小川哲のレビュー一覧

  • 地図と拳 上

    Posted by ブクログ

    小川哲の力量を感じる本だった。通勤電車でこの分厚い本を出して読む勇気を誇りたい。
    そのくらい必死に読まなければ読みきれない。
    しかしながら、日本が世界を舐めてかかっていたその時代の一端を知るいい機会をいただいたと思った。
    日本にとって、日露戦争から第二次世界大戦までの長い戦争の時代を感じつつ、
    私の長い、分厚いこの本の読書も終えることができた。
    終わって思ったこと。長いわ

    0
    2026年04月29日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    ひねくれものと自称する著者が、身近なエピソードから考えすぎな面を提供してくれる本です。
    小川さんのものの見方を通じて自身のものの見方を整理させてくれます。
    最初から最後までクスッとさせてくれる本でした。

    0
    2026年07月24日
  • 火星の女王

    Posted by ブクログ

    火星でとある物質の構造変化を見つけた学者のリキ・カワナベ。なんてことない物質の「今後どう生かされるのかもわからない」発見だったのだが、地球との力関係を大きく変えると目を付けられて・・・

    いや面白かったです。ジャンル的にはSFなのだろうか。でもわかりにくい設定とか用語なんかもそんなになく、普段読み慣れていない自分でもすんなりと楽しめました。
    以前に同じ作者さんの本読んで結構話が重めだったので身構えたり、残りページがだいぶ少なくなってきたのに話がまだ盛り上がってるところで大丈夫なのか?と心配したりもしましたが、今回は(最終的には)なんともさわやかにきれいに終わりました。よかったよかった。

    0
    2026年04月28日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    思ったより、「斜め45度」ではなかったが、それは自分が同じくらいの傾きだからだと思った。書いてある内容は、全てではないが、大部分自分にも当てはまった(とくに、フェイクブロッコリーのくだり)。が、多分この本を手にしている人達は、多少「斜め」な人が多いと思うので、同様に感じる人も多いのだろうと思う。
    面白いエッセイというより、人生の教訓になる話も多かった。説明能力とたとえ話の精度をあげる方法、誹謗中傷の喰らわない方法、他人を見下しそうになった時の対処、失敗は成功の元とは限らない事、手土産に現金を渡さない話、などは、参考になった。
    一番衝撃的なのは、「おわりに」だった。マンマと小川さんの思惑どおりに

    0
    2026年06月26日
  • 火星の女王

    Posted by ブクログ

    最初は結構パッとしない感じだった。光の速さでも、火星と地球の間の通信が片道5分以上かかるという、光でも遅すぎるというキーワードが出てきて以降、それがちょっと自分の中で引っかかっていた。
    物語の中では通信が往復で15分くらいかかるということを利用して、その間に電撃的に火星が地球側の拠点を制圧して火星の独立を実現するというエピソードが出てくるが、それ以外にも火星と地球でどうしても同期したコミュニケーションがしづらいことで意思疎通が図りづらいというような描写というか、そういう文脈が通底している。
    そしてそこで最後に光の速さを超えた同期を実現するスピラミンという特殊な物質の活用方法としてコミュニケーシ

    0
    2026年04月27日
  • スメラミシング

    Posted by ブクログ

    短編集なのに作品間の振れ幅が広すぎる小川哲ならではの小説を楽しめた。表題作の狂気っぷりはある種人間味があり、密林の殯にあった神がたくさんいる文章は強烈だったし、ちょっとした奇跡は凄く良かった。

    0
    2026年04月26日
  • 地図と拳 下

    Posted by ブクログ

    フィクションと事実を分けながら理解しようとするとかなり時間がかかるが、日清、日露、日中戦争の詳細を復習する良い機会となる本でした。
    とにかくストーリーに飽きず、すぐ読めてしまいますが、この炭鉱での事件のきっかけはなんだろう?この日本の決断が欧州列強に及ぼす影響はどのようなものか?などを考えたり、調べたりしながら読むのがオススメです。

    0
    2026年04月23日
  • 火星の女王

    Posted by ブクログ

    火星に移住した人々と地球にいる人々との関係を描く。
    読んでいてまるで、「スペースノイドとアースノイドの軋轢みたい」と笑ってしまった。ここで展開される世界観では火星は資源的に自立することができず、定期的な地球からの物資支援を必要としている。そこに火星が自立するチャンスが来たのか、それとも? ってことで話は展開していく。
    科学的な考証は緻密だ。あとは火星開発の経済的な理由をうまく設定できればねぇ。

    0
    2026年04月22日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    下巻は『記憶』を主軸に話が進んで行く。
    上巻のクメール・ルージュの時代からいきなり現代まで時代が進むが、引き続きトンチキな能力者や、変わった奴らが出てくるのでそこら辺は安心してよい。
    壮大で予測不能なこの話をどう終わらすのか期待していたが、結末としては至極平凡。
    過程がとても面白くて結末が綺麗に締められてるならそれで良しかとも思った。

    0
    2026年04月20日
  • GOAT

    Posted by ブクログ

    話題に釣られて購入。
    文芸誌を初めて買ったがこんなに面白いだなんて。
    愛をテーマに様々な作家の読み切りがこれでもかというボリュームでとても大満足。
    誰が読んでもお気に入りの作品が見つかると思う。
    白をモチーフにした柔らかな表紙に中もカラーの紙で雰囲気もおしゃれ。
    高物価の時代にこの品質で510円というのは信じられない。
    幸い何刷も重版されているので今から気になる人は絶対手に取ることをお勧めする。

