小川哲のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
現代は情報やコンテンツで溢れ、動画は早送りで視聴され、音楽からは前奏が消え、短くすぐに楽しめるコンテンツの需要が高まっています。
本書は、小川哲さんの過去の作品から言葉を切り抜き、一冊にまとめた本。
私自身、アカウントで本の一節を投稿しています。
心に残った言葉を誰かに知ってもらい、それをきっかけに本を手に取ってほしい。そんな思いで投稿しています。
だからこそ、この本を読んで「切り抜くこと」について改めて考えました。
一つの言葉には、その言葉が生まれた背景があり、前後の文脈によって意味も変わります。
切り抜きは、本の代わりではなく、本へ向かうためのあくまで入口です。
ここで出会った一つの言葉が、一冊の本を手に取るきっかけになれば嬉しいです。
#屁理屈と哲学 #小川哲 #読書 #読書記録 -
Posted by ブクログ
ネタバレ前に「言語化するための小説思考」で初めて小川さんを知って、つい本屋で手に取ってしまった一冊。
このために書かれたのではなく編集の人がいろんな文献から小川さんの言葉を切り取ったらしい。ご本人も後書に書かれていたけど、切り取るってある種の誤読は避けようがないけど、有限な人生において「いいとこ取りをする」のも面白いよね。(歌のサビだけ一人歩きするような)
それで炎上したのに、それを面白がる小川さんもまた、変人で面白い。
8
SNSによって誰もが自分の情報を発信する時代において、「いかにして幸福を掴むか」という問いは、「いかにして幸福だと思われるか」という問いに簡単にすり替わる。
17
挨拶や天気の話は確かに無内容だが、無意味ではない。「私は普通の人間です」という名刺を交換する作業だ。
62
読書とは本質的に、とても孤独な作業だ。映画や演劇みたいに、誰かと同時に楽しむことはできない。
78
気をつけるべきは、人間は他人の発言のニュアンスに自分の願望を反映させやすく、それがさまざまなものごとを難しくているということだ。
103
僕は今、毎日嘘をついている。小説は多くの嘘で構成されているからだ。
162
作品に全力を注ぐことができなかったら、その点は大いに反省する。でも、作品が売れなかったことを必要以上に気にしない。自分の力でコントロールできないことに思い悩むと、人間のメンタルは簡単に壊れてしまう。
168
何もかもがうまくいっていて、摩擦のない人生に創作は必要ない。
178
ある時期から僕は、自分の書いた文章が誤解されることを恐れる気持ちよりも、小説を読む人の総数が減ってしまうことを恐れる気持ちの方が大きくなっている。 -
Posted by ブクログ
上巻に引き続き時代は移ろう。
1932年満州国が建国。明男もまた建築を請け負うことになる。理想の国をまっさらなところから、築き上げていく。やりがいのあるプロジェクト。
しかしその一方で抗日感情が激しくなっていく。
我が者顔でのさばる日本人に現地の若者は拳をあげる。そして世界のあちらこちらでも戦争が激化していく。さらに領地を広げようと右往左往する。
教科書では数行の出来事ではあるが、その歴史は
間違いなくあったことで、その中で生きていた人々がいた。物語のようにいつまでも続くものと思う者もいれば、必ずや全て失うと予測していた者もいたのだろうか。
ひととき歴史の渦の中で揉まれた気分を味わえたかもしれない。
-
Posted by ブクログ
普段何気なく日々を過ごして、当たり前だと思って通り過ぎていくような出来事にツッコミを入れられて「えっ?そんな事気になるの?」って呆れる。
しかし一通り話を読んだ後に「ううむ、確かにその通りかも…自分が鈍かっただけだったのか…」と妙に納得してしまう。「おまえ、めんどくさい人だなー」って言いながらこの人の話す斜めの角度からの話をずっと聞いていたくなる、そんなエッセイ集。
バキューム先輩のネーミング、友達のお母さんにケーキでなく現金を渡して怒られた理由の話、フェイクブロッコリーの話、無駄な買い物を若いうちにしておく話が面白かった。
-------------
21 バキューム先輩 誰かの個別の話→普遍化→自分の個別の話
75 他人を理解することができるという考えが傲慢。この世には自分には理解ができない人がいるがその人なりに合理的に生きている。本を読んだり映画を見たりするのはそれを知るため。
86 嘘をつかないことと嘘がうまくてバレないことは他人からは区別がつかない
107 メンタル神経 自分の精神を思い通りに動かすことができる。心のあり方を正確に把握してコントロールしながら思考や行動や発言を理性的に行うセンスのようなもの
114 人生にはなるべく早めに若いうちに抗体をつけておくべきものが数多くある。意味不明なインテリアを買ってほぼ使わなかったこと。失恋をしたこと。無駄な買い物をすること。どうせ使わないしなと思ってより大きな失敗をしなくなる。
部屋を清潔に保つには広い家に住むか物を捨てるかの2つ
123 手土産の代わりに現金を渡してはいけない理由。社会規範と市場規範。困っている人を助ける、損得でなく社会に生きる人として当然の行為をする。金銭的な損得の問題とすると断る。友人宅に遊びに行くときに母からケーキを買って行くように言われたのをケーキが好きかわからないからという理由で友人の母に現金で1000円を渡そうとして断られたこと。
頭の中を読まれたくないのでスーパーの買い物の具材に敢えてフェイクのブロッコリーを入れる
本を読むかどうかをポイント制にする。60ポイントの人と30ポイントの人と母0ポイント、合わせて90ポイント。あと10ポイント貯まれば読む。最初から100ポイントの人もいる。