あらすじ
【内容紹介】
「三つの世界」は、現代社会が抱える複雑な問題とそれに対する三つの異なる世界観―資本主義社会(キャピタリズム)、仮想現実社会(ヴァーチャリズム)、共和主義社会(シェアリズム)―を解説しています。
序章では、IT長者が一晩で巨万の富を手に入れる現象、保育士や介護士の低賃金、メタバースやWeb3.0、NFTに対する社会の不安や不信感、政府推進の都市計画や地域活性化への違和感、イーロン・マスクによるTwitterの買収、スマートフォンの普及と国会の現場開催の是非など、現代社会特有の疑問や問題に触れています。
本書はこれらの問題を背景に、社会が急速に、かつ複雑に分化している現象を「三つの世界」として捉え、それぞれの世界がどのように構築され、どのように機能しているかを詳しく説明しています。具体的には、資本によって動かされる「キャピタリズム」、データがネットワーク上を駆け巡る「ヴァーチャリズム」、そして地域に根差し自然のリズムで人々が協力して生活する「シェアリズム」です。
各世界観は独自のコンセプト、制度、経済システムを持っており、本書ではこれらの特徴を章ごとに分けて解説しています。また、これら三つの世界が現代社会においてどのように交錯し、人々の生活や価値観に影響を与えているかについても考察しています。
【著者紹介】
[著]山口 揚平(やまぐち・ようへい)
ブルー・マーリン・パートナーズ株式会社代表取締役。
早稲田大学政治経済学部(小野梓奨学生)・東京大学大学院修士(社会情報学修士)。1999 年より大手外資系コンサルティング会社でM&A に従事し、カネボウやダイエーなどの企業再生に携わったあと、独立・起業。企業の実態を可視化するサイト「シェアーズ」を運営し、証券会社や個人投資家に情報を提供する。2010 年に同事業を売却したが、のちに再興。クリスピー・クリーム・ドーナツの日本参入、EC プラットフォームの立ち上げ(のちにDeNA 社が買収)、宇宙開発事業、電気自動車(EV)事業の創業、投資および資金調達にかかわる。専門は貨幣論、情報化社会論。
■ブルー・マーリン・パートナーズ 公式サイト http://www.bluemarl.in/
【目次抜粋】
はじめに
序章 アフター・コロナの日本で生きる処方箋
第1章 《キャピタリズム》お金によって突き動かされる世界
第2章 《ヴァーチャリズム》ネットワーク上をデータが駆け巡って構築された世界
第3章 《シェアリズム》自然のリズムで人々が協力し、土地に根ざして生活する世界
終章 3つの世界の先に、意識の次元を見つめる
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Posted by ブクログ
今の社会の成り立ちや今後の行方を、著者視点で解き明かしている。
斬新で深い視点でこんな見方もあるのか!と感嘆しながら一気に読み進めた。
屁理屈のような論述という印象はあるが、自分自身、今後の未来像を仮説検証する上ではとても情報が詰まっている。
Posted by ブクログ
キャピタリズム、ヴァーチャリズム、シェアリズムの
3つの世界をどのように生き抜くか。
非常に面白く、ためになる本です。
2024年、日本は年収103万の壁といった、どうでもいい問題に躍起になる政治家を見ていると、日本終わったと
思ってました。
(誰からいくら税金取るとか、どうでもよく
その収入を底上げするのがお前らの仕事ちゃうんかい)
ロシアや中国など、きな臭い状態の日本で、
何をやっているのかと。
著者いわく、戦後80年で社会システムが賞味期限を迎えると。政治家は既得権益団体への利益供与装置であると。
やはり日本は終わってました。
なので、そこから僕たちはどのように生きていくか
それを考えなければならない、と。
示唆に富む、何度も読み返すことになる、
ある意味、哲学書です。
Posted by ブクログ
これは面白かった。特に、各論に入る前の最初の半分くらいの”切れ味”が素晴らしい。日本はもうそういうフェーズに入っているんだなあ、と改めて認識しました。
20代~50代までの各世代への提言はあったのですが、60代はスコープ外なのがちょっと残念。
