小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ普通サイズの上下巻の本なのに、大河小説を読んだくらいには体力を失った。
長い年月「地図」を仕事としていたので、書名に「地図」という文字が入っていると、つい手に取ってしまうのだが、重苦しい本である確率が結構高い。
この本も、日露戦争を前にした時期から第二次世界大戦後までの長い年月を、ほぼ満州を舞台に書かれている。
最初から最後まで通して細川という男が出てくるところから、いかに短い期間に立て続けに日本が戦争という大きな波に翻弄されていたのかが、恐ろしいほどにわかる。
満州の東側の海に浮かぶ青龍島(チンロンタオ)が描き込まれた地図。
ないはずの島が、どうしてその地図に描き込まれたのか。
それを探 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地図と拳(上巻)は、一つの都市を舞台に、人間の理想と暴力、知性と欲望が交錯するさまを壮大なスケールで描き出した、まさに圧巻の歴史群像劇である。
物語は、まだ何ものでもない「土地」に、人が線を引き、名を与え、意味を刻みつけていく過程を丁寧に追っていく。地図とは本来、世界を理解するための道具のはずだ。しかし本作では、その地図がやがて支配や野望の象徴へと変質していく。理性の結晶であるはずの“地図”と、衝動や暴力の象徴である“拳”。その対比が、時代のうねりの中で否応なく絡み合っていく構図が胸を深く打つ。
登場人物たちは誰もが単純な善悪では割り切れない。彼らはそれぞれの正義と信念を抱きながらも、時代 -
Posted by ブクログ
これ読んだら文章書くの上手くなるかな?と買ってみましたが思ってたのと違いました。
どちらかといえば自分の好みに合う小説を選ぶのに役に立つかもしれません。
これまで「文体」というものを考えたことがなかったのですが読み易さにかなり影響を与えていることがわかりました。一人称視点で話が進められる場合には背景等基本的な情報が最初から手に入らないためそこに読みづらさを感じる人もいるということ、また読者を置き去りにしない形で話し手の性格や背景等語られている場合には読みやすく感じることなどが書かれていました。
個人的にはこの「文体」の観点が小説を最後まで楽しく読み切れるかどうかにかかっているので、今度小説を買