小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タグにディストピアって入れたけど、
本来この小説の世界では、舞台となる近未来アメリカで開発された【アガスティアリゾート】という街はユートピアのイメージなんだと思う。
個人の情報を全て売り渡す見返りとして、何から何まで管理され安全で働かなくても生活できる街への移住ができる。
そんな一見夢のような街、だけどそこに住む人は全て幸せになれるのか?
そのシステムに対してちょっと疑問を持った人たちの視点で各章ごとに、正解がなんなのかを考えさせられるお話。
解説にもあったんだけど、ドーフマンの笑える章がなかったら眠くなる小説だったって印象になりかねない。
SF小説ってあんまり読まないし、苦手な気持ちも -
Posted by ブクログ
とにかく壮大で重厚な物語。
複数の人物の視点や思考、背景が丁寧に描かれていて、読むほどに物語の奥行きが増していくのを感じた。
ひとつの都市に夢や欲望を描きにやってきた人々が、やがて歴史という大きな渦に巻き込まれていく。
どのキャラクターにもそれぞれの信念や矛盾があって、善悪では語れないのが魅力的。
群像劇としての完成度も高く、描写も緻密。歴史小説のようでいて、どこか現実離れした浮遊感もある独特の読後感がある。
時折難しさを感じる部分もあったけれど、それ以上に、登場人物たちの運命が気になってページをめくる手が止まらなかった。
下巻ではこの壮大な物語がどこに着地するのか──
今から続きが楽し -
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Posted by ブクログ
上下巻感想。
カンボジアを舞台に、ポルポト政権発足前の時代から現代までを描く壮大なエンタメ小説。
なぜ買ったのかも思い出せないまま読み始めたから、カンボジアが舞台ということも知らなかったし、どういう方向に進んでいく話なのかも分からないまま手探り状態で読み進めることになった。
キャラクター視点の切り替わりがあまりにも頻繁に行われるので、話の目的が中々見えてこないだけでなく、上巻の途中まで主人公が誰なのかすら分からない。
けれども、カンボジアという滅多に見ない舞台ということと、泥を食べて泥と会話できるようになった男(その名も"泥")などの独特すぎる特殊能力を持つキャラク