メディアワークス文庫作品一覧
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-やがて150人以上の被害者を出し、日本中を震撼させる自殺教唆ゲーム『青い蝶』。 その主催者は誰からも好かれる女子高生・寄河景だった。 善良だったはずの彼女がいかにして化物へと姿を変えたのか――幼なじみの少年・宮嶺は、運命を狂わせた“最初の殺人”を回想し始める。 「世界が君を赦さなくても、僕だけは君の味方だから」 変わりゆく彼女に気づきながら、愛することをやめられかった彼が辿り着く地獄とは? 斜線堂有紀が、暴走する愛と連鎖する悲劇を描く衝撃作! 分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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-大国カザックの美しく聡明な王太子フェルドリックから小国ハイドランドに舞い込んだ突然の縁談。それは美貌の姉姫ではなく、政務に長けた地味な妹姫ソフィーナへの話だった。甘いプロポーズに喜ぶソフィーナだが、「着飾らせる必要もない都合がよい姫だ」と話す王太子と鉢合わせてしまう。幼い頃から密かに想いを寄せていた王太子の正体は、計算高く意地悪な猫かぶり! そうして最悪な始まりで迎えた政略結婚生活。だけど、王太子にもソフィーナへの隠された特別な想いがあって!? 【登場人物】 ◆ソフィーナ ハイドランド王国第二王女。政務に通じている聡明な姫ながら地味な容姿がコンプレックス。 ◆フェルドリック カザック王国王太子。誰をも魅了する美青年だが、内面は辛辣。実はとある葛藤を抱えている。 分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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4.6『拝啓 見知らぬ旦那様、8年間放置されていた名ばかりの妻ですもの、この機会にぜひ離婚に応じていただきます』 商才と武芸に秀でた、ガイハンダー帝国の子爵家令嬢バイレッタ。彼女には、8年間顔も合わせたことがない夫がいる。伯爵家嫡男で冷酷無比の美男と噂のアナルド中佐だ。 しかし終戦により夫が帰還。離婚を望むバイレッタに、アナルドは一ヶ月を期限としたとんでもない“賭け”を持ちかけてきて――。 周囲に『悪女』と濡れ衣を着せられてきたバイレッタと、今まで人を愛したことのなかった孤高のアナルド。二人の不器用なすれちがいの恋を描く溺愛ラブストーリー開幕! ◇◆登場人物◆◇ 【バイレッタ】 商才に溢れ、武術も得意な才女だが、それを妬む周囲により『悪女』とあらぬ噂を立てられている。 16歳のときに父により無理やりアナルドと結婚させられてから8年、一度も夫の顔も見たことがなかった。 【アナルド】 スワンガン伯爵家の嫡男で、ガイハンダー帝国の陸軍騎兵連隊長。 冷酷な策士で、戦場の灰色狐の異名を持つ。 他人への興味が薄く、上司命令でバイレッタと結婚をしたはずだが……。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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5.0番(つがい)――それは生まれ変わってもなお惹かれ続ける、唯一無二の運命の相手。 パイ屋を営む天涯孤独な娘アデリエーヌは、竜族の第三王子の番に選ばれた前世の記憶を思い出した。長命で崇高な竜族と比べて、弱く卑小な人間が番であることを嫌った第三王子に殺された、あの時の記憶を。再び第三王子の番候補に選ばれたという招待状がアデリエーヌのもとに届いたことで、止まっていた運命が動きはじめ――。やがて、前世の死の真相と、第三王子の一途な愛が明かされていく。 【登場人物】 ・第三王子 とある理由で名を奪われた竜族の王子。前世のアデリエーヌとは関わろうとしなかったが……。 ・アデリエーヌ 第三王子の番として、竜族の王宮で暮らした人間の娘。生まれ変わり、今はパイ屋を一人で営んでいる。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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3.0妾腹ということで王妃らに虐げられて育ってきたゼルスの王女エデルは、戦に負けた代償として義姉の身代わりで戦勝国へ嫁ぐことに。相手は「黒狼王(こくろうおう)」と渾名されるオルティウス。野獣のような体で闘うことしか能がないと噂の蛮族の王。しかし結婚の儀の日にエデルが対面したのは、瞳に理知的な光を宿す黒髪長身の美しい青年で――。 やがて、二人の邂逅は王国の存続を揺るがす事態に発展するのだった…。 激動の運命に翻弄される、波瀾万丈のシンデレラロマンス! ≪登場人物紹介≫ エデル:西の国ゼルスの王女。幼い頃、母親と生き別れる。甘いお菓子に弱い。 オルティウス:東の国オストロムの青年王。「黒狼王」と恐れられている。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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5.0貴方への想いと、貴方からの想い。 それが私の剣と盾になる。 「剣は鞘にお前を選んだ」 美しい長女と三女に挟まれ、目立つこともなく生きてきたオードル家の次女サクラは、「軍神」と呼ばれる皇子カイにそう告げられ、一夜にして彼の妃となる。 課せられた役割は、国を護る「破魔の剣」を留めるため、カイの側にいること、ただそれだけ。屋敷で籠の鳥となるサクラだが、持ち前の聡さと思いやりが冷徹なカイを少しずつ変えていき……。 すれ違いながらも愛を求める二人を、神々しいまでに美しく描くシンデレラロマンス。 【登場人物紹介】 サクラ 名門貴族の不遇な令嬢。散歩と、小さな使い魔アシュと戯れることが好き。 カイ 大国キリングシークの第二皇子。数々の戦を制し、「漆黒の軍神」と呼ばれる。分冊版第1弾。 ※本作品は単行本を分割したもので、本編内容は同一のものとなります。重複購入にご注意ください。
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-世界で最も著名な劇作家&詩人、ウィリアム・シェイクスピア。「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「マクベス」「ヴェニスの商人」など数多くの傑作を残した彼。その謎に包まれた日常生活を、ギャグコミック化! ときどき挟み込まれる、驚きの実エピソードも必見!! 『あそびあそばせ』や『りとる・けいおす』で人気沸騰中の漫画家・涼川りんが別名義で放つ、核弾頭級のギャグ漫画、ここに降臨!! (※メディアワークス文庫公式サイトに2012年12月~2017年1月まで連載されたものを中心に、雑誌に読み切りで掲載した作品を加えて、収録しています)
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-北信越地方に浮かぶ離島、翡翠島。過疎化に悩む小さな島で、突如、凶悪な事件が発生した。次々に著名な建造物が燃やされていき、最後には死者まで出てしまう。殺されたのは、誰もが憧れていた少年、『ノア』のたった一人の家族だった。父を殺され、親友にさえ別れを告げずにノアが島を去って十年。二十五歳になった真翔と織姫の前に、長く音信不通だったノアが不意に現れる。彼との再会をきっかけに、未解決に終わった連続放火事件の陰惨な記憶が蘇っていく……。哀切の赤い炎が焼き尽くす、新時代の恋愛ミステリー。
