「人間は考える葦である。」
後書きに、山口揚平氏のお父様が、呟かれる言葉として書かれている。
私もこのパスカルの言葉に人間が人間として存在する真髄を見る。
本書の「お金の持つ汎用は個性や心を犠牲にした。それが私達が潜在的にお金を嫌う理由」という言葉が胸に刻まれる。
詐欺の一万円も、人に
...続きを読む貢献し、喜びの対価として受け取った一万円も、価値は同じだからだ。
私達はそれぞれが、オリジナリティを持ち、アイデンティティを持つ唯一無二の個性的な存在だ。そして、各々が天才性を持つ。
「天才性に気づく前に社会に出てしまうと信用も稼ぐ力もないまま、AIとロボットにこき使われる。」と書かれている。
生産性は単なる数字だ。
クレーマーに真剣に向き合い優良顧客に変えた過程は出てこない。
1人の生徒に情熱のありったけを込めて向き合い、その子の人生にかけた過程は出て来ない。
人は必ず、その人の人生を紡ぐストーリーを持っている。
「人間とは常にわずかな個性を際立たせ、人と分かち合い、互いに分業することで繁栄していくことを生存戦略とした生物種である。」と述べられている。
「信用」が「お金」を凌駕する時代に入ったとも。
人は人との間で生きていくもの。数字だけの世界では人間の個性も社会性も奪われて行くという見解もその通りだと思う。
個人で創る信用の大切さ、そして自分が創るストーリーの大切さこそ生き抜く上で必要なことなのだろう。