小説、特にミステリの褒め言葉「再読に耐えうる」作品。
何でも分析したがる葵子(通称テル)に振り回される主人公(通称カモトキ)2人の分析部の話。
学生日常ミステリと言うことで、
「古典部シリーズ」に良作という意味でも良く似ている。
最大の違いはヒロインが「私、気になります!」から探偵役まで全てやる点
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何より面白いのは、色んな人物が事件を「分析」はするが
「真実」は明かされないこと。
ヒロインを探偵役かつお馬鹿役にすることで、ミステリの推理をギャグに使ってて上手い。
「じゃあ語り部系主人公(男)を真の探偵に」と安易にしなかったのも評価が高い。
キャラクターもラノベ職(勇者、魔王、妹、中二病etc)に頼らず個性が立っている。
わざわざ後書きの後書きに「妹の裏分析」という「答え合わせ的な物」がある。
これはライトノベルの読者層への配慮だろうか?
ただ、各章の「真実」を明言しないのが、この作品のスタイルなので
あくまで「答え」ではなく、妹の「分析」なのが上手い。
ちなみに、この2人も「古典部シリーズ」と同じで
分析部(将棋部)でラブラブです。
末永く爆発しろ。