小川哲のレビュー一覧

  • 言語化するための小説思考

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    小説の書き方とかアイディアの生み出し方とか読者に伝わりやすい文章テクニックとかそういう話ではなく、小説とは何なのか、何のために書くのかについて思考を巡らせたエッセイのような本。

    この本を読んで小説を書けるようにはならないけど、書いてみようと挑戦したくはなる。

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    2025年11月28日
  • 言語化するための小説思考

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    物を作る際の参考になる。
    ・知らない話を自分が知っている世界の内容に抽象化し当てはめ具現化すると説得力のある知らない世界を描ける。
    ・視点人物と読者の情報量を最小化すると分かりやすい話になる。順番の話。
    ・小説は内輪であればあるほど面白い。
    ・小説の骨格が展開を暗示・暗示されていない危害な展開に対する違和感を減らすこと、で成立している。暗示等のない文章は不要。
    ・小説は問いが大切。書いてみたいこと、考えたいことを深堀る→その中で面白い視点を掴み取る。掘り下げまくって主題やアイデアを見つける。
    ・書いてしまったことをやってしまったと考えずにそれを活かす展開を考える。
    ・小説の価値は読者が何を受け

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    2025年11月26日
  • 嘘と正典

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    ネタバレ

    不思議な読み味の作品たちだった。
    小川さんの作品は、君が手にするはずだった黄金についてと、君のクイズしか読んだことがないけれど、その2作ともに感じた内包するテーマは深いけれど、ジャンルに形容し難い独特な短編集だった。
    ヒトラーの話、流行の話と最後の嘘と正典は、最後の最後にやられたー!と言いたくなる物語だった。
    というか、歴史とフィクションの織り交ぜ方がうますぎる…
    どの話も結構楽しめたので、このまま小川さんの作品を読み続けたい。

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    2025年11月26日
  • 言語化するための小説思考

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    ネタバレ

     小説に限らず、(他者に読まれることを前提として書かれた)あらゆる文章表現に共通しているのは、その文章に価値があるかどうかを決めるのが「他者」という点である。文章は「他者」のため、より正確に言えば「作品のため」に書かれるべきであって、自分を大きく見せるために書かれるべきではない。文章は「自己表現」であると同時に、「その自己表現に他者がどれだけ感心したか」という側面を持つ。
     作者の頭の中にどれだけ壮大なテーマやイメージがあっても、あるいは切実な思いや伝えたいことがあっても、「他者」がその文章にお金や時間を捧げるだけの価値があると判断しなければ意味がない――という当たり前の事実が、小説家としてデ

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    2025年11月25日
  • 地図と拳 上

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    史実と創作の見事な融合と言ったらいいのでしょうか、圧倒的な臨場感に引き込まれます。近代史を再勉強したくなります。頻出する中国語読みが気になって確認のためにページを戻る回数が多くて、読み進めるのに時間が相当かかるのが難点。いざ下巻へ!

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    2025年11月24日
  • 君のクイズ

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    面白い。一気に読んでしまった。中だるみなくこのボリュームで必要なことを書き切る構成力も素晴らしいと思う。
    クイズとは人生という表現がでてくるけれど、人生を書く手段としてクイズを、しかも競技クイズを題材に選んだ小説はとても新鮮。解説もとてもよかった。

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    2025年11月24日
  • 君のクイズ

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    ネタバレ

    QuizKnockをよく見ていて、クイズを題材にした小説がどんなものか気になって読んだ。
    謝辞にQuizKnockのことも書いてあり、作者と自分の世界が少し重なっていることに親近感を覚えた。

    結末が腑に落ちきらない感じもあるが、それは、僕にとって本庄が理解の外側にいることと重なっているのだと解釈した。
    一人称視点のみの小説の味わい方なのかなと思うなど。

    主人公の頭の中で、終始連想ゲームが起こっていて、忙しない感じが、クイズプレイヤーの頭の中という感じがして、なんか好きだった。

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    2025年11月24日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    エッセイなの?創作なの?と浮遊しているような感覚で、怖いものみたさで早く最後まで読みたくなるような本でした。全部終わり方もいいですよね。
    小川さんの著書初めて読んだけど、すごい好きだな!他のももっと読みたい

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    2025年11月24日
  • 言語化するための小説思考

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    小説というものについてのエッセイ集。
    自分は小説、そして執筆にも興味があったのでとても面白かったが、これが刺さる層はどれだけいるのだろうとも思った。
    そんな読者層の話も書かれている。
    情報の順番、という考え方は全く意識したことがなかったので目から鱗だった。
    巻末に収録されている小説が、それまでの内容を踏まえた話になっていてすごい。

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    2025年11月23日
  • 嘘と正典

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    もはや小川哲氏のファンになったので、理由なく手に取る。
    重厚ながら、ストレスなく読める文体。
    ご都合主義に終始しないストーリー。
    素晴らしい読書体験。
    短編だからか話が着地しきっていないようなところはやや物足りなかった。

