海外文学作品一覧

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  • オペラ座の怪人
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    夜ごと華麗な舞台が繰り広げられる世紀末のパリのオペラ座。だが舞台の裏では大道具主任の首吊り死体が発見され、公演中の天井のシャンデリアが落下する惨事が起こり、おまけに主役の歌姫が舞台から忽然と消え去るという奇怪な事件があいつぐ。座中で最近うわさになっていた「幽霊」のしわざではないかと誰もが疑心暗鬼になった。だが果たして真相は? 愛する歌姫を追ってオペラ座の奈落の底へ分け入ったシャニイ子爵が出会ったのは、この世ならぬ哀切な愛の姿だった。数々の映画化、ミュージカル化で話題をさらったルルーの傑作長編。
  • アイヴァンホー(上)
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    中世イギリスのサクソン人とノルマン人の対立を背景に描かれた恋と冒険の騎士道絵巻。サクソンの郷士セドリックの子アイヴァンホーは、サクソン王アルフレッドの後裔であるロウィーナ姫に恋して父の意向に反し、勘当される。彼はノルマン人リチャード獅子心王の臣として十字軍に加わるが、リチャード王の弟ジョンは、兄王の外征中に王位をねらう。アイヴァンホーとリチャード王はひそかに帰国して、王位を守る。義賊ロビンフッドも力を貸した。ジョンと金融上のつながりを持つユダヤ人アイザック、およびその娘レベカも登場、レベカは負傷したアイヴァンホーを看護し、恋におちる。だが、最後にはセドリックの勘当も解け、アイヴァンホーはロウィーナ姫と結婚する。
  • スウィム・トゥー・バーズにて
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    のらくら者の大学生の語り手が執筆中の小説の主人公トレリスは、二十年も部屋にこもりきりの作家である。トレリスは自分が創造した作中人物を同じホテルに同居させ、監視下においているが、作中人物たちは自分の意志をもち作者の支配を脱して動きだし、物語は錯綜をきわめていく。小説の中の小説という重層的な語りの中にアイルランドの英雄伝説や大学生の日常を盛り込み、瑞々しい活力に溢れた豊饒な文学空間を創造した傑作。
  • 革命の研究
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    ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキンによる作品。
  • クラリモンド
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    テオフィル・ゴーチェによる作品。
  • アーサー王物語
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    アルフレッド・テニソンによる作品。
  • スリーピー・ホローの伝説 故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
  • 陶淵明伝
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    官界をきらい、野にあって酒を愛し、自由を謳った陶淵明。伝説に彩られ、日本でもファンの多い大詩人だが、著者は「淵明のこころのゆたかさが、かえってにが手」と語り、また「矛盾を矛盾のままに表白しているのが、淵明の文学」と書く。野心に満ちた乱世、意に染まぬ仕官、挫折、帰郷。平坦ではない人生において、淵明は何を表現したのか。本書はこの稀代の詩人と正対し、主要作品の味読を通して、平静な言葉の裏にひしめきかげろう複雑で濃厚なものに眼を凝らし、その文学世界と生涯に迫る。「閑情の賦」「陶淵明詩の訓話」「燃焼と持続」の関連論考3篇を併録。
  • 霊訓 前編
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    ウィリアム・ステイントン・モーゼスによる作品の前編。
  • 霊訓 完全版
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    ウィリアム・ステイントン・モーゼスによる作品の完全版。
  • ドイル傑作集 全8巻 合本版
    値引きあり
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    ホームズ生みの親によるアイディアを凝らした短編集、全8巻をまとめた合本版!<収録タイトル>1)『ドイル傑作集(I)―ミステリー編―』2)『ドイル傑作集(II)―海洋奇談編―』3)『ドイル傑作集(III)―恐怖編―』4)『ドイル傑作集 ボクシング編』5)『ドイル傑作集 冒険編』6)『ドイル傑作集 海賊編』7)『ドイル傑作集 クルンバの悲劇』8)『ドイル傑作集 失なわれた世界』
  • ガラス玉演戯(上)
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    ガラス玉演戯――学問と、美の崇拝と、瞑想という三つの原理の融合――の名人ヨーゼフ・クネヒトの、芸術的香気の高い理想郷カスターリエンにおける活躍と現実世界でのさまざまな苦悩とを描いて、戦争と雑文的文化に明け暮れる二十世紀文明に対する反極として構成された、ヘッセの芸術と知恵との最高の結晶。上巻。
  • 杜甫全詩訳注(一)
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    1~4巻2,090~3,190円 (税込)
    中国盛唐期を生きた杜甫。「詩聖」と仰がれ、「詩仙」李白とともに中国文学史上最高と称される詩人は、中国のみならず日本や周辺諸国の文化に大きな影響を与え続けている。日本を代表する漢文学研究者による、最新の研究成果をふまえた平易な現代語訳に語釈を添える完全書き下ろし杜甫詩全訳注。本巻は、杜甫の青年期から安史の乱にかけての作品を収録。
  • ロレンザッチョ
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    メディチ家の暴君アレクサンドル。放蕩の手先を務め腹心となって主君の暗殺を企てる従弟のロレンゾ。義妹チーボ侯爵夫人へのアレクサンドルの恋を利用して権力を握ろうとするチーボ枢機卿……。謎に満ちた暗殺事件を、二人の若者の間に交錯する権力とエロスを軸に描いたミュッセの代表作。日本で初めて上演(1993年)してから23年。満を持して完全版の新訳での刊行!