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3.9科学が隆盛を極める現代。だが、その片隅にひっそりと息づく異形のものたちがいた。存在を知る一部の者たちは、それを 「怪異」 と呼んだ。 当然、怪異を相手にする生業もある。修験者、法力僧、呼ばれ方は様々だが、その中でひと際変わった青年がいた。九条湊── どこか斜に構えたクセのある青年だが、彼が同業者から疎まれているのはそこではない。霊力、法力、神通力、彼はそんな力を一切持っていない。それにもかかわらず怪異を倒すという。その手腕は驚くべきものだった──。
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4.1ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。 スカっとできて最後は泣ける“すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー”
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4.0美波高校に通う旧家の跡取り舞原吐季は、一つだけ空いた部室を手に入れるため、『演劇部』と偽って創部の準備を進めていた。しかし、舞原と因縁ある一族の娘、千桜緑葉も『保健部』なる部の創設を目論んでおり、部室の奪い合いを発端に、奇妙な推理勝負が行われることになってしまう。反目の果てに始まった交流は、やがて、二人の心を穏やかに紐解いていくことになるのだが……。幸せを放棄した少年と、純真な心で未来を夢見る少女の人生は、いつだってポップなミステリーで彩られていた。これは、現代のロミオとジュリエットに舞い降りる、儚き愛の物語。
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3.0天性の美貌と才能を持つ猿楽師の三郎は、父の死をきっかけに兄の一座を離れた。そして自分の一座を建て、将軍の前で舞いたいという野望を抱く。能楽の大成者・観阿弥が新たな芸術の創造に向け試行錯誤する若き日の姿を鮮烈に描く。
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3.0新宿の古ぼけたビルの三階にそのマジックバーは存在する。店の名は「ファンタンドミノ」──それは、忽然と姿を消してしまった偉大なマジシャン・小鳥遊丈佳の忘れ形見であり、謎を持つ人物を引き寄せる不思議な店だった。 過去の失敗で舞台から遠ざかってしまったマジシャン・麻耶新二。彼は、師匠が残したこの店で、若きオーナー・小鳥遊紅音と出会いマジシャンとして再起する。その傍らで客が抱える謎を解き明かしていくのだが、やがて師匠が残した謎のメッセージの真相を知ることになり……。
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-京都に佇む風鈴専門店『風の通り路(みち)』。この店には、代々伝わる不思議な風鈴があり、お人好しの兄弟が働いている。 不思議な風鈴によって、悩みを抱える来客を知る若店長・遊佐和真は、今日も今日とて商売そっちのけで客の問題に首をつっこむ日々。一方、そんな兄を諌(いさ)めるのは、共に働く現実主義者の弟・遊佐隆司。でも、調子のいい兄のペースに乗せられて、いつもいつの間にか協力する羽目に。 そんな二人が働く風鈴屋に、亡くなった夫の想い出を巡ってある老婦人が訪れて……。 これは、風鈴によって人々の悩みを幸せに変える、お人好しな風鈴屋兄弟の物語。
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4.4男やファッションに興味なし。出世や金にも興味なし。垢抜けなくて野暮ったい灰庭留衣は、無類のドーナツ馬鹿だった。他人から変わり者扱いされても気にすることなく、一日中、美味しいドーナツのことばかり考えていた。 留衣が勤めるのは、首都圏に展開するチェーン店「羽のドーナツ」。代々木本社の開発部に所属する彼女の夢は、食べた人が笑顔になるドーナツ、食べた人を幸せにする奇跡のドーナツを作ること。 そんな彼女が巻き起こすトラブルの連続に、はじめは呆れていた周囲も、やがて――。 甘くて愉快で美味しい、心躍る物語、ぜひご試食あれ。
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3.6「俺は、多分、なんだって、視える」 「僕は、大体のものは、つくれますから」 皮肉屋の青年・叶義は幼い頃、あやかしの神隠しに遭って以来、いかなるものも“視えないものはない”という。妖しい美貌を持つ飴細工師・牡丹はその手で“つくれないものはない”という――。 二人の青年が営むは、世にも不思議な妖怪飴屋。奇妙な縁に惹かれた彼らは、祭り囃子の響く神社で今宵も妖怪飴をつくりだす。人と寄り添うあやかしの、形なき姿を象るために。あやしうつくし、あやかし飴屋の神隠し。
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4.1王子様と見紛う美形の探偵・上倉悠貴がオーナーの喫茶店。そこでウェイトレス兼探偵助手を務める小野寺美久。文句ばかりのちぐはぐな二人が、ふとしたミスで密室の倉庫に閉じ込められてしまう。 慌てる美久だったが、しかしそれをきっかけに、美久と悠貴の距離がほんのすこしだけ縮まるのだった。 ようやく息が合ってきたかにみえたその矢先。吉祥寺の秋祭り会場で、悠貴とはぐれた美久が事件に巻き込まれてしまう。そんな彼女を救ったのは、悠貴とは趣の異なる、もう一人の『美青年』で……。 今回の謎解きは、いつもよりすこしビターな薫りでお届け。
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4.4男の子と女の子は、隣に住むおばあさんの家に遊びに行き、夜が来るまでのわずかな時間に、いろいろなお話しを聞くのが好きでした。もう、あの村におばあさんはいません。男の子は、小説家になって、女の子は、歌手になって、ときどき、おばあさんのお話を思い出しているのです。――― ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、答えを探す、今はいない人を思い出す、そんな“心が動く掌編”25篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が贈る“眠るまでのひとときに読む絵本”。オールカラーで登場。
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3.7「小説の書き方を教えていただけませんでしょうか。私は、この世で一番面白い小説のアイディアを閃いてしまったのです―― 」。 駆け出しの作家・物実のもとに初めて来たファンレター。それは小説執筆指南の依頼だった。半信半疑の彼が出向いた喫茶店で出会ったのは、世間知らずでどこかズレている女性・紫。先のファンレター以外全く文章を書いたことがないという彼女に、物実は「小説の書き方」を指導していくが――。 野崎まど待望の新作ミステリーノベル……改め、意表を突く切り口で描かれる 『ノベル・ミステリー』 登場。
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3.8「この学校に、永遠の命を持った生徒がいるらしいんですよ」 生物教師・伊藤が着任した女子校 「私立藤凰学院」 にはそんな噂があった。話半分に聞いていた伊藤だったが、後日学校にて、不意にある生徒から声をかけられる。自分がその 「死なない生徒」 だと言ってはばからない彼女は、どこか老練な言葉遣いと、学生ではありえない知識をもって伊藤を翻弄するが……二日後、彼女は何者かの手によって殺害されてしまう――。果たして 「不死」 の意味とは? そして犯人の目的は!? 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞者・野崎まどが放つ、独創的ミステリ!
