小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「言語化するための小説思考」をきっかけに小川哲さんの小説を読みたくて、映画化にもなった「君のクイズ」を手に取る。
クイズ番組というのもに興味がなくて、この話に入り込めるのか不安が混じりながら読みはじめる。
不可解な出来事を紐解くことを軸にしながら、クイズとは一体何なのか?ということを主人公が考えていく。
「クイズを答えているとき、自分という金綱を使って、世界をすくいあげているような気分になることがある。僕たちが生きるということは、金綱を大きく、目を細かくしていくことだ。今まで気づかなかった世界の豊かさに気がつくようになり、僕たちは戦慄する。戦慄の数が、クイズの強さになる。」
自分がクイズのこ -
Posted by ブクログ
著者のひねくれぶりが理路整然と語られるので共感でき、いたってまっとうな人だと感じた。中でも印象に残ったのは、野球のルールの話。なぜストライクといい、ボールというのか疑問をもち語源を調べ、簡にして要を得た文章にしている。納得するまで問うことをやめない人は面倒臭いけれど、とことん考えることでしか自分を伸ばすことはできないのだということを思い出した。1編が約1500字で、もしかして、「誰かの個別の話」→「普遍化」→「自分の個別の話」の構成になっている?全編の形式が揃っていて、快適に読み進められた。
この作家のエッセイは自分とフィーリングが合っていて読み心地がよい。ひねくれ者を自認している作者が世の中 -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公が「小説家小川哲」の私小説のようなフィクション。フィクションなんだが実際にあったことのように思えるディティールの細かさ。出来事はフィクションでも性格や価値観は著者そのものなのではなかろうか、そう考えながら読み終えた。
全編、絶妙に人間の弱い部分、虚栄心を鋭く描いていた。ここまで自分を大きく見せたい人間は実在するとは思えない心の片隅では呟いていたが、ではかつての自分を振り返ると、多かれ少なかれ無意識で自分を大きく見せることはあった。今となっては自然に振る舞うようになったが、罷り間違えば高校の同級生の片桐や漫画家のババのようになっていたのかもしれない。
俯瞰で読みつつも、自分の過去を反芻で -
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なんだか今月はぶ厚いの続きます
はい、小川哲さんと14人の作家さんたちが「言葉を紡ぐ方法」について対談しております
超豪華メンバー!
大好きな小川哲さんがこの豪華メンバーと対談してるってだけですごいことなんですが、正直言って3割くらい何言ってるか分からんかった
ご本人たちも結構自覚的に捉えているようですが、たぶんきちんと商業ベースに乗っている作家さんじゃないと理解できないことを言ってます
「あーそれ分かります」みたいにお互い共感しまくっているんだけど、いやわいちーとも分かりませんけど?みたいな
置いてけぼり感ね
だがそれがいい!(いいんかい)
だってさー、わいらごときがまるっと理解 -
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光は遅すぎる。世界で一番速いはずの光に対するこの評価。この言は以前にも聞いたことがあり印象に残っていたが、今回、物語の中でより実感させてくれたように思う。人々の活動領域が外へ外へと宇宙に広がって行くのは良いとしても、宇宙は広すぎ、移動や通信にこんなに時間がかかっては分断を生んでしまうのも無理はないと感じられた。現実では未踏の地である火星。そこへ向かうのは人類の夢だしワクワクすることのようにも思えるが、本作のように火星で生活することが根付いて、地球依存から脱却出来ない状態が現実として横たわってしまうと、火星もただの僻地なんだなと妙に色褪せて見えてしまった。
本筋ではカワナベの存在が良かった。地球 -
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クメール・ルージュ下の
カンボジアを舞台にした壮大なSF。
第38回日本SF大賞、
第31回山本周五郎賞受賞。
クメール・ルージュ。
20世紀後半のカンボジアで権力を掌握し、
急進的な社会改造と暴力で
国家を統治した共産主義勢力。
1975年に首都プノンペンを制圧し、
都市住民の強制移動、貨幣や市場の否定、
集団農場化を推進。
その過程で粛清や残虐が広がり、
カンボジアの社会を根底から破壊した。
このクメール・ルージュ時代を生きた
ソリヤーーーサロト・サル、後のポル・ポトの隠し子、
そして、ムイタックーーー貧村ロベーブレソンに
生まれた神童、
この二人を中心とした物語。
上下2巻の大著 -
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ネタバレタイトル(title)とは、本、映画、音楽、ウェブ記事などの作品や文書に付けられる名称や題名(表題)のことです。内容を簡潔に示し、受け手の興味を惹く看板のような役割を果たします。
google検索するとAIによる概要で、こう書かれてあった。
"君のクイズ"まさに本庄絆のクイズだった。
なぜ"ゼロ文字押し"ができたのか。という答えは、ヤラセでも魔法でもなく、高度な傾向と対策の結果だった。その答えに辿り着くための論理的な思考に「なぜ?」が腑に落ちていく気持ちよさと同時に、振り返る人生の郷愁や哀愁が漂ってきて、とてもドラマチックでもあった。
インザメガチャ -
Posted by ブクログ
本当に面白い。これまで氏の書籍はいくつか読んだが、それらと本書にある思考がリンクして、氏の思考回路にますます惹かれる。
この中で一番気に入ったのは「脳内を悟られたくない」 。私自身はフェイクブロッコリーを買うほどではないが、水に飛び込む前の携帯電話の話と共に、その気持ちにはとても共感した。
凡人は、一瞬よぎった「瞬間の感情」をすぐに忘れてしまう。小川氏はそれをきちんと切り取り、丁寧に思考して言語化しており、「これが文筆家というものか」と舌を巻く。
ご本人は捻くれ者を自称されていて、確かにそうかもしれないけれど、奥底に、多くの人を受容する優しさと等身大に生きる誠実さが満ち満ちている感じがす -