  • ラングドンシリーズ【12冊 合本版】 『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』『ロスト・シンボル』『インフェルノ』
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    『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』『ロスト・シンボル』『インフェルノ』。大ベストセラー作家ダン・ブラウンが新作を刊行するたびに世界中の話題をさらってきた、人気主人公、ラングドン教授シリーズ。宗教象徴学者・ラングドンが、次々襲いかかる巨大な謎と陰謀、世界の秘密に迫る! レオナルド・ダ・ヴィンチ、イルミナティ、フリーメーソン、そして……。今度の謎は何だ!? ※本電子書籍は、『天使と悪魔(上)(中)(下)』『ダ・ヴィンチ・コード(上)(中)(下)』『ロスト・シンボル(上)(中)(下)』『インフェルノ(上)(中)(下)』を1冊にまとめた合本版です。
  • ウィガン波止場への道
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    イングランド北部の炭鉱町ウィガン。1936年、オーウェルがこの労働者の町を訪れたとき、不景気と失業がひろがっていた。炭鉱夫たちと生活をともにしながらオーウェルは、彼らの顔貌を独特な身体感覚のもと丹念に書きとめていく。ここは、中産階級下層の彼の階級意識が決定的に試される場所となった。たとえば、「労働者階級には悪臭がする」。社会主義への支持を表明しながら、越えられない階級間の「ガラスの間仕切り」。彼はこの違和感を、あえて率直に表明する。声高に語られるドグマではなく、人間らしい生活、すでに中産階級からは失われてしまった生活様式への愛が、未来を考えるひとつの指標として提示される。20世紀ルポルタージュの嚆矢。
  • ラーマーヤナ(上)
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    1~2巻1,100円 (税込)
    古代インドのサンスクリット語による大叙事詩。詩聖ヴァールミーキの作と伝えられる。ガンジス川の中流に位置するコーサラ国の首都アヨーディヤーを統治するダシャラタ王は3人の妃によって4人の王子を得た。長男のラーマは魔類を滅ぼすためにヴィシュヌ神が人間に化身したものであった。王は長男ラーマに王位を譲ろうとしたが、継母のカイケーイーは、自分の産んだバラタを王位につけ、ラーマを14年間追放するよう王に迫る。ラーマはそれを知ると、自ら森に入った。妻のシーターと弟のラクシュマナも彼に従った。王が亡くなると、バラタはラーマを連れ戻しに行くが、拒絶されたので、ラーマのサンダルを玉座に置いて、王国を守りつつラーマの帰国を待った。ラーマはダンダカの森において有害な羅刹(らせつ)を退治したので、羅刹の王ラーヴァナは彼を憎み、かつシーターの美貌に魅了され、彼女を略奪して、自分の王宮に幽閉した。ラーマはラクシュマナと共にシーターを救出しに出かける。この救出劇の詳細がラーマーヤナの主筋である。途中、ラーマは猿王スグリーヴァの窮地を救ったので、神猿ハヌーマンをはじめとする猿軍の支援を得て、ラーヴァナの王宮がランカー島にあることをつきとめる。ラーマは猿軍とともにランカーに渡り、激戦につぐ激戦のすえ、ついにラーヴァナとその配下の悪魔たちを殺し、シーターを救出する。1年間ラーヴァナの王宮に幽閉されていたシーターは、身の貞潔を証明するために火神を念じながら火の中に入り、火神はシーターを抱きあげてその身の潔白を証言し、ラーマに手わたす。ラーマは彼女を伴ってアヨーディヤー市に凱旋し、王位についた。「ラーマーヤナ」はヒンドゥー教の聖典とされて後代の文学と思想に多大な影響を与え、インド国外でも、ジャワ、マレー、ミャンマー、タイなどの文化に強い影響を及ぼし、中央アジアから中国や日本にも説話として伝えられた。表紙絵はタイ、バンコクの「ワット・プラケオ(エメラルド寺院)」にある大壁画の一部である。
  • マゼラン
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    私は大自然に対して最初に戦いをいどんだ、あの大航海時代の人々のことをもっとくわしく知りたいと思った。そのなかで、ただ一つだけがこの上なく私を感動させた。それは、世界探検史上、もっとも大規模な事業を果たしたと思われる男、すなわちフェルディナント・マゼランの偉業であった。彼は五隻のとるに足らぬ小帆船でセビーリャから出航し、全地球を一周した――おそらく人類史上もっともすばらしいオデュッセイアと言えるであろうが、堅い決意を抱いて出帆した265名の男たちのうち、わずか18名のみが朽ちはてた船に乗って故郷へ帰りついた。そこに彼の姿はなかったが、その船のマストには偉大な勝利の旗が高くかかげられていた。
