小川哲のレビュー一覧

  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    ネタバレ

     本書は、小川哲がパーソナリティを務める(務めた?)ラジオ番組でのゲストとの対話をまとめたもの。作家、映画監督など表現者との対話が主であり、なかなか錚々たる顔ぶれだ。1年半ほどの番組の中からセレクトした12人、12章が並ぶ。
     ざっと見て、万城目学、逢坂冬馬、九段理江、加藤シゲアキとその著作を読んだことのある作家が目立つ。芸能人作家でもある小泉今日子に太田光も、どちらの著書にも触れたことがある。映画監督濱口竜介は、ちょうど『悪は存在しない』が上映されていたころの対談か。映画も観ているので話が分かりやすい。
     そう、登場人物たちの作品にある程度触れていないと、その会話の深みが味わえない部分もある

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    2025年11月14日
  • 嘘と正典

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    大雑把に言えばタイムトラベルと歴史に関しての短編集といったところか。

    各短編の良し悪しにはかなりの差を感じた。
    だが概ねどれも興味深く読めたのは確か。

    名馬スペシャルウィークの血統に我が身を重ねる『ひとすじの光』は
    競馬好きにはたまらない内容。
    自分が一番競馬に熱を上げていた時期の名馬に関する物語が読めるとは。
    そしてこれほどまでに熱い血の浪漫が読めるとは、そういった感動があった。

    そして表題にもなっている『嘘と正典』
    これは長編で読んでみたいと思うぐらいの出来だった。
    マルクスとエンゲルスの出会いを阻止することで共産主義の消滅を企む。
    構成とオチは完璧。勿論、その結末には驚かされたに決

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    2025年11月14日
  • 君のクイズ

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    クイズ小説であり、ミステリ小説であった。
    クイズ小説としては、クイズの醍醐味やテクニック、競技としてのクイズの魅力をわかりやすく伝えている読み応えのある小説であった。一方で、ミステリ小説としては少し物足りなさを感じた。この小説におけるミステリポイントは間違いなく「ゼロ文字正答」が如何にして行われたかである。ここに対する答えが驚くべきものであればあるほど、ミステリ小説として際立ったものとなる。この種明かしに期待して読み進めた分、驚きの落差は大きくなかった。別に納得できないわけではないが、読者にとって公平かどうかは疑問が残る。どうも後出しジャンケンのような気がした。
    クイズが好きな理由が少しわかっ

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    2025年11月11日
  • 地図と拳 上

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    歴史の勉強にもなるし、面白い
    これは映画化するんでは?とか考えながら読みました

    小川さんの他の作品と雰囲気が違う
    こんな歴史物も書けるなんて本当にすごいです

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    2025年11月10日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    クイズを極めるとはどういうことなのか、自分の知らないクイズの世界を見ることができたのが良かった。
    三島が自分の過去の思い出を辿ってクイズの答えを導き出すのは「スラムドッグ$ミリオネア」を彷彿とさせた。
    本庄の0文字回答もそういうことなのかなと思っていたけど、「知名度を上げるためにクイズを使った」という真相は意外とあっさりとしていて、少し拍子抜けした部分もあった。
    「なぜクイズをするのか」という問いに対する答えが違うことから来る拍子抜けみたいなものを、三島も感じたのだろうと思った。

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    2025年11月10日
  • 言語化するための小説思考

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    推理小説などを読む時、どこから考えてるんだろうと不思議でしたが人によるとはいえ作家さんたちがこんな風に考えて作品を作っているんだということがわかり、面白かった。
    そして相当頭がいいんだということも。
    商業作家として作品を生み出し続ける為には小川さんのように読者と作家の距離感を考えながら描かなきゃいけないのかと。
    大変なお仕事ですね…。
    と同時に、私たちの感想も作者の意図しない捉え方をされているかもしれない…という誤読の答え合わせをするためにも大事なんだと気付かされました。
    これからはありきたりな感想じゃなく、私が感じた、作者に届ける感想、次の読者に向けた感想を書くことを頑張ってみようと思う。

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    2025年11月09日
  • 君のクイズ

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    クイズ番組の裏側を覗き見られるような作品、クイズの問題がもう少しわかりやすかったり、ミステリー作品ネタとかに絡んでいたらもっと良かったかな

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    2025年11月09日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    クイズで同小説を?と思っていたけど、普通に面白かった。が、少し期待値が高すぎたかなぁとも。
    主人公の視点で、0文字押しをしたクイズの相手が何故押せたのかを読み解いていく、一応ミステリ。
    地の文が主人公の思考で、確かに飛躍するよなぁと、言葉の背景、似た音の言葉など思考が飛ぶのは共感と文章になると面白くもある。
    クイズの内容は普通に難しく、知らん話もあるが主人公の解説(思考)があるので読みづらいことはない。
    対戦相手について調べ、自分のクイズ歴について思い返して。何故解けたのかは過去にどちらかが解いたことのあるような問題が出ているという、まあ読み進めればそうだよなぁという結論に辿り着く。ラストはす

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    2025年11月09日
  • 火星の女王

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    それぞれの想いや思惑が複雑に絡み合っているのを、すごい上手に描いていて、内容自体はあまり好みではないが、この作者の他のタイトルも読んでみたくなった。

