Posted by ブクログ
2020年01月21日
題材や道具立て、雰囲気はとてもいい。なのになんとなくもっと面白くなるはずだと思う本。
名家の御曹司で美貌のハーフの青年が経営する、ハイカラな喫茶店。時は文明開化。ヒロインは女学校に通う可憐な女の子。言葉遣いも綺麗で素敵。だからもっと夢中になっていいのに。店主の青年の個性付けのための説明や淡々とした...続きを読む演出が繰り返されるのに行数を使うよりもっと心理描写をしてほしい。
雑誌に間を空けて掲載した関係上、書かねばならないことだけど、単行本にまとめると、ダジャレめいたお決まりのやり取りがくどくて、それが読みたいんじゃないなと思ってしまう。少女小説王道の作品なので、もっとロマンチックに行くなら思い切ってキザにロマンチックに描いてもらいたい。
魔法の紅茶で夢に入り込む…
そしてお客の心を癒やす…。
店主とヒロインが夢に忍び込むきっかけはくちづけ。なんてそれだけで惹かれる道具立てなのだから。次作に期待かな。