小川哲のレビュー一覧
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人生は小説だ。
いやー、面白かった。『君のクイズ』も最高、『地図と拳』はトップクラスに好きな小説で、そんな小川哲さんのエッセイと言われたら読むしかない。
ここまでエンタメの言語化が見事とは恐れ入った。
小説思考と言いつつ、もっと広く自分を取り巻く世界に対する思考法にまでつながっているように思えた。
これも読者の解凍方法の一つなのだろう。
自分と世間の評価が合致しないときの価値観の相違を考えるってのは身に覚えがありすぎる。結構いろんな解凍方法ができるように価値観をアップデートしていっている最中だ。
そして、何よりもあとがきの言葉が熱すぎる。声高に宣言する姿があまりにもかっこいい。果たして -
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面白かった...。けど、多分翻訳物が苦手な人(人の名前とか、展開が少しバタ臭)と物理・宇宙科学に興味ない人には刺さらないのではないか。あと、難しい小説嫌いな人もダメ。プロジェクト・ヘイル・メアリー読んで面白いと思った人には激オススメ。
火星に人が住むことが可能になった近未来、火星でとある物質が見つかり、それがきっかけで火星のタグレスといわれている(火星ではタグが埋め込まれているので人の名前が記号付き、完全管理されてる)管理外に置かれた人たちの蓄積した不満など火種となり政治的に争い勃発か?というムーブメントになっていくお話です。なぜなら、火星ではまだまだ食料も薬も物質も自力で賄えず、地球に依存し -
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BS番組「あの本、読みました?」で、本書と三宅香帆さんの「文体のひみつ」が特集されていたのを視聴して、さっそく両著を手に取った次第です。
読み終えて、三宅さんは評論家の立場からさまざまな作家さんの文体の妙をわかりやすく紹介しているのに対し、本書は小説家の立場から小川さん自身がどんなふうに小説を書き上げているのか、読者の私たちに寄り添うように語りかけてくれています。
特に印象的だったのは、巻末に載っている小説「エデンの東」。そこまで小川さんが語ってきた「面白い小説とは何か?」について、そのエキスをギュッと詰め込んだ一作となっているところですね。
これはもしかしたら…
いつでも予約で一杯の有 -
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出てくる地名や川の名前に場所の注釈が無く
自分の不勉強のつけがとうとう回って来たなと思いながらも
背表紙に世界地図を描き、地名を調べながらプロットしていく始末(架空の地名も幾つかありました)
やっているうちに、楽しくなってしまい
この1冊のプロになってやるというスイッチオン
知らない単語に丸をつけ、余白に解説を書き込む
上下と読み切るまでに四日と時間を要しましたが、圧巻の小説でした
同じ直木賞受賞作品でもある「同志少女よ敵を撃て」でお馴染み、歴史的事件をミクロな視点で描く本作品は、それぞれの正義、視点が描かれており最後まで楽しめました
また、日露戦争について学び直すきっかけにもなり面白 -
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直木賞作家・小川哲さんが、どのような考え方のもとで小説を書いてきたのか、言葉にした本。言葉を生み出す過程で働いている思考の動き。めちゃくちゃ為になったし、ここまでこだわり切れるからこその結果だと思う。すごいわ。
技術論ではなく、なんなら『本当の奇跡は作者が作者だけのやり方で、再現性のある形で、奇跡に見える何かを連続して引き起こすこと』と言い切る。
他者と関わり合いたくないから小説家になったという小川さん。しかし文章を書いていく中で『他者がその文章にお金や時間を捧げるだけの価値があると判断しなければ』ということに気がつき、これが非常に大きな壁だったという。
その作品をより面白いと感じてもら -
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・作曲をずっと続けてきた自分にとって、どの業界にも抽象化すると共通した概念に突き当たるというのはとても納得感があった。そして語られてる内容に、「作曲でも同じこと考えるなあ」という部分と、「小説特有の考え方だなあ」が交互にやってくる体験が楽しかった。
・情報を伝える順番を考慮すること=語り手と読者の情報量の差を考慮することであるという指摘にグラッときた。情報量の差があればストレスがかかるし、それを埋めたほうが読みやすい。だが、そこに差があるからこそ、「先が気になる」という状態が生まれて、ページをめくる引力が発生するという体験にも覚えがある。その押し引きをどう操るかには正解がない。だからこそ、お -
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テレビのクイズ大会『Q−1グランプリ』の決勝で行われた早押しクイズに負けた主人公。優勝した選手が見せた『ゼロ文字押し』は、ヤラセだったのか、それともクイズだったのか。
クイズプレイヤーに焦点を当てた作品であり、クイズに対する哲学が非常に興味深かった。クイズプレイヤーは、たった数文字を聞いただけで回答する姿を見るが、それなりの理論があって納得のいくものであった。
早押しクイズってただ膨大にある知識を素早く答え検索するだけではなく、そこに経験なんかのエピソードを絡めて答えを導いている。これってAIだとどうなるんだろう、とちょっと気になった。世の中にはAIを使ってクイズを研究している人もいるみた -
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さぁ、冒険が始まる
舞台は火星、すでに人類はいくつかのコロニーで集団社会を作り鉱物資源の発掘をしていた。しかし、過酷な上に採掘された資源も投資に見合うものは無く、ここで暮らす意義は次第に少なくなっていた。
そんななか、一人の少女が地球に観光に向かおうとして……
フランス革命、ロシア革命、辛亥革命、大政奉還。
革命前夜には若い人たちの群像劇が良くにあう。
絶望感に渦巻かれ高揚感に湧きたつ若者達は、使命感という鎧を纏って革命を叫ぶ。
多くの文豪達がその題材で名作を生み出し、今も読み継がれている。
「火星の独立のためには火星に住む人のアイデンティティが必要だ」
皮肉な見方をすれば、アイデンティ