小川哲のレビュー一覧

  • ゲームの王国 下

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    1970年代の地獄のカンボジア。
    ポル・ポトの支配していた時代を駆け抜ける、史実を元にした物語の下巻。

    大量殺戮の季節が生んだ、復讐の誓いと二人の訣別。そこから半世紀後。
    政治家となったソリヤは理想とするゲームの王国を
    実現すべく権力の頂点を目指す。
    一方でムイタックは自身の渇望を完遂するため、
    脳波測定を使用したゲーム『チャンドゥク』の開発を
    早熟な少年アルンと共に進めていた。
    過去の物語に呪縛されながらも光ある未来を
    希求して彷徨うソリヤとムイタックが最後に手にしたものとは。

    壮絶な歴史を描いてきた上巻とは打って変わって、
    いきなり物語は50年後の現代、そして一気にファンタジー感を増す

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    2025年11月30日
  • スメラミシング

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    ネタバレ

    神とか信仰をテーマした小川哲の短編集
    テーマを絞っているようで、取り上げている題材と描かれている知識は膨大。まずはその情報量というか知識を浴びるのが楽しい。

    短編なので基本アイデア勝負なんだけど、伏線張って回収していくこともきちんと押さえている。ただ、短編故の説明余地の少なさで、落とし噺のようにすっきり治まる話もあれば、難解のまま終わってしまう話もあって好みも分かれると思う。

    聖書の解釈を巡る冒頭作で「なんじゃこの情報浴びせ系」と圧倒させておいて、SF感動譚の最終話でほっこりさせるという構成は良い。難解度的に、掴みはOKで始めるのも手だが、いきなり関門ガツンで最後ユル目ってのも1冊全体通す

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    2025年11月30日
  • ゲームの王国 上

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    前情報何もなくタイトルだけで手に取ると、
    想像と180度違う内容に驚愕する小説。
    とにかく日本人の作家が選ぶ題材としてはかなり挑戦的な部類だろう。

    後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュの首魁サロト・サル。
    その首魁の隠し子とされるソリヤという少女。
    そして貧村ロベーブレソンに生を享けた天賊の智性を持つ神童のムイタック。
    皮肉な運命と偶然に導かれた二人は、
    軍靴と砲声に震える1975年のカンボジア、バタンバンで出会った。
    秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺。
    百万人以上の生命を奪った全ての不条理は、
    少女と少年を見つめながら進行する。あたかもゲームのように。

    世界史の授業で触れた

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    2025年11月28日
  • 嘘と正典

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    ネタバレ

    不思議な読み味の作品たちだった。
    小川さんの作品は、君が手にするはずだった黄金についてと、君のクイズしか読んだことがないけれど、その2作ともに感じた内包するテーマは深いけれど、ジャンルに形容し難い独特な短編集だった。
    ヒトラーの話、流行の話と最後の嘘と正典は、最後の最後にやられたー!と言いたくなる物語だった。
    というか、歴史とフィクションの織り交ぜ方がうますぎる…
    どの話も結構楽しめたので、このまま小川さんの作品を読み続けたい。

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    2025年11月26日
  • 地図と拳 上

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    史実と創作の見事な融合と言ったらいいのでしょうか、圧倒的な臨場感に引き込まれます。近代史を再勉強したくなります。頻出する中国語読みが気になって確認のためにページを戻る回数が多くて、読み進めるのに時間が相当かかるのが難点。いざ下巻へ!

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    2025年11月24日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    エッセイなの?創作なの?と浮遊しているような感覚で、怖いものみたさで早く最後まで読みたくなるような本でした。全部終わり方もいいですよね。
    小川さんの著書初めて読んだけど、すごい好きだな!他のももっと読みたい

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    2025年11月24日
  • 嘘と正典

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    もはや小川哲氏のファンになったので、理由なく手に取る。
    重厚ながら、ストレスなく読める文体。
    ご都合主義に終始しないストーリー。
    素晴らしい読書体験。
    短編だからか話が着地しきっていないようなところはやや物足りなかった。

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    2025年11月23日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    作者小川さんが主人公の短編集。高校時代の思い出がたくさん出てくる。その一つ一つが、面白いし、よー覚えてるなぁ(創作かもしれん)と思う。

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    2025年11月22日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    いくつかの短編集からなる小説。どの話も著者がモデルなのではないかと感じた。
    この中でもひとつ目の話がものすごく面白かった。

    『僕はときどき、本というものが、わがままな子どもや、面倒臭い恋人のように見える。』

    これはその話の中の一節だが、はっとさせられた言葉だ。ドラマや音楽のように受動的では楽しめない。自分からわざわざ読もうと本を開かないと始まらない。つまり能動的に楽しまないといけない。考えたこともなかったが確かにそうだと思った。ミステリーのような怒涛の展開はないが、小川さんらしい少しずれたところからの気づきがたくさんある、読んでて飽きない作品だった。

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    2025年11月22日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    冒頭の数ページで作者の頭の良さ(教養、思考の深さ的な意味で)をめちゃくちゃ感じた。
    私が気にもしなかったところに、ぐるぐる考えを巡らせてて、全くサクサク読めなかった!!でもそれが面白かった!!

