歴史・時代小説の検索結果

  • 小山田信茂
    3.0
    甲斐国郡内(現在の山梨県東部地域)小山田家に生まれた信茂は、文武に優れた才能を武田信玄に認められ川中島、三方ヶ原の戦い等で鍛え上げた投石隊を率いて奮戦し、武田家の栄光に大いに貢献していく。しかし、信玄亡き後、時代の波は大きくうねり、信茂と武田家を追い詰め、信茂は、愛する郡内の地と民を守るため、身を裂かんばかりの苦渋の決断に迫られるのであった・・・。
  • 最上義光
    -
    「もはや、信じられるのは自分だけだ。おれは鬼になる。鬼になって最上の家を興してみせるぞ!」戦国出羽(現在の山形県)の小大名最上家に生まれた義光は、最上家興隆を願い、近隣の伊達家、上杉家に果敢に対抗する。周辺の一族や実の父からさえも家督を狙われる苛烈な戦国の掟の中、武略と権謀を駆使し、遂には五十七万石の大大名に伸し上がった出羽の英雄・最上義光の生涯を描く長編小説。
  • 新装版 尻啖え孫市(上)
    4.5
    戦国最大の鉄砲集団・紀州雑賀衆を率いる雑賀孫市は、自らも鉄砲の名人にして、無類の女好き。そんな孫市が、なんと信長の妹君を見初めてしまった。仲を取り持つ骨を折った木下藤吉郎に請われ、織田勢の敦賀攻めに同道するのだが……。底抜けの楽天主義、傲岸さ、明るさを備えた奇男児を描く著者会心の長編。
  • 新装版 軍師二人
    3.8
    戦国の英雄たちの中で群を抜いて輝く二人の武将――天稟(てんぴん)の智将・真田幸村と、千軍万馬の勇将・後藤又兵衛。名将なるが故の葛藤と互いの深い洞察を語る〈軍師二人〉。徳川家康の女性観を描く〈嬖女(めかけ)守り〉。他、争乱の時代を生きた、戦にも、女にも強い、生き物の典型としての男たちを描く、興趣尽きない短編集。
  • 織田信長(1) 無門三略の巻
    4.3
    吉法師(信長)は、奔放奇抜な振るまいで家中のひんしゅくを買う"うつけ者"。だが、燕雀いずくんぞ鴻鵠の志を知らん。手始めは尾張織田の統一だ。美濃の梟雄斎藤道三から娘の濃姫を娶った信長は、アンチ信長派の旗印となっている弟の殺害を決意した。戦国の世に彗星のごとく出現した驕児の若き日々。
  • 徳川四天王(上)
    3.8
    四天王に守られた帝釈天の幻を見たお大の方は、無事、竹千代を出産する。「家康に過ぎたる者」といわれた本多平八郎忠勝を中心に、弱小大名・松平家と徳川家康を支えた三河武士「四天王」の活躍を描く長編歴史小説。
  • 遥かなる大和 上
    3.3
    改革を推進する聖徳太子の期待を背負い、遣隋使に加わった留学生・高向玄理と南淵請安は隋都で大使・小野妹子から密命を受ける。高句麗侵略前夜、失踪した通事の行方を追い、2人は帝国の疲弊した現実を見る。
  • 炎の帝
    -
    正気を失った父の血に怯え、内裏の陰謀から逃れるように出家した第六十五代帝・花山(かざん)。山奥に籠もって苦行を重ねた彼は、遂には自らの身に火を放つことを決意する――。魂の救済を求めるあまり、常軌を逸した振る舞いに出た異形の帝の、激動の生を描いた長篇。『炎帝 花山』を改題。
  • くろふね
    4.0
    黒船来る! 嘉永六年六月、奉行の代役として、ペリーと最初に交渉にあたった日本人・中島三郎助。西洋の新しい技術に触れ、新しい日本の未来を夢見たラスト・サムライの生涯を描いた維新歴史小説!
  • 萬葉集よ永遠に : 大伴家持物語
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 萬葉集編纂の謎に迫る歴史大河小説。日本最古の歌集『萬葉集』と大伴家持。知られざる編纂秘話と襲いかかる権力者の陰謀。家持は翻弄されながらも一途な思いで信念を貫く。多くの場面で詠まれる歌は、心に響くメッセージ。時代を越える萬葉集は永遠に語り継がれる。
  • アメリカ彦蔵
    4.0
    嘉永三年、十三歳の彦太郎(のちの彦蔵)は船乗りとして初航海で破船漂流する。アメリカ船に救助された彦蔵らは、鎖国政策により帰国を阻まれ、やむなく渡米する。多くの米国人の知己を得た彦蔵は、洗礼を受け米国に帰化。そして遂に通訳として九年ぶりに故国に帰還し、日米外交の前線に立つ──。ひとりの船乗りの数奇な運命から、幕末期の日米二国を照らし出す歴史小説の金字塔。

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  • 介子推
    4.3
    山霊がつかわした青年、長身清眉の介推は、棒術の名手となって人喰い虎を倒した。やがて、晋の公子重耳に仕え、人知れず、恐るべき暗殺者から守り抜くが、重耳の覇業が完成したとき、忽然と姿を消した。名君の心の悪虎を倒すために……。後に、中国全土の人々から敬愛され神となった介子推を描く、傑作長編。
  • 戦都の陰陽師
    3.5
    時は戦国。不穏な戦雲におののく京の都に、無数に張られた結界を破って六百年ぶりに恐るべき天魔が侵入、魔界への口を開こうと画策していた。大陰陽師・安倍晴明の末裔である土御門家の姫・光子は、唯一天魔を討つことができる出雲の霊剣・速秋津比売の剣を取りに行くことを決意。藤林党の若き惣領・疾風ひきいる伊賀の忍び七人を護衛とし、出雲への危険な旅に出発する。はたして光子は都を救えるのか!? 新説・陰陽師物語!
  • 詩羽のいる街
    4.4
    あなたが幸せじゃないから──マンガ家志望の僕は、公園で出会った女性にいきなり1日デートに誘われた。確かにいっこうに芽が出る気配がない毎日だけど……。彼女の名前は詩羽。他人に親切にするのが仕事、と言う彼女に連れ出された街で僕が見た光景は、まさに奇跡と言えるものだった! 詩羽とかかわる人々や街が、次々と笑顔で繋がっていく。まるで魔法のように──幸せを創造する詩羽を巡る奇跡と感動の物語。
  • 新装版 忍びの女(上)
    3.8
    豊臣家の猛将・福島正則の前に現れた徳川方の女忍者・小たまは、正則を籠絡し、巧みに城内に入り込んだ。探索をはじめた小たまは、武辺一方の正則を次第に愛しく想うようになる。豊臣秀吉亡き後、諸大名は自らの野望を抱き覇権をめぐる戦いは必至。ついには関ヶ原での天下を分ける決戦へと向かうのだった。
  • カエサルを撃て
    3.9
    混沌とするガリア諸族を率いローマ軍に牙を剥く、美しくも残忍な青年ウェルキンゲトリクスと、政治家人生も終盤を迎え、劣等感に苛まれるローマ軍総督カエサル。熾烈な戦いの果てに二人が見たものは?
  • 蒼き海狼
    3.0
    時は二度の元寇という国難に瀕する鎌倉時代。大モンゴルは神風ならぬ台風によって敗退を余儀なくされたが三度の侵攻のため虎視眈々と島国日本を狙う。フビライ汗率いる大モンゴルと正対しても負けは明らか。ならば敵の懐中深く潜入し攪乱を図るよりない。選ばれた謀者、海の民・朝比奈蒼二郎は中国大陸に渡り、果ては大越・ヴェトナムに至りモンゴルの矛先を南へ転じさせる。壮大なスケールで描く痛快時代巨篇待望の電子書籍化。

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  • 水戸光圀
    -
    五代将軍綱吉の治世、将軍をとりまく柳沢吉保らにとって、西山荘に隠棲している光圀の存在は目の上のコブである。彼らは、水戸家の家老藤井絞太夫徳昭を味方につけ、城下に住む光圀の落胤千鶴を誘拐、これを人質に光圀排斥の陰謀を企てたが……。ご存知、助さん格さんをお供に連れての水戸黄門漫遊記。
  • 山田長政他
    -
    日本は狭すぎる。理不尽なことが多すぎる。主家が幕府の陰湿な謀略で改易となるにおよんで、山田長政は決意した。そうだ、おれは世界にはばたこうと。真の男の生き方を求めて、波涛さかまく大海原に乗り出した果敢なる日本男児の生涯――。他に「頼朝勘定」「親鸞の末裔たち」「黒船懐胎」を併録。
  • 治郎吉格子 名作短編集(一)
    -
    みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。――江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。ほかに「増長天王」「醤油仏」「八寒道中」「野槌の百」「銀河まつり」「無宿人国記」「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
  • 神州天馬侠(一)
    4.0
    大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。
  • 新編忠臣蔵(一)
    4.3
    血をみてはならぬ殿中で、内匠頭が上野介めがけて腰の小刀を一閃したとき、赤穂藩五万三千石は音もなく崩れた。太守は即日切腹、城は明け渡し。三百の藩士とその家族の驚愕と困惑。それは突如として襲う直下型の激震にも似ていたが、強烈な余震はまた世人を驚倒させた。――四十七士の吉良邸討入りである。赤穂事件を題材とした書は古来多い。そのなかに著者は「昭和定本」としての用意と情熱をもって描きあげたのが、この書である。
  • 松のや露八
    3.0
    幇間・松のや露八として、反権力的姿勢を貫いた、彰義隊くずれの土肥庄次郎。一橋家近習番頭取の長男として生まれながら、鈍でひたむきすぎる性格のゆえに、数奇な人生を辿る。免許皆伝の祝い酒から、庄次郎の止めどない転落の道は始まった。だが武士を捨てるどころではない、徳川の屋台骨が潰れる時勢になったのだ。――負け犬のフツフツたる感情が全篇をつつむ意欲作!