  • 風と共に去りぬ(一)
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    アメリカ南部の大農園主の父と、フランス貴族の血をひく母のあいだに生まれたスカーレット・オハラは16歳、魅惑的な顔だちで、青年たちの心をとらえていたが、火のように激しい気性の持主でもあった。彼女が秘かに思いを寄せていたのは、うぶでけがれを知らぬ青年アシュレだった。その彼が従妹のメラニーと婚約したと知って驚くが、自分が打ち明けさえすればと、たかをくくっていた。野外パーティの日、彼女はアシュレを図書室につれこんで愛を打ち明ける。だが、アシュレは彼女をうけ入れようとはしなかった。スカーレットは彼を罵倒し、半狂乱になって彼の頬をなぐる。ところがこの一幕をレット・バトラーという男に見られてしまう。誇りを傷つけられた彼女はアシュレヘの面当てと復讐じみた気持ちから、彼の妹の恋人でありメラニーの兄であるチャールズと結婚してしまう。折から南北戦争が勃発、スカーレットの怒涛の人生が幕をあける……。刊行と同時にベストセラーとなり、今もなお熱烈に読みつがれる壮大な愛のドラマ。
  • エロティカ・アンソロジー
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    1巻2,640円 (税込)
    隠然と咲き誇る英国十八世紀ポルノの世界 近代小説の古典を生み出した英国十八世紀は同時にあまたのポルノをも生み出した時代であった。 英国文化に造詣が深く、『ファニー・ヒル』の新訳でも知られる小林章夫氏が、詩や小説、地誌や講演の体裁を取った作品など幅広く選び出し、英国十八世紀文学の多元的な世界を紹介する。 日記作者サミュエル・ピープスは言う、「真面目な人間として、一度は目を通しておくのも、この世の邪悪さが分かって、損ではない」。
  • 世界の名作を読む 海外文学講義
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    時を超え、世界中で読み継がれる文学の古典は、21世紀を生きる私たちにとってなお身近な感覚や切実な問いを突きつけている。 『ドン・キホーテ』『罪と罰』『ボヴァリー夫人』『失われた時を求めて』などの大作から、チェーホフやカフカ、メルヴィルの短篇まで、フィクションを読む技法と愉しみを知りつくした4人が徹底解説。 放送大学でロングラン9年の大人気講義に原典の名訳・新訳を交えて再構成した、海外文学案内の決定版。 ※本書には、紙版の第16章に収録されている下記3作品の抜粋は、版権上の理由により収録されておりません。   イタロ・カルヴィーノ『魔法の庭』 (和田忠彦訳)   イタロ・カルヴィーノ『楽しみはつづかない』 (和田忠彦訳)   イタロ・カルヴィーノ『ある夫婦の冒険』 (和田忠彦訳)
  • ヴェニスに死す
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    ドイツのノーベル賞作家トーマス・マンが描いた美少年への同性愛と死。初老の著名な作家アッシェンバッハが旅の途中ヴェニスのホテルでポーランドの美少年を見つける。端麗無比な14歳の少年タッジオ。彼は長い蜜色の髪、神々しいギリシャ彫刻のように高貴で完璧に美しかったその少年に恋した作家は予定を延ばしホテルに滞在し続ける。ルキノ・ヴィスコンティにより映画化された作品。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • トウェイン完訳コレクション 〈サプリメント1〉ちょっと面白い話
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    ハバナのある博物館に行くと、クリストファー・コロンブスの頭蓋骨が二つある。「一つは彼の子どもの頃のもので、もう一つは大人になってからのもの」なのだそうだ――。文豪マーク・トウェインの本質とも言える、ユーモアと風刺に満ちた短編を、トウェイン翻訳の第一人者である大久保博が腕によりをかけて選りすぐり翻訳した傑作集! 大げさなホラ話やたわいのない馬鹿話、笑い話の裏に、ユーモアセンスでは並ぶ者がいないと言われた文豪の深い人間洞察が行き届いている。どの一編にも人間社会の鋭い警句が満ちた必読の書。 ※本作品は一九八〇年二月、旺文社より刊行された文庫「ちょっと面白い話」を改題し、加筆修正したものです。 カバー:アラン・オウドル(Alan Odle, 1888-1948)『1601』より
