小川哲のレビュー一覧

  • 嘘と正典

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    小川哲さん、『ゲームの王国』からのファン。
    これからゆっくりと、読んでいきたい作家さん。

    この本は、知的なSF短編集で、
    最後の”噓と正典”が秀逸だった。

    時間の観念がバグって
    過去が揺れる→現在の意味が変わる→未来も変わる
    時間が一直線じゃなく、
後から書き換えられるものになる。という不思議な感覚。
    さすがーー。
    他の作品も何というか品?があり満足です!

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    2026年02月21日
  • ゲームの王国 下

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    これはすごい小説! なんか、安易に感動しようと思って読んだら、がつんとやられた。あとがき(解説)に、驚愕の作り方がかいてあった
    読書体験を根底から考え直される作品

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    2026年02月26日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    ネタバレ

    架空の話を作り上げる小説家として一定の成功を収めている作者小川と、起業家、漫画家、小説家など自分が望む何者かになる(黄金を手にする)はずだった虚構の登場人物が描かれている。

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    2026年02月20日
  • 地図と拳 下

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    ネタバレ

    普通サイズの上下巻の本なのに、大河小説を読んだくらいには体力を失った。
    長い年月「地図」を仕事としていたので、書名に「地図」という文字が入っていると、つい手に取ってしまうのだが、重苦しい本である確率が結構高い。

    この本も、日露戦争を前にした時期から第二次世界大戦後までの長い年月を、ほぼ満州を舞台に書かれている。
    最初から最後まで通して細川という男が出てくるところから、いかに短い期間に立て続けに日本が戦争という大きな波に翻弄されていたのかが、恐ろしいほどにわかる。

    満州の東側の海に浮かぶ青龍島(チンロンタオ)が描き込まれた地図。
    ないはずの島が、どうしてその地図に描き込まれたのか。
    それを探

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    2026年02月18日
  • 地図と拳 上

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    ネタバレ

    地図と拳(上巻)は、一つの都市を舞台に、人間の理想と暴力、知性と欲望が交錯するさまを壮大なスケールで描き出した、まさに圧巻の歴史群像劇である。

    物語は、まだ何ものでもない「土地」に、人が線を引き、名を与え、意味を刻みつけていく過程を丁寧に追っていく。地図とは本来、世界を理解するための道具のはずだ。しかし本作では、その地図がやがて支配や野望の象徴へと変質していく。理性の結晶であるはずの“地図”と、衝動や暴力の象徴である“拳”。その対比が、時代のうねりの中で否応なく絡み合っていく構図が胸を深く打つ。

    登場人物たちは誰もが単純な善悪では割り切れない。彼らはそれぞれの正義と信念を抱きながらも、時代

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    2026年02月17日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    「『あーめんどくさ』って思ったでしょ?」
    わかるって思い、最初から引き込まれた。
    「読書をしている間は、時代や国も越えて、本と読者だけが存在している。」
    読書好きを惹きつけてくれる本。

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    2026年02月18日
  • スメラミシング

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    結構時間がかかって読んでしまったのですがとても興味深い話だらけでした。
    それぞれの話は短いですがどの話も余韻を残す感じで終わっていて
    続きが気になる感じでした。

    全体的に信仰心的な話がキーとなっていて
    目に見えないものをいかに信じるか信じないかみたいな
    そんなところがテーマになっているのかなと。
    裏に一貫したテーマを感じるにも関わらず表面的には時代も世界観も
    語り口も何もかもが違う話で構成されていて著者の幅広さと
    頭の良さをヒシヒシと感じました。

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    2026年02月14日
  • ゲームの王国 上

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    50年前のカンボジア。
    共産主義革命前夜の秘密警察の暗躍と、革命後のクメール・ルージュによる数々の虐殺の時代。

