小川哲のレビュー一覧
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「旅」をテーマに、気鋭の作家陣が短編を寄稿したアンソロジー。とはいえ旅の解釈はそれぞれであり、SFだったりミステリーだったり、各人の特徴が出ている内容となっている。
個人的な好みは藤井太洋さんの「月の高さ」。ご本人の経験を踏まえた舞台芸術の置かれた現状、地方巡業のドタバタ感、枯れたおじさんと若い女性の緩い連帯といった内容が小気味よくロードムービー的に展開されていて面白かった。
一方で石川宗生さんの「シャカシャカ」については正直よく理解できなかった。地表がシャッフルされるという話のメタ構造として、各章の順番もシャッフルされていく流れなのだけど、いきなり話と場所が飛んでしまうためについていけな -
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Posted by ブクログ
何を言うてるの?という話が半分くらいだったけれど、陰謀論だったり、宗教だったり、神だったり題材が自分の関心というか不思議だと思うことと重なっていて、自分はそっち側になることもあるし、その逆側になることもあるんだけど、それを俯瞰して読めることが面白かった。
小川哲さん、「君が手にするはずだった黄金について」で初めて読んで好きになって、「君のクイズ」も面白くて、期待に胸を膨らませてこの本を手に取った。でも最初から読みづらすぎて全然入ってこなくて、無理だと思って諦めちゃっていたんだけど、「地図と拳」ではまって読書熱が上がり、もう一回読んでみてよかった。特に最後の話がとても好きだった。 -
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Posted by ブクログ
小川哲『直木賞受賞作品 地図と拳 下』。
満州国建設。
満州を巡って、複雑に入り乱れるそれぞれの思惑。
明男も建築学徒として、仙桃城へ。
関東軍の乱暴な支配に支那人との対立は激しくなっていく…
土地の利権を巡って、人たちは拳を交える。
土地を知るために、地図を作り、そして我が物とするために戦う。
まさにウクライナとロシア、イスラエルとガザ地区…
日本は石油がないために石油を求めて、戦争へと。
勝てるわけがないのに…
細川のような人間がいれば、第2次世界大戦は防げたのかもしれない。
戦争は何も産まない。
平和であることを望む。
やっぱり歴史小説は史実に基づく方が。
空想が入るのは何か違和 -
Posted by ブクログ
ネタバレSF短編集。この短編集ひとつであらゆる時代のあらゆる物語が楽しめる。作者の着眼点・想像力が凄まじい。ただし、ものすごく分かりやすい文章にしてある所為か、文学的な要素は薄いと感じた。
○魔術師
父親の世紀のマジックを、姉が再演しようとする話。結局タイムトラベルを実際にしたのかどうか分からないままで、余韻の残るラスト。そこまで好みではなかった。
○ひとすじの光
作者の競馬愛がひしひしと伝わってくる作品。誰にも注目されず、ひっそりと現役生活を終える競走馬の一頭ずつにドラマが込められていることがわかった。
○時の扉
個人的には今作で一番微妙だった作品。あまり記憶に残ってない。
○ムジカ・ムンダ -
Posted by ブクログ
ネタバレ直木賞受賞した近代日本史ものという情報以外、なーんの予備知識もないまま読み始め。
それもあって、序盤〜中盤は作品の流れについていけなかった。
なんせ、時代はすぐに変わるし、登場人物やシーンもドンドン変わるし、メイン主人公だと思ってた高木は死んじゃうし、他にも色々死んじゃうし、脇役臭してた細川がメインキャラの一人になるし、孫丞琳と明男との絡みがあると思ったら何年もないし。
流れが読めずになかなか入り込めなかった。
途中、あ、これはこういう群像劇なんだ。と理解してからはドンドン面白くなってきた。こういう作品って、過剰に何かメッセージ的なのをメチャクチャ抽象的に書いて意味深にしてるケースが多い気