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    2025年11月23日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    作者小川さんが主人公の短編集。高校時代の思い出がたくさん出てくる。その一つ一つが、面白いし、よー覚えてるなぁ(創作かもしれん)と思う。

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    2025年11月22日
  • 言語化するための小説思考

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    小川哲さんの思考が言語化されていて面白かった〜。面白い小説って何なのだろうか、と改めて考えさせられるけど、やっぱりその答えは出ないし、永遠の問いなんだな〜ともやはり改めて思わせてくれる一冊です。設定だけが奇抜で中身はペラペラな読みやすくてバズる小説はおそらくすぐ書けるだろうけど、そうはしないであれやこれやと試行錯誤して小説を書くのを楽しんでるところが小川さんの頭の良さをまた改めて感じました。

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    2025年11月22日
  • 君のクイズ

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    早押しクイズで問題が読まれる前に正解するという「ヤラセ疑惑」の事件が起きた。敗れた解答者である主人公は、「人間にとってクイズとは何か」をひたすら考えることで真相に近づいていく。

    主人公の思考過程を描く文章には、「クイズってそういうものだったのか」という驚きがある。主人公はクイズにはプロもアマチュアもいないと言うが、本作は「クイズ業界のお仕事小説」と呼ぶこともできそうだ。

    これから早押しクイズに参加する人は必読だし、そうでない人も読めばクイズ番組をもっと楽しめるようになるだろう。

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    2025年11月22日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    いくつかの短編集からなる小説。どの話も著者がモデルなのではないかと感じた。
    この中でもひとつ目の話がものすごく面白かった。

    『僕はときどき、本というものが、わがままな子どもや、面倒臭い恋人のように見える。』

    これはその話の中の一節だが、はっとさせられた言葉だ。ドラマや音楽のように受動的では楽しめない。自分からわざわざ読もうと本を開かないと始まらない。つまり能動的に楽しまないといけない。考えたこともなかったが確かにそうだと思った。ミステリーのような怒涛の展開はないが、小川さんらしい少しずれたところからの気づきがたくさんある、読んでて飽きない作品だった。

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    2025年11月22日
  • 言語化するための小説思考

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    小説のみならず、その読書論も面白かった!の本作。そんな数を読んだ訳じゃないからイメージだけど、”誰でもコツさえわかれば”みたいな論旨で書かれることが多い気がするんだけど、本書はひとまず、その思想からは距離が置かれている。”小説が書けない友人”っていう風に近場の出来事として書かれてはいるけど、これすなわち、その他大勢と置き換えは可能。執筆時の思考回路を言語化することで、作家自身のヴィジョンもクリアになったと推察するけど、読者としても、読み方指南というより、読むときの思考過程を探るような、得難い体験が出来る。

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    2025年11月21日
  • 火星の女王

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    レアアースの供給源となる火星と地球が対立する未来。火星での新物質の発見。地球への旅行を予定していた大物の娘。

    面白かった。SFを読むと想像力という「脳力」がビンビンになる気がする。

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    2025年11月20日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    冒頭の数ページで作者の頭の良さ(教養、思考の深さ的な意味で)をめちゃくちゃ感じた。
    私が気にもしなかったところに、ぐるぐる考えを巡らせてて、全くサクサク読めなかった!!でもそれが面白かった!!

    短編集だけど、少し接点があって、エッセイのような寓話のような、読み終わった時には不思議な気持ちになった。
    見た目で人を判断せずに、自分の思考の結果を軸にして生きている主人公がカッコ良い。
    他の作品も読んでみたい!!

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    2025年11月20日
  • 言語化するための小説思考

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    地味に、面白かった。

    小説法、、、評価関数、、、なるほど!とうなる場面が複数。

    カラオケボックス以来の幼馴染みとの再会や、マッチングアプリで口説いている最中の女の子と会社の面接で鉢合わせ、、、など、臨場感のある文章をいとも簡単に書き、解説する小川さんは、天才だなぁと思った。

    伏線についての解説も秀逸!小川さんは伏線という言葉が嫌いだからこそ、「伏線学」として定義を明確にしている。本当に賢い人だ。

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    2025年11月18日
  • 君のクイズ

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    頭の中でこんな思考をしているのかぁと。
    その状態であることがその人にとっての喜び。
    きれいにまとまっていた。

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    2025年11月17日
  • 君が手にするはずだった黄金について

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    タイトルからして,「手にする」しかない作品だったのだけど,「大事に読みたい」と思ったばかりに9ヶ月も「積ん読」にしてしまったという…
    僕にもねえ,「気になる」事が日常的に多すぎたんだよ,つまり・・・な?

    まず・・・これは,小説なの?エッセイなの?(笑)
    読み始めた時は,“ちょっと変わった哲学者崩れの学生ニートの話なんだろうな”くらいに読んでいたのに,章を追うごとに「え?これ本人?本人のことなの??」ってなっていく.だって途中で堂々と「小川」って書いちゃってるし!
    最後なんてもう,山本周五郎賞だとか,新潮社からの電話がどうだとか…「これ本人だよね?絶対本人でしょ?笑」ってとこまで来る.

    作中

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    2025年11月16日