小川哲のレビュー一覧

  • ユートロニカのこちら側

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    ネタバレ

    登場人物たちのセリフには、欧米の翻訳風コミカルさとは異なる、独特な言い回しの癖を感じた。だが、小川先生の作品を2〜3冊読めば、その違和感も自然と馴染んでいく。本書は、小川先生の2作目の作品である「ゲームの王国」に比べると、やや表現が固い印象がある。

    「アガスティアリゾート」。個人情報を全て都市に提供する代わりに衣食住・文化活動の保証を得られる完璧な管理都市。働くことも、悩むこともしなくて良い、一件ユートピアに見えるこの都市で、登場人物たちは疑問を持ち葛藤する。

    「ユートロニカのこちら側」が出版されたのは2015年。管理都市のようなシステムをAIとして捉えると、Siriや検索予測のような技術

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    2024年02月14日
  • ゲームの王国 上

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    理解力・思考力が低いわりに傲ってて会話が通じない年配との会話の解像度があまりに高くて笑ってしまった。綺麗事ではどうにもならないODAの難しさ。
    そんな農村でのムイタック・ソリアの邂逅、徐々にタイトルの「ゲーム」の意味が判明してくる過程は興奮した。

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    2024年02月11日
  • 君が手にするはずだった黄金について 無料お試し版

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    エッセイっぽい私小説っぽい

    冒頭部分 プロローグの哲学っぽい エッセイっぽい語り口に、やや読みにくいその語り口に いつの間にか引き込まれていった。以前数学者のことを書いた本を読んだときに、似たような感想を抱いたのを思い出した。そういえば数学と哲学というのはよく似ているんだ。使う道具が違うだけで。作者の意図に転がされたような気がする。

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    2023年10月09日
  • ゲームの王国[体験版] 上

    購入済み

    あまりに悲惨で

    全人口に占める虐殺された人の比率が史上最悪といわれる、あまりに悲惨なカンボジア.ポルポト時代を舞台とした作品である。少しはSFっぽい設定もあるようだが、主体は身近な住人同士による相互監視 親子兄弟同士の密告 秘密警察 強制収容所 そして虐殺である。同じ様な例が、ナチス時代のドイツ スターリン時代のソ連にもあったようだが、カンボジアのほうが時代が近いためによりいっそう悲惨さが実感される。読み進めるのが辛いほどである。

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    2023年02月01日
  • ゲームの王国 下

    購入済み

    人とルール

    カンボジアの歴史。ルールをここまで大胆に根底から覆すゲームは、聞いたことがなかった。そこにどんな崇高な理念があっても、他者を踏みにじるルールが人々に受け入れられるはずがない。過去の日本にも通じるものがあると思う。
    ルールは平等をもたらしても、自由を損なう。自由と平等のバランスは集団生活の永遠のテーマなのかもしれない。
    個人的には、ルールは誰かから与えられるものではなく、一人一人が育んだものを持ち寄って作れたらと考えるが。

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    2021年07月29日
  • 言語化するための小説思考

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    小説家って色々考えてるんだなぁ
    小説は、芸術であり、コミュニティケーションであり、読みても聞き手にも問いかけるものなんですね。
    最後の「エデンの東」が面白かった。
    こうやって書き直していくのかぁというのがよくわかる。

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    2026年07月25日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

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    言われてみれば確かに!と思う瞬間が何度かある作品。
    「君が手にするはずだった黄金について」と「偽物」が特に好きでした。

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    2026年07月23日
  • 斜め45度の処世術

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    みんな普通でいたいし、個性もほしいし、目立ちたくないけど時に捻くれ者にもなりたいんだよなと気付かされる。角度を変えれば悩みすぎる必要もないときもあるし、凝り固まらない視点で生きるほうが息しやすいかも。

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    2026年07月23日
  • 君のクイズ

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    めちゃくちゃ読みやすかった。競技クイズのギリギリ基礎知識がなんとなくあったので、クイズのセオリーとかはよくわかって楽しかった。全体的にさくさく読めて、かなりテンポもいい。最後の最後まで本庄絆という人間を、実体のない、そして得体の知れない人間として書いているのも面白いなとおもった。奇しくもそれはそのクイズ番組を見ていた視聴者とおなじというか。ラストの突然実体になって現れた感じが、なまなましくて、がっかりしてしまう、そういう感じもよかったなと思いました。

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    2026年07月23日
  • 言語化するための小説思考

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    いわゆる『小説執筆ハウツー本』とは違うのだが、小説を書く時に作家がどのような意図で文章を構築しているのか、その一端が窺える。
    『小説法』とは、情報の開示方法や順序、『伏線』とは…など、なるほどと頷ける箇所がいくつもあった。

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    2026年07月23日
  • 斜め45度の処世術

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    小川哲のラジオを聴いて小説を読んだ時感じた印象より、本人はソフトな物腰でお喋りも上手だなぁと思い、どんなエッセイを書くのか興味が湧いて読んだ。