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4.4どんなに考えても、今は答えが出ないことがある。時間が経たないと、未来にならないと、分からない答えがある。 それまでに―― 答えが運ばれてくるまでに、僕達は、何を考えるだろう? ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、納得する、空を見上げたくなる、そんな“心が動く掌編”20篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が贈るオールカラー絵本第3弾。 ―― 答えがいつかあなたに運ばれてきますように。
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4.3あなたはイスに座って、ウェイターが注文を取りにきました。 あなたは一番好きなお茶を頼んで、そして、この本を開きました。 お茶が運ばれてくるまでの、本のひととき――。 ドキリとする、ウルッとする、元気になる、胸が痛む、答えを探す、好きな人に会いたくなる、そんな“心動く掌編”18篇を収録。 時雨沢恵一&黒星紅白が描き下ろす“カフェでお茶が運ばれてくるまでに読む絵本”。オールカラーで登場です。
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3.9自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂される最原最早の監督作品だった。彼女のコンテは二見を魅了し、恐るべきことに二日以上もの間読み続けさせてしまうほどであった。二見はその後、自分が死んだ最原の恋人の代役であることを知るものの、彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が先立ち、次第に撮影へとのめりこんでいく。 しかし、映画が完成したとき、最原は謎の失踪を遂げる。ある医大生から最原の作る映像の秘密を知らされた二見は、彼女の本当の目的を推理し、それに挑もうとするが――。 第16回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。
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3.6今日こそはアイツに復讐しよう。公園のベンチに座ってそう決意する僕の目の前に、女子高生のお姉さんが落ちてきた。 ……アスレチックの上から。彼女は微笑んで言う。 「しようぜ、復讐」 見知らぬお姉さんに引きずられ、僕(=小学五年生)の奇妙な旅が始まった。旅なのか……な? 第17回電撃小説大賞〈メディアワークス文庫賞〉受賞後、第一作。可愛げのない小学生と、破天荒な女子高生。おかしな二人の奇妙な旅を綴るメランコリック・ロードノベル。
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3.2時は昭和初期。線路を守る保線手として、二十年以上ひたむきに働いてきた三郎。ある日、彼は一人の若い少女が線路の上で倒れているのを発見する――。仕事一筋に生きる純朴な四十男と少女の淡いラヴロマンス。
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3.3ぼくの名前は花咲太郎。探偵だ。浮気調査依頼が大事件となる素晴らしい探偵事務所に務め、日々迷子犬を探す仕事に明け暮れている。 ……にもかかわらず、皆さんはぼくの職業が公になるやいなや、期待に目を輝かせて見つめてくる。刹那の閃きで事態を看破する名推理をして、最良の結末を提供してくれるのだろうと。 残念ながらぼくは犬猫専門で、そしてロリコンだ。最愛の美少女・トウキが隣で睨んできてゾクゾクした。悪寒はそれだけじゃない。眼前には、真っ赤に乾いた死体まである。……ぼくに過度な期待は謹んで欲しいんだけどな。これは、『閃かない探偵』ことぼくと、『白桃姫』ことトウキの探偵物語だ。
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3.6バカが全裸でやってくる。僕の夢は小説家だ。そのための努力もしてるし、誰よりもその思いは強い。しかし努力と環境では、才能は覆せない日々が続いていた。お話をつくることを覚えた子供の頃のあの日から、僕には小説しかなかった。けれど僕は天才じゃなかった。小説家になりたくて、でも夢が迷子になりそうで。苦悩する僕のもとにやってきたのは、全裸のバカだった――。大学の新歓コンパ。そこにバカが全裸でやってきた。そして、これが僕の夢を叶えるきっかけになった。こんなこと、誰が想像できた? 現実は、僕の夢である 『小説家』 が描く物語よりも、奇妙だった。
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5.0ある夜、舞原零央はアパートの前で倒れていた女、譲原紗矢を助ける。どこにも帰る場所がないと語る彼女は居候を始め、次第に猜疑心に満ちた零央の心を解いていった。やがて零央が紗矢に惹かれ始めた頃、彼女は黙していた秘密を語り始める。その内容に驚く零央だったが、しかし、彼にも重大な秘密があった。 二人は自分の居場所を見つけるため、互いに秘密を打ち明け始める。まるで、雨宿りでもするかのように。巧妙に張り巡らされた伏線が、いくつも折り重なったエピソードで紐解かれる、新感覚の青春群像ストーリー。
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5.0天才であるが故に誰とも協調することができない孤高のプレイヤー・琢磨。 練習熱心だが、とあるトラウマから他人を信用することができなくなった駆。 高校の名門テニス部で出会った二人は、入部当日から衝突してばかり。プレースタイルも真逆で、初めてコートで向かい合ったときからお互いのことが気に食わない。 だけどある日突然、「お前ら、ダブルス組んでみない?」と理不尽な部長命令が下り――。 喧嘩ばかりの凸凹コンビが、練習と敗北を重ねる中で徐々に成長し、絆を深めていく熱血部活テニス物語! 少年たちの、熱い夏が始まる。
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3.5新鮮みのない毎日。人生の不感症。アラサ―OLの道子は、退屈な日々を過ごしていた。ときめきを求めていたある日、家に帰ると、部屋の壁に「穴」が!? そこから覗いていたのは隣人のイケメン男子手近くん。穴を空けたお詫びとして、彼が引っ越すまでの1週間、毎日顔を合わせて会話することを提案される。『あいさつ、おしゃべり、一緒にごはん』 三つのルールでつながる不思議なシェア生活がはじまってーー? 期間限定ときめきラブコメ!
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4.0天正十三年、晩夏。上杉家の人質として春日山で槍の稽古に励む真田幸村の許に届いたのは、徳川家による上田攻めの一報。上野沼田の地を巡り、徳川・北条両家による真田家討伐がついに始まった。まだ初陣前の幸村も上杉景勝の許しを得て上田城に急行し、真田家存続をかけた一戦に参加することに……。だがそこで目の当たりにするのは、絶対的な戦力差と、父・昌幸が描く老獪な作戦だった。北条征伐のきっかけとなる攻防戦。その裏に渦巻く秀吉・家康の陰謀の中、まだ若かりし幸村が戦場を駆け抜ける──。出海まことが贈る、まだ若かりし幸村の青春大河小説開幕!
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4.2レールからはずれるのが怖い? でも僕らの乗ってるレールなんて、どうせもう壊れてるんです! 独立したい人も転職したい人もニートの人だって、「好き」で「食う」ことさえできたら、それが幸せな生き方じゃないでしょうか。でもそれにはコツがいるんです。大切なのは「何をやるか」ではなく「どうやるか」。どう提供するかにこだわれば、僕らの道は開けます! 誰でもすぐ実践できる、10のビジネスモデルを知って「好き」を仕事にしよう。伝説の独立・転職バイブルが最新版になって文庫化!
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4.7成績は頑張って中の下。スクールカーストで言えば低い方。気の合う友達はいるけど、女子と喋った回数なんて数えるほど。可愛い女の子と交遊なんて高望みってものだろう。だけど脚本兼監督を引き受けてしまったぼくの一言で、映画部の日常が変わる。「ヒロインで撮りたいんだ」文化祭に出展する予定のオリジナル脚本ゾンビ映画『死霊の呼び声』。しかし主演女優の出演交渉は早くも難航。女子たちから小馬鹿にされながらも、ヒロイン獲得に向けてみんなで策を練るが…
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3.6起業した会社が倒産したため、着の身着のまま、東京の片隅にある神社に管理人として身を寄せることになった青年。都落ちを痛感しながらも、再起に向けて意気揚々と暮らし始めようとする。 ところが、この神社には3匹の猫が棲み着いていた。大きくてブサイクな虎猫と、灰色の毛玉のような仔猫2匹。実は彼らは“化け猫”だった。 傍若無人ぶりを発揮する化け猫たち。そして、それにひたすら翻弄される青年――。 どこか憎めない化け猫たちとの人間味豊かな同棲生活を愉快に描くストーリー。化け猫も、けっこう可愛いものですよ……たぶん!
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3.6僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。 それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。 午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。 琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。 不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘くビターに切ない恋愛物語。
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3.3田舎でひとり暮らしをしている藤島さんは、深夜逆転が常の不健康な作家生活を送る二十九歳。今日も深夜、冷蔵庫を漁るも、出るのはため息ばかり。お腹が空いたのに、何もない。そうだ、ちょっと買い物、行ってくるかな――。 近所のコンビニに深夜の買い出しに出かけた藤島さんが手に取るのは、サバの缶詰、レトルト、サラダにおでんに、チキンカツ……それにほんのひと手間加えて、深夜ごはんの出来あがり。 止めたいけれど、止められない。お腹が求める深夜のお食事。いつもよりもほんの少し幸せになれる、藤島さんの深夜ごはんのお味は?
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4.0地方のなんでもない町に生まれた少女、尾崎愛。 人見知りで口下手なため、不遇な学生生活を送りながらも、作家になることを夢見て東京で暮らし始める彼女は、愛を求めて、波瀾万丈の人生を経験することになる。 愛って、どこにあるんだろう? 愛って、なんだろう?
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4.0いつもは静かな喫茶店エメラルドが、珍しく大盛況となっていた。沢山の女性に囲まれたその中心にいるのは、高校生の王子様探偵・上倉悠貴……ではなく、柔らかな笑顔を振りまく金髪碧眼の青年で? その青年――イギリスからの留学生・ダニエルは、美久との奇妙な縁をきっかけとして喫茶店で居候兼ウェイターとして働き始めたのだ。いつしかここは「選ばれしイケメン店員しかいない喫茶店」と噂され……。 そして、今日もエメラルドには、依頼が舞い込んでくる。 紅茶とレモンパイの香りがやさしく広がる喫茶店で、謎解きはいかがですか?