  • かんかん虫は唄う
    2.0
    かんかん虫とは、ドック入りした船のサビ落としをする港の自由労働者。かんかん虫のトム公は、14歳ながら札つきの不良少年。しかし、曲がったことは大嫌い。彼が傲慢な金持ちを憎むのは、相応の理由があった。少年時代の横浜の見聞をもとにした「かんかん虫は唄う」は、自伝的要素に満ちた異色作。必死に生き抜くお島母子に、幼き日の著者のおもいがこめられた「色は匂えど」を併録。
  • 龍馬は生きていた
    4.0
    著者が、およそ10年をかけて積み上げてきた、全国各地に残された史片や伝説、伝承を繋いで、紡ぎ出す“もう一つの維新物語”――。 1867年11月15日、京都・近江屋で暗殺されたのは、じつは坂本龍馬と中岡慎太郎の影武者だった。暗殺をかわした2人は討幕派の王政復古を阻止し、「翔天隊」を率いて、第3次長州征伐の休戦に奔走する。「生きていた」龍馬のその後とは。 坂本龍馬没後150周年におくる、歴史が10倍面白くなる本格的歴史シュミレーション小説。
  • 皇嫂と呼ばれるまで
    完結
    -
    全1巻929円 (税込)
    名門の家が没落し、 一人の少女は国境へ逃れ、晋王の屋敷で下女として生きることになる。 身分は卑しく、命は軽い。 ――ただ、その美しさだけが、災いだった。 女に興味を示さぬ晋王を前に、太妃は焦っていた。 ある日、少女は大罪を犯し、処刑寸前まで追い込まれる。 命を救った太妃は、冷酷な条件を突きつけた。 「王爺を誘惑しなさい。  身を捧げれば、罪は許す」 生きるため、 少女は主君に近づくことを選ぶ。 二か月後、役目は果たされた。 命は繋がれた。 だが条件は、終わらなかった。 「世子を産めば、自由にしてやる」 一年後、男児が生まれる。 それでも解放はされない。 「もう一人。  娘を産めば、十万両で都を去らせてあげる」 三年―― 妾としての役目を終え、少女はすべてを捨てて姿を消す。 やがて家は雪冤され、 彼女は再び名門の令嬢として都へ戻る。 幼なじみである皇帝は、 「過去は問わない」と、彼女を皇后に迎えた。 ――すべてが終わったはずだった。 しかし三年後、 病弱な天子は急死し、天下は乱れる。 晋王が兵を挙げ、宮城を包囲する。 金鑾殿で再会する、 かつての主と、かつての妾。 今や彼女は、幼帝を支える皇太后。 「――皇嫂」 その一言に、すべてがよみがえる。 これは、 一人の女が“そう呼ばれる日”まで、 何度も身を差し出し、生き残ってきた物語。
  • てきてき 浪華のおなご医師と緒方洪庵 縁
    -
    話題のシリーズ最新刊! 男性社会の医療分野で女性が活躍する未来を切り開く! 幕末・大坂を舞台に繰り広げられる医療時代小説 第2弾! 目指すべき「医師の道」。女だからこそわかる痛みや気持ちがある――。 大坂・適塾で亜弥は医師としての「己の適」を見つけられるか。
  • 豊臣秀長 我、日輪の柱たらん
    -
    大河ドラマで話題沸騰 戦国乱世、権力のためには親兄弟ですら容赦なく排除される。 目の前で繰り広げられる主君・織田家の家督相続をかけた骨肉の争いーー おれたち兄弟は「馬の骨」でよかったーー やがて、関白として権力を手に入れ、「日輪の子」と称される兄・秀吉 そんな変貌する兄を支え続けた生涯“二番手”の男の物語。
  • 若親分、翔る 目明し常吉の神楽坂捕物帖
    3.5
    「捕物帖」シリーズ最新刊! 公儀すら手出しできない事件の全容とは――。 祟りの裏に隠された陰謀に挑む!
  • てきてき 浪華のおなご医師と緒方洪庵
    3.0
    人気シリーズ「お江戸やすらぎ飯」の著者による最新刊! 大坂が舞台の医療時代小説!! 「私、みなを救うお医者になりたい。」 江戸から単身、大坂へーー 男たちの中で、ただひとり適塾の門を叩いた少女の物語。 大坂にある医師の家に許嫁としてやってきた亜弥。 医師の嫁ではなく、自身も医師を目指す彼女は、 名医・緒方洪庵が開いた適塾の門を叩く。 女性として初の入塾者となった亜弥は、 持ち前の食事療法の知識から洪庵にも一目置かれるようになるが、 ある時、体調不良を訴える男性に自分の判断で 誤った薬を処方してしまう・・・・・・。
  • 蔦屋重三郎 浮世を穿つ「眼」をもつ男
    3.0
    2025年大河ドラマの主人公として話題沸騰の 「蔦重」こと「蔦屋重三郎」を描いた珠玉の小説!! あの男の絵は「眼」が違う・・・! 全ては吉原遊郭から始まった。蔦重と東洲斎写楽―― 稀代の版元と不世出の絵師の運命の邂逅! 寛政6年、江戸日本橋にて蔦屋重三郎が経営する耕書堂に、 絵師の代理を名乗る男・斎藤十郎兵衛から28枚の絵が持ち込まれた。 その1枚を手に取った蔦重はひと目で見抜く。 「間違いない、あの男だ」画号はなかったが、 蔦重は迷いなく印字した。東洲斎写楽とーー。 いつしか蔦重は、30年近く前のことを思い返していた。 あれは、蔦重が吉原遊郭の便利屋だった頃・・・。
  • 若親分、起つ 目明かし常吉の神楽坂捕物帖
    3.5
    気鋭の作家による珠玉の時代小説!!! 親爺・・・ あんたは何を見ちまったんだいーー 神楽坂で名を馳せた目明かしの鐡が謎の死を遂げる。 腹には横一文字に斬られた傷。 のんべんだらりとした毎日を送っていた鐡の息子の常吉が 「神楽坂の若親分」となって、父の死の真相を追っていく。
  • むけいびと
    4.0
    岩手県一関市が生んだ偉人を描く歴史長編小説! 刑法思想の根本原理を論じた『無刑録』の 著者・芦東山の“ブレない”人生!! 江戸時代中期、刑が無くても犯罪が発生しないような理想の世を求め、 仙台藩儒学者・芦東山が23年にも及ぶ幽閉生活の中で著した『無刑録』。 刑罰は犯罪に対する報復だとする応報刑論が主流だった当時、 人間尊重の立場から犯罪者を更生させるための手段との 教育刑論を唱えたこの書は、近代刑法論書の先駆けとなるものだった。 逆境を乗り越え、己の考えを貫き通した生涯とは―ー。
  • 夏の坂道
    4.3
    帝国憲法が発布された年に生まれた南原繁は、やがて一高で新渡戸稲造、内村鑑三らの師や生涯の親友と出会い、学問とキリスト教の道へ。 次第に軍国化してゆく日本は、政治学徒となった南原の人生や学問の砦・東京帝国大学にも暗い影を落とし始める。 言論や研究の自由が脅かされ、教え子が次々と戦地へと送られる苦悩のなか、南原は絶望のなかで「最高善」を目指して格闘し続けるのだった。 東大教授・宇野重規氏が解説!
  • 叛骨〈上〉 陸奥宗光の生涯
    3.0
    外交のカリスマ、いざ政争へ 盟友・龍馬の死と不遇の青年時代を乗り越え、近代日本を創った男の怒涛の前半生を描く! 陸奥宗光の生涯を通じての行動は、前途を塞ぐ不正な権力を打破することであった。 宗光は、父・宗広から受け継いだ非凡な知能と先見性を武器に、政争に敗れた父の仇を討つべく、勉学に励みながらも尊王攘夷運動に没頭し、やがて海軍熟で学ぶと、その後は海援隊で活躍する。 しかし、坂本龍馬の暗殺によって唯一の後ろ盾を失ってしまい、窮地に陥るが……。
  • 竹本義太夫伝 浄るり心中
    -
    町奉行の娘に恋慕する貧しい百姓の五郎兵衛は美声を見込まれ、浄るりの語り手として天下一を目指すことに。しかし「声はいいが芸がない」と悪評で、全く客が入らない。血反吐をはきながら稽古に身をやつし、ついに道頓堀に竹本座のやぐらを揚げるのだが……。人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の波乱万丈な一代記!
