小川哲のレビュー一覧

  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    「地図と拳」から遡ること4冊目。究極の管理社会をテーマにした本作も、ただのSFではなかった。とても思索的で叙情的。ラスト近く「誰が勝つかは問題でなくて、何を求めて戦うかが大切」というメッセージが心に刺さった。デビュー作でこのクオリティー。小川哲さん、やっぱり只者じゃない。

    0
    2023年04月01日
  • 嘘と正典

    Posted by ブクログ

    小川哲さん、直木賞受賞おめでとうございます。SF界から直木賞が出たのは、半村良以来の50年ぶりかもしれない。でも「雨やどり」はSFではないし、この頃から路線を変更してしまった。私の大好きな恩田陸はSF大好き人間だけど、ジャンルはSF作家ではない。とすると、小川哲さんは初めての純SF作家としての受賞なのかもしれない。一方、芥川賞は結構いるようだ。

    積読、すなわち現在所有している本は、本作品「嘘と正典」、「君のクイズ」、そして受賞作の「地図と拳」の3つだが、どれから読むか迷った。「君のクイズ」は帯の紹介文がうるさく、「地図と拳」は分厚いので、まずは本作品から読むことにした。直木賞候補作品でもある

    0
    2025年02月14日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    設定はとても面白いが、章ごとに登場人物が変わるのと、周りくどい表現が目立ちいまいち入り込めなかった。
    マイン社が運営するアガスティアリゾートという『楽園』では、あらゆる個人情報を提供する代わりに働かなくても暮らすことができる。
    犯罪予備軍はシステムによって事前に検知されるため、治安も良い。楽園と思われたリゾートであったが、精神が壊れる人が出たり、犯罪に至っていなくても悪意を持つだけで取り締まれる法律ができたり、情報から導かれる答えをサーバント(AI)に従うだけで自ら考えることを放棄することが当たり前になったり、、、
    このような環境で、人はどうなるのか?本作で語られるように意識は希薄化していくの

    0
    2023年01月19日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    感想
    監視社会の停滞。人々が社会の要請する行動様式を受け入れた結果思考や行動の多様性は失われる。負のフィードバックが組み込まれた社会は崩壊する。

    0
    2022年09月20日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    いわゆる監視社会もの
    色んな人の視点を切り替えつつテンポ良く話が進む
    が人物にあまり個性を感じられず、淡々とという感じ。

    「行動や思考の予測が難しい人間はコストがかかる存在として排除される」と言った旨の一節が印象に残った。
    機械学習による統計的な予測を用いた制度の下では、外れ値に当たる行動や思考は善悪以前にコストがかかるというのは確かにありそうだなと。

    0
    2022年05月09日