  • 社交意識
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    本書はモームの手になる短編集Cosmopolitansの中から23編を収録している。他の6編は弊社刊行のモーム短編集「誘惑」に収めてある。この短編集はモームがアメリカの雑誌の「コスモポリタン」に依頼され、雑誌の見開きで完結する物語をシリーズとして書いたもの。「ここに集められた話をいちどに全部読むとすれば、たいへん退屈するかも知れないが、ほかに何かもっとましなすることがないようなとき、折りにふれて、手にしてみてほしい」ここには作者の矜持がみてとれる。
  • 書物袋
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    本書には、短編集『阿慶(アー・キン)』に収められた、「書物袋」と「この世の果て」の2編を収めた。これらは「南海もの」と呼ばれるモームの一連の作品群にふくまれる。数回にわたる南海への旅行はモームに多様な人間と接する経験をさせ、文明社会ではなかなか期待できない赤裸々な人間の姿に接する体験を得させた。「ああした熱帯地方にあっては、人間はそれぞれの特異性癖を、他の土地にあっては想像できないほどの程度にまでたっぷり発展させる機会を与えられる」『阿慶』に添えた序文のなかで、モーム自身はこう説明している。
  • 悲しきカフェのうた
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    アメリカ南部のさびれた田舎町のカフェで起こるエピソード。カフェの女主人ミス・アメリアは、男のような力を持ちながら、ひどい斜視の持ち主だが、ふとしたきっかけから肉体的畸型児であるせむし男に愛情を抱く。だが、かつてつかのま夫にしたことのある無頼漢で前科者のマーヴィン・メイシーと肉弾相打つ決闘を試みて、あげくの果てには、愛するせむし男そのものに裏ぎられて敗北してゆく。象徴的なトーンは、今日の人間の心の孤独、現実の世界にとりつく島も容易に見出せぬ人間の悲しい状況である。
  • アンリ三世とその宮廷
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    一般に日本でのフランス・ロマン主義の研究は手薄だが、なかでもアレクサンドル・デュマについての研究は皆無に等しい。デュマと言えば『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』といった大衆娯楽作品の印象が強く、また数知れない代作者を使ったという理由で悪名も高い。また、その作品の全体について正確な総数すらわからないほどのいわば濫作者であったからよけいに始末が悪いのかもしれない。いったいどれだけ作品を出版したのだろうか。 カルマン・レヴィー出版社が1920年に出したアレクサンドル・デュマ作品総カタログによる作品分類は以下の如くであった。 (1)歴史小説および歴史研究128作品218冊 (2)小説、短編、個人伝 41作品、64冊 (3)回想録、閑談九作品、11冊 (4)少年少女物語五作品、6冊 (5)旅行記十八作品、35冊 (6)戯曲66作品25冊。以上合計271作品、359冊 アレクサンドル・デュマ協会のウェブサイトでは325作品がリストされている。また、個人のデュマ愛好家が作っているサイトによれば、すべての作品を取り混ぜて688作品としている。 「誰もが皆デュマの話は聞いたことがあるし、彼の作品の何冊かは読んだことはあるが、彼の才能の大きさを意識している人はごく少ない。『アンリ三世』から一夜明けた日の彼の栄光はたくさんの妬み屋のしつこい中傷をひき起した。彼らの言を信じれば、デュマは先人を剽窃し、代作者たちに自分の作品を書かせた無知無学の人間ということになるだろう」(フェルナンド・バッサン) 「『アンリ3世とその宮廷』を研究した人間はデュマの公式が一挙に分かる。彼はまことに多様な戯曲を書く。ところが本質的なものは最初の戯曲『アンリ三世』にある。つまり、民衆的な登場人物、地方色、変化、アクション、情念があるのだ。」