    クメール・ルージュのやり方に疑問を覚え、ロベーブレソンに理想郷を作ろうとしたフオン。
    フオンの目論見を利用し、元秘密警察のラディが力を持ち始める…

    孤児であり、ポル・ポトの娘・ソリアもまたクメール・ルージュの疑問を覚える。

    そして、ロベーブレソンは…
    ムイタックは…

    なかなか長かった…
    特に前半は、登場人物が多すぎて。
    それぞれの視点からの話で…
    ようやく登場人物が交わり始め、話が動き始める。
    そこからは、怒涛の展開で進み始める。

    ポル・ポト時代のカンボジア。
    共産主義とは

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    2026年02月11日
  • GOAT

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     愛が詰まった本だった。
     いつも本を買うときはふらっと本屋に行って、なんとなく気になったものを手にしていたから、まだ1度も作品を拝読したことのない方々を知るきっかけにもなった。これも一種のバリアフリーかもしれないし、本に熱を注ぐ人がまだこんなにもいるのだなと勝手ながら嬉しく思った。

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    2026年02月06日
  • GOAT

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    全部読み切り短編というのが、すごくいい。
    今までの文芸誌は、連載ばかりなので、なんだか蚊帳の外感があって、書い続けないと仲間に入れてあげないよーと言われてるみたいで寂しさを感じることしばしば。

    しかも豪華ラインナップに、いいの?この値段で?と問いたくなる。赤字だよね。

    ともあれ、西加奈子「デヴィアン」市川沙央「音の心中」小川哲「嘔吐」をまずは読む。

    全部面白い!
    小川哲は、朝井リョウと仲良しになって影響受けてるような笑。
    西加奈子も仲良しの村田沙耶香となんか似てるような。
    互いに影響しあって、短編だから、肩の力を抜いて自由に書いてる感あり。

    葉間中顕「五十歳,ロスジェネ、ギバー落ち」も

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    2026年01月31日
  • ユートロニカのこちら側

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    自由とは?と考えさせられる小説でした。
    AIが発達し、人間の苦しみがなくなる楽園(ユートロニカ)が、拡大していく物語。
    AIが人間の苦悩等がなくなるよう事前に行動を予防していく(またはそうさせる。)世界では人間は無意識的になる。それにたいて意義を唱える人たちを描いた物語。
    作中でたびたび、自由とはなにかと問いかける部分があり、そもそも何を以って自由なのかと考えさせられる小説でした。

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    2026年01月29日
  • 大宮エリーの東大ふたり同窓会

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    東大は国立大学とあってか、東大を目指した経緯とか、生い立ちとかに幅があっておもしろかった。

    あと、ここに出てきた人特有の共通項なのかもしれないけど、みんな群れない生き方をしている。
    常人が考えてもみない、困難な道を自分1人で切り拓くのが得意な人が東大に集まるのかも?

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    2026年01月27日
  • ゲームの王国 下

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    個人的には上巻よりも面白かった。
    重畳的に奥深く世界感が構成されており、まとめて一気に読みたい作品(途中で時間が空いてしまうと、この作品の世界から離れてしまい、再び奥深くに入り込むことが難しくなる感覚がある。また、一度奥に入り込んでしまうと中々出てきにくいので、一気読みの方が楽しめるように思う)

    著者の一作目、ユートロニカのこちら側に続いて読んだが、確かに指摘されている通り、史実をベースとする展開や狂気を孕んだ人の表現の具体性が、ごつごつとした手触りをもたらし、前作に比べて人工的な洗練さからの脱却が見られて、著者の進化を感じられる。

    自分自身が研究者であること、またメカニズムデザインを齧っ

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    2026年01月27日
  • 君のクイズ

    mii

    購入済み

    クイズって面白いの究極の言語化

    ちょうど少し前からQuizKnockさんの動画見るようになってクイズの奥深さに触れているところで、この作品に出会いました。
    動画を見ながら、なるほどそういうふうに考えるのか、そういう部分で勝負するのか、と感覚的に捉えていた部分が明確に言語化されており、「クイズの解答」をもらった気持ちでした。
    そういう風に、全編を通してテストの答え合わせをしているような感覚だったので、あまりミステリー感は感じず。どちらかというと三島の人生を追体験するようなヒューマンドラマを見ている気分でした。

