小川哲のレビュー一覧

  • 嘘と正典

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    マジシャンが、観客の目の前でタイムトラベルを証明する『魔術師』、絶縁していた父が自分に残した競走馬の血統を読み解いてゆく、『ひとすじの光』、音楽が通貨の代わりをしている島国『ムジカ・ムンダーナ』など。表題作は、マルクスとエンゲルスの出会いを阻止するため働いていたソ連とアメリカのスパイの話。過去を改変する『時の扉』は、しーんとした気持ちに。どれもおもしろい。が、ちょっと、私の頭では理解が追い付かないところもあった。

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    2026年08月15日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

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    小説化思考のような考えを紐解いて考察するような話ではなく、主にはゲンロンカフェで行われたトークイベントを掲載したもの。
    各ゲストと作者がそれぞれの作品について、どのように作られたのか等の秘話を楽しめる。

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    2026年08月14日
  • ゲームの王国 下

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    上巻から一気に時代が進んで現代になっていて戸惑った。大量虐殺を生き残ったソリアやムイタックをもう少し読みたいと思った。SFと言われているが、あまりピンと来なかった。作者の若い時代のチャレンジ的な要素を感じた小説だった。

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    2026年08月14日
  • 火星の女王

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    喧嘩別れしてたバンドが、最後何とか演奏するとか、壮大な宇宙SFの体をしながら、コントのような場面が多く面白かった。

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    2026年08月14日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

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    エッセイかと思ったけど、エッセイ風の短編小説だったらしい。
    考えてることは理解できるし、共感できる部分もあるんだけど、感情が揺さぶられるようなお話ではない。そのなかで、「君が手にするはずだった黄金について」と「偽物」が一番面白くて、私はどうせ人の転落を見て楽しむような卑しい人間なんだなと改めて自覚した。

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    2026年08月11日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

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    これは小川さんファンなら必携の1冊だと思うが、難しくて完全に理解できていないというのが本音。
    複数の作家+漫画家と小川さんの対談形式の本作。小川さんは、どの人の前でも態度を変えることなく、一貫して「小川さん」で、安心できる。

    印象に残ったのは高瀬隼子さんとの対談で、小川さんが小説家になるために応募する賞を調べあげていたことだ。そのおかげで『ゲームの王国』のような面白いSF小説が読めたのか。
    また、佐藤究さんの『テスカトリポカ』は、帯で内容を知っていたから前半部分乗れなかったという呉勝浩さんの話を読み、私も常々同じことを考えていたなと。映画の予告にしろ本の帯にしろ、本当に余計なことだと思う。できる限り触れたくない。じゃあどこでその本の面白さを判断するのかと聞かれたら、フィーリングとしか答えられないんだけど。

    魚豊さんとの対談において、小川さんが、作家になる前は、終わりがどんなに良くても途中がつまらない小説は許さなかったと語っており、これに関しては難しいと思った。世の中の多くの人は、物語の終わりを重視しているらしいのだが、そこに至るまで面白くなかったとしたら、時間の無駄だと思う。そう思いつつ、私はどんなに途中ダレてきたりしても最後まで読む主義なので、やっぱり「終わり方」に期待してしまっているんだろうな。

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    2026年08月07日
  • 斜め45度の処世術

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    ネタバレ

    「君のクイズ」の作者の思想が書かれているエッセイ集。小説を書いている人なだけあって文章が上手い。面白いが偏屈すぎる。本自体は面白いが著者のことはちょっと嫌いになった。

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    2026年08月06日
  • 火星の女王

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    ネタバレ

    火星人と地球人の対立を描いたSF?火星人と言っても宇宙人ではなくルーツは地球である。
    結晶構造をナノ秒単位で同時に変化させるスピラミンという物質の発見から、ハードなSFに誘われるのかと期待したが、普遍的(地球的)な人間ドラマに落ち着いた。こんな大層な舞台を用意しているのに、惑星差別だの貧困格差だの独立運動だの、ちょっと自分の期待とは別のベクトルに進んでしまった。独立に関心を示さない科学者の「だからなんだ」はいい言葉だと思う。

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    2026年08月04日
  • 火星の女王

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    舞台は西暦2125年、人類が火星へ移住し始めてから約40年が経過した時代です。火星には13のコロニーが建設されていますが、当初期待されたレアメタル採掘の不振やコスト増大により「火星開発は採算が合わない」と判断されました。