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3.5堅く真面目なサラリーマンの長兄、いいかげんで放浪癖がある大学生の次兄、そして登校拒否中で家に引きこもって漫画家をめざす妹――。 母が入院し、父が旅に出たために、小さな家に三人だけで暮らすことになった彼ら。 心を開けるほど親密ではなく、かといって無視できるほど疎遠でもない。ひとつ屋根の下に住んでいながら、微妙な距離感でつながっている三人兄妹の平穏な日常が少しずつ崩れていく様子を、コミカルかつ繊細に綴っていく。 家族って、イライラするほど厄介だけど、だからこそ、愛おしいのかもしれない。
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3.8知っていますか? あなたが笑ったり泣いたりしているときに、すぐ横に寄り添って、一緒に微笑んだり涙を流してくれる存在がいることを。 それは……美しくも儚い 「花」 たち。彼らは、いつでも人間を温かく見守り、心の底から祈っています。 あなたが幸せでありますように―― と。 これは、そんな花たちの声を聞くことができる不思議な青年・草介と、心優しい花たちの、切なくも心温まる物語。 ほら、花たちに耳を近づけてみてください。思いがけない、嬉しい囁きが聞こえてくるかもしれませんよ?
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4.3自由のないお嬢様に幼ない日から想いを寄せつづけ、大学生になった西源重郎。 長い時間を経て、源重郎の想いが届こうとした時、2人を引き裂く残酷な出来事が起きる。 傷だらけになった2人がたどり着いた、最後の楽園は――。 魔法のiらんど単行本で大人気の『お女ヤン!!』シリーズにも登場する、西源重郎の究極の愛を描いた、切なすぎる号泣ラブストーリー。
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3.2北海道のある町で、同じ日同じ病院に生まれた僕と茉莉(まつり)。家もお隣さん同士という、絵に描いたような幼馴染の僕たち。唯一の違いは“健康な体”で生まれてきたかどうかだった。 いくら星に願っても、神様は茉莉の病弱な身体を治してくれる気がないらしい。けれど彼女はその小さな体じゃ足りないほどの好奇心に溢れていた――。 入院生活での熱心な読書が災いし、ちょっとどうかと思う理系女子に成長した茉莉は、いつも僕を振り回してばかり。ただ、僕には言えない大きな秘密を抱えているようで――。 これは、きらきらの恋をし、やがては消える少女と僕の、刹那に輝く星のような物語。
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4.0欲望も希望も飲み込む巨大都市、東京。その新宿の片隅に、赤星和真の事務所はある。和真は近寄りがたい青年だ。顔立ちは気品のある整ったものだが、新宿の住人特有の尖った雰囲気がある。だが彼の稼業は水商売などではなく、陰陽師なのであった。 大手企業に勤める本条千晶は、自身の困り事をきっかけに和真と知り合う。この時世に陰陽師を名乗る和真を信用できない千晶。だが和真は言う。子供も大人もネットを介し手軽に呪詛の言葉を発信し合う。現代だからこそ呪いはある、と。千晶はそれを身をもって知ることになる。東京の光と闇、現代の陰陽師異聞。
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4.0天文学者の父親とともに遠く南国の孤島に暮らしている少女・海良。ある日、彼女が闇夜の草原で出逢ったのは、星空から降りたった不思議な少年・τ(タウ)だった。 「僕という天体は、宇宙を未来から過去へと進んでいる。でもこの姿を浮かべていられるのは、ほんの七日間だけ。だから今夜は僕にとって、君との最後の夜なんだよ――」 果たしてその謎めいた言葉の通りに、海良は毎夜、タウと出逢い続ける。約束された出逢いの、避けられない別れの時へ向けて――。 時を遡る少年とすれ違い続ける少女が織りなす、たった七夜のラブストーリー。
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4.3喫茶店『エメラルド』のオーナーである、ドSな高校生探偵・上倉悠貴と、そこで助手兼アルバイトをする女子大生・小野寺美久。悠貴の高校で起こった難事件を無事解決し、エメラルドに戻った悠貴たちだが、そこで彼らを待っていたのは、悠貴のライバルである花見堂聖だった。 突然現れた聖に激昂する悠貴は、聖をエメラルドから追い払う。美久はその一部始終を見て、悠貴と聖の深い溝を再確認する。もう絶対に、聖を悠貴に近づけてはいけない。 ――と思っていたのに!? 翌日、なぜか美久と聖は『エメラルドの探偵』コンビとして謎解きに挑むことになり……!?
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3.3南都。京の都のごとく栄えるこの都市に、遥か異国の血を引く青年妖術師・天竺ムスルがいた。 緑色の瞳を持ち、喋る紅い鳥を友とする彼には、表の仕事である金貸し以外にもうひとつ裏の顔がある。 不思議な力を秘めた彼のもとには、あやかしに関わる刀剣をはじめ、物騒な事物が次々と舞い込んでくるのだ。 ムスルの構えた通称『天竺屋敷』に奉公に来た少女・葉月は、仕え女として働くうちに、彼とともにあやかしと関わってゆくことになり――。 『からくさ図書館来客簿』シリーズの仲町六絵が描く、ジャパネスク・ファンタジー。
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3.3ふんわり可憐なその容姿に似合わず、日常のどんなものにでも首を突っ込んで、分析しなければ気が済まないちょっぴり残念な女子大生、葵子。 バイト先で、ふと訪れた喫茶店で、大学の研究室で──葵子は今日もどこからか、日常に隠れた分析の種を見つけてくる。 くすりと笑う彼女の唇から転がり出す、冗談めかした分析。それは、つまらない日常の色をがらりと変える。くだらなくって可笑しくて、けれどちょっぴり温かい、日常の謎の真相とは……。 軽妙に二転三転する論理が楽しい、おもちゃ箱みたいな日常分析ミステリ登場!
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4.0男子校、だ。 頭髪の自由はなく(例外あり)、携帯電話は悪の枢軸で、もちろん華やかな青春なんて皆無。三年間、僕らが進み続けるのは砂の海。そう、『砂漠』というわけだ。 そんな男子校に、訳あって集ったのは、全く意味のないイケメンフェイスを持つ長髪野郎、モンゴルから柔道のために砂漠に来た留学生、高校生の代名詞である丸坊主の元・野球少年、そして、そんな悪友たちと虚しい青春を謳歌する僕だ。 四人が歩くその先には、無限の砂漠と蜃気楼の美女しかいない。 今日も僕らの雨乞い(ボーイズライフ)が始まる。
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3.6たとえば、すれ違いばかりの彼と彼女がいたとする。本当にちょっとしたボタンのかけ違い。でも、きっかけがなくて──。 そんな時、彼/彼女はふと善行をする。弱っている猫にエサをあげたりといった些細なことだ。だが、枕元に神様が立って、何にでもなれるお札をくれるという。え? そんなおとぎ話を信じられない? いやいや、嘘じゃない。実際彼らはお札を手に入れ、それがきっかけとなり二人の関係は変わっていくんだから。 大人のメルヘンをどうぞ。
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3.7小さな漁港、濃紺の海。どこにでもありそうなのどかな港町。唯一よそと違うのは、この町の海が宇宙人によって占拠されていることだった。 ある朝、宇宙船に向かって怒鳴り散らす青年を舞依は見かける。自らが真の侵略者であると意味不明なことを説く青年を見て、登校前の高揚した気分が萎える舞依だった。 だが、舞依の災難は終わらない。なんと新しい担任として現われたのが、あの青年、ユーマだったのだ。言動は変だが、どこか筋が通っているユーマはいつの間にか生徒達の人気者になっていく。だが、彼にはとんでもない秘密があり!?
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3.6工学部の大学院生・舞面真面(まいつらまとも)は、ある年の暮れに叔父の影面(かげとも)からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男・被面(かのも)が残した遺言の解明だった。 ―― 箱を解き 石を解き 面を解け ―― よきものが待っている 従姉妹の水面(みなも)とともに謎に挑んでいく真面だったが、謎の面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に――? <メディアワークス文庫賞>受賞者、野崎まどが放つ怪作登場!