  • ひむろ飛脚(新潮文庫)
    完結
    3.0
    嘉永六年元日、加賀藩は苦悩していた。毎冬、国許で作り上げた氷を暑い最中の六月一日に将軍家に届ける「氷室氷献上」は、加賀藩の威信を天下に示す最重要行事である。ところが異例の暖冬で、そもそも氷が作れないのだ。氷献上ができなければ、腹を召すだけでは済まされない。苦境を知った加賀藩御用飛脚宿・浅田屋は窮余の一策を絞り出す。飛脚たち最後の激走が胸を打つ、圧巻の時代長編。
  • もゆる椿
    5.0
    【文庫版限定・書下し短篇収録】 【解説・吉田伸子】 【第六回大藪春彦新人賞受賞作家、長篇デビュー作!】 御役目は必殺!? 刺客となった少女と人斬れぬ御供の武士。 死への旅路の果てにあったのは……。 「無念を晴らす為やったら、鬼にでも夜叉にでも、喜んでなったる」 旗本の次男坊である真木誠二郎は、裏目付の佐野から、ある御役目を言い渡される。 尊王攘夷派の黒幕を誅殺すべく、江戸から京まで刺客の供をせよと。 しかし誠二郎は生来の臆病者。 鬼のような刺客と聞いて怯えるが、現れたのは年端もいかない少女・美津だった。 悲しい過去を持つ彼女を守るため、誠二郎は死力を尽くすことを心に誓うのだが――。 謀略の渦巻く仇討ち旅が幕を開ける!
  • うたかた 吉原面番所手控
    -
    花魁・夕顔の推理を頼りに、遊郭内での事件を次々と解決してきた隠密廻り同心の木島平九郎は、体調不良のため出仕できなくなってしまう。夕顔は、代役の新人同心とともに、再び事件解決にあたるが……。書き下ろしシリーズ第2弾。
  • 流浪人、まかり通る
    -
    ============== 『警視庁公安J』シリーズで 人気沸騰の著者が描く、 痛快無比な勧善懲悪活劇! ============== かつてなく最高の 流浪人、現る!  全国諸藩をさすらい気ままに過ごす浪人、 その名は天下泰平。 賭場でなけなしの銭をとられても意に介さず。 なぜか人に気に入られ、 三度の飯には事欠かないからだ。 並外れた人懐っこさに加え、 泰平にはもうひとつ突出したものがあった。 弱き者の土壇場に間一髪で参上して助太刀。 大藩の悪事もたやすく斬って捨てる。 この男、正義感の塊なのだ。 読めば誰もが好きになる最高の浪人が誕生!
  • 旅立ち寿ぎ申し候<新装版>
    4.1
    絶体絶命の紙問屋、大逆転の妙手は!? 時は、大老井伊直弼が惨殺され、動乱の気配が漂う幕末。 紙問屋永岡屋で誠意一筋、長年精勤してきた勘七は、主人善五郎の強い望みで跡を継ぎ、若旦那となった。 その勘七に小諸藩の上屋敷奉行高崎から大きな初仕事が舞い込む。藩札作りだ。 小諸藩は明君の呼び声高い藩主がおり、政は安定、財も潤沢らしい。藩札作りには二千両も支度してあるという。 幸先のよい出だしを切った、勘七がそう思ったのも束の間、商売仲間である醤油問屋広屋の浜口儀兵衛から、藩主が亡くなったと耳にする。 胸に不安が膨らむ中、ある夜、永岡屋が盗賊に襲われてしまう。盗賊はなんと高崎の配下だった。 配下は藩札と版木を入れた行李を盗んで姿を消したのだ。 襲われた際の傷がもとで、命を落とした善五郎を悲しむ暇もなく、主人として小諸藩に赴き、商いを質す勘七。 だが、新任の上屋敷奉行は「賂を受けていた前任の空の商い」として、二千両を踏み倒しにきた。 絶体絶命の危機に瀕した勘七に大逆転はあるのか? 幕末の三舟こと勝麟太郎や豪商高島屋嘉右衛門らの協力を得ながら、命を懸けて再建を図る勘七の懊悩と奮闘を、直木賞作家が瑞々しく描く。 商人道小説の傑作! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『福を届けよ 日本橋紙問屋商い心得』 の文庫版となります。
  • 花と火の帝(上)(新潮文庫)
    完結
    -
    武力と財力を笠に着て、天皇家を揺さぶる家康と秀忠。狡猾な幕府から帝の立場をお守りするため、謎の隠密集団・八瀬童子が凄まじい武と呪の力を解き放つ。「岩介、八瀬の鬼をあてにしているぞ」若き後水尾天皇は、自らの皇位を賭けて幕府と事を構えると肚を決めた。殺しを禁じられた兵なき朝廷に闘いの道はあるのか……。忍びの者と帝の友情をありありと描き上げた、隆慶一郎の伝奇小説!
  • 夜の明けるまで 深川澪通り木戸番小屋
    4.0
    優しくてお節介な木戸番夫婦のもとには、さまざまな事情を抱えた人々が訪れる。無鉄砲な女友達に振り回されるおもよ、嫁ぎ先でひどい仕打ちをうけた末に女手一つで子どもを育てるおいと。たくましく生きる江戸の人々を描いた短編集。《解説・末國善己》
  • 吉原面番所手控
    4.0
    「すべての事件を解決したのは、花魁なのだ」 40年間、吉原面番所を勤め上げた隠密廻り同心の木島平九郎。その手腕を認められてきた彼だが、自身の死を前に、胸に秘めた真実を語り始める。花魁たちの切なさがあふれる、はかなくも切ない書き下ろしミステリー時代小説。
  • 新地橋 深川澪通り木戸番小屋
    4.0
    評判の団子屋をいとなむ、おひでと嘉六。元遊女のおひでは身重の体で商売に励むが、嘉六は過去にとらわれ捨て鉢な生活を送る。木戸番小屋のお捨と笑兵衛は、夫婦の窮地を救おうと奔走する(「新地橋」)。傑作時代小説シリーズ第3弾。
  • 狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎
    3.7
    刀の不思議な美しさに憑かれてきた黒沢勝光。将軍家の刀管理を司る御腰物奉行の長男に生まれたが、名刀・正宗を巡って父と大喧嘩。刀剣商に婿入りし光三郎と名乗るが……。親子・夫婦の情愛や師弟の交情を、裏世界の駆け引きも絡めて描いた時代小説連作集!
  • 新装版 震える岩 霊験お初捕物控
    3.9
    事件の予兆と、恋の予感。これが宮部みゆきの世界---。死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。 事件の予兆と、恋の予感。 人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。 これが宮部みゆきの世界。 「霊験お初」シリーズ第一弾! 死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。
  • 日暮坂 右肘斬し
    3.0
    「門田泰明剣戟文学」の新たなる殺陣の境地、ここに! ささいな喧嘩がもとで無役となった旗本・具舎平四郎。 かつて門弟四百二十六名を誇る一刀流剣法・古賀真刀流総本山で腕を磨き、ともに最高位を極めた芳原竜之助とは竜虎と称された仲。 今は日暮坂道場を主催する竜之助が道場の手伝いを頼みがてら平四郎宅を訪ね、平四郎の妻・早苗を交えて旧交を温めた。 竜之助を送った帰途、夫妻に襲いかかった恐るべき惨劇! 五人の凄腕剣士が二人に襲いかかり、妻をかばった平四郎は惨殺され、妻・早苗は意識不明の重体に!  竜之助は復讐を決意、探索を始めた。次第に明るみに出た古賀真刀流『源流』の無念と悲惨。 竜之助はついに秘剣「右肘斬し」で復讐すべく立ち上がった!  娯楽剣戟文学史上に屹然と立つ「門田泰明時代劇場」の新開眼ここに!