    物腰が柔らかい人は、生粋の天然か、一般庶民からかけ離れたお金持ちか、合理主義者の人が多いと感じる。小川哲は合理主義者だと思う。思考が深いといえば聞こえがいいが、余計なことを考えてしまうタイプ。自分もつい余計なことを考えてしまうたちだし、どのテーマでも共感する部分が多かった。

    読み物は共感できる部分が多いほど面白いと、深く考えず思っていたが、自分の想像の範疇を超える価値観に出会った時、それはそれで面白い、そしてまた一つ想像力の範囲を広げてくれる。範囲

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    2026年07月23日
  • Street Fiction by SATOSHI OGAWA

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    すらすら読める。小川哲とはまったく畑違いの仕事をしている濱口竜介、福本伸行との対談がとくにおもしろかった。

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    2026年07月20日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    映画を先に見て、好きなフレーズが多そうだなと思い原作を手に取りました。

    映画と原作は少し違うところもありましたが、全体を通してすごく読みやすかったです。
    競技クイズのルールや、クイズプレーヤーの思考回路などが覗けた気がして面白かったです。

    個人的には本庄絆がいじめに会った時に『どこかで間違えたんだ』という思考回路に至ったことに共感しましたし、他者から求められる虚像になりきれば正解の『ピンポン』という音が聞こえて来るんだと思いました。
    クイズと人生はとても近しいもので、私たちは日々の生活の中で数多くの選択を迫られ、出題者(質問をしてきた人)の意図を必死に読み取った上で、正解を選ぼうとしている

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    2026年07月20日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    地図と拳を読む前に、映画にもなってるので読んでみた。ミステリーでは無かった。
    文学に近い。
    クイズは人生で、人生はクイズの題材でもある。
    君のクイズとは、出演者にとっての君でもあり、読んでる君でもある。
    君の人生ほ続く。

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    2026年07月20日
  • 斜め45度の処世術

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    著者のこれまでの小説作品に内包されている様々な要素特にユーモラスな要素が楽しいエッセイであった。
    取り扱うトピックの視点の独特さもそうなのだが、そのトピックに対して、著者しかできない独特の解釈が面白かった。

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    2026年07月20日
  • スメラミシング

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    神のような自然を超越した存在と、論理や科学とを対比したような物語という括りで、アイディアや背景や文体の違う6話を集めた本。

    70人の翻訳者たち
    密林の殯(もがり)
    スメラミシング
    神についての方程式
    啓蒙の光が、すべての幻を祓う日まで
    ちょっとした奇跡

    正直に言えば難しかった。頭から読み進んだが、最初の「70人の〜」で挫けそうになった。というか何度か挫けて、別の本を読んでから戻ってまた初めから読むことを数回繰り返した。「啓蒙の光が〜」でも再び挫けそうになった。

    内容が難しいためにそれを理解しようと気を取られている間に登場人物を忘れたり、時間の流れを見失うからだと思う。そこにさらにどんでん

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    2026年07月19日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

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    エッセイのようにも読める小説だった。友人や仕事相手に対してもつい思ってしまっているマイナスな面、決して口にはしないけれど心の中にあるちょっとした軽蔑、そう思っていること自体がひっぱりあげられるようなお話だった。
    エンタメ的な面白さではない、じわっと系。
    革命前夜の先生のお話は個人的に好きだった。こういう土壌づくりがうまい人はいるし、それに巻かれていく人もいる。ただそれを少し離れてみた時の絶妙な気持ち悪さがわかるなと思った。

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    2026年07月18日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    ・あらすじは面白そうだったけど回想アンチには刺さらなかった
    ・ずっと回想してた
    ・スラムドッグミリオネアも好きじゃないし
    ・本庄の河野玄斗感
    ・真相に繋がる事実の発覚の仕方も地味で乗りづらい
    ・本庄はある程度の確信はありつつも当てなくてもよかったっていう負けがない勝負だったのは、おぉー!って感じだけど、そこが最大の盛り上がり
    ・僕のクイズを読むと、この本はママクリーニング小野寺よのPR本だったってこと?

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    2026年07月18日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

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    著者自身、らしい小説家を主人公とした短編集。リレー選手になることに拘った(どこからきているのかわからない自信と、悪気のない攻撃)、「口だけは達者で、それでいて結果は出さなかった」片桐の虚飾に塗れた生き様と悪あがきが面白かった。偽物のデイトナを左腕に巻いた、吐き出す言葉がすべて人からの借り物という、小物感あふれるマンガ家ババさんも、見事。

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    2026年07月18日
  • 君のクイズ

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    この春に映画公開された作品の原作。たまたま芝居のアフタートークで小川さんの話を聞く機会があり、頭のいい人だなあ、と思った。
    本作のクイズで自分がわかったのは、競馬の問題1問のみ(涙)。

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    2026年07月16日