小川哲のレビュー一覧

  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    著者の小川哲自身が主人公となった短編小説。舞台は彼の学生時代。友人や恋人、教師たちに対し、主人公の少し斜に構えた性格が彼らの内面を深く刻んでいく。一番印象的だったのは表題作と書き下ろしの作品。前者は学生時代にリレーの代表を強く望んだ友人でその後プロ投資家としてインフルエンサー、後者は荒れたクラスを立て直すため真っすぐな善意で生徒たちと向き合った先生が話題の中心。どちらも本当に実在していそうでエッセイのように思える。しかし、主人公自身が、小説家は話を作るのが仕事だと語っており、現実か虚構か掴めない。非常に不思議な作品。

    0
    2026年07月20日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    問題文を聞かずに正解したクイズを推理する話
    クイズをしている人間の頭の中を忠実に再現していると思った
    正解にたどり着くまでの過程が、それまでの人生と結びついているというのはすごくよくわかるなと思った
    人生と絡んでいることは忘れない
    思い出とクイズが交差した時に正解にたどり着けるんだろうなと思った
    また、クイズプレーヤーが問題文のどこで押すのかとか、何を考えているのかを知れたのは今後クイズ番組の見方が変わるなと思った
    結末は思っていたような展開ではなくて、推理だけではたどり着けない人間の複雑さを感じたがそこが良かったと思う

    0
    2026年07月20日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    ここ最近「斜め」に注目していて、斜めとタイトルにある本を読んでいる。いずれもすごく良い。
    何事も垂直・水平のグリッドだけだと、カチッとし過ぎてよくないのだろう。アクセントとしての斜めを目指したい。

    0
    2026年07月19日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    あらすじのとおり、クイズ出題文0文字で正解してしまいなんで?っていう謎を解明していく話なんだけど、主人公が自分の人生でクイズに対して真摯に向き合うところもよかった。私自身はクイズに対して
    興味があまりなくて無知だったので、ところどころ難しかった。クイズも奥深いなーと感心ができたところも読んでよかった。

    0
    2026年07月19日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    「言語化するための小説思考」をきっかけに小川哲さんの小説を読みたくて、映画化にもなった「君のクイズ」を手に取る。
    クイズ番組というのもに興味がなくて、この話に入り込めるのか不安が混じりながら読みはじめる。
    不可解な出来事を紐解くことを軸にしながら、クイズとは一体何なのか?ということを主人公が考えていく。
    「クイズを答えているとき、自分という金綱を使って、世界をすくいあげているような気分になることがある。僕たちが生きるということは、金綱を大きく、目を細かくしていくことだ。今まで気づかなかった世界の豊かさに気がつくようになり、僕たちは戦慄する。戦慄の数が、クイズの強さになる。」

    自分がクイズのこ

    0
    2026年07月19日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

     「小説家・小川哲」が主人公の私小説形式の連作短編集で、青山の胡散臭い占い師や80億円を運用する元同級生の自称凄腕トレーダー、偽物のロレックスを巻く他人の話ばかり描く漫画家など怪しげな人達との遭遇と哲学的な要素が合わさってそれぞれの人物が迎える『承認欲求の果て』がより際立っていた。

    0
    2026年07月18日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    著者のひねくれぶりが理路整然と語られるので共感でき、いたってまっとうな人だと感じた。中でも印象に残ったのは、野球のルールの話。なぜストライクといい、ボールというのか疑問をもち語源を調べ、簡にして要を得た文章にしている。納得するまで問うことをやめない人は面倒臭いけれど、とことん考えることでしか自分を伸ばすことはできないのだということを思い出した。1編が約1500字で、もしかして、「誰かの個別の話」→「普遍化」→「自分の個別の話」の構成になっている?全編の形式が揃っていて、快適に読み進められた。
    この作家のエッセイは自分とフィーリングが合っていて読み心地がよい。ひねくれ者を自認している作者が世の中

    0
    2026年07月17日
  • 君が手にするはずだった黄金について(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    主人公が「小説家小川哲」の私小説のようなフィクション。フィクションなんだが実際にあったことのように思えるディティールの細かさ。出来事はフィクションでも性格や価値観は著者そのものなのではなかろうか、そう考えながら読み終えた。

    全編、絶妙に人間の弱い部分、虚栄心を鋭く描いていた。ここまで自分を大きく見せたい人間は実在するとは思えない心の片隅では呟いていたが、ではかつての自分を振り返ると、多かれ少なかれ無意識で自分を大きく見せることはあった。今となっては自然に振る舞うようになったが、罷り間違えば高校の同級生の片桐や漫画家のババのようになっていたのかもしれない。
    俯瞰で読みつつも、自分の過去を反芻で

    0
    2026年07月17日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

    Posted by ブクログ

    なんだか今月はぶ厚いの続きます

    はい、小川哲さんと14人の作家さんたちが「言葉を紡ぐ方法」について対談しております

    超豪華メンバー!