  • 海の隼 <下> 参謀・三浦按針(ウイリアム・アダムス)
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    家康を天下人にした〝戦国最強の助っ人〟~24年ぶり、待望の復刊~ 1600年に流れ着いた一隻の船──命からがら漂着した乗組員の一人がウイリアム・アダムスだった。日本に足を踏み入れた最初のイギリス人となった彼を待ち受けていたのは、戦国の世。それは「関ヶ原の戦い」の半年前のことだった!徳川家康との運命的な出会いをきっかけに、アダムスは日本の行く末を大きく変える時代の大波に呑み込まれていく。家康の天下獲りと新しい国づくり、旧教と新教の戦い、そして世界戦略・・・。〝三浦按針〟として異国で生き抜いた男の波乱の人生を活き活きと描いた大島昌宏の傑作歴史小説、24年ぶり待望の復刊! 【目次】 第七章 平戸オランダ商館 第八章 ノバ・イスパニア 第九章 祖国との絆 第十章 大坂の陣 第十一章 落日 終章 残照 参考文献 初版あとがき 【著者】 大島昌宏 1934(昭和9)年、福井市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。広告会社に勤務し、数多くのテレビCMの企画制作を手掛ける。1992(平成4)年『九頭竜川』(現在「つり人社」から刊行)で第11回新田次郎文学賞を受賞。1994(平成6)年には『罪なくして斬らる 小栗上野介』で第3回中山義秀文学賞を受賞。主な著書に『北の海鳴り 小説・中島三郎助』『幕末写真師 下岡蓮杖』『そろばん武士道』『結城秀康』『炎の如く 由利公正』などがある。1999年12月没。生誕90年・没後25年に向けて、電子書籍による復刊が進んでいる。
  • 海の隼 <上> 参謀・三浦按針(ウイリアム・アダムス)
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    家康を天下人にした〝戦国最強の助っ人〟~24年ぶり、待望の復刊~ 1600年に流れ着いた一隻の船──命からがら漂着した乗組員の一人がウイリアム・アダムスだった。日本に足を踏み入れた最初のイギリス人となった彼を待ち受けていたのは、戦国の世。それは「関ヶ原の戦い」の半年前のことだった!徳川家康との運命的な出会いをきっかけに、アダムスは日本の行く末を大きく変える時代の大波に呑み込まれていく。家康の天下獲りと新しい国づくり、旧教と新教の戦い、そして世界戦略・・・。〝三浦按針〟として異国で生き抜いた男の波乱の人生を活き活きと描いた大島昌宏の傑作歴史小説、24年ぶり待望の復刊! ※楽天Kobo電子書籍Award 2024入賞 【目次】 序章 第一章 漂着 第二章 その前夜 第三章 関ヶ原決戦 第四章 旗本・三浦按針 第五章 海隼丸 第六章 パタニ 【著者】 大島昌宏 1934(昭和9)年、福井市生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業。広告会社に勤務し、数多くのテレビCMの企画制作を手掛ける。1992(平成4)年『九頭竜川』(現在「つり人社」から刊行)で第11回新田次郎文学賞を受賞。1994(平成6)年には『罪なくして斬らる 小栗上野介』で第3回中山義秀文学賞を受賞。主な著書に『北の海鳴り 小説・中島三郎助』『幕末写真師 下岡蓮杖』『そろばん武士道』『結城秀康』『炎の如く 由利公正』などがある。1999年12月没。生誕90年・没後25年に向けて、電子書籍による復刊が進んでいる。
  • 夢のまた夢 若武者の誕生
    3.0
    戦乱で親を失った少年・神照庚丸は、養い親の僧侶・浄林の縁で大坂城に上がり、豊臣秀頼の奥小姓となった。 折から迫る徳川家康の圧力。秀頼に取り立てられ若武者となった彼は、関ヶ原の戦いを生き延びた島左近を軍師に迎え、戦場へ向かうことに……。 「大坂の陣」での庚丸の命運は? そして、彼は一体、何者なのか? 『星界の紋章』シリーズなど、壮大なスペース・オペラで人気の、SF界の鬼才が描く歴史時代エンタテインメント!
  • 徳川家康と三河家臣団
    -
    戦国最後の勝者、徳川家康。小領主からのし上がった その道のりは苦難の連続であった。領内の一揆、武田信玄の 来襲、本能寺の変後の大坂からの脱出等の様々な危機は、主君 に忠実な家臣達なしには乗り越えられなかった。石川数正、 酒井忠次、本多忠勝ら、時代の荒波の中を共に駆け抜けてき た多士済々な三河家臣団。家康と彼らの激動の日々を、男達 の深い絆を軸に描いた傑作長編小説。◆文庫書き下ろし◆

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  • 大坂の陣
    5.0
    豊臣家を滅亡させ、徳川家康の天下統一を決定づけた大坂の陣。戦国の世に終焉を告げた戦いを徳川家康を筆頭にした武将たちはどう見たのか。豊臣に恩を抱きながらも御家存続のために徳川方についた福島正則をはじめとした大名や、「関ヶ原の戦い」の恨みを晴らすべく大坂城に駆けつけた真田信繁(幸村)ら浪人衆の動きや心中を描き出す。また、総大将たる豊臣秀頼が抱いていた「ある行為への憧れ」とは!? 圧巻の群像活劇。
  • 伊勢物語 在原業平 恋と誠
    3.5
    千百年前から伊勢物語は読み継がれ、ふるくから在原業平はプレイボーイの代名詞だった。業平の「色好み」とはいったいどういうものなのか――多くの読者を獲得している『小説伊勢物語 業平』の著者が自ら小説に紡ぐうちに浮かび上がってきた「雅」という人間力に迫る! 「英雄、色を好む」ということわざがある。現在ではセクシャルハラスメントになりかねないが、長らく続いた男尊女卑の社会では、それをよしとしてきたことを表すフレーズとも言える。英雄ではないにしても在原業平もしばしばこの文脈でプレイボーイの代名詞として人々の口の端にのぼってきた。しかし、業平の「色好み」は単に女性との性愛に執着することとは違うのではないか――見えてきたのは、現代にも通じる豊かな人間関係を構築できる能力だった。そして「雅」とはその能力に裏打ちされた人間的な余裕だとも。社会が多様性を認めることを人々に求める現代人にこそ、その優れたコミュニケーション力を、業平から学ぶところは大きい。 伊勢物語は恋愛の教科書ともしばしば言われる。つまるところ、男はいい女に育てられ、成長した男がいい女を育てる、それも思いを歌に詠むことによって。それゆえに言葉のコミュニケーション力の高さが求められる。その能力は恋愛以外の人生も豊かにするものになるだろう。
  • P+D BOOKS 喪神・柳生連也斎
    4.0
    “剣豪小説の名手”の世界に浸る11篇。  豊臣秀次の剣の師で「夢想剣」を名乗る瀬名波幻雲齋とその娘・ゆき、そして幻雲齋が父の仇でありながら、門下生となって修行を積む松前哲郎太重春。奇妙な3人の絆は、やがて哲郎太とゆきが契りを結ぶまでに深まっていく。  そんななか、哲郎太は身重のゆきを残して武者修行の旅に出ようとするが――。  第28回芥川賞に輝いた出世作「喪神」のほか、柳生流新陰流正統を継いだ連也斎とライバルとの決闘を描く「柳生連也齋」、剣豪が巨人軍の強打者として大活躍する異色作「一刀齋は背番號6」など、剣を題材にした珠玉の11篇。
  • 北天に楽土あり 最上義光伝
    4.3
    伊達政宗の伯父にして山形の礎を築いた戦国大名・最上義光(もがみよしあき)。父との確執、妹への思い、娘に対する後悔、甥との戦(いくさ)。戦場を駆ける北国の領主には、故郷を愛するがゆえの数々の困難が待ち受けていた。調略で戦国乱世を生き抜いた荒武者の願いとは……。策謀に長けた人物とのイメージとは裏腹に、詩歌に親しむ一面を持ち合わせ、幼少期は凡庸の評さえもあったという最上義光の苛烈な一生!
  • 桃太郎侍
    4.5
    親に捨てられて、江戸の片隅で育った自分に、今さら若木家の御家騒動など知ったことか、と一時はそっぽを向いたものの、実の父兄の苦難に、若くて強い桃太郎侍は、もうたまらない。いざ鬼征伐! 家来は泥棒あがりの伊之助と美少女お百合。奸悪な大敵一味との道中大接戦は、恋に狂う踊りの師匠を加えて息もつがせぬ展開。昭和十四―五年、地方新聞に連載され、評判をとった代表作。
  • さむらい探偵 陰参議 天之鳩光之進
    -
    「艦隊シリーズ」や「要塞シリーズ」「空白シリーズ」「伝記推理」など、幅広い作風で知られる日本SF界の巨匠・荒巻義雄が、電子書籍のみで現代の読者に問いかける驚天動地の仕掛けとは? 時代を宇宙空間・脳内宇宙から嘉永六年(一八五三年)初頭の江戸に移し、陰参議と呼ばれる海外情報担当の上忍、天之鳩光之進が、次々に起きた殺人事件の真犯人を挙げるのだが……。
  • 女泣川ものがたり(全)
    4.5
    江戸は天保末期、深川を東西に流れる小名木川のほとりには、春をひさぐ女が多くあった。彼女たちにとって、川は哀しみの涙をあつめて流れる“女泣川”だった。旗本の左文字小弥太は、苦界で懸命に生きる売女たちの姿に胸をうたれ、屋敷を飛び出し、用心棒を買って出た。竹光だが、斬れ味鋭い“べらぼう村正”を振るって難事に挑む酔狂な剣客の活躍を描いた連作集!
  • 新装版 王城の護衛者
    3.9
    薩長両藩が暗躍し、攘夷派の浪士たちが横行する、無政府状態に近い幕末の京。新たに京都守護職を命じられた会津の青年藩主・松平容保は、藩兵千人を率い、王城の護衛者として治安回復に乗り出すが、複雑怪奇な政治の術数に翻弄され……。表題作の他に、「加茂の水」「鬼謀の人」「英雄児」「人斬り以蔵」を収録。
  • 新史 太閤記(上)
    4.4
    日本史上、もっとも巧みに人の心を捉えた“人蕩し”の天才、豊臣秀吉。生れながらの猿面を人間的魅力に転じ、見事な演出力で次々に名将たちを統合し、ついに日本六十余州を制覇した英雄の生涯を描く歴史長編。古来、幾多の人々に読みつがれ、日本人の夢とロマンを育んできた物語を、冷徹な史眼と新鮮な感覚によって今日の社会に甦らせたもっとも現代的な太閤記である。
  • 天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険
    4.1
    天平五年の遣唐使は苛酷な運命を辿った。朝貢国中最下位扱いされながらも、多くの人士や書物を満載し帰国の途についた四隻の船団。だが嵐に遭い、判官の平群広成率いる第三船は遙か南方の崑崙国へ漂着する。風土病と海賊の襲撃で、百人を越える乗員はほぼ全滅。軟禁されていた広成ら四人だけがふたたび長安へ向かう惨状ぶり。さらには新羅との関係悪化で、北方の渤海国経由での帰国に賭けることに。天平の「外交官」の見たものは?
