小川哲のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
物を作る際の参考になる。
・知らない話を自分が知っている世界の内容に抽象化し当てはめ具現化すると説得力のある知らない世界を描ける。
・視点人物と読者の情報量を最小化すると分かりやすい話になる。順番の話。
・小説は内輪であればあるほど面白い。
・小説の骨格が展開を暗示・暗示されていない危害な展開に対する違和感を減らすこと、で成立している。暗示等のない文章は不要。
・小説は問いが大切。書いてみたいこと、考えたいことを深堀る→その中で面白い視点を掴み取る。掘り下げまくって主題やアイデアを見つける。
・書いてしまったことをやってしまったと考えずにそれを活かす展開を考える。
・小説の価値は読者が何を受け -
Posted by ブクログ
ネタバレ小説に限らず、(他者に読まれることを前提として書かれた)あらゆる文章表現に共通しているのは、その文章に価値があるかどうかを決めるのが「他者」という点である。文章は「他者」のため、より正確に言えば「作品のため」に書かれるべきであって、自分を大きく見せるために書かれるべきではない。文章は「自己表現」であると同時に、「その自己表現に他者がどれだけ感心したか」という側面を持つ。
作者の頭の中にどれだけ壮大なテーマやイメージがあっても、あるいは切実な思いや伝えたいことがあっても、「他者」がその文章にお金や時間を捧げるだけの価値があると判断しなければ意味がない――という当たり前の事実が、小説家としてデ -
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いくつかの短編集からなる小説。どの話も著者がモデルなのではないかと感じた。
この中でもひとつ目の話がものすごく面白かった。
『僕はときどき、本というものが、わがままな子どもや、面倒臭い恋人のように見える。』
これはその話の中の一節だが、はっとさせられた言葉だ。ドラマや音楽のように受動的では楽しめない。自分からわざわざ読もうと本を開かないと始まらない。つまり能動的に楽しまないといけない。考えたこともなかったが確かにそうだと思った。ミステリーのような怒涛の展開はないが、小川さんらしい少しずれたところからの気づきがたくさんある、読んでて飽きない作品だった。 -
Posted by ブクログ
タイトルからして,「手にする」しかない作品だったのだけど,「大事に読みたい」と思ったばかりに9ヶ月も「積ん読」にしてしまったという…
僕にもねえ,「気になる」事が日常的に多すぎたんだよ,つまり・・・な?
まず・・・これは,小説なの?エッセイなの?(笑)
読み始めた時は,“ちょっと変わった哲学者崩れの学生ニートの話なんだろうな”くらいに読んでいたのに,章を追うごとに「え?これ本人?本人のことなの??」ってなっていく.だって途中で堂々と「小川」って書いちゃってるし!
最後なんてもう,山本周五郎賞だとか,新潮社からの電話がどうだとか…「これ本人だよね?絶対本人でしょ?笑」ってとこまで来る.
作中