
  • 言語化するための小説思考

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    「君が手にするはずだった黄金について」が自分のために書かれた小説と感じるくらい好みだったため、小川哲氏の脳を覗きたくて読んでみた。やはり彼の書く文章は面白い。別に小説家になりたいなんて思っていないが、スルスルと読めてしまう彼の文章は魅力的であり、誤魔化しがなく作家として信頼できる。作家の方々が何をどう考えて自分の中の思考を読者に向けて発信するのかをここまで言語化した人は今までいたのだろうか。

    同じ場面の言葉や情報の出す順番を変えるだけでガラッと印象が変わるということを例とともに示してくれるところが非常にわかりやすい。他にも視点の話、伏線の話、面白いとされる仕組みなど。小説好きにはたまらないし

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    2026年07月29日
  • 地図と拳 上

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    小説を読みなれてない自分にとっては序盤の登場人物が多くて先行きが不安になったが、半分過ぎた辺りからどんどんページが進むようになった。おもしろい!

    「君が手にするはずだった黄金について」と同じ人が書いてるはずなのに、全然違う印象だった。

    歴史的出来事について、同じ時代を生きた個人の考えに触れることができるのも小説ならでは!
    急いで下巻を買いに行く!

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    2025年12月28日
  • 地図と拳 下

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    ネタバレ

    拳とは暴力、すなわち戦争のこと。
    これは、地図と戦争の物語。

    細川〜〜〜!上巻の時から好きなので、活躍(及び暗躍)が沢山見られてとても嬉しい!
    安井は今の感覚で見ると愚かに見えなくもないけど、彼は「大日本帝国の臣民、皇民」の象徴だと感じた。彼ほど純粋に真っ直ぐ天皇への忠誠心を抱いている人間が当時どれくらいいたのか分からないけど、当時国民に求められていた「あるべき姿、思想」がこの安井なのだと思うと背筋が凍った。
    明男は、登場当初は超機械的な青年、という感じだったけれど、徐々に彼の感情や思想が明らかにされていって、後半どんどん人間くさくなっていったなという印象。建築への熱意や丞琳への淡い感情(?

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    2025年12月27日
  • 嘘と正典

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    ネタバレ

    表題が面白い。
    過去にメッセージを送受信できる技術の発見により、共産主義を止めるというSFフィクションと、マルクスとエンゲルスの共産主義の誕生のノンフィクショナルな史実の組み合わせで面白い。
    オチも秀逸。

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    2025年12月24日
  • 地図と拳 下

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    領土わ獲得するために争い合う人間の愚かさ、戦争の悲惨さを痛感する作品。
    全体を通じて静かな悲哀に満ちた作品という印象をうけたが、ラストの終わり方は希望を感じさせるようなもので後味が良い。

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    2025年12月20日
  • ゲームの王国 上

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    カンボジアの歴史を知らずに読んで、時折史実を検索しながら読んだ。凄惨な拷問シーンもあり、人間は他者にこんな酷いことができる生き物なのかと暗澹たる気分になる。登場人物がわからなくなり、戻って読み直したり確認しながらじっくり読んだ。下巻を買いに行くぞ!

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    2025年12月16日
  • 地図と拳 上

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    物語を楽しみながらも20世紀初頭の日本の激動の時期の歴史も学べるようでとても楽しめた。
    政治、宗教、人種などあらゆる要素を取り入れながらも上手くまとめている印象。
    テンポよく進むストーリーや特徴的なキャラクターも魅力だが、日本、中国、ロシア、それぞれの立場でそれぞれの正義があり、一概にどれが正解とも言えず、正義とは何かと考えさせられる一面もある。

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    2025年12月15日
  • ゲームの王国 上

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    1970年代にカンボジアで発生したクメール・ルージュによるクーデター、そしてその後続くポル・ポトによる独裁政権を舞台にした架空戦記……でいいんだよなこれ。舞台が舞台なだけにお辛い展開が続くし、主要キャラかと思った人もぽんぽんと死んでしまう。まだ上巻だがなかなかヘヴィな読み心地。特にムイタックとソリヤの関係性はそうなってしまうのかと意外な展開。
    あとさ、なんか登場人物紹介の時点でも変だなって思ったんだけど、ちょいちょい様子おかしい人出てきてない……? 特に土使ったスタンド攻撃みたいなことしてたやつ。あいつまじなんなんだよ……

