小川哲のレビュー一覧
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ネタバレクイズ大会の決勝戦を振り返る形で1問1問ずつ章分けされているのでとっつきやすく読みやすかった。
ただ、なぜ
「問題を1文字も聞かずに正解できたのか?」
という点を前面に押し出した本作を読む読者は、
その問いに対して推理しながら読むミステリー小説として認識してるはず。
でもこの作品のオチでは推理で到達するのはおそらく不可能だし少しズルい気がした。
解説でも「確定ポイント」や、「読ませ押し」といった技術に言及している以上、技術的に到達できる答えであって欲しかった。
主人公も終わった大会の結果にこれほど執着していたのにも関わらず、本庄との答え合わせの後に簡単に吹っ切れてしまうのも些か淡白すぎる気もした。
とはいえ、全体を通して面白い作品だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレクイズ好きの旦那に勧められて拝読。さっくり読めるし、読後感も明かされる真相にしては爽やかでとても面白かった!
本文内にいくつか登場した誤読されがちな日本語、誤読の方で覚えているものがちらほらあった……びっくり。
ミステリのカテゴリで見つけたが、ミステリ…ではないかも?主人公が0文字回答の謎に迫る様子は、推理というよりは証明に近かった。あっと驚くトリックが隠されているということもなく、最初は証明不可能に思えた謎が、状況証拠が揃っていくにつれて徐々にリアルに有り得る真相に変わっていく。フィクションを読んでいると言うより、現実に起こった事件について聞いている気分だった。魔法と思われた出来事の真相はクイズプレーヤーやテレビマンらの知識と技術によるものという、この本の謎そのものがクイズの構造と同じだったんだなぁ。
趣味というのは多種あるが、自分の力で自分を肯定できる趣味があるというのはとてもありがたい話だと思う。私も自分自身の趣味と、人生を重ね合わせてみたりして。他人に自己を肯定してもらおうとすることが当たり前の時代にこの物語が流行っていることはとても素晴らしいことなんじゃないかと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレNHKドラマの原作。
最初の1ページは一瞬とっつきにくかったのですが、型番のDとMが違うだけだとわかると、それからすっと入っていくことができました。
火星を舞台にしたものといえば、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『トータル・リコール』(めちゃくちゃ好きだった)と、アンディ・ウィアーの『火星の人』。火星の1日が1ソルだと知っているだけで気分は爆上がりです。しかも火星で生きて行くことの厳しさはこの2作品を知っていたのでイメージしやすかったです。
誘拐と盗難に誰が関わっているのか、SF要素にプラス推理小説要素もあり、お得感満載です。
冷静なリリと、胡散臭いマディソンがお気に入り。
人々がそれぞれの主義主張を通すために、どう解決するのか…今、世界的にギスギスしているので、平和的な解決をしようとするリリたちに心が和みました。 -
Posted by ブクログ
2125年、人類の火星移住から40年
ISDA惑星間宇宙開発機構の地球帰還計画の中、生物学者リキ・カワナベは火星で未知の物質スピラミンの異変を発見する。
地球観光を夢見る
盲目の少女のリリ-E1102と、
ISDA職員の白石アオト、
そして火星自治警察のマル、
カワナベの発見を切っ掛けにして、
それぞれ交錯しながら火星と地球の未来が動きだす。
NHKでドラマ化されたのを観ていて割に良かったので本も読んでみたいと思った。
ドラマの方は、
火星の風景やそこに住む人々、思い、感情、欲望⋯良く描けてたような気がする。
先に映像で見てたので、そのイメージが頭の中に残ってたので、読む手助けとなったけど、原作はなんだか深堀りする感じがなくて、サラッとした感じで物足りない感じがした。
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小川哲さんの対談集
対談者によってテーマがあり、ほぼテーマに沿った話が進みます。
小説家との対談なので、思い切り小説とはというテーマに絞って話し込んで欲しかった。
特に葉真中さんとの対談はゲーム軸で進行し、お二人とも好きな作家だったので残念
1番ましだったのは最初の中村文則さんとの対談かなぁ、そこからはまぁ雑誌トピックで読めば十分で2,000円払う価値はあまり感じなかった。
小川哲作品は、私にとってめちゃ面白いものと、全くわからないものが半々
地図と拳は、私のベスト5には入るが、
スメラミシング、火星の女王などは理解できず途中断念
こういった経緯から本屋で買うには勇気がいる。
書評でSF色の弱いものか確認してから読むことにしている。地図〜で、あんな歴史ベースの素晴らしい作品が書けるのでもうひと作品歴史ものを読みたい。
著者がエゴサをすると書いてあったので、
一読者としての意見として検討頂けたら嬉しいです。 -
Posted by ブクログ
自分を外側から見る視点がなくなれば、自分という存在すらなくなるが、その想定する視点すら自分の範囲内であるということに思い当たると、何か思考を経たとしてもそれはすべて何も存在を得ていないどろっとした無形物なのではないかという気持ちと似た感覚がところどころあった
自由不自由を概念として存在させる隔壁は人によって異なるけど、その壁の存在がより強固なもの(自分たちで制御不能なもの)である方が、自由というものの本物らしさを感じられるんだろうな
アガスティアに否定的な人は、監視牢獄というものからの逃れられなさがリアルに感じられるから、情報が掌握されている状態を不自由と思えるだけ
何に対して想像力が及びやすいか否かの個人差があるだけで、アガスティア賛成派反対派どちらがより高次な自由とかそういう問題ではない気がする
①意識と無意識、自己と非自己を区切るものの存在を想定する思考すら自分の一部であり何も外側から区切れなくなった無形物状態→②客体としての自己の想定がゆるがないのにも関わらず、より分かりやすい操作感やさらに閉じた系には敏感な状態→③輪郭そのものに関心がなく意識をしていない状態
意識の消失なんていうものの想定をしてしまうほどには自己を中途半端に相対化してしまっている②が1番辛い気がする、
②が③のユートロニカを俯瞰視点で批判しあらがおうとしている姿が最後に華々しく描写されていたが、結局は①のユートロニカに回収されるのでは?
楽になるには一周回って、ドロっとしたなかで、流れるという概念もないまま漂い続けることなんだなあと思う
面白かったけど最後はモヤっとしたなあ
それぞれの章がのちのちつながっていく感じは気持ちいい