    国際機関「ISDA」は、火星に住む約10万人の住民を全員地球へ送り返す**「地球帰還計画」**を進めています。しかし、火星で生まれた「火星ネイティブ」世代や、地球へ戻りたくない人々にとっては身勝手な強制撤退であり、地球と火星の間には強い政治的・感情的な格差と分断が生まれています。

    また、地球と火星の距離(通信に片道数分〜20分前後のタイムラグが生じる)という物理的制約が、お互いの意思疎通や対話をより困難にしています。

    スピラミンの変異発見
    生物学者のカワナベは、火星で採掘された新物質「スピラミン」が、離れた場所にある結晶同士で同時に異常な構造変化を起こす現象を発見する。これが地球外生命体の兆候なのか、新たな物理現象なのか、世界に波紋を広げる。

    リリの誘拐
    地球行きの宇宙船に乗る直前、リリが火星独立派・反ISDAの勢力によって誘拐されてしまう。

    「火星の女王」として祭り上げられるリリ
    実業家のマディソンは、カワナベの発見したスピラミンを「地球外生命体の発見(および新権益)」として大々的に公表・アピールし、火星の自立を宣言しようと計画します。 さらに、ISDA幹部(地球側)の娘であり、火星生まれで無欲な盲目の少女リリを誘拐劇の渦中から擁立し、**「火星の女王」**という政治的シンボル・象徴に祭り上げます。マディソンらは「地球に従属しない火星の自治」を盾に地球と対峙します。

    「通信タイムラグ」をめぐる攻防
    地球側(ISDA)は火星の暴走や独立運動を抑え込もうと試みますが、ここで最大の障害となるのが**「地球と火星の距離(光速の限界)」**です。 地球からの指示や交渉には常に何分もの遅延(タイムラグ)が生じるため、現場の火星側が先手を打ち、リアルタイムでの即座な武力鎮圧や介入を不可能にさせます。武力衝突の危機が高まる中、登場人物たちは「光は遅すぎる(=コミュニケーションが追いつかないことによる不信感)」という現実と直面します。

    派手なスペースオペラ的な全面戦争や超常的なドタバタ劇に発展するわけではありません。

    リリの対応
    政治的意図によって「火星の女王」として利用されたリリですが、彼女自身は権力欲や欲心を一切持たず、極めて冷静かつ聡明に己の状況と周囲の思惑を把握しています。彼女の純粋でフラットな姿勢が、暴走しがちな周囲の熱狂を冷ましていきます。

    事態の収束とスピラミンの未来
    スピラミンの構造変化は、即座に兵器化されたり社会を一変させたりするような魔法の道具ではなく、「解明までにこれから何十年もかかる壮大な研究課題」として扱われることになります。

    火星と地球の新たな関係
    火星の完全な断絶・独立や、地球による全面屈服といった極端な結末には至りません。絶望的な物理的距離とタイムラグを抱えながらも、双方が「対話を諦めない手続きや交渉」を続けていくことで、緩やかに・時間をかけて新しい関係性を模索していくという、現実的かつ希望を含んだ余韻を残して物語は幕を閉じます。

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    2026年08月02日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

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    小川哲以外にも好きな作家が何人かいて良かった。自分の知らない作家や本の話もあって次に読みたい本がたくさん見つかった。内容は読み疲れもあるが最後の漫画家との対談が退屈だった。

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    2026年08月02日
  • 火星の女王

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    小川哲氏の小説は好きなのだが、時として私の範疇から離れた物語に出会うと戸惑ってしまう。
    本作のスピラミン発見と火星移住問題とリリの誘拐が、読み進めてもなかなか互いの関係を読み解けなかった。
    当方の知見の稚拙さのためなのか⭐️は3つとなってしまった。

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    2026年08月02日
  • 斜め45度の処世術

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    言うほど処世術ではない気はするが、作者の小川さんが好きなので小川さんのことがもっと知りたい人なら楽しめると思います。私は楽しめました。

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    2026年08月01日
  • ゲームの王国 下

