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Posted by ブクログ
絵が動き出すと
絵を見ていると、その描写に引き込まれそうになることがある。
西洋画しかり、浮世絵しかり。
今にも羽ばたき、しぶきが飛び、語りかけてくるような絵画。
画家の魂が、新たな魂を得て別物として動き出すかのよう!
もしそれが本当に動いたとしたら?
蓮十の描いた絵は生き生きしていると評判だ。
実は本当に動き出してしまうのだが.....
第一話では死んだ母親が子供に害をなしている話。
果たしてそれは本当に母なのか?
子供は自分が継母になついてしまったせいだと自らを責めている。
死んだ母の絵はなぜさまよい出てきたのか?
心の中にある枯れ尾花が冷たい風に吹かれる。
第二話は友情の物語。
大きなクジラが騒ぎ出したり、絵の中の美人がふらりと外の世界に飛び出してしまったり......
そんな騒動を治めてくれるのは、頼りになるのは一体誰?
意外な友人関係が心憎い。
第三話は火消しの夫婦の物語。
愛は忍耐強い。愛は情け深い。ねたまない。愛は自慢せず、高ぶらない。(コリント人への手紙)
しかし、相手を愛すれば愛するほど、視野がどんどん狭くなっていってしまう悲劇もある。
いつも背中ばかり見ていた、片方はそう思う。
もう片方は自分を見てくれない、という。
隣に立っていれば、後ろを振り返っていれば、いつも相手は自分と共にいたというのに!
どちらも相手の顔を、目を見ていなかった。
見えていたのに見ていなかった。
悲しい愛がいつか、互いに手を取り合えるように......
そう願わずにはいられない。
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