  • 関ヶ原(上)
    4.1
    東西両軍の兵力じつに十数万、日本国内における古今最大の戦闘となったこの天下分け目の決戦の起因から終結までを克明に描きながら、己れとその一族の生き方を求めて苦闘した著名な戦国諸雄の人間像を浮彫りにする壮大な歴史絵巻。秀吉の死によって傾きはじめた豊臣政権を簒奪するために家康はいかなる謀略をめぐらし、豊家安泰を守ろうとする石田三成はいかに戦ったのか?
  • 風を断つ
    3.0
    父の仇討ち相手との決着がついた浪人由比三四郎はおさとと夫婦になるが、おさとの希望で、通い婚になる。三四郎が寺子屋を開いている寺に、風砲なる武器を作る職人・伊十が転がりこんでくる。伊十を狙う刺客と対峙する三四郎。渡る世間のしがらみを秘剣“氷柱折り”が叩っ斬り、未来を開くことはできるのか。謎の職人をかくまう。その職人が作る武器を追いって迫る幕府や薩摩の刺客たち。剣戟と人情が織りなす新生時代小説。
  • 草莽枯れ行く
    3.9
    幕末。黒船が浦賀に現れた頃、上州浪人・相楽総三は天下を憂う志を持って仲間を集う。博徒・清水の次郎長や剣客・土方歳三とも友誼を結ぶ。次第に倒幕に傾倒して、怪物・西郷隆盛率いる薩摩藩に総三は接近して行き、薩摩の闇の左手として活動し、やがて赤報隊として倒幕軍の尖兵となるが! 時代の濁流を生き抜いた若き魂。著者が初めて幕末に舞台を設定した長編小説。
  • 全一冊 小説 蒲生氏郷
    3.7
    かつて織田信長から受けた薫陶を忘れず、商人優遇の領地経営を心がける戦国武将・蒲生氏郷。戦場往来で出世を重ね、独自の経営哲学を実践する彼の周囲では、さまざまな商人が、新たな人生を切り拓いていく。乱世に芽吹いた、商いの道とは何か。後に「近江商人育ての親」と呼ばれる蒲生氏郷の生涯を通じて“商いの原点”を、高らかに謳い上げた異色の戦国ロマン。全一冊・決定版。
  • 全一冊 小説 伊藤博文 幕末青春児
    4.1
    貧農の子に生まれた利助(後の博文)は、吉田松陰の「社会に役立たぬ学問は学問にあらず」との教えに開眼。高杉晋作、桂小五郎、坂本龍馬らとの出会いによって自らを成長させていった。イギリス留学などで培った世界的な視野で幕末の激動を乗り切ってゆく。「日本の夜明け」の原動力となった幕末の青年たちの中で、ひときわ異彩を放つ伊藤博文の若き日々。
  • 西郷札―傑作短編集(三)―
    3.9
    時代小説の第1集。西南戦争の際に薩軍が発行した軍票をもとに一攫千金を夢見た男とその破滅を描く「西郷札」。江藤新平の末路を実録的に描いて、同じ権力機構内にいるものの軋轢、対照的な勝敗を浮びあがらせた「梟示抄」。幕末に、大名、家老、軽輩の子として同じ日に生れた三人の子供が動乱の時代に如何なる運命を辿ったかを追及した「啾々吟」。異色の時代小説全12編を収める。

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  • 佐渡流人行―傑作短編集(四)―
    3.5
    時代小説の第2集。誤解から役人の妻との過去を疑われた男が、逃れるすべのない絶海の孤島佐渡に送られ、金山の湧き水を汲み出す水替人足として想像を絶する地獄の苦しみを味わう「佐渡流人行」。下級役人の哀しい運命をたどる「甲府在番」。江戸っ子の意地を痛快に語る「左の腕」。ほかに「陰謀将軍」「腹中の敵」「秀頼走路」「戦国謀略」など戦国時代に取材した力作8編を収める。

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  • 柳生宗矩(1) 鷹と蛙の巻
    4.0
    世をすねる。そんな思いが確かにあった。だが巨星徳川家康のひたむきな姿に接したとき、宗矩の眼は豁然と開けた。この日、迷いは木端微塵に砕け散った。文禄3年(1594)5月3日、家康が父石舟斎に入門した日が、又右衛門宗矩の新たな求道への旅立ちの日でもあった。剣禅一如をなし遂げた男の生涯――。
  • 徳川家康(1) 出生乱離の巻
    4.3
    竹千代(家康)が生まれた年、信玄は22歳、謙信は13歳、信長は9歳であった。動乱期の英傑が天下制覇の夢を抱くさなかの誕生。それは弱小松平党にとっては希望の星であった――剛毅と希望を兼ね備えて泰平の世を拓いた名将家康の生涯を描いて、現代人の心に永遠の感動を刻む世紀のベストセラーの発端篇!
  • 花橘の乱 在原業平異聞
    4.5
    9世紀半ばの平安京で起きた公卿の姫の連続失踪事件。その真相解明に乗り出した在原業平に襲いかかる謎の集団、そして200年前に隠された百済の財宝のありか…。背後にひそむ藤原一族の権力抗争、さらに大伴氏の復権を目論む伴大納言の陰謀など、京を揺るがす大事件に敢然と挑む業平の活躍を描いた、歴史伝奇ミステリー小説。

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  • 修羅の都<文庫版>
    3.7
    「武士の世をつくる」。頼朝の悲願を背負い、妻として母として時代の要となった政子。頼朝晩年の謎をも大胆に描く傑作時代長編。 解説・本郷和人
  • 中国の歴史 近・現代篇(一)
    5.0
    列強の蚕食に苦しむ清国では、甲午の役(日清戦争)の敗戦で不満が爆発。保皇派の康有為は公車上書を著し、立憲君主制を提唱する。義和団事変で8ヵ国連合軍が紫禁城に乱入し、権勢を誇った西太后も光緒帝(こうしょてい)と西安に逃れた。王朝打倒を目指す孫文ら若き革命家たちは集結を始める。中国近代史の精華〈全二巻〉。
  • 沖縄長寿学序説
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ 「沖縄の長寿現象や沖縄の長寿者を理解するということは、その背景にある「沖縄」そのものを理解するということに他ならない。「沖縄そのもの」とは、沖縄の歴史や文化をひっくるめた総体的な理解である。沖縄は確かに様々な可能性を秘めた素晴らしい土地である。沖縄の人々の多くは、確かに美しい心を持った人々である。そして何よりも沖縄の長寿者は、世界最高の価値を有している。本書「まえがき」より。」 著者は長年、長寿研究に従事してきた医学博士の秋坂真史氏。現在は沖縄県で百寿クリニックの院長として活躍中。著者は通算するとこれまで半分近くの人生を沖縄で生活してきた。その中で500名を超える百歳以上の長寿者と出会い交流を深めてきた。 本書はこれまでの沖縄長寿の知見を総合的に記述し学術的な内容ではあるが、一般の方々にもなるべくわかりやすい言葉と形で構成されている。沖縄に初めて足を運んでから学び続けてきたその宝の一部を「沖縄長寿学」と題して披露する。初版2001年の電子復刻版。
  • 中国・琉球交流史
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ 「ここ十年来の沖縄と中国・福建省の学術交流はめざましい成果を挙げてきた。双方の研究者の間で、情報交換・討論もしばしば行われるようになっており、新しい動きが活発となった。こうした学術交流における中国側の中心的な担い手が、本書の著者である。 早い時期から琉球との交流史に関心を持ち、数多くの優れた論文を発表している。とくに、福建省に存在する琉球人墓群の調査・研究に関する著者の仕事は、沖縄側にとって大きな刺激となった。本書は、中国人研究者の優れた成果を翻訳し、広く県民に提供する初の試みである、今後の沖縄と中国の交流にとって画期となる出版といえよう。-1991年作品紹介文―」 著者は福州市出身の徐恭生氏。本書は徐恭生氏が1980年代に著した中国と琉球の交流史に関する論文を日本語に翻訳し一書に構成したものである。翻訳にあたっては引用の漢文史料はすべて読み下し文にし、写真や表などを多く掲載してできる限り読みやすい文体にしている。翻訳者は共に琉球大学名誉教授である西里喜行氏と上里賢一氏。約20数年の時を経て大幅に加筆・修正を施した電子復刻版。
  • 発言・沖縄の戦後五〇年
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ 「あなたのお父さん、お母さんは何歳ですか。あなたはどこで生まれましたか。あなたの家族はどのようにして戦中、戦後を生き抜いてきたのですか。日本敗戦から五〇年の戦後体験と、その精神史を問い返し、共に語ってみたいと著者は願う。特に高校生や大学生などの若者たちと。本書は、沖縄の第一線で活躍する学者、詩人、思想家たち十四人との座談会を中心に、詩人・高良勉の発言を初めて一冊にし、提起する。」 本書は沖縄戦後50年の1995年に初版出版。今回はさらに18年の時を経てあとがきを追記した電子復刻版。 著者は84年に第7回山之口貘賞を受賞、85年に第19回沖縄タイムス芸術選賞・奨励賞(文学)を受賞した沖縄を代表する詩人・高良勉氏。序詩「あたびーぬ うんじ(蛙の恩)」と「私にとっての敗戦後五〇年・思春編」、これに五つの座談会と「アイヌモシリへ」「私の戦後史年表」が収められており、詩人・高良勉の発言集として編集されている。若者たちへ「私(たち)の戦後体験」を伝えたいという目的と熱意は今も一貫している。
  • 琉球漢詩選