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4.1周りのみんなより、ちょっとだけ頭がよい小学四年生の理桜。担任の千里子先生からも一目置かれている彼女は、ある日、不登校の少女 「さなか」 の家を訪ねるようにお願いをされる。能天気少女のややや(注: 「ややや」 で名前)や、引っ込み思案の柊子とともに理桜は彼女の家に向かうが、姿を現したさなかは、なんと早々に大学での勉学を身につけ、学校に行く価値を感じていない超・早熟天才少女であった。そんな彼女に理桜は、学校と、そこで作る友達がいかに大切であるかということを説くのだったが……果たしてその結末は!? 野崎まどが放つ異色ミステリ、まさかの小学校編登場!
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4.1石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。深夜の校庭に桜が舞い散る中、宙に浮かぶ袴姿の彼女は、高らかに不吉な言葉を彼に投げかけるのだった。 「おめでとう、お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた」 なんと彼は七不思議の引き継ぎに、仮登録されてしまったのだ! そして、とまどいながらも、テンコとともに学校で起こる事件を解決していくことになるのだが……。 七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー。
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3.7なんの前触れもなく人間が消滅し、その痕跡も、周囲の人々の記憶からも消え去ってしまう世界。人々は普段通りの生活を続けながらゆるやかに訪れる世界の終わりを待っている。そんな世界でぼくは例外的に消えた人間の記憶を保持することができた。そんなぼくは気がつく。人が消えていくばかりの世界の中、いなかったはずの少女がいつのまにかクラスの一員として溶け込んでいることに――。
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3.7遊園地でカエルの着ぐるみをかぶって仕事をこなし、優雅な独身貧乏生活を満喫中の俺、三十歳。ある日、見知らぬガキんちょがやってきて、俺に向かって思いっきり叫んだ。 「父ちゃん!」 身に覚えは……ない、わけでもない……。ああ、なんてこった。突然の息子の登場で、俺の平穏な生活が一変。そもそも子供は苦手なのに、この先、どうなっちまうのか ――。 真冬の遊園地でじんわりと展開する、奇妙な縁で結ばれた親子の心温まる物語。ぎこちない父親の愛情と、まっすぐな子供の信頼が、関わる人々に笑顔を運んでいく。
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4.1故郷の小さな田舎町でコンビニを起ち上げた若き店長、牧水良平。開店までの苦労を乗り越えた彼を待っていたのは、厳しい現実だった。画一化を図るコンビニチェーン本部に抵抗し、オリジナリティあふれる店づくりをモットーに頑張っていたが、経営は赤字続き。しかも、バイト店員が起こしたある事件が原因で、ただでさえ少ない客足も激減してしまう。閉店の危機に、牧水店長が打ち出した策は―― !? どれだけ努力しても、結果が出ないこともある。でも彼には、信じるものがあった……。へこたれながらも、前へ進もうとする青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
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3.6東京暮らしに挫折して、故郷へと舞い戻った青年、牧水良平。実家の小さな商店を手伝うわけでもなく、悶々とした日々を送っていた。そんな彼が一念発起! 人口の少ない田舎町で、コンビニを起ち上げようと決意する。当然のごとく次から次へと難題が降りかかってきて、若き店長は行き詰まるのだが――。 あなたがいつも立ち寄るコンビニの裏でも、こんな熱いドラマが繰り広げられているのかもしれない!? 何事にもへこたれず、前へ進んで行こうとする一人の青年を描いた、元気をもらえる爽やか青春小説!
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4.0ある街の摩訶不思議な骨董店――。店主は、元刑事の経歴を持つ変わり者の美堂橋梓。自分の美意識にかなう品物を集めたその店で、美堂橋は“美しいモノ”だけに囲まれ優雅に暮らしていた。 ある日、天然な女子高生・百合が居候としてやってくる。なぜかトラブルに巻き込まれがちな百合のせいで、彼の生活は一変! さらに元同僚の刑事・関戸が、百合の学校で起きた連続失踪事件の相談を持ちかけて来て……気づけば、不可解な事件に巻き込まれていた。 同ストーリーを、董屋店主×天然女子高生の凸凹コンビそれぞれの視点で展開、MW文庫(美堂橋視点)と魔法のiらんど単行本(百合視点)で同日発売。
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3.4地味なOL生活を送っていた美咲は、アイドルのように中性的で、若くお洒落な彼氏と付き合っている。ようやく捕まえた愛しい彼のため、美咲は借金の連帯保証人にまでなっていた。だがある日、彼の口車にのって引き合わされたのはヤクザな男たち。まんまと彼氏に騙され、美咲は風俗に売り飛ばされることになったのだ。自暴自棄になった彼女は、走ってきた車に思わず身を投げるのだが――。 『太陽のあくび』で〈メディアワークス文庫賞〉を受賞した有間カオルが、受賞後1作目として放つのは、死の薫り漂う異色のミステリアス・ストーリー! ユナイテッド・シネマ シネマプロットコンペティション2008のグランプリ受賞作。
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3.9保育士の山川陽子(やまかわようこ)は、ある日保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣(ももしろてい)を自宅まで送り届けることになる。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街の雑居ビルにあり、しかも日暮旅人(ひぐらしたびと)と名乗るどう見ても二十歳前後の父親は、探し物専門という一風変わった探偵事務所を営んでいた。 澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子は、探偵事務所を度々訪れるようになる。そして、旅人が持つある“能力”を知ることになる。匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、これら目に見えないモノを“視る”ことができるというのだが――?
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3.6── 誰かが言った。この二つには共通点があるのではないか。 一つは時折マスメディアをにぎわす集団自殺のニュース。そしてもう一つは人間が殺し合う娯楽ビデオが存在するという都市伝説。 出会いや遊びが目的のオカルトサークルに所属する福永祐樹は、ネットで偶然見つけた自殺サイトに興味を持ち、集団自殺の現場となったというある廃墟にたどり着く。だが祐樹が目覚めた時、彼を含むサークルメンバー11名は密室に閉じ込められていた……。 戦慄の密室サスペンス、上巻。
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4.2「なーんの面白味もない人生やったなあ」――病床にある祖父の言葉が頭から離れないコンビニ店員の修司・26歳は、ある日、借りのある同僚から『ヒーローはキミだ!』という胡散臭い求人広告のアルバイトを持ちかけられた。しぶしぶ指定された場所へ向かうとあったのは、今にも崩れ落ちそうな雑居ビル。そこの会社にいたのは、初老の紳士、ホストのようなチャラ男、そしてよくわからない話をする恰幅の良い社長。いきなり任された仕事は、今をときめく人気漫画家の“お守り”? 読んだ後はきっと元気になれる、著者会心の人生応援ストーリー第2弾!
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3.7バレンタインすら残業の、仕事に疲れたOL千紗。お気に入りのヒールが折れ、まさに泣きっ面に蜂。そんな千紗を救ったのは、理想の王子様――ではなく、凶悪な目つきから社内で「殺し屋」と恐れられる龍生だった。 千紗はお礼のつもりで義理チョコを渡すが、勘違いした龍生に交際を申し込まれてしまう。「断ったら殺される!?」命の危険を感じた千紗は、偽の恋人になることに。だけど強面の龍生が提案してきたのは、なぜか交換日記で!? 凶悪面の純情リーマン×がんばり過ぎなOLの、涙と笑いの激甘ラブコメ!