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    2025年12月12日
  • スメラミシング

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    短編は発想が核だと思うけれど、作者のその幅広さと斬新さに驚く。ピリピリとヒリつくリアルな表題作にの不穏さに心震された。「七十人の翻訳者たち」と「ちょっとした奇跡」の、毛色の違うSF2作が特に好き。

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    2025年12月11日
  • 地図と拳 上

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    評価が難しい。前半はやや登場人物が物語のための装置のような感じがしてしまい思ったよりは読むのに時間がかかった。もっと高木の苦悩をみたかったよ。
    でもこれは都市を中心にしてある時代を切り取った壮大な空想科学小説。これ以上の書き込みは作品として長大になりすぎて成立しない気もする。ただ壮大さ故に世界史の教科書的な概観が多い気もしてしまう。
    あとミステリーに慣れすぎて目標が設定された道のりの予想との差異を楽しむような読み方になっている感はある。
    この物語の強みは壮大で重厚なテーマの中でキャラクターが持つ狂気を魅力として掴みながら引っ張り回されるような読み方がいいのかもしれない。

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    2025年12月10日
  • ユートロニカのこちら側

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    近未来SFだが、もはや現実であろう。無料でYouTubeを見れて喜び、LLMに思考をアウトソースする私たちは、果たしていかに(あるとするならば)自由を、得られるのだろうか。

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    2025年12月01日
  • ゲームの王国 下

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    1970年代の地獄のカンボジア。
    ポル・ポトの支配していた時代を駆け抜ける、史実を元にした物語の下巻。

    大量殺戮の季節が生んだ、復讐の誓いと二人の訣別。そこから半世紀後。
    政治家となったソリヤは理想とするゲームの王国を
    実現すべく権力の頂点を目指す。
    一方でムイタックは自身の渇望を完遂するため、
    脳波測定を使用したゲーム『チャンドゥク』の開発を
    早熟な少年アルンと共に進めていた。
    過去の物語に呪縛されながらも光ある未来を
    希求して彷徨うソリヤとムイタックが最後に手にしたものとは。

    壮絶な歴史を描いてきた上巻とは打って変わって、
    いきなり物語は50年後の現代、そして一気にファンタジー感を増す

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    2025年11月30日
  • スメラミシング

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    ネタバレ

    神とか信仰をテーマした小川哲の短編集
    テーマを絞っているようで、取り上げている題材と描かれている知識は膨大。まずはその情報量というか知識を浴びるのが楽しい。

    短編なので基本アイデア勝負なんだけど、伏線張って回収していくこともきちんと押さえている。ただ、短編故の説明余地の少なさで、落とし噺のようにすっきり治まる話もあれば、難解のまま終わってしまう話もあって好みも分かれると思う。

    聖書の解釈を巡る冒頭作で「なんじゃこの情報浴びせ系」と圧倒させておいて、SF感動譚の最終話でほっこりさせるという構成は良い。難解度的に、掴みはOKで始めるのも手だが、いきなり関門ガツンで最後ユル目ってのも1冊全体通す

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    2025年11月30日
  • ゲームの王国 上

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    前情報何もなくタイトルだけで手に取ると、
    想像と180度違う内容に驚愕する小説。
    とにかく日本人の作家が選ぶ題材としてはかなり挑戦的な部類だろう。

    後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュの首魁サロト・サル。
    その首魁の隠し子とされるソリヤという少女。
    そして貧村ロベーブレソンに生を享けた天賊の智性を持つ神童のムイタック。
    皮肉な運命と偶然に導かれた二人は、
    軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで出会った。
    秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺。
    百万人以上の生命を奪った全ての不条理は、
    少女と少年を見つめながら進行する。あたかもゲームのように。

    世界史の授業で触れた

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    2025年11月28日
  • 嘘と正典

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    ネタバレ

    不思議な読み味の作品たちだった。
    小川さんの作品は、君が手にするはずだった黄金についてと、君のクイズしか読んだことがないけれど、その2作ともに感じた内包するテーマは深いけれど、ジャンルに形容し難い独特な短編集だった。
    ヒトラーの話、流行の話と最後の嘘と正典は、最後の最後にやられたー!と言いたくなる物語だった。
    というか、歴史とフィクションの織り交ぜ方がうますぎる…
    どの話も結構楽しめたので、このまま小川さんの作品を読み続けたい。

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    2025年11月26日