小川哲のレビュー一覧

  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    上巻から一転、現代に舞台が飛ぶ。
    異なる道を歩む2人が、最後に楽しめていたらいいなと思う。
    脳波の部分はうまく理解できなかったのが悔しい。
    神話的な要素もある、不思議な読後感。
    後の作品に繋がるような記述もあって、それも楽しかった。

    0
    2023年12月05日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    情報企業が運用している実験都市・アガスティアリゾート。このリゾート内で暮らすことを選択した/認められた人々は、自らのバスルームとベッドルームを除くあらゆる場所・時間での個人情報を視覚・聴覚・位置情報等全て企業に提供することと引き換えに、働かずとも十分に生活できる報酬と、劇場・スタジアム・フィットネスクラブ・公園その他諸々の時間潰しを提供される。
    一見ユートピアのようなこの実験都市にも、馴染めない人、反発を覚える人、そもそも入る資格を持てない人、様々な思いが交錯する。裕福さと個人情報を取引する、ここはユートピアなのか、ディストピアなのか?

    今や直木賞作家の小川哲、ハヤカワSFコンテストで大賞を

    0
    2023年12月03日
  • 君が手にするはずだった黄金について

    Posted by ブクログ

    装丁がカッコいい。作者の前作も面白かったので読んでみた、読みやすく、新鮮な内容で、冒頭からひきこまれた。

    0
    2025年11月03日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    おもしろかったし中々すごかった。
    が、期待しすぎた(俺の悪い癖だ)。

    舞台はカンボジア。史実に基づくが、あくまでも小説なのでフィクションが大いに混じる。とはいえ自分がカンボジアの歴史に疎いためよくわからないが。
    かなりざっくり言うと、上巻はポルポトが政権を取り国民を虐殺するまでを描く。下巻は国を変えるために動く女性ソリヤと、ソリヤを止めたい天才ムイタック教授が中心のお話。上巻は1950年代で、下巻は2020年代のお話になる。

    上巻。
    基本的にはソリヤとムイタックまわりのお話。どんな村でどんな風に生きてきたか。
    ソリヤは赤ん坊の頃、ポルポトの隠し子かもしれないがよくわからず、まったく関係ない

    0
    2023年10月12日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    上は面白かった。カンボジアの歴史という、あまり知らない知識に触れられた。
    社会描写はある程度史実に基づいているらしいのに、天才児ムイタックや、輪ゴムから未来を予知するクワン、土を自在に操る泥、など不思議で強烈なキャラクターが出てきて、マジックリアリズムを感じさせた。
    翻訳された外国文学を読んでいるような気がした。
    SFかどうかは別にどうでもいい。

    0
    2023年10月10日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    シハヌーク〜ロン・ノル〜ポル・ポト。時代背景は大虐殺があったカンボジア激動期。理想の王国の建設、渦巻く知略謀略、特殊能力を持った子どもたち…なるほど、後の「地図と拳」「君のクイズ」の原点とも言えるような要素があちこちに見受けられ、引き込まれた。上巻はSFというより歴史小説。

    0
    2023年10月11日
  • 君が手にするはずだった黄金について 無料お試し版

    購入済み

    エッセイっぽい私小説っぽい

    冒頭部分 プロローグの哲学っぽい エッセイっぽい語り口に、やや読みにくいその語り口に いつの間にか引き込まれていった。以前数学者のことを書いた本を読んだときに、似たような感想を抱いたのを思い出した。そういえば数学と哲学というのはよく似ているんだ。使う道具が違うだけで。作者の意図に転がされたような気がする。

    0
    2023年10月09日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    もっと早く読めばよかった。上巻と下巻でだいぶテイストの違って、しかし両方とも読みごたえがあっていい。登場人物紹介だけ見るとカオスすぎるけど、だんだん、ロベーブレソンの面々がくせになってくる。

    0
    2023年09月25日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「世の中の出来事をそのまま物語にしたら、本当はみんな、そんな感じなんだ。途中まで面白そうで、何か意味がありそうに見えるけど、最後は大体無意味に終わる」

    0
    2023年08月21日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    ポル・ポト、クメール・ルージュについての話ということだったので前もって歴史をおさらいしてしまい、どんよりとした気分で読み始める。
    史実、ノンフィクションに近いと思われる部分にはやっぱりどんよりしつつ、突然能力バトルみたいな話になって唖然としたり、ムイタック、ソリヤがその才能の片鱗を見せつける場面にはワクワクしたり、そして上巻ラストではうわー!ってなったり…感情揺さぶられまくりながら下巻へ続く。
    …下巻1ページ目、どういうこと!?