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ 「沖縄の漢詩文は日本からの渡来僧や中国からの帰化人、留学生によってもたらされ隆盛をみた。さらに冊封史渡来の際、あるいは江戸上りの際に彼の地の詩人たちと唱和をなすなど、琉球文学の重要な一分野として壮大に展開していった。隆盛期の琉球漢詩の一方を代表する久米村人の詩を集めた本書は、沖縄における漢文学の第一人者である二人の研究者の真摯な交流から生み出されたものである。本書は、琉球漢詩の初の注釈書であり、その魅力を引き出すだけでなく、王国時代の豊かな文学の精髄を改めて我々に提示してくれる。」 著者は琉球大学名誉教授の上里賢一氏。1989年の初版発行より大幅な加筆・修正を加えた本書が電子版あとがきと共に復刻。程順則を中心とした詩人をメインにして、沖縄県久米村出身の詩人7名(程摶萬・蔡温・蔡鐸・曽益・周新命 蔡文溥・蔡肇功)だけに限定し、作者紹介・漢詩・読下し文、そして注釈という構成で読みやすくまとめてある。
  • 首里城物語
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ。 「本書は文献に見えない伝承の世界から首里城を観察し、かつて城内に生きた人間たちの息吹を伝えている。とりわけ、これまであまり知られていなかった首里城の「表」と「裏」の世界について、それぞれの特色を興味深く描き出している。またかつての城内の生活習慣を継承していた中城御殿(世子殿)において、著者自らが実験した資料を提示するなど、本書ならではの特色がみられる。また、昔日の首里城の景観についても詳細を述ベている。首里城に関する歴史、慣習、祭祀、儀礼等に関心のある人びとに一読をすすめたい書である。1989年作品紹介」 著者は真栄平房敬氏、御歳92歳。首里に生まれ戦前は城内の国民学校で教師をしてこられ、首里城復元の活動に尽力された。現在病床の身にもかかわらずご子息のご協力を得て復刊へとたどり着いた作品。ありし日の首里城の記憶を若い世代に伝え、平和への願いを込めた原稿を「遺言」として新たに追記。多くの方に読んでもらいたい内容となっている。
  • 戦後動員とジャーナリズム-軍神の誕生-
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第15弾 沖縄県与那国村(当時)に生まれ育った大舛松市(おおますまついち)という人物がいた。彼は那覇で勉強した後念願の陸軍士官学校に入学。その後陸軍歩兵部隊に入隊し最前線を渡り歩きソロモン諸島のガダルカナル島においてわずか25歳で戦死する。各紙は大舛中尉を軍神として崇め武勲(感状上聞)を一面トップで掲載した。「軍神大枡」の誕生である。本書はそのことが沖縄において如何なる意味を持ったのか、大枡家のインタビューやマスコミに焦点をあて論述していく。 著者は元琉球大学教授で現在は沖縄戦関係の翻訳業に従事する保坂廣志氏。「当時の軍部や教育、ジャーナリスト界は、日本を代表する知的集団そのものであった。これら集団が戦時体制下で成し得た役割は、社会的弱者を戦場に駆り立て、美辞麗句の中で死を強要する疎ましい号令者でしかなかった。生活に追われつつも、家族の笑顔の中で一日が終わらんとする最小限の願いすら、狂気の時代であっては叶えることのできない夢のまた夢であった。1991年当時の紹介文より」電子復刻版。
  • 御教条の世界-古典で考える沖縄歴史-
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第14弾 「政治家・蔡温の名前とともに沖縄歴史に名高い「御教条」だが、その内容は人びとにほとんど知られてはいない。「御教条」の全文をわかりやすく解説した本書は、知られざる古典の内容を通して沖縄歴史に親しみ、歴史的なものの考え方を身につける上での恰好の道案内となっている。また、史料の読み方、解釈の仕方を学ぶ入門書としても活用できるよう工夫されている。250年前の沖縄歴史の表情が、本書においてあざやかに照らしだされている。-1982年紹介文-」 「御教条」は、1732年に摂政北谷(せつせいちやたん)王子、三司官(さんしかん)伊江親方(うえーかた)、美里(みさと)親方、具志頭(ぐしちやん)親方の4人の名で布達された沖縄歴史に有名な文書である。 本書は「御教条」の内容をなるべく多くの人びとに知ってもらう一つの手がかりにして近世の沖縄歴史を理解する解説書である。全32条からなり「御教条」の条目ごとに「原文」、「読み下し文」、「訳文」と続き、最後の「解釈のポイント」では、著者なりの丁寧な解説がなされている。 著者は本年度より沖縄県副知事に就任した高良倉吉氏。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 沖縄・福建交流顛末記-その舞台裏を語る-
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第14弾 「沖縄の歴史・文化を広くアジアから見つめなければならない、沖縄とアジア、とくに中国との交流を活発にしよう、といった課題が叫ばれ実践され始めている。そして、着実に成果をおさめる状況が生まれつつある。こうした動きをその背後においてしっかりと支えてきたプロモーターが本書の著者・高橋俊和氏である。文化人類学を専攻し、豊富な知識と卓越した実務能力を身に付けた著者はツアーコンダクターであると同時に「旅行人類学」をめざすロマンの学徒でもある。その著者が、熱い思いを抱いて沖縄と関わり活動してきた軌跡を中間報告としてまとめたのが本書である。-1991年紹介文」 著者は沖縄と福建のツアールートを日本で最も早く開拓した一人である高橋俊和氏。途中肺気腫を発患いながらも中国や沖縄の仕事を精力的にこなし全うした。中国にのめり込み、沖縄文化にのめり込んだ著者が残した遺作が初版から20数年の時を経て電子書籍として復刻!
  • ドイツ人のみた明治の奄美
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第14弾 「この奄美大島の調査は、毒蛇ハブの危険の為、周囲の人々から猛反対されたが、ドゥーダーラインはそれを押し切って決行した。彼の目的は、まだ世界にその実態がほとんど知られていない動物相、特に海の動物相についての研究であった。しかし、報告内容はその分野に留まらず、広く奄美大島の地理、地質、歴史、言語、風俗習慣、宗教、祭祀、建築、植物、農業、林業、漁業、商業等々多岐にわたっている。彼の叙述は紀行文としても面白く読める-1992年紹介文-」 本書は明治中期の1880~90年頃に奄美がドイツ語圏から注目を浴びたことをテーマにした内容でドゥーダーラインの業績を中心に書かれた明治期・奄美ヨーロッパ交流史とL・ドゥーダーラインの著書を翻訳した琉球諸島の奄美大島の2部構成からなり、明治中期の奄美の風俗を知るにはとても興味深い作品である。なぜ明治中期に奄美がドイツ語圏から注目を浴びたのか、そして東京帝国大学でドイツ語を教えていた生物学者ドゥーダーラインが滞在した奄美での16日間の記録から明治中期の奄美の様子が明らかになっていく。 著者はドイツ・ボン大学名誉教授であり法政大学特別教授であるヨーゼフクライナ―氏と奄美博物館創設に尽力し現在は大分大学教授である田畑千秋氏による共著作品が電子書籍として復刻!
  • 名勝「識名園」の創設(上巻)-琉球庭園の歴史-
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第13弾 識名園(シチナヌウドゥン)は琉球王家最大の別邸で、国王一家の保養や中国皇帝の使者である冊封使の接待などに利用されてきた。2000年3月には特別名勝に指定され、同年12月にはユネスコの世界遺産に登録されている。 「本書は、沖縄県で初めて人の手になるもので国宝級の文化財として、国の特別名勝に指定された琉球王朝時代を代表する庭園「識名園」について、本格的に取り上げた初の研究である。そして、それは同時に「識名園」を頂点とする琉球庭園について、時代を追って整理された研究としても初のものである。その「識名園」を管理・運営する那覇市において、十五年間、文化財保護を担当してきた著者が、余すところなく「識名園」の魅力を浮き彫りにする。-2000年紹介文-」 著者は沖縄県那覇市教育委員会生涯学習部文化財課課長の古塚達朗氏。著者が長年学んできた自身の専門分野である民俗学の手法を織り混ぜながら「識名園」をテーマに琉球庭園史としてまとめられている本書が電子書籍として復刊!
  • 沖縄新民謡の系譜
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第13弾 「沖縄における新民謡は、昭和の初期からはじまっており、それは本土で新民謡が活発になった時期と重なる。沖縄の新民謡界で活躍した、そして現在活躍している歌い手、作詞者、作曲者のなかから都合五十五名とりあげた。彼らの芸能活動を通して、沖縄の新民謡史を展開する。長く民俗芸能を研究してきた著者が、沖縄の新民謡の世界を愛情込めてわかりやすくまとめた好著である。-1996年紹介文-」 著者は沖縄の芸能文化の発展や研究に力を注いできた大城學氏。現在琉球大学法文学部教授。本書の構成は沖縄民謡歌手(個人およびグループ)のみならず、作詞・作曲者を加えて五十五名を取りあげ、その歌手の好きな民謡の歌詞一節、民謡との関わり、プロフィール、代表作品、エピソードという順に紹介している。 絶版から数年の時を経て、新たに「電子版あとがき」を追記した本書が電子書籍として復刊!
