小川哲のレビュー一覧
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舞台は西暦2125年、人類が火星へ移住し始めてから約40年が経過した時代です。火星には13のコロニーが建設されていますが、当初期待されたレアメタル採掘の不振やコスト増大により「火星開発は採算が合わない」と判断されました。
国際機関「ISDA」は、火星に住む約10万人の住民を全員地球へ送り返す**「地球帰還計画」**を進めています。しかし、火星で生まれた「火星ネイティブ」世代や、地球へ戻りたくない人々にとっては身勝手な強制撤退であり、地球と火星の間には強い政治的・感情的な格差と分断が生まれています。
また、地球と火星の距離(通信に片道数分〜20分前後のタイムラグが生じる)という物理的制約が、 -
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上巻に続き、下巻も貪るように読破。正直なところ、上巻よりはちょっと迷走してしまったか…という感じがあった。下巻では、上巻の登場人物たちの20-40年後くらいを描かれている。その意外性も面白くはあったのだが、上巻の終わり地点からの空白の期間をもう少し見たかったし、時代的な飛躍が大きすぎて若干、主要人物たちの根底にある価値観や目的意識が何なのかがわからなくなってしまった。そして、ムイタックとソリヤの対立軸もイマイチぼんやりしていて、ムイタックのやっているゲーム開発の話自体はものすごく斬新な上に作者の天才性を感じられて読んでいてワクワクしたものの、これはどこに行く話なのか…というのが終始ぼやっとした
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小川哲のラジオを聴いて小説を読んだ時感じた印象より、本人はソフトな物腰でお喋りも上手だなぁと思い、どんなエッセイを書くのか興味が湧いて読んだ。
物腰が柔らかい人は、生粋の天然か、一般庶民からかけ離れたお金持ちか、合理主義者の人が多いと感じる。小川哲は合理主義者だと思う。思考が深いといえば聞こえがいいが、余計なことを考えてしまうタイプ。自分もつい余計なことを考えてしまうたちだし、どのテーマでも共感する部分が多かった。
読み物は共感できる部分が多いほど面白いと、深く考えず思っていたが、自分の想像の範疇を超える価値観に出会った時、それはそれで面白い、そしてまた一つ想像力の範囲を広げてくれる。範囲 -
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神のような自然を超越した存在と、論理や科学とを対比したような物語という括りで、アイディアや背景や文体の違う6話を集めた本。
70人の翻訳者たち
密林の殯(もがり)
スメラミシング
神についての方程式
啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで
ちょっとした奇跡
正直に言えば難しかった。頭から読み進んだが、最初の「70人の〜」で挫けそうになった。というか何度か挫けて、別の本を読んでから戻ってまた初めから読むことを数回繰り返した。「啓蒙の光が〜」でも再び挫けそうになった。
内容が難しいためにそれを理解しようと気を取られている間に登場人物を忘れたり、時間の流れを見失うからだと思う。そこにさらにどんでん -
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面白い作品、いまいち私には合わなかった作品、いろいろあって楽しかった。
「嘔吐」がとてもよかった。
本文に書かれていないところまで想像ができて、視点を移すことができて、面白かった。
ただ、気持ちの良い話ではない。
市川沙央さんの「音の心中」がよかった。
痛み・ゆがみを描くのがうまい。
対談が面白くない。
「ポルト」の良さが全く分からない。
読みにくい。
苦痛だった。
佐原ひかりさんの「出せなかった手紙」が切ない。
「チキンピアノ」の描写にひっかかる部分が多い。
言葉の繰り返しが多く、多少の矛盾した表現も含まれていて、気になる。
それでも、最後はよかった。
特別受賞作、なるほど。
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日露戦争~満州事変まで。主要な視点は四つ。①日露戦争の勝利から満州を占領し、満州国を築こうとしている関東軍大佐、福田。②満州鉄道に籍を置き、福田とも付き合いながら、地元の人々を尊重し、袂を分かつことになる細川。③満州の民を我がものとして、富を築こうとしている孫悟空。④その娘で、父への反発もあり、抗日活動に心血を注いでいる孫丞琳。そこに、ロシア人の神父と、満鉄に勤務する気象学者の息子で、温度湿度風力の天才大学生も、絡んでくる。歴史小説はめったに読まない、読もうとも思うこともまあないわたしだけれども、小川さんの小説は、それぞれのキャラクターが立っていて、ごく当たり前の人間として生きているため、ぐっ