イケてない高校生たちが、文化祭でゾンビ映画を上映しようと奮闘する物語。
映画作りを題材にした作品は、以前から気になっていて、椎名誠『風に転がる映画もあった』をはじめ、アニメだけど『あの夏で待ってる』など、好きな作品が多い。
そんな理由で、書店でみかけてかなり前から積んであった本だったんだけど、今
...続きを読む回、何の気なしに読み始めて、一気に読んでしまった。
オタク系の主人公たちが、映画に出演してくれるヒロイン役を求めて右往左往する様子も非常にうまくかけている。大槻ケンジの青春小説にも似たテイストで非常に好み。
ヒロインと主人公のラストシーンには、賛否両論あるかもしれないけど、最近の読者におもねったようなご都合主義的な展開より、こういった作者の主張がしっかりと現れている作品の方がいいと思う。確かに高校時代の恋愛って、むしろこうあるべきだよね。作者の決断を支持したい。
調べてみたら、年1作ペースで、まだ2作品しか出していないみたいだけど、実力のある作家と思うので、新作が出たら読んでみたい。