  • 占領27年為政者たちの証言
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第12弾。 「27年間にわたる米軍統治。その一種特異な時代を造り上げてきた高等弁務官をはじめとする為政者たち。彼らがどのような施政をなし、政策決定の裏では何が起こっていたのか。彼らの沖縄観とは?当時は知る由もない事実の詳細が今、生の声となって我々に届く。著者のするどい分析力と切れ味の良さが証言者たちの犠牲を見事に引き出し、同時に米統治時代の研究に新たな資料を提供している。-1993年紹介文―」 本書は沖縄を支配した米軍・米政府関係者のインタビュー集。多くの高等弁務官や高官が極めて率直に支配者の論理を語っている。ライシャワー元駐日大使の話など、一級の歴史的資料である。 著者は英字新聞「Stars & Stripes」紙の記者として長く活動した宮城悦二郎氏。
  • 南島地名考―おもろから沖縄市誕生まで―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第12弾。 「本書は東恩納寛敦『南島風土記』以来の歴史地名研究の低迷を破る、新進気鋭の地域史研究者の手に成る文献研究書である。現存する諸資料をあらゆる角度から検討し、間切名(市町村名)から村名(部落名)、原名(はるなー)に関する各資料の見方について、それぞれ分析。南島の歴史や民俗、地理に興味ある人々にとって今後必読となるべき書である。今後の南島地名研究は、本書を措いては語れない。-1984年紹介文-」 本書は歴史の側から古琉球の地名、近世の地名、近代の地名から現代(1982年)の地名で構成されていて、その時代の特徴や変遷の過程を明らかにしている。 著者は那覇市市民文化部歴史資料室室長、沖縄県立芸術大学教授を経て沖縄国際大学教授の田名真之氏。
  • 近世沖縄の素顔
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第12弾。 「家譜をめぐる興味つきないエピソード。近世沖縄を代表する羽地朝秀と程順則。合理主義者羽地の『日琉同祖論』の巧妙なレトリック。『六諭衍義(りくゆえんぎ)』で知られる程順則の意外な側面。薩摩人後の近世沖縄の諸相を平易に解き明かし「系図入門」の助走ともいえる書。-1998年紹介文-」 本書は琉球の諸家譜から拾い集めたエピソードで、人と門中について記し、近世を代表する人物として羽地朝秀(はねじちゅうしょう・政治家)と程順則(ていじゅんそく・教育家)についての講演録を起こし、沖縄と周辺諸国との関係の断面についての小論を併せた構成となっている。 著者は那覇市市民文化部歴史資料室室長、沖縄県立芸術大学教授を経て沖縄国際大学教授の田名真之氏。
  • 八重山戦後史
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第12弾。 「マラリア猖獗、食糧難、行政機能の停止と荒廃する戦後社会の中で、民衆決起によって誕生した"人民政府"。米軍政官を「お前はアメリカのサーバント(小使い)ではないか!」と面罵した支庁長。誕生する政党と百花繚乱の八重山文化。米軍の弾圧によって潰滅した幻のメーデー。"水と油"を受け入れた社大党。党派によって、全てが分断された"政争の島"八重山。本書は敗戦から群島政府の解消までの八重山戦後史を解明し、米軍統治下における沖縄戦後史の多様性を浮き彫りにする。-1985年紹介文-」 本書は米軍によって、琉球列島が分轄統治されていた1945年から52年までの八重山の戦後史を明らかにし、米軍支配下における沖縄戦後史の一側面を浮きぼりにしようと試みたものである。 著者は八重山の歴史や文化について独創的な発想と緻密な調査・研究を重ね、明らかにしてきた大田静男氏。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 八重山の芸能
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第12弾。 「資料を渉猟する著者の執念は夙に知られている。本書は「詩の国・歌の国」と言われる八重山芸能の内実と向き合い、その歴史、とくに沖縄本島・大和芸能との関わりを厳密な資料考証と精緻な聞き取りにより究明していく。先に「八重山戦後史」を世に問うた著者は、三線をよくし美声の持ち主である笛の名手でもある。研究蓄積と芸能へのすぐれた感性が本書を生み出したといえ、書くべき人が書いた著者の面目がここにある。-1993年紹介文-」 著者は八重山の歴史や文化について独創的な発想と緻密な調査・研究を重ね、明らかにしてきた大田静男氏。本書は1993年度第14回沖縄タイムス出版文化賞正賞受賞作品。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 沖縄の豚と山羊―生活の中から―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第11弾。 「東南アジアの国を旅していると、その土地で飼われているいろんな山羊に出会うことがある。インドネシアのバリ島やマレーシアのマレー半島では、褐色で大形の実にうまそうな山羊に出くわして驚いたことがある。本書はあくなき探求心と徹底したフィールドワークの成果である。本土の魚肉食文化に対比される沖縄の獣肉食文化は、歴史的に琉球弧の島々から東南アジア・中国への広がりの中で形成されてきた。筆者の冷静で優しさに満ちた眼は、琉球弧の生活と食文化、とりわけ豚と山羊の食肉文化を余すところなく伝えてくれる。食文化について他に類を見ない好著。-1989年作品紹介-」 沖縄は長寿の県でありその要因の一つに食生活がある。特に食肉文化、豚と山羊を中心とする歴史的な文化がある。本書では著者の経験に基づいて、豚と山羊の飼育法から屠殺・解体処理の方法、料理法に至るまで詳しく解説し、沖縄の島々の豊かな食肉文化の深層に迫り、各地で伝えられてきた食肉文化の多様性・共通性を明らかにしている。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 空手の歴史
    5.0
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第11弾。 「沖縄は空手の聖地である。本書は本場沖縄が世界に誇る『空手道』に学問的なスポットライトをあて、客観的に記述したユニークな書である。著者は年少の頃から空手修行に明け暮れてきた。そのかたわら、長い年月をかけて文献資料の探求、調査研究を行い、一流派に片寄ることなく、その全容解明に若き情熱を傾注してきた。空手をわかりやすく解説し、イラストや写真、関係資料を豊富に盛り込んだ本書は空手人は勿論のこと空手に興味をもつ人にとっては、まさに魅力的な書といえよう。-1987年作品紹介参考-」 著者は沖縄空手道範士9段の称号を持ち沖縄県立芸術大学学長務めた宮城篤正氏。2003年に沖縄県の発展に寄与した者に贈られる沖縄県文化功労者表彰を受賞、2010年には地域文化功労者表彰を受賞。20数年の時をへて新たに沖縄空手古武道関係年表を改訂し、電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 沖縄の無産運動
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第11弾。 「本書はファシズムの時代に自由と民主主義を求めて立ち上がった沖縄の青年たちの歴史である。著者の十数年来の研究成果が手際よくまとめられており、これによって戦前の先進的な労働者の役割について学ぶことができる。暗い谷間の時代にあっても先進的な労働者・教師・学生たちは未来を信じ、暗黒政治に抗して敢然と戦った。この進歩と革新の伝統は、戦後も米軍支配との闘いの過程で開花し、いまなお平和と民主主義を求める運動の中に生き続けている。-1983年作品紹介―」 著者は沖縄国際大学名誉教授の安仁屋政昭氏。初版から30年の時をへた電子復刻版!
  • 沖縄の自己検証―鼎談「情念」から「論理」へ―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第11弾。 「総論型の理念主義的主張が横行する中にあって、冷徹な「実務派」の声を代表する三名の論客が沖縄をめぐる主張をその内部から徹底的に批判する鼎談集。 痛みをともなう自己検証抜きに沖縄の進むべき方向の展望はあり得ないとする熱っぽい語りのなかに、沖縄をめぐる真の論点が提示される。真栄城守定・牧野浩隆両氏はエコノミスト。高良倉吉氏は歴史家。-1998年作品紹介-」 沖縄の歴史研究をライフワークとする高良倉吉氏、戦後沖縄経済の分析に取り組んでいる牧野浩隆氏、そして沖縄の地域開発研究に従事していた真栄城守定氏は、三者三様「沖縄の空気」に疑問をもち、知的作業を通して沖縄問題を論ずることの必要性を痛感。そんな中、三者の問題意識、現実認識等を突き合わせ、知的枠組みの中で沖縄の自己検証を行うことを思いたったのである。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版!