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4.2惑星アルチアまであと六日。航行中の航宙艦でコールドスリープから覚醒した先遣隊、医務官リブカは、艦長の死と酸素発生器の異常を知る。このままでは先遣隊の八名が全滅してしまう。酸素が足りない以上、乗員数を削減するしかないが、生死を問う投票が行われれば、最愛の女性アリアが犠牲として選ばれるのは確実だった。アリアを救うため、リブカはあらゆる手段を模索するが、すべては無情にも宇宙の闇に飲み込まれていく……。星々の残響が紡ぐ、新時代の恋愛ミステリー。
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3.4出来る女として後輩から憧れられるけど、仕事ばかりで恋がお留守な編集者・遙希。恋愛に絶対的な自信があるけど、最近気になる人には冷たくされている腰掛けOL舞衣。プロ演奏家という夢が諦めきれないけど、自分を卑下してばかりのフリーター佳奈子。東京の片隅、一軒のBar[シュガー&ソルト]で、タイプの違う3人の女の子たちが出会う。それぞれに悩みを抱える彼女たちの間に芽生えるのは、果たして友情なのか、それとも――? 第16回電撃小説大賞〈選考委員奨励賞〉受賞の菱田愛日が贈る、悩める女の子たち応援ストーリー!
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4.0竜と絆を結びし人々――竜使い。彼らの故郷である翡翠の里が一夜にして滅びた。ただ一人生き残った少女ミュースは、里を滅ぼした者たちへの復讐を誓い、旅に出る。そして二年。〈千年凍土〉の奥深くで、かつて三つの国を蹂躙した禁断の黒竜シャグランの封印を解き放つ。美しい青年の姿で現れたシャグランは、ミュースに問う。「俺が欲しいか、小娘」それが大きな罪であると知りながら、ミュースは頷く。「いいだろう。ならば、俺はおまえのものだ」悪鬼にも等しい竜を道連れに、ミュースはゆく。これは、血と慟哭と、愛の物語。
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4.4十年前に埋めたタイムカプセル。忘れていたのは、離ればなれになるなんて想像もしていなかった時に交わした将来の約束。そして一つの後悔。今更思い出しても取り戻しのつかない、幼い頃の恋心。嫌いじゃないけどドキドキしない、そんな曖昧な恋愛関係に悩む千尋。部活から逃げ出した元サッカー少年の冬弥。定時制高校に通う不良少年の優。慣れないギャル生活で息苦しい美夏。家から出たくない引きこもりの時子。そして小学校の頃に喧嘩別れした少女を、今も想い続けている耀。十年前に記した「今の自分」への手紙が、彼らの運命を少しずつ変えていく。
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4.0生涯最後の決闘――。相手は幼き頃からの同門。敵意を向かい合わせて腕を磨いた、我が半生の片割れ。かつて一度として剣を届かせることのできなかった仇敵。どちらが真剣での決着を言い出したのか。とにかく、確かに私は斬られたのだった。だが気付けば、私は果たし合いの直前に戻っていた。斬り殺される度に、時間は巻き戻される。死ぬ度に蘇る。そしてまた斬り結ぶ。私の振るう剣が、あの男に届くまで。不可解な現象に巻き込まれた“死に戻り”の剣士が辿る、数奇な一生とは――。入間人間がおくる、異端の剣豪小説。
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-お母さん、サブカルって知ってますか? そうです。わたしの周りにいる寮生みんなが、サブカルな乙女たちでした。場所は世田谷、住まうは女子寮。北海道から出てきたわたしの初めての友達である、隣人のノアちゃんは『サブカル上級者』だった。偏愛と偏見と偏重があるが、サブカルに対する愛は誰にも負けず、広く深い。そして、とっても可愛い。ベレー帽がとくに。リア充さんやサブカル糞野郎さん?を押しのけて、わたしは今日もノアちゃんとヴィレヴァン探検に向かうのだった。ビバ、わたしのシモキタサブカルチャーライフ。
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3.8方石――人々を魅了してやまない、様々な服飾品に変じることのできる立方体。この技術のメッカである神与島で、アトリエ・白幽堂を営む白堂瑛介は17歳の若き方石職人。方石を学ぶため、東京からやってきた下宿人の少女・黒須宵呼とともに暮らしている。 そんな瑛介は、本業である方石修繕の傍ら、人々を惑わす石――魔石の蒐集をし、その身請け人となっていた。 ある日、知人の方石研究者・涼子の依頼で連続方石窃盗事件を追うこととなった瑛介は相棒・猿渡とともに調査を開始する。しかし、そこには宵呼を巻き込んだ驚くべき真実が隠されていた――。
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3.5『もし深夜に子供がドアをノックしても、絶対に開けないで下さい』 ホラー小説レーベルの編集者・西任結は、子供の喘息を憂い地方への引っ越しを決めた。だが、そのマンションでは奇妙な出来事が多く起こる。川に浮かぶ幾つもの紅い流し雛、不自然に多い空き部屋、「よそ者は出て行け」と怒りを露わにする老人、そして掲示板に貼られた謎の掲示――。 結は「新居がいわくつきだったら教えて下さい」と告げた若きベストセラー作家・真木夢人に相談を持ちかけるのだが、事態は一向に変わらず。そして、ついに住人の子供が奇怪な死に巻き込まれ――。
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3.9賠償金100億円――。伝説の女トレーダー・橘立花は罠に嵌められた。身に覚えのない罪を着せられ、勤めていた証券会社からクビを宣告されたのだ。 億単位の金を稼ぐ華々しい活躍から一転、無職となった立花は下町の商店街に偶然辿り着く。そこで出会ったのは、顔だけが取り柄のダメフリーターや、頑固な洋食店店主など、お金はなくても人情味溢れる江戸っ子たち。 自らの解雇の裏にある巨大な陰謀に気づいた立花は、彼らの助けを得て、悪人どもを叩っ斬る!! どんな人生にも逆転はある。痛快すぎる下町金融ミステリ!
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3.1古都京都。町屋が立ち並ぶ花屋梅小路の一角に下宿「京極荘」はある。世話人の絹子が作る朝晩の手料理は絶品だ。 現在の住人は、おぼこさが残る女子大生の穂香と、隣部屋に越してきた昂季の二人きり。冷たい瞳で京言葉を話すいけずな昂季は、誰にも言えないみやびな秘密を抱えていた――。 二人きりの同居生活に戸惑う穂香だが、ある朝、昂季が大切にしている古い百人一首の本を開いたことで、二人の関係は一変する。 触れてはいけない一冊の本から始まる不思議の数々。わずか31文字の和歌を紐解けば、百人一首に秘められた“もう一つの想い”が今に蘇る―― 。
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3.0悩みを抱えた女子大生の綱島響子が依頼に訪れたのは、「異常・怪奇・不可解請け負いマス」と謳う怪しさ満点の『探偵事務所ANSWER』。そんな響子の悩みとは、「向かいのマンションから望遠鏡で見られている。相手は女性、私も女性なのに何故?」というもの。奇妙な依頼しか引き受けない所長の明石屋だったが、「お前は当たりだ」と響子に言い放ち、さっそく調査を開始することに。果たして、その当たりの意味とは――!? 星を見る女、メリーさん、八尺様、ムラサキカガミ……一見不可解にも思える現代の都市伝説をイケメン霊能探偵がシニカルに解き明かす!
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3.0いっこうに減らない迷惑な110番への対策として、警視庁が試験的に設けた“低緊急性警察通報用電話対策係”、略して“テーキン”。 配属された新米巡査のかおりが緊張しつつ初出勤すると、部屋にはヤル気の欠片も見られない上司の羽瀬だけ。所属たった2人の零細部署だった。「猫がうるさい」などの何とも肩すかしな内容ばかりだけど電話は毎日鳴り止まず、かおりはてんてこ舞い。そんな中、ある日突然「息子が誘拐された!」という“超緊急”案件がなぜかテーキンに迷い込んできて──!?