    大好きな小川哲さんがこの豪華メンバーと対談してるってだけですごいことなんですが、正直言って3割くらい何言ってるか分からんかった
    ご本人たちも結構自覚的に捉えているようですが、たぶんきちんと商業ベースに乗っている作家さんじゃないと理解できないことを言ってます

    「あーそれ分かります」みたいにお互い共感しまくっているんだけど、いやわいちーとも分かりませんけど?みたいな
    置いてけぼり感ね

    だがそれがいい!(いいんかい)

    だってさー、わいらごときがまるっと理解

    0
    2026年07月16日
  • 火星の女王

    Posted by ブクログ

    光は遅すぎる。世界で一番速いはずの光に対するこの評価。この言は以前にも聞いたことがあり印象に残っていたが、今回、物語の中でより実感させてくれたように思う。人々の活動領域が外へ外へと宇宙に広がって行くのは良いとしても、宇宙は広すぎ、移動や通信にこんなに時間がかかっては分断を生んでしまうのも無理はないと感じられた。現実では未踏の地である火星。そこへ向かうのは人類の夢だしワクワクすることのようにも思えるが、本作のように火星で生活することが根付いて、地球依存から脱却出来ない状態が現実として横たわってしまうと、火星もただの僻地なんだなと妙に色褪せて見えてしまった。
    本筋ではカワナベの存在が良かった。地球

    0
    2026年07月15日
  • スメラミシング

    Posted by ブクログ

    とても難しかった。こんな短編を複数書けるなんて、創造力が途方もない。
    この作品に低評価をつけることは、己の読解力のなさを認めることだ。

    0
    2026年07月15日
  • ゲームの王国 下

    Posted by ブクログ

    クメール・ルージュ下の
    カンボジアを舞台にした壮大なSF。

    第38回日本SF大賞、
    第31回山本周五郎賞受賞。

    クメール・ルージュ。
    20世紀後半のカンボジアで権力を掌握し、
    急進的な社会改造と暴力で
    国家を統治した共産主義勢力。
    1975年に首都プノンペンを制圧し、
    都市住民の強制移動、貨幣や市場の否定、
    集団農場化を推進。
    その過程で粛清や残虐が広がり、
    カンボジアの社会を根底から破壊した。

    このクメール・ルージュ時代を生きた
    ソリヤーーーサロト・サル、後のポル・ポトの隠し子、
    そして、ムイタックーーー貧村ロベーブレソンに
    生まれた神童、
    この二人を中心とした物語。

    上下2巻の大著

    0
    2026年07月15日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    クイズという誰でも知っているゲームを生きる糧=人生まで昇華させる世界観が面白い。単に正解を答えるだけではなく、出題者との関係性や正解によって得られる自己肯定感。部下にも『正解』って言ってあげよう。いずれにしても一文字も聞かずに正答したという問題に対する小説のオチは個人的には納得できた。
    付録的な僕のクイズのオチは、綺羅星や間一髪の流れから半-導体かと思った。

    0
    2026年07月13日
  • こうやって作家は言葉を紡ぐ

    Posted by ブクログ

    そうそうたる対談相手と小説について語り尽くす。言語化するための小説思考をさらに深掘る内容であり、作家たちの読書会を覗く楽しさもありました!そして、想像以上に読者を意識して創作されているんだなぁ。純文学とエンタメ小説に関する話は、芥川・直木賞発表前の今読めて良かった。

    呉勝浩さんと今村昌弘さんとの3人対談でテスカトリポカを絶賛してたから読みたくなったし、その作者の佐藤究さんとの対談面白かったな!

    0
    2026年07月12日
  • 言語化するための小説思考

    Posted by ブクログ

    圧倒的に読みやすい
    12とエデンの東が特に知りたい情報がつめられていたかな
    表紙外した状態が好き(デザインと紙質も)
    これは手元に残す本!

    0
    2026年07月12日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    表紙?タイトル?読んでみたい気持ちがずっとあり、やっと購入。
    クイズ問題のテレビ番組とかイメージしやすかったからか、スラスラ読めた。
    ヤラセなのか、才能なのか、頭のいい人たちは分析も楽しそう。
    映画で見たかったが間に合わず。サブスクで見られるのが楽しみ。

    0
    2026年07月12日
  • 君のクイズ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトル(title)とは、本、映画、音楽、ウェブ記事などの作品や文書に付けられる名称や題名(表題)のことです。内容を簡潔に示し、受け手の興味を惹く看板のような役割を果たします。
    google検索するとAIによる概要で、こう書かれてあった。
    "君のクイズ"まさに本庄絆のクイズだった。

    なぜ"ゼロ文字押し"ができたのか。という答えは、ヤラセでも魔法でもなく、高度な傾向と対策の結果だった。その答えに辿り着くための論理的な思考に「なぜ?」が腑に落ちていく気持ちよさと同時に、振り返る人生の郷愁や哀愁が漂ってきて、とてもドラマチックでもあった。

    インザメガチャ

    0
    2026年07月11日
  • 言語化するための小説思考

    Posted by ブクログ

    小川哲の小説を書くときの考え方を率直に書いた本。難しい理論は出てこず、割と思考過程を赤裸々に書いているので、飽きなかった。
    発想が面白いなーと思う一方、自分では小説は絶対書けないなと思った。

    0
    2026年07月11日
  • 斜め45度の処世術

    Posted by ブクログ

    本当に面白い。これまで氏の書籍はいくつか読んだが、それらと本書にある思考がリンクして、氏の思考回路にますます惹かれる。

    この中で一番気に入ったのは「脳内を悟られたくない」 。私自身はフェイクブロッコリーを買うほどではないが、水に飛び込む前の携帯電話の話と共に、その気持ちにはとても共感した。

    凡人は、一瞬よぎった「瞬間の感情」をすぐに忘れてしまう。小川氏はそれをきちんと切り取り、丁寧に思考して言語化しており、「これが文筆家というものか」と舌を巻く。

    ご本人は捻くれ者を自称されていて、確かにそうかもしれないけれど、奥底に、多くの人を受容する優しさと等身大に生きる誠実さが満ち満ちている感じがす

    0
    2026年07月10日
  • これが最後の仕事になる

    Posted by ブクログ

    これが最後の仕事になる。の一文で始まる24名の作家による短編集。
    おおむねひとさじの悪意が練り込まれていたが、いろんなテイストの話が読めて良かった。
    特に真梨幸子さんの話はやばかった。初真梨の洗礼を受けてしまった。

    0
    2026年07月10日