    0
    2026年04月06日
  • 地図と拳 上

    Posted by ブクログ

    満州国の設立前後の時代を題材とした大河ドラマ。日本のあるべき姿に関する議論や満州の住民との関係性が描かれている。
    戦争に突き進む政治情勢の中、主人公たちはどのような人生を送るのか、下巻が楽しみ。

    0
    2026年04月04日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    自由を望む人たちがアガスティアリゾートというものに振り回されているようなイメージ
    自由とは?正しさとは?律することとは?
    短編のような長編のような不思議な作品だった
    SFやディストピアのような作品を読み慣れてないとちょっと思考がごっちゃになりそうだな

    0
    2026年03月23日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    近未来のディストピア小説で設定・世界観・テーマにした纏わるエピソード展開や知的で洗練された文章がとても良かった。どこか入り込めなかったのは狂気と変態的な部分までもを知的に描いたから?それでも十二分に面白かったを

    0
    2026年03月19日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    去年からQuiz Knockの動画にハマり、日々更新を楽しみにしているので気になっていた作品。

    問題が出る、回答する、判定が出る。この数十秒間のクイズプレイヤーの脳内がのぞくことができる。改めてその思考力に衝撃をうけた。
    Quiz Knockの動画で彼らのすごさは感じてはいたけど、こうして情報処理の過程を見せつけられるととても人間業とは思えない。
    魔法使いではない、と言っていたけど、それが努力に裏打ちされてるからある意味魔法使いよりすごい。

    0
    2026年07月08日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

    Posted by ブクログ

    小川さんの対談集ということだったが、どうやらラジオ番組のゲストとの会話をまとめたものらしい。
    ラジオ番組持ってたんですね。
    ゲストは小説家をはじめ、芸能人、映画監督など。
    ものを作り出していく、表現する人たちは、インプットとアウトプットがしっかりしているというか、考えを言語化するのが巧みだなあと感心しきりです。

    0
    2026年03月07日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

    Posted by ブクログ

    小川哲のラジオ番組でのゲストとの対談をまとめた本。
    様々なジャンルのゲストが登場するが、その度にゲストが読んできた本について何かしら返事ができる小川哲の読書量と豊富な知識に驚かされた。
    さすが、「地図と拳」巻末の参考文献を全て頭に入れて小説を書き続けた人だ。

    個人的には「しろがねの葉」などを書かれている千早茜との対談が興味深く、当時の直木賞を生中継で見てたこともありとても楽しく読めた。
    あとは「カイジ」などの作者、福本伸行もよかった。漫画は知っているが作者の人となりは知らず、興味が沸く話ばかりだった。

    ゲストは小説家が多かったが、どなたも頭が良くあらゆることにアンテナを張ってる方ばかりで、

    0
    2026年03月03日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    上下巻で800ページを超える長編小説。
    カンボジア秘密警察時代からポルポト政権下となり200万人以上の虐殺が行われた時代を描く。
    史実ながら物語はフィクション。
    小川哲さんならではの独特な登場人物たち。泥を食べ土の声を聞き地を操る男、輪ゴムで死を予兆する男、嘘を見抜ける少女などなど...クセになります。
    上巻、憎悪のクライマックスを迎え下巻に突入するが、ここでSFに転換。『ゲームの王国』というタイトルにも納得です。
    すっかりファンになりました。

    0
    2026年03月01日
  • 嘘と正典

    Posted by ブクログ

    SF中心の短編集6編。読者に考察(想像)の余地を残した物語が多かったです。
    表題作の嘘と正典は長編でも読んでみたい...。
    冷戦下ソ連で、密かに発見された〈過去にメッセージを飛ばすことのできる技術〉を利用し、マルクスとエンゲルスを出会わせず、共産主義を根本から消滅させようと壮大な歴史改変を試みるCIA工作員。
    このイデオロギーと史実とSFの融合がたまらんです。

    0
    2026年02月27日
  • 地図と拳 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    満洲という激動の土地を舞台に、理想と暴力、計画と衝動がせめぎ合う壮大な物語。その完結編である下巻は、上巻で張り巡らされた思索と葛藤を、より深く、より鋭く掘り下げていく。

    読み進めるうちに感じるのは、この作品が単なる歴史小説ではないということだ。そこにあるのは、「国家とは何か」「理想はどこまで暴力を正当化するのか」「人は歴史の歯車なのか、それとも抗う存在なのか」という根源的な問いである。登場人物たちは皆、巨大な時代のうねりに翻弄されながらも、自らの信念を握りしめて立ち続ける。その姿は、英雄的というよりもむしろ痛切で、人間的で、だからこそ胸を打つ。

    タイトルにある「地図」と「拳」。地図は未来を

    0
    2026年02月23日
  • スメラミシング

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    難しかった~ 
    「スメラミシング」
    ずっと「すみません」と謝っているのが印象的だった。
    高校生の時に、クラスメイトの長田と小海線に乗りに行こうと計画を立てたが、
    結局行けず、長田とはその後、疎遠になるのだけれど、あの時、一緒に行けていたら、
    また違った関係になっていたのではと、そんなことを何度か考えたという話。
    本筋とは関係ないけれど、こういう感じ、感覚が僕はとても好みでついつい繰り返して読んでしまう。
    「何度か」という言葉に、「ああ、何度か考えたんやな」などと思ってしまうのだ。
    自分の癖なのかもしれないです。

    「神についての方程式」
    数学的なことはさっぱりわからんが、物語の構造がおもしろか

    0
    2026年02月22日