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4.0星空が綺麗なペンション・ファーストライト。一見(いちげん)さんでも「おかえりなさい」と迎える、温かい「第二の家」がコンセプトのこの宿には、心が疲れた人たちが集まる――傷心旅行の女性客、熟年離婚危機の夫婦……そして、このペンションの元オーナー。 天文家の夢を諦め、旅行雑誌社で働く編集者・宇田川昴太(うたがわこうた)もそんな一人。彼は妄想企画「夢が叶う星降るペンション」の取材のため、期間限定「星空案内人」として働くことに。自身の星座の知識を活かして問題を抱えた客と接することになるのだが……!? 思わず星空を見上げたくなる天文ペンションストーリー。
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3.9芸大に通う杉野誠一は“声の色”で見たくもない人の感情や嘘が見えてしまうことに悩まされていた。そんな彼がキャンパスで出会ったのは声を失った透明な女の子。『川澄真冬』と書かれたメモ帳で自己紹介をした彼女は、誠一の映像制作を手伝いたいと申し出た。不審がる誠一の前に、古ぼけたカセットが置かれる。そして、彼女は手伝う条件として、テープに録音された姉の歌を映像に入れて欲しいという。 声の色を気にせず話せる彼女に惹かれ、生まれて初めて心の色を知りたいと願う誠一。だけど、彼女の透明な色には秘密があって――。
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4.0謎の金持ちばあちゃんに頼まれて、株の売り買いをした。その結果……。 「あなたに勝手に資産を使われたうえで、五百万円の損害」。そのばあちゃんは、ニコニコとウチに話しかける。売買を頼む、ばあちゃんからの手紙はすでにシュレッダーの中。でもって、「頼まれて、くれないかい?」って、上品にいっても、それを人は脅迫っていうのよ!! こうして、弱みを握られたウチは仕方なく、とある男と関わることになるのでした。 おまけに、いきなり彼氏に振られたり、両親の離婚話が持ち上がったりって……。 アキナ十七歳、一体、ウチの人生、どうなっちゃうの!?
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3.6昔ながらの工房が軒を連ねる、東京は浅草の職人街。 魔法使いがいるという噂の革工房『ハイカラ工房』を覗いてみれば、今日も無骨な青年が、熱心に仕事に打ち込んでいる。 工房を切り盛りする店主は、若き革職人・神崎時宗。手ぬぐいを頭に締めた、目つきの悪さが際立つ風貌とは裏腹に、腕は確かで仕事は丁寧。 その巧みな腕前で、工房に持ち込まれる、曰く付きの革製品と、そこに籠められた人々の想いまで、たちどころに修理してしまうらしい。 どうやら彼が持つ魔法のような技術には、秘密があるようだ――。
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4.0その世界では、ほとんどの人が≪名前≫を持たなかった。≪名前≫を持つためには多額のお金が必要で、大半は名無しのまま死んでいく。 ≪名付け親≫という職業につく少年・ニコルは、人々に≪名前≫を授けるために長い旅をしている。様々な国を訪れ、たくさんの人に出会い、ニコルは考える。彼らの人生にはどんな物語があり、そしてどんな≪名前≫が相応しいのか、と。 長い長い旅の中、ニコルは数々の≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語に出会っていき――。
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3.6ガス灯が光り輝く19世紀末のパリ。華やかなその街で、若い女性が次々と姿を消す連続失踪事件が起こっていた。 警察の捜査が難航するなか、パリ随一の腕を持つ遺体修復師シャロンのもとに美しい少女の死体が運び込まれてきた。他殺と思しき無残な亡骸に語りかけ、処置を始めようとしたその時、シャロンはある異常に気がつく。 少女と失踪事件の謎。それに意図せぬ形で挑むことになったシャロンの行く手に、パリを蝕む漆黒の闇が立ち塞がる。 過酷な運命と共に神の奇跡を宿した青年が、辿り着いた真実とは……。
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3.5七月、咲留間島。東京のはるか南に位置するその島で、俺は絵を描いていた。もしこの夏の間に、画家として納得できる作品を描けなければ、その時は筆を折り、この島に骨を埋めようと覚悟して。 そんなある日、俺は織川志穂と名乗る女性と出会う。穏やかで可憐な彼女は、幽霊が見えるのだと言った。 その真偽はわからないまま、しかし俺は自然豊かなその島で彼女と時間を共有する。 蓮池の女霊、ハマユリに見える少女の呪い。そして、消えた彼女の父親。 俺はそうした謎に触れるうち、彼女が何かを隠していることに気付いてしまい――。
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3.0如月そよ子。 鳥辺市の市会議員を務める彼女は、その美しさゆえ「愛らしすぎる市議」として全国でも知られている。しかし実は彼女、極度の人見知りで、いつもオドオドしている内気な性格。自分みたいな頼りない人間が市議を続けていいのだろうか?と悩み続ける日々を送っていた。 そんな彼女のもとに、ある日、野獣のように威厳たっぷりの一人(?)のイケメン秘書がやってきた――。 仕事に自信をもてず、あと一歩を踏み出せない貴女に贈る、元気になれるハートフルストーリー!
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3.5弁護士。それは、基本的人権の擁護と社会正義の実現を職務とし、訴訟や申し立てをした依頼人のために戦う、清廉潔白な社会的エリート。 灰水縁も、そんな弁護士の一人だ。腕は確かで、超美人。ただし不健康なまでに白い肌は、まるで死人のよう。なぜなら……彼女は薬中だからだ。そう、四六時中ラリっている。口癖は「世の中、バレなきゃ何でもアリなんだ!」。法の穴をくぐりぬけ、今日も彼女は依頼人を救っていく――。 史上最低の美人弁護士と、純朴で腹黒の少年助手が繰り広げる、知的でポップなリーガルドラマ、登場!
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4.0千年の時を経て―― なお歴史にその名を残す希代の文人、紫式部。 中宮彰子に仕えつつ、『源氏物語』 を書き綴る彼女の傍らには、とうの昔に亡くなったはずの“姉”がいた。 愛娘の賢子にとり憑いたその姉に導かれ、紫式部が出会うのは、四人の歌人と四季を巡る四つの物語。 伊勢大輔、和泉式部、中宮彰子、赤染衛門 ―― 当代の歌詠み達の前に現れる物の怪は、時に恐ろしく、時に儚く……けれど人の心を映し、朧々としてそこに在る。
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4.0西荻窪。東京23区内にあるのに、どこかゆるりとした時間の流れるレトロな街。 そんな街の片隅に、いまどきちょっと懐かしいラジオ局があった。放送範囲は西荻窪駅から半径数百メートル。担当するのは、夢破れてしまった大学生三人組。 ナレーター志望の香奈、作曲家志望の奈須野、ディレクター志望の松任谷、それぞれに夢を抱えつつも足踏みしている三人が、何かの拍子に放送を耳にしたリスナーのご相談を解決したりしなかったり、たまには夢を叶えたり。 今日もにぎやかに放送中の街角ラジオ、あなたも聞いてみてください。
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4.0愛する人といつまでも一緒にいたい、見守り続けたい。そんな願いが叶うとしたら? 色とりどりの瓶が並べられた、まるで博物館を思わせるような研究所。ここでは空に還るたましいを、ガラス瓶に保存してくれる。そして不思議なことに、瓶に閉じ込められたたましいは、人生で最も鮮烈な、想い出の色に染まる。 だから、この研究所には想いと事情を抱えた人々がやってくる。たましいの色に込められた、一番大切な人の、最後のメッセージを求めて……。 「ついに、来てしまったわ。――昌樹、許してくれる?」 そして今日もまた一人の女性が、願いを胸に研究所を訪れ――。
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3.3時は文化文政期の江戸。幕末なんてどこ吹く風の太平楽な町の片隅に、駆け出しの浮世絵師がひとり。女性と見紛うばかりの美貌に、優れた才を持つ。名は石蕗蓮十という。 蓮十の筆には不思議な力が宿っている。描くものに命が吹き込まれるのだ。でも、それは内緒。知っているのはごくわずか。 蓮十の周りはいつも賑やかだ。蓮十の世話を焼きたがる地本問屋のお嬢さん小夜に、悪友の歌川国芳。彼らとともに蓮十は、今日もふしぎな筆の力で町で起こる事件を解決することになり?