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    2025年11月09日
  • 君のクイズ

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    最後が拍子抜け感あったのは、作者の思う壺なのだろう。競技かるたの決まり字の概念と似ていて、やはりその道にはその道の知があるのだと、いろんな世界を深く知りたくなった。どんどん真相に近づいてく感じ、推理が面白かった。

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    2025年11月09日
  • 火星の女王

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    本の発売より先にNHKドラマ化が発表され、いやがうえにも期待感が高まっていた新作は、「ゲームの王国」以来となる久しぶりのSF長編。まず、「女王」をはじめ登場人物は一癖も二癖もある者ばかり。そして火星vs地球の構図はまさに小川哲版「宇宙戦争」。とは言えタコ型異星人は出てこない。対峙するのは生身の人間同士。今の世の中を象徴するような分断が宇宙規模で、ミステリー要素を絡めながら、時にユーモラスに描かれていて面白かった。火星を舞台にした、欲と希望と「だからなんだ」の物語。

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    2025年11月10日
  • 君のクイズ

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    生放送のクイズ番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場した三島玲央は、対戦相手の本庄絆が一文字も読まれていない問題に正答し優勝したことに疑念をもつ。なぜ本庄は「ゼロ文字正答」ができたのか?

    この冒頭がまず本当に面白い。本庄はヤラセを行ったのか。そうでなければなぜ一文字も読まれていない問題を答えられたのか。

    私はQuizKnockの大ファンなので、どういうふうに確定ポイントが決まっていくのかや、「読ませ押し」というテクニック、自身の体験から基づいた記憶は強いことなどは知っていた(つもり)なので、そういったクイズの技術面がたくさん描かれていて、とても面白かったです。ゼロ文字正答に至った経緯もとても

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    2025年11月08日
  • 旅する小説

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    ネタバレ

    ・宮内悠介 「国境の子」
    対馬生まれ韓国人とのダブルの話
    ・藤井太洋 「月の高さ」
    〇小川 哲 「ちょっとした奇跡」
    自転がほぼ止まった地球で明暗境界を移動するカティサーク号の少年は、地球の反対側で同じことをしている車へと出発する。
    ・深緑野分 「水星号は移動する」
    〇森晶麿 「グレーテルの帰還」
    グレーテルはヘンゼルに誘導され魔女(祖母)を焼き殺す。
    〇石川宗生 「シャカシャカ」
    地表が突然シャッフルを始め、時間と空間が円環する。

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    2025年11月09日
  • ユートロニカのこちら側

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    個人情報を提起することで、理想的な生活が
    送られる実験都市「アガスティアリゾート」。
    その情報に等級をつけて、住民たちの生活を管理しています。
    監視されながら生きる生活に自由はあるのか。
    ユートピアとディストピアの狭間で創り上げられた都市で生きる人々のお話です。
    小川さんのデビュー作で、最初ユートロニカの
    意味が分からなかったのですが、理想郷の意味が
    ある「ユートピア」と電子音楽や電子機器全般の
    総称でもある「エレクトロニカ」を掛け合わせた
    造語だったみたいで、「永遠の静寂」を意味するみたいです。

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    2025年11月02日
  • これが最後の仕事になる

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    24人の作家さんが「これが最後の仕事になる」の書き出しで1編6頁、24種の物語!
    大好きな作家さんが何人も名を連ねていて思わず読んでみました…恐い話や難しい話もあったけど1編が短くて手軽に読めました

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    2025年11月02日
  • 地図と拳 下

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    第168回、直木賞受賞作。

    近代史、特に戦争モノ×SFはシンプルに好きです。
    視点が登場人物ごとに変わり、歴史は細かく進む。
    面白かったけれど、SF的要素の物足りなさと、ラストのあっさり感は残りました。

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    2025年11月02日
  • 火星の女王

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    初の小川哲作品、タイトルに惹かれ読んでみた。
    スケールの大きさよりかは、リアリティとかユーモア溢れる人間模様を描いてる作品。まあ読んで損はしないものの、もっと面白い本格SFいっぱいあるし、そんなにお薦めするほどではないかなー。

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    2025年11月01日
  • 火星の女王

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    物語の舞台は火星の移住して40年後の世界。
    火星では、13のコロニーが建設されていて
    各コロニーに移住した人たちが暮らしている。
    研究者として火星に移住した地球人のリキ・カワナベは、火星である物質を発見した。
    この物質をめぐり、火星と地球の争いが始まろうとしていた。
    火星育ちの大学生リリは、地球に行くために訓練を受けている。
    リリとカワナベの物語が交差していく。
    圧倒的なスケールで描かれていく、火星の姿。
    地球に住んでいる者、火星に住む者、2つの目線で
    描かれる究極のエンターテイメント作品です。

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    2025年10月29日
  • 火星の女王

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    新物質を巡る学者の執念、有力者の娘の誘拐、火星側の地球からの独立への燻り、と要素が盛りだくさんで、群像劇なので視点があっちこっちに行くため、アルコールをたらふく摂取した私の頭がこんがらがりそうになった。が、シンプルに捉えてしまえば本作はボーイ・ミーツ・ガールを描いていると言ってもいいかもしれない(しっかり読んだ方に怒られるかもしれないが)。
    終わり方が爽やかで、希望が持て、とても気に入った。

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    2025年10月26日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    ちょうど続けて小川哲さんの作品を読んだ。読み終えることはできるけどそんなにこの型の作品は自分には刺さらないのかなあと感じた。

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    2025年10月25日