  • 戦後沖縄の社会史―軍作業・戦果・大密貿易の時代―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「珊瑚礁の小さな島に『鉄の暴風』が吹き荒れた。島人の四人に一人は『艦砲』に食われてしまった。生き残った島人は、兵器、砲弾類を?アメリカのウサンデー(御下がり)″としなやかに捉え、生活の糧にしていった。戦争の痕跡が生々しく残っているとき、それらをバーター品として台湾・香港・マカオ、日本に密貿易ルートを次々に開拓していき、戦後社会の礎を築いた。それは『大密貿易の時代』と称してもよい。冒険とロマン、悲哀に満ちた幻のような一時代が沖縄にあった。本書はそれを簡潔に描いている。-1995年作品紹介文よりー」 戦後五〇年という半世紀が経過した今日、沖縄戦から生きのびた沖縄県民がどのようにして戦後生活を築きはじめたのだろうかというのが、本書のテーマである。そのテーマを、「軍作業」、「戦果」、「密貿易」という「戦後用語」をキーワードにして第1部『軍作業・戦果の時代』と第2部『大密貿易の時代』で構成されている。それぞれに記録されている民衆の生活史から、いまをどう読み解くかというヒントが得られる。 本書が描いた時代は、人間が飢餓状況のなかで自ら生きようとするとき、人間が人為的に形成した国境線は何の意味もないということを示していった。人々は国境を越えてそれぞれが必要とするものを求め合い、交換していった。そして、利害を越えた信頼関係がうまれ、共に生きる生活パターンも形成されようとしていた。いま、「ボーダーレスの時代」といわれているが、まさに戦争終結から1952年の頃まで、ウチナーンチュ(沖縄人)はボーダーレスの時代を築くことによって、生き延びることができたのである。それは、「琉球王国の時代」に「大交易時代」を築いた琉球の先人たちの気概、行動エネルギー、生きるパワーを継承していたといえよう。 著者は沖縄国際大学名誉教授の石原昌家氏。新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版。
  • サシバ日和
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「サシバは鷲鷹目の鳥。国境を越えて旅するこの猛禽と秋の季節の一時期に密かに関わってきたのが宮古諸島の、中でも伊良部島の人々である。かつて食生活に滋味をもたらしたサシバは保護鳥となり、それへの思いも変化してきている。著者は鷹獲りを体験した少年期を回想しつつ、その習俗を克明に記録し、文学作品などに見られるサシバ観の広がりを示してくれる。そして誇るべき島の美しさがこの先もそこに生きる豊かさと喜びにつながることを願う。-1997年作品紹介文-」 サシバとは鳥類分類ではタカ科 サシバ属と分類される野生鳥である。寒露のころサシバの秋の渡りが始まる。青森から九州までの地域で夏を過ごしていたサシバたちは、やがて来る寒い季節を前に、南西諸島を南下して、さらに南の暖かい島々へ、大群で大移動する。その越冬地への旅の途中、一夜の羽を宮古島、伊良部島で休めるのである。現在サシバの飛来は秋の風物詩となっているが、国際保護鳥となる以前は神意によって空からもたらされる贈り物として、島人はサシバを捕え自然への感謝の念を持って食していたのである。滋味あるサシバの肉は島人の貴重な蛋白源でもあった。本書はこのタカ獲りを歴史的な習俗として記録し、伊良部島におけるサシバの周辺を紹介する。 著者は伊良部島出身で沖縄タイムスの記者として活躍してきた謝花勝一氏。本シリーズに「ウシ国沖縄闘牛物語」もある。
  • ウシ国沖縄・闘牛物語
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「ウシ国。闘牛の盛んな本島中部(石川・具志川等)の飼い主らは、「本場」の自負と誇りを込めて自分たちの地域をこう表現する。日本を闘牛地図で見れば沖縄はまさしくウシ国である。闘牛の魅力は砂鹿をあげて巨体が激突する迫力にあるが、人間くさい牛の個性も共感を呼ぶ。本書は牛と人間の哀感にもスポットを当て闘牛の新しい魅力をも引きだしている。沖縄の人に育まれ続く闘牛。闘牛を知れば沖縄に生まれたことの喜びが倍加することを本書は教えてくれる。―1989年作品紹介より―」 本書は闘牛の歴史、闘牛の魅力、闘牛発展への課題などがはじめに総論として整理され、「闘牛の知識・用語」では、角の特徴、技、飼育方法から闘牛用語までを丁寧に紹介している。さらにこれまでの闘牛の歴史上のエピソードや名牛・名勝負物語が登場し、最後に全島大会、もう一つの闘牛の地である徳之島での観戦記、世界の闘牛の紹介が続く。名牛物語においては、6年間不敗で41連勝という沖縄闘牛界に輝く金字塔をうち立てた伝説の名牛「ゆかり号」をはじめ、史上最大の1,200キロ、角の長さが45センチもあったという「荒岩号」など14頭の名牛列伝が数ページにわたり記載されている。これらの名牛が繰り広げる「名勝負物語」は圧巻で闘牛の魅力を存分にあじわう事ができる。 付録として、1962年11月から開かれている「沖縄全島闘牛大会記録」と「ゆかり号の戦歴」の一覧表を掲載。マニアならこれを見ているだけでもわくわくすること間違いなしの1冊が電子書籍として復刻。 著者は沖縄タイムス記者として活躍してきた謝花勝一氏。
  • わたしの沖縄経験―国境のある島にて―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「本書は、ホテル経営に従事するかたわら、あくことのない好奇心、書物を愛する心をリュックに詰めて、ひとびとの出会いを求め行動する著者のフィールド・ノートである。このノートに書きこまれた沖縄の描写は、ともすれば我々が見失いがちな「沖縄のさりげない世界」を照らし出してくれる。しかも、目標を掲げるや、じっくりそれを達成する静かな情熱が著者の底にはあるようだ。ヤマトから沖縄に来て、沖縄をマイペースで観察したところの表現が、本書には充実している。-1987年作品紹介文-」 著者は沖縄都ホテル3代目社長の桑原守也氏。本格的なホテルを沖縄で創業するための主要スタッフとして近畿鉄道から沖縄へやってきた。社長就任の1976年から1988年までの12年間に及ぶ沖縄での「経験」を詰め込んだ一冊が電子書籍として復刻。 本書は「沖縄との出会い」「ホテル経営者として」「沖縄雑感」「本をめぐる楽しみ」「離島めぐり」「ペリー提督の料理の再現」「台湾をめぐる話題」という7つの経験から構成されている。中でも『ペリー提督の料理の再現』では1853年ペリー艦隊が琉球に来航した時、旗艦サスケハナ号において琉球側高官を招き振舞われた豪華な料理を見事に再現していく過程が描写されていて興味深い。この時再現された料理は1987年にアメリカ海軍長官が沖縄を訪問した際、沖縄都ホテルでのパーティーで提供された。海軍長官はペリー提督が琉球から贈与された梵鐘を戦争により多くの文化財を失った沖縄に寄贈するために訪れており、このペリー料理は沖縄側の感謝の気持を表すために役立ったという。 付録として「ペリー提督料理のメニュー」と「ペルリ来朝歓迎宴料理献立」を巻末に掲載。
  • 沖縄の県民像―ウチナンチュとは何か―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第10弾。 「沖縄の地域作りを進めて行く場合、いうまでもなくその主役、主体は沖縄の県民である。その主役、主体であるウチナンチュのメンタリティーを見極めながら、沖縄らしい特性を活かした地域作りはいかにあるべきか、この問題をめぐってさまざまな議論がかわされている。本書は、こうした課題に応えるべく、六人の研究者がそれぞれの視点、方法を持ち寄って、「ウチナンチュとは何か」を追求した共同研究の成果である。「ウチナンチュ入門」ともいうべき内容になっている。「沖縄」を考えるテキストとしても有用であろう。-1985年作品紹介文-」 沖縄ほど自己の県民像が日常的に話題になる社会は他にはないのではなかろうか。県民はみずからの実感をこめて自分たちの特徴を語ることが多いのである。そして、自己と他の人々(たとえばヤマトンチュ=本土日本人など)との対比もしきりに話題になる。 本書は沖縄地域科学研究所が、真栄城守定所長を中心に5人の委員を迎えて、「沖縄の県民像―80年代を主体的に切り拓くために」として復帰10年の年に共同執筆したものである。 沖縄の「世代わり」をどう意識しているか、南米の県出身移民のウチナンチュとしての意識はどうかなどを分析することにより、県民像の要点と特質を端的にまとめている。「テーゲー主義」、本土体験とUターン、出生率の高さ、夜型社会と風俗営業の状況、ユイマールや模合など、県民の行動様式の諸相を例示して、ウチナンチュの特徴を紹介。復帰40年の節目の年に新たに電子版あとがきを追記した電子復刻版。
  • 南海の歌と民俗―沖縄民謡へのいざない―
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    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第9弾。 「南島文化の中で、歌の占める位置は大きい。今や民謡界は百花繚乱の様相を呈している。だが、その割には意外とこの分野のわかりやすい文献は少ない。 著者は沖縄本島、宮古、八重山にとどまらず、早くから斬新な視点で奄美の列島弧をも結ぶべく、琉球文化圏全体の追及を強調、その先駆的役割を果たす。本書ではその地道なフィールドワークの経験から奥深い歌の生態、南島歌謡の歴史と広がりを生き生きと活写。各章とも示唆に富む論述やエピソードに満ち、沖縄民謡の貴重な案内書として、その役目を大いに果たすことであろう。―1985年の紹介文より」 著者は琉球民謡・しまうた研究家の仲宗根幸市氏。「しまうた文化研究会」を結成して奄美から八重山に及ぶ琉球弧の民謡(しまうた)を丹念に、徹底的に調査・収集してその成果を発表し続けたが、2012年不慮の事故で他界。「民謡は情報伝達にも広く利用された。民謡は生まれるべき地に生まれる。生活に根ざしてこその民謡である。民謡は雑草の中に咲いた野の花である。それが鉢に移植され、ハサミを入れられて床の間に飾られたら民謡の特色である郷土性、土の香りを失うのは当然である。普遍的な民謡は歌い続けられ、精神文化まで昇華する」これは著者の持論であった。20数年の時をへて仲宗根氏への追悼文を追記した電子復刻版。

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