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3.7「世界はゾンビに汚染された」 ゾンビの襲撃から逃れるため、真鍋和也と恋人の深雪たちは街外れのホームセンターに立て籠もっていた。ゾンビ感染の恐怖に怯えながらのサバイバル生活。 ──だが、それら“全て”は、恋人の深雪を救うために創りあげられた“偽りの終末世界”だった! 思わぬ闖入者の登場など、シナリオ通りに進まない虚像劇。さらには深雪の両親が残した隠し財産の存在まで発覚し……。ほころび始めた虚像劇の迎える結末とは──? 『ジレンマ』シリーズの土橋真二郎が贈る、フェイクでリアルなゾンビサスペンス!
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3.8この道立宇田路中央高校にまことしやかに伝えられる、「不思議な噂」がある。 失恋探偵。それは、正しく終われなかった恋を終わらせてくれる探偵なのだという。 幼馴染への失恋をきっかけに「恋する気持ち」をなくしてしまった少女・零は、失恋探偵を名乗る優しい少年と出会う。彼の見習い助手となった零は、いくつかの恋の終わりに立ち会い、そして……。 「……どんな気持ちも、いつかは消えてしまうの?」 「恋は、終わり際が肝心なんですよ」 青春のいたみを優しく、しかしあざやかに描き出す、青春“失恋”物語。
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3.7上月沙由実は中学生の女の子。家族は普通の両親と、ちょっと変な兄。そして十年以上生きている三毛猫の伊緒奈。 ある雨の降りそうな夕方、沙由実は姿の見えない伊緒奈を探すうちに、不思議な場所へと迷いこんでしまう。 そこにいたのは、見たこともない巨大な猫と、言葉を喋る猫の群れだった。 その集まりの名は“猫集会”。 年経た猫は化ける――そして「猫の手」に任命した人間に、町の噂話を調べさせるのだという。 沙由実もまた、伊緒奈と一緒に「猫の手」として仕事をすることになり……不思議な猫たちの世界に迷い込んだ少女の、ご近所冒険譚。
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3.6仙台駅から列車に揺られて十数分ほどの北岡駅。この無人駅の駅舎内には、ひっそりとショコラ専門店が開いている。店名は「カカオ・クリオロ」。味も見た目も絶品のショコラが売られているのに、なぜか、お客がまったく寄りついていない。 ある日、バレンタインに贈るチョコのことを考えていて自宅駅を乗り過ごし、北岡駅で降りることになった女子高生・翠は偶然、カカオ・クリオロに足を踏み入れる。そこで彼女は、店に客が入らない理由を知ることになる。 この店のショコラティエはイケメンなのに、とんでもない秘密をもっていたのだ……。
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3.0新宿・歌舞伎町のビルから飛び降りて亡くなった母親の形見を整理していた女子高生の摩耶。荷物を探るうちに彼女が見つけたのは、ずっしりと重い、黒光りする拳銃。 トカレフ。 やはり母は、なにか事件に巻き込まれたのだ――。 そう確信した摩耶は母の死の真相を探ろうと、トカレフを手に歌舞伎町へと向かい、ヤクザ抗争に巻き込まれる。 不条理なルール、納得できない暴力――立ちはだかる様々な困難に心折られながらも、歯をくいしばり、死にものぐるいでぶつかっていく摩耶。 そして彼女は、新たな人生を歩き始める……。
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3.4脳とコンピュータを接続するブレイン・マシン・インターフェイス、通称BMIが世界でも一般化している近未来。海外から苛烈なサイバー攻撃にさらされた日本政府は、サイバー空間での治安確保を目的に新機関「情報通信保安庁」を設立する。 だが、それを嘲笑うかのように、コンピュータ・ウィルスによる無差別大量殺人が発生。神を名乗る謎の犯人を追う情報通信保安庁警備部・御崎蒼司は、その一方で、恋愛に鈍感な美しい同僚に翻弄されるのだった――。 スリリングな捜査ドラマと、不器用な恋愛模様が交錯する、超エンタテインメント作品!
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3.3桜のつぼみがほころぶ春。 三ツ星商事の悩める社員をとっておきの料理店に招き、そのトラブルを解決するはずの「グルメ課」メンバーは頭を抱えていた……。 グルメ課のリサーチ能力を買われ、人事部長に依頼された「社内の人材調査」の仕事が、実は「リストラ予備軍の粗探し」に利用されていたのだった。 この難局を彼らは一体どう【料理】するのか―――!? オマール海老の炭火焼、山岸豚のグリル、こぼれ寿司、浅草メンチ、大人のショートケーキ、花見こもち、etc。 実在の飲食店と絶品料理が、出会いと別れの季節を鮮やかに彩る、ほんわかグルメ小説! 息抜きグルメマンガも収録。
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3.0名探偵・神條拓真宅に忍び込んだ泥棒青年。彼が出会ったのは、棚を物色している見知らぬ一人の泥棒少女だった。 「私はあなたの妹ですよ。お兄さん。可愛い妹の顔を忘れてしまったのですか?」「実の妹の顔を忘れるなんて兄失格だな」──お互い「誰だ?」と探り合いながらも初対面でこんな嘘をつき合う二人が、なぜかコンビの探偵として奇妙な事件を解くことに……!? 「嘘は嫌いだ」というこの泥棒青年・神條久人も、先客の泥棒少女・柳野花も、一人では解けない心の嘘を抱えて生きている。そんな歪んだ二人がこの家で出会ったことには、何か理由があるようで……!?
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3.8小説家を目指すも夢破れ、就活では60社を受け連敗中。そんな失意の底に沈む嶋谷一(通称イチ)の前に現れたのは、高校時代に憧れていた美しき先輩。彼女は昔と変わらぬ笑みを浮かべ、戸惑うイチにこう告げるのであった。「私に、付き合ってほしいの」。 ギャルゲーのような展開で騒がしくなったイチの夏休み。しかしイチが引きずり込まれたのは、まさにギャルゲー作りの現場<カオス>そのものだった!? ひと癖もふた癖もある人々が織りなすモノ作りにかける戦い。その先にイチが見るものは!? ちょっとショッパイ青春グラフティ。
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3.3のどかな春の風景が広がる田舎町。“エンジェル・ウィスパー”という謎の言葉を残し、弟は失踪した――。 残された兄・鷹次が調査を進めるうち、ある自殺サイトで噂される向精神薬との関連が浮かび上がる。そんな中、鷹次の携帯には 『君ハ 選バレタ』 という謎のメールが送りつけられた。次々と届くメッセージを手がかりに彼が辿り着いたのは、『エンジェル・ウィスパー』 と銘打たれた劇が上演される不気味な地下劇場だった……。 運命に翻弄される兄と弟。不可解な事件の中に、温かくも脆い家族の絆を描くファンタジーサスペンス上巻。
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4.0大学の自治会で忙しく働く毎日を送っていた青年・波多野ゆかりくんは、あるとき謎の白うさぎと出会いました。いきなり喋った彼もとい「うさぎさん」は、なんとその自慢の長い耳で人の『縁』の紐を結んだり、ハサミのようにちょきんとやったり出来るのだそうです。そしてうさぎさんは、ゆかりくんにもその『縁』を見る力があると言います。そうして二人は、恋人や親友、家族など様々な『縁』のトラブルに巻き込まれ……? 誰かの『ご縁』をめぐってゆかりくんとうさぎさんが大活躍!?とても愉快でちょっと切ないハートウォーミング・ストーリー登場。
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3.8想いを残して不慮の死を遂げた人たち。調査員はその死の真実を探ろうとする。“死者”本人から聞き取ることによって。 行定事故調査事務所──保険会社などの依頼により、事件性や事故の有無を調査する。よそと違うのは、調査員に一つの才能があるということ。 死者と話せる彼らは、今は亡き人たちの願いを知り、叶え、送ろうとする。自分の葬式に行きたいという少女。君なしでは生きていけないという恋人の言葉を心頼みにする女性──。それは、謎めいたものあり、切実なものあり。 不器用で、そして優しい送り屋の物語。