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    上巻に続き、下巻も貪るように読破。正直なところ、上巻よりはちょっと迷走してしまったか…という感じがあった。下巻では、上巻の登場人物たちの20-40年後くらいを描かれている。その意外性も面白くはあったのだが、上巻の終わり地点からの空白の期間をもう少し見たかったし、時代的な飛躍が大きすぎて若干、主要人物たちの根底にある価値観や目的意識が何なのかがわからなくなってしまった。そして、ムイタックとソリヤの対立軸もイマイチぼんやりしていて、ムイタックのやっているゲーム開発の話自体はものすごく斬新な上に作者の天才性を感じられて読んでいてワクワクしたものの、これはどこに行く話なのか…というのが終始ぼやっとしたまま、突如として終わったという感じ。ちょっと食い足りなかった…、、カタルシス的なものがもう少し欲しかったかなーという凡人の感想。でもあれなのかな、貪るように読みすぎて呆気なく感じてしまっただけなのかもしれない…苦笑。いずれにせよ、小川哲は天才だった…

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    2026年08月01日
  • 斜め45度の処世術

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    「地図と拳」の分厚さが気になって、いつか読んでやろうと思っていた矢先に作者のエッセイ。どんな人かなと、興味津々で読んでは見たものの「めんどくさい人だなぁ」の感想が続くエッセイ。でも、中毒性はあるかな。今度は作品を読んでみたい

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    2026年07月28日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    すらすら読める。小川哲とはまったく畑違いの仕事をしている濱口竜介、福本伸行との対談がとくにおもしろかった。

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    2026年07月20日
  • スメラミシング

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    神のような自然を超越した存在と、論理や科学とを対比したような物語という括りで、アイディアや背景や文体の違う6話を集めた本。

    70人の翻訳者たち
    密林の殯(もがり)
    スメラミシング
    神についての方程式
    啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで
    ちょっとした奇跡

    正直に言えば難しかった。頭から読み進んだが、最初の「70人の〜」で挫けそうになった。というか何度か挫けて、別の本を読んでから戻ってまた初めから読むことを数回繰り返した。「啓蒙の光が〜」でも再び挫けそうになった。

    内容が難しいためにそれを理解しようと気を取られている間に登場人物を忘れたり、時間の流れを見失うからだと思う。そこにさらにどんでん返し的に、私以外の私のような人が出てきたりすると完全に消化不良を起こす。

    その苦労を乗り越えると、その先にある新しい知識や気づきや閃きのようなものを獲得できる。

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    2026年07月19日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

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    対談書き起こし。プロの読者?でもある小説家小川哲氏の頭の良さに呆れてしまうが、商業作家として食べていくための取り組みというか心構えに好感。好きな作家の会を摘み読みするのが吉。
    余談ながら、京極夏彦氏との回で、「時代小説とSFは一緒」という小川氏の発言はまさに自分の読書傾向から考えていたことと同じで激しく納得してしまった(基本読む小説は戦国武将モノとSFがほぼほぼ)。

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    2026年07月09日
  • GOAT

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    面白い作品、いまいち私には合わなかった作品、いろいろあって楽しかった。


    「嘔吐」がとてもよかった。
    本文に書かれていないところまで想像ができて、視点を移すことができて、面白かった。
    ただ、気持ちの良い話ではない。

    市川沙央さんの「音の心中」がよかった。
    痛み・ゆがみを描くのがうまい。

    対談が面白くない。

    「ポルト」の良さが全く分からない。
    読みにくい。
    苦痛だった。

    佐原ひかりさんの「出せなかった手紙」が切ない。

    「チキンピアノ」の描写にひっかかる部分が多い。
    言葉の繰り返しが多く、多少の矛盾した表現も含まれていて、気になる。
    それでも、最後はよかった。
    特別受賞作、なるほど。

    「そんなに好きってわけでもない友達」
    気持ちが悪い作品。
    つまらない人間関係。
    でも、心の隙や寂しさにつけこまれることって、多いよね。
    ちゃんと独りでいることができる、ということは、とても大切なことだよな、と再確認できた。



    【memo】
    ・ムカサリ絵馬(山形県)

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    2026年09月01日
  • ゲームの王国 下

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    ネタバレ

    下巻は突然現代になり、戸惑いつつ読み終わった。
    ポルポトの娘かもしれない、という設定部分の話が、思ってたより広がらなかったのは少し残念だった。でも読み応えがあった。

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    2026年07月06日
  • GOAT

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    盛りだくさんなので、少しずつ、その時気になったところ、好きなところから読んでいます。
    二番目のアイスを教えてください と 山羊と七枚が好みでした。

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    2026年07月05日