    0
    2023年08月14日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    日々の自分の生活の中では考えが及ばないような思考にさせてくれる一冊でした。
    SF、ディストピア物であるけれど、哲学的と感じたし、読んだ後もなんだか思いを巡らせてる自分もいます。

    0
    2023年07月15日
  • ゲームの王国 上

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    1970年代のカンボジア暗黒時代を舞台にした物語。
    腐敗した王族の専制、資本家の搾取、秘密警察の暗躍。
    こうした腐った社会を打ち倒すために反政府革命を目指したはずだったが、革命の理想は曲解され、社会はより一層荒廃し、事実無根の罪で大量の人が軽々と殺されていく。

    愚かさと理不尽さと残酷さが執拗なまでに描かれ、タイトルの「ゲーム」とはほど遠い展開が続く。どこにゲームっぽさがあるんだろうかと思いながら読み進める。

    中盤くらいになって、やっと「ゲーム」の意味が分かってくる。この物語におけるゲームとは、「複雑怪奇なルールの下で、一つでも違反をすれば殺される命賭けのゲーム」であり、理不尽な社会の下で生

    0
    2023年06月20日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    見るもの、聞くもの、その行動のすべてをデータとして提供する代わりにほとんど働かなくても生きていける実験都市、アガスティアリゾートに住むことができる。
    というとても単純な舞台設定をベースに、その実験都市の中の人や外の人の人生を描き出す群像劇。
    この実験都市はある人にとってはユートピアで、ある人にとってはディストピアとなる。
    登場人物それぞれの人生がリズム良く語られた後、最後に「そもそも意識とは何か」という命題を突きつけてくる。もし興味を持って読んでくれる人がいるかもしれないので多くは語らないけど、意識というのはストレスがあって初めて自覚されるのではないかという問いが投げかけられる。
    ここはもうサ

    0
    2023年04月18日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    自由と同価値に楽(ラク)があるのではなく、自由と同価値に安心があるわけでもない。楽で安心な世界は不自由で退屈な世界だ。
    何を大切にして生きていくのが自分の人生を歩む事なのか、考えさせる物語。

    0
    2023年02月21日
  • ゲームの王国[体験版] 上

    購入済み

    あまりに悲惨で

    全人口に占める虐殺された人の比率が史上最悪といわれる、あまりに悲惨なカンボジア.ポルポト時代を舞台とした作品である。少しはSFっぽい設定もあるようだが、主体は身近な住人同士による相互監視 親子兄弟同士の密告 秘密警察 強制収容所 そして虐殺である。同じ様な例が、ナチス時代のドイツ スターリン時代のソ連にもあったようだが、カンボジアのほうが時代が近いためによりいっそう悲惨さが実感される。読み進めるのが辛いほどである。

    1
    2023年02月01日
  • ユートロニカのこちら側

    Posted by ブクログ

    進化する事によって捨てるものと得るものが
    あるけれど、捨てるものって案外見えてないから
    難しいもんです。

    0
    2023年01月29日
  • ゲームの王国 下

    購入済み

    人とルール

    カンボジアの歴史。ルールをここまで大胆に根底から覆すゲームは、聞いたことがなかった。そこにどんな崇高な理念があっても、他者を踏みにじるルールが人々に受け入れられるはずがない。過去の日本にも通じるものがあると思う。
    ルールは平等をもたらしても、自由を損なう。自由と平等のバランスは集団生活の永遠のテーマなのかもしれない。
    個人的には、ルールは誰かから与えられるものではなく、一人一人が育んだものを持ち寄って作れたらと考えるが。

    0
    2021年07月29日
  • 火星の女王

    Posted by ブクログ

    未来の火星に住む盲目の女性が主役だが、他の視点で交互に物語が進むため、頭の切り替えが大変だった
    話自体はSFの宇宙もので小川氏らしく物理的な話もあり楽しめた
    ただ、宇宙ものという壮大な話をこの短い中で書かれているので、どうしても展開が急でこじんまりとした印象が拭えない

    0
    2025年12月08日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    ページ数も少なくて読みやすかった。
    クイズについての本であり、これからクイズ番組を見る時に考え方が変わるであろう本。
    期待していたよりはオチが弱い気がしたが、クイズに答える人の考え方がわかって面白かった。

    0
    2025年12月07日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    クイズ番組の決勝戦で、なぜ対戦相手が問題が読まれる前に回答できたのかの謎を解く。なるほど。するする読めて、テレビ好きの若者には面白いエンタメ小説でしょうね。推理作家協会賞受賞作。本屋大賞6位。

    0
    2025年12月06日