    短編集だけど、少し接点があって、エッセイのような寓話のような、読み終わった時には不思議な気持ちになった。
    見た目で人を判断せずに、自分の思考の結果を軸にして生きている主人公がカッコ良い。
    他の作品も読んでみたい!!

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    2025年11月20日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    タイトルからして,「手にする」しかない作品だったのだけど,「大事に読みたい」と思ったばかりに9ヶ月も「積ん読」にしてしまったという…
    僕にもねえ,「気になる」事が日常的に多すぎたんだよ,つまり・・・な?

    まず・・・これは,小説なの?エッセイなの?(笑)
    読み始めた時は,“ちょっと変わった哲学者崩れの学生ニートの話なんだろうな”くらいに読んでいたのに,章を追うごとに「え?これ本人?本人のことなの??」ってなっていく.だって途中で堂々と「小川」って書いちゃってるし!
    最後なんてもう,山本周五郎賞だとか,新潮社からの電話がどうだとか…「これ本人だよね?絶対本人でしょ?笑」ってとこまで来る.

    作中

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    2025年11月16日
  • GOAT

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    読み終わりました!
    これも2か月くらいはかかったかな
    特集が『愛』だから、どんな愛なのかとワクワクしましたけど

    濃い!!
    愛が濃い!!

    ほんわかした愛ばかりを想像してたらやられます
    愛にもいろんな形があるんだよ?
    改めて突きつけられた文芸誌です

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    2025年11月16日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    友人、同級生、彼女、仕事相手など他人を描写、こんな人なのではないかと憶測しながらの工程が、そのまま自分の内面、外面考察になる。それをなん度も繰り返しつつまるで螺旋階段を登るように話しが展開していくイメージをもった。
    端々にでてくる知識話が好きだったし読み進める機動力にもなった。

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    2025年11月16日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    題材から想像する話とはだいぶ違っていて好みだった。頭がいい人はこんなふうに物事を関連づけながら覚えているのか、と勉強が苦手なわたしはただただ関心した。クイズはじぶんの生きてきた足跡。「ピンポン」と正解の音が人生を肯定してくれる。なにげなく、でも夢中で生きてきた過去に意味を見出す感覚。(なぜかオセロをひっくり返していく感覚に感じた。)失恋後の話で人間味のある三島を好きになった。じぶんで選び歩んできた道を肯定していくためにこれからも三島は一途にクイズを続けていく。最後の本庄との会話で「え?」と三島が反応したとき、わたしも「え?」と狐につままれたようになり…この感覚こそ著者の目論み通りなのだろう。面

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    2025年12月27日
  • 嘘と正典

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    SFって好きだけど疲れるから読むのは多くなくて、でも短編だと物足りないみたいな立ち位置だけど、これは全然物足りなくない。短編なのにちゃんと完成されてるって隙がないな。個人的には、最後の不良、嘘と正典、ムジカ・ムンダーナが好き。

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    2025年11月06日
  • 嘘と正典

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    話の展開がSFでおもろい。嘘と正典はタイムマシン、運命が決められている、歴史の改変し合いの戦いで面白かった。あとは究極の音楽を探す話も。どれも伏線があって最後には驚きがある。ただ登場人物はどの人もCPUみたいで記号のような形で感情は無い。

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    2025年11月04日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    連作短編と知らずに読み始めたが、気づくとあっという間に読み終えてしまった。取り立ててどこがどう、という感じではなかったんだが、読み進めていくうち、なんか段々と人の薄気味悪さみたいなのがきて、ババさんの話でマックスに。日常の切り取り方、話の作り方がうまい。

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    2025年10月30日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    作者のノンフィクションなのかな?とにかく頭のいい人間なのだなということはとてもよくわかったし、思考の動き方が面白くて引き込まれた。

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    2025年10月29日
  • 旅する小説

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    帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。

    〇 国境の子/宮内悠介
    講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範

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    2025年10月23日
  • 旅する小説

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    国境の子:宮内悠介/月の高さ:藤井太洋/ちょっとした奇跡:小川哲/水星号は移動する:深緑野分/グレーテルの帰還:森晶麿/シャカシャカ:石川宗生

    それぞれの時、それぞれの場所で
    旅が生まれ物語りになる
    不思議な感じのする物語たち
    「シャカシャカ」の切り取られる世界のイメージは見た気がする……夢かな??

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    2025年10月22日