Posted by ブクログ
アフターコロナ、従前とは価値観の違う環境で未来をどう生きるか、冒頭で問いを投げかけられる。そして「キャピタリズム」「ヴァーチャリズム」「シェアリズム」の3つの概念を丁寧に解説。序盤で少しだけ「これからは共産主義VS資本主義ではなく、身体主義VS意識主義の時代だ。詳細は終盤で解説する」と述べられており、「なんじゃそりゃ???どう考えても自分は身体主義一択だろう。アフターコロナにおいて、やっぱりリアルの世界が一番でしょう!」と一瞬の違和感を感じさせられる。
そして、現代社会の大多数を占めるであろう都市部で日々忙しく働く労働者にとって最も身近な「キャピタリズム」から解説が始まる。各章にて3つの概念の解説がなされ、読み終わる頃には「こんな生き方をしている人もいるのか・・・」と、平凡かつ社畜サラリーマンである自分にとっては刺激を得ていた。単なる転職レベルではなく、脱サラしたり起業したりする人ってどんなことを考えているのかなぁ、という感じで、ちょっぴり視野が広くなった気になる。
そこで本書は終わらず、意識の次元に関する話が終盤に待ち構えていて、なんだか脳みそをグニャっと掻き混ぜられ、異世界に連れていかれた気分になった。この段階になって、序盤に小出しにされていた「意識主義」と向き合うことになる。意識の深さと視野の広さによって人生の価値が決まるような書きっぷり。ただし、我々の人生が、同調圧力というか、ヒトが生み出した「虚構」の中で動き回っていることにすぎないことを感じ取った。学校や会社のルールも、社会規範も、都市や国家も「虚構」ということだ。個性・天才・創造といった言葉について、壁打ちのような思考訓練にいざなってくれる一冊であった。
Posted by ブクログ
p19,99の図がいい。東京は独立した都市国家、インフラを支える労働者は住める。古典を読め、はちょっとびっくり。信頼と信用の重要さは肌感覚としてわかる気がする。子どもと一緒に今はやっていることを真剣にやってみる。降伏にとって重要なことは差を縮める。前払いオークション形式で時間を売る。貢献>搾取。集約される産業でコミットできるところ。医療改革。健康とつながりの回復。海があるのは有利。時間のブロックチェーン記帳によるシェアリズム。地価を担保にした地域通貨。7次元はついてかれなかった。人間存在以前からあった自然に触れて過ごすのを増やす。
Posted by ブクログ
この著者の著作はいつも楽しく読んでいる。
この本もこれからの世界を俯瞰する意欲作で、興味深く読んだ。
資本主義と民主主義の行き詰まり、ヴァーチャリズムとシェアリズムの進展など、日頃ぼんやり感じていたことをスパッと分析され言語化されている。
Posted by ブクログ
最近読んだどの本より新しい視点をくれた気がする。七次元との対応からすると、創造性やヴァーチャリズムがほかにくらべ優位性、重要性を持つような印象を与えるが、そうではないと思う。何事もバランス。キャピタリズムから適切に離れていくべしとの見方をすればいいと捉えた。何度か読み返したい気がする。
Posted by ブクログ
新しい思考のフレームワークを提案している風だが、言ってることは普通。
これからは、ロボティクスと医療改革が流行るよ、とか、地域で助け合って子育てしようとか。
ニュートン力学や量子力学など物理を用いた比喩が適当すぎる。
Posted by ブクログ
考え方としてはよくわかりかなと思いました。
ただ、結局は3つの世界とも極めれる高スペックな人が強いという結果でもあるかなと思うところがあります。
それが無理ならばバランスを取るか、一つを突き抜けるかということになるのでしょう。
Posted by ブクログ
自分がなんとなくそうだよなと思っていたことを言語化した本だった
数時化、均一化されることでそれを機械的に判断してそれでしか判断できなくなってしまっているのがすごく嫌だなと考えて。
知識や経験よりも好奇心と主体性
個性や創造性が大事っていう話が出てくるが個人的にはどっちも大事だと思う。
興味なかったことの知識をつけることで新しい興味や創造性が生まれることがあるから。
ただシェアリズムのところは一部あんまりピンと来なかった。