小川哲のレビュー一覧
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火星のコロニーに暮らす盲目の少女リリ-E1102は、厳しい試験にようやく合格し、母が待つ地球へ旅立とうとする直前に何者かに誘拐される。
火星で地球外生物の証拠を探索する生物学者リキ・カワナベは、3種の結晶構造を持つ物質スピラメンの構造間の変異が、距離に関係なくグループ内で同期することを発見する。
周囲からエネルギーを吸収し、自律的に変異するスピラメンは地球外で初めて発見された生命体ともいえ、その発見の報は地球と火星両方に小さくない衝撃を与える。
当初計画した自給自足ができず、地球からの物資に依存する火星住民らは、地球人に見下され、抑圧される状況に不満を溜め、スピラメンの発見をきっかけに独 -
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小説を読むことが何故楽しいか身に染みて実感した。小説が会話と同様のコミュニケーションであることは言うまでもない。小説の特徴は、作者が読者に一方的に語り掛けるという構造にあって、それゆえ「誤読」が生じやすい。ここで、「誤読」は作者の物語が読者の物語に転換し、作品が読者の人生と結びつくいて受容されることだと肯定的に定義される。自分はこの「誤読」を楽しんでいたのだと気づいてはっとした。「人間失格」を読んだとき、葉蔵の人間性がどこか自分に当てはまるような気がしてページをめくる手が止まらなかったことを思い出した。コミュニケーションと同様に、話は内輪であるほど面白くて、「これは私の物語だ」は小説を面白く
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ネタバレ「自分にとっての当たり前が他人からはひねくれて見える」著者が、世の中の違和感を絶妙な角度から切り取った痛快な初エッセイ。
本作の魅力は、ひねくれ者代表のような著者の視点が珍獣博覧会的なウケ狙いに陥らず、クスクス笑いながらも深く頷かせてくれる点にある。カレーの買い物エピソードは「理解はできても共感は不可能」とツッコミたくなるものの、「変な人に憧れる気持ち」には強く共感させられた。
また、クスッと笑えるだけでなく実用性と哲学的な救いがあるのも面白い。部屋を綺麗に保つコツや口臭ケアや「バキューム先輩」の逸話は具体的で明日にでも役立つ?そして人間関係を「漫画型」「小説型」で捉える独自の視点などは、他者 -
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およそ今から100年後の時代を描いたお話。
人類は地球だけでなく火星にも住み文明を築いていた。
地球外知的生命の探究のため、
人生をかけて火星にやってきた生物学者のリキ・カワナベは
スピラミンという物質の結晶構造の変化を発見する。
一方、火星生まれの学生リリ-E1102は、
地球に観光に行くことを夢見て遠心型人工重力施設に通っていた。
地球で種子島在住の白石アオトは、ISDA職員として働きながら
リリとの約束を思い出していた。
カワナベの発見が世界を揺るがすとき、リリの身にも危機が迫る。
地球と火星、遠く離れた二つの星を巡って人々の心が交錯していく物語。
案外評価がそこまで高くないというこ -
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小説の書き方、小説とはなにかという観点で、この作品は進んでいくけど、言語化・何かを書いてパブリッシュすることは小説であろうと、エッセイであろうと、論文であろうと、ブログであろうと、仕事の報告書であろうと、きっと根底は同じなのだろうなと感じられた。
読者を想定すること、誰に何を伝えたいのかを明確にすること。論理的思考や言語化について書かれたものには、たいてい、そんなことが書いてある。
ただ、小説の場合は、そのメッセージ性がより、抽象化された後に再構築されていく必要性があるのかなーと感じ、それが面白かった。
そして、何より面白いと思ったのは、最後に「エデンの東」を加えることで、
「エデンの東 -
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小説の書き方を教える指南書というよりは、小川哲さんが小説を書くときに考えていることや言語化するための思考法、「おもしろい小説とは何か」という問いへの考察がまとめられた一冊です。
読み物としてもとてもおもしろく、ぐいぐい引き込まれました。
題材の見つけ方、ストーリーの展開の仕方、読みやすい文体とは‥
小説家にもいろいろな執筆スタイルがあると思いますが、「小川哲さんはこんなふうに小説を書いてるいんだ!」という驚きがありました。
凡人には決して真似できないような、発想と思考。
小説の受け止め方は人それぞれ、それだけに小説は「ある種の言語芸術であるとみなすと」という仮定も、納得。
小説の芸術と商品の視 -
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著者のひねくれぶりが理路整然と語られるので共感でき、いたってまっとうな人だと感じた。中でも印象に残ったのは、野球のルールの話。なぜストライクといい、ボールというのか疑問をもち語源を調べ、簡にして要を得た文章にしている。納得するまで問うことをやめない人は面倒臭いけれど、とことん考えることでしか自分を伸ばすことはできないのだということを思い出した。1編が約1500字で、もしかして、「誰かの個別の話」→「普遍化」→「自分の個別の話」の構成になっている?全編の形式が揃っていて、快適に読み進められた。
この作家のエッセイは自分とフィーリングが合っていて読み心地がよい。ひねくれ者を自認している作者が世の中