    作中では多くのクイズプレーヤーを敵に回す本庄ですが、私は悪だとは思えなかったです。戦ってる土俵が違っただけ。立場が違

    #深い #タメになる #ドキドキハラハラ

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    2026年01月26日
  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    「情報銀行」という言葉が出る度に、なんだか生温かい気持ちになるわけですが…面白かったです!一見するとユートピア系ディストピア小説なのですが、第二章などを読むと、単純なディストピア…でもないのかも?という気持ちになります(過去のデータを仔細に見る事で、かえって今に意識がフォーカスできる、というの良かった)。というわけで非常にニュートラルで新鮮でした。群像劇なのも良いです。第二章で出てきたリード刑事が第二章では随分と感傷的なのに、第三章では太々しい後輩刑事然としていて、これこそ群像劇の味わい!データをもとに排除されるのは、危険とレッテルを貼られた人物よりも、不確実性の高い人物…というのも今後あり得

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    2026年01月24日
  • 地図と拳 下

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    どう終わらせるのか難しいけど,こうしますか。もう少し違うものが欲しかったかな。無い物ねだりではあるけれども。

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    2026年01月24日
  • ゲームの王国 下

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    SF最高!
    『三体』でSFの面白さを知って、『ゲームの王国』でやっぱりSFっていいなと改めて思った。
    『ゲームの王国』は哲学的な思索に満ちたSFとして非常に面白かった。

    「感情とは物語」ってくだりが好き。

    キャラ設定はクレイジーでめちゃくちゃ異世界。
    私もヘモグロビン改善しようと思う。

    ただ、表現の一部には男性作家特有の癖を感じるところもあって、一歩引いて読んだ。
    村上春樹的な・・・(個人の感想です。ハルキストの皆様、すみません。)

    ポル・ポト支配のカンボジアの悲惨な時代を生き、その後の腐敗した政治を変えるために権力を手に入れようとしたソリヤ。
    本当にポル・ポトの娘だったのだろうか。

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    2026年01月17日
  • ゲームの王国 上

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    小川哲さんの頭の中、どうなっとるんや。
    めちゃくちゃなキャラ設定とめちゃくちゃな史実の組み合わせで物語を作ってしまってる。

    ポル・ポトの名前は知ってたけれど、カンボジアの凄惨な政治については、ほとんど興味を持ったことかなかった。
    これが史実とは、ひどいな。

    人間がゴキブリみたいに処刑されてる。

    綱引きチャンピオンのマットレスの思考が「綱引き」だったのが、いつの間にかソリアの思考がマットレスの思考になっていたのが印象的。洗脳だね。

    思考実験の塊小説。

    人間に自由意思は存在しない。

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    2026年01月15日
  • 地図と拳 下

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    久しぶりに上下巻の小説を読んだ。人々の苦悩や思考がすっと頭に入ってくる。書き手の体幹のようなものを感じたし、安心して最後まで読みきれた!おもしろかった!

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    2026年01月14日
  • ゲームの王国 下

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    上巻と下巻でガラッと趣が異なる。

    上巻は20世紀のカンボジアの歴史を駆け巡る内容。不安定な政情と政府の弾圧・暴力が容赦無く民衆を攻撃する展開に思わず目を覆いたくなります。多少魔術的な要素を秘めつつも、SF的要素は皆無で、「あれ、この作品、日本SF大賞受賞したんだよな」と思うことしばしば。そんな極めて過酷な情勢下で生まれ育った神童ムイタックと人の嘘を見抜ける不思議な少女ソリヤは運命の糸に絡め取られるように出会い、そして宿命的な決別を遂げます。かなり怒涛の展開のなかで、悲惨なシーンを抱えて上巻は幕を閉じるのですが、下巻はそこから一気に半世紀も時を下ります。
    ここからSF的要素が加わってくるのです

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    2026年01月15日