(イポリット・パリゴー)この戯曲は、デュマ最初の本格的な五幕散文ドラマであり、スタンダールの理想の実現でもあり、ヴィクトル・ユゴーの『エルナニ』に先立つこと1年、ロマン主義演劇の最初の勝利を獲得した記念碑的作品でもある。 時は1578年7月20日のことである。フランス国王アンリ3世の母、フィレンツェから亡き国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスと占星術師ルッジェリは、アンリ3世の寵臣サン=メグランがギーズ公爵の夫人に恋い焦がれていることを利用して、サン=メグランとギーズ公爵の両方から気弱な国王への影響力をそごうと画策する。カトリックとユグノーの殺し合いの宗教戦争の只中で、後にアンリ4世になるナヴァール王アンリを加えて3アンリの戦いと言われる時代である。ルッジェリは眠り薬で眠らせたギーズ公爵夫人とサン=メグランを引きあわせて二人が両思いであることを悟らせる。 新教徒に対抗するカトリック同盟の盟主に自らなって、次期国王の座も狙おうとするアンリ・ド・ギーズのカトリック同盟に盟主の任命という性急な要求に、ブロワの三部会まで待てと諭すアンリ三世。事態は切迫していると反論するギーズ公。甲冑で登場したギーズ公が弾丸が飛んで来ても正面で受けてみせようと豪語するのを、サン=メグランが吹き矢筒でボンボンを命中させる。怒りに燃える両者の間で決闘が決まる。 怒りに任せたギーズ公爵は鉄の籠手で青癒ができるほど夫人の腕を締め上げ、無理強いにサン=メグラン伯爵をギーズの館におびき出す偽手紙を口述させる。 一方、宮廷ではカトリック同盟の盟主の任命決議に入り、「余の権威において余自身を盟主と宣言する」と自ら盟主になることを宣言したアンリ3世。ギーズ公爵はカトリーヌ・ド・メディシスに何事か訴えようとするが、アンリは早く署名せよとダメ押しをする。第1の企みは失敗に終った、埋合せはつけてやる、憤怒のなかで署名するギーズ公の前で会議の閉会が告げられる。 半信半疑でギーズ公爵夫人の元に忍んできたサン=メグラン伯爵は来ないようにと祈る夫人の声を手がかりに部屋までたどり着く。危機一髪で部屋から逃げ出したサン=メグランは待ち伏せした手のものに暗殺される。公爵が最後の台詞を吐く。「よし!さあ、家来の始末はつけた、今度は主人の番だ!」 劇場が興奮のるつぼであった。臨席していたオルレアン公爵は名前も知らない自分の使用人が詩人として聖別されるのをきいたのである。こうしてアレクサンドル・デュマはフランス演劇史にみずからの名前を深く刻んだのである。
  • モルグ街で起こらなかったこと または起源の不在
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    1巻330円 (税込)
    第4回創元推理評論賞を受賞。探偵小説研究会会員でもある著者が、史上初の推理小説と言われる『モルグ街の殺人』の著者でもあるアメリカを代表する文豪、エドガー・アラン・ポオの作品に迫る評論!(必要上『モルグ街の殺人』『盗まれた手紙』の犯人やトリックに言及しておりますので、読まれる方はご留意ください)
  • チェーホフ 七分の絶望と三分の希望
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    1巻2,607円 (税込)
    チェーホフとは何者だったのか? 不幸な子供時代、チェーホフをめぐる女たち、ユダヤ人問題、狂気と牢獄、世紀末ロシアのオカルト信仰、革命、喜劇問題、サハリン、病――ロシア・ポーランド文学の第一人者が、世界的短篇作家チェーホフの文学とその知られざる素顔を、新資料を駆使して描く新しいチェーホフ論。
  • 新編 日本の面影【全2巻 合本版】
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    代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で合計21編を新編集。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの新訳決定版。 はじめに 東洋の第一日目 盆踊り 神々の国の首都 杵築――日本最古の神社 子どもたちの死霊の岩屋で――加賀の潜戸 日本海に沿って 日本の庭にて 英語教師の日記から 日本人の微笑 さようなら 弘法大師の書 鎌倉・江ノ島詣で 盆市 美保関にて 日御碕にて 八重垣神社 狐 二つの珍しい祭日 伯耆から隠岐へ 幽霊とお化け 思い出の記 小泉節子 ラフカディオ・ハーン略年譜 ※本書は「新編 日本の面影」「新編 日本の面影 II」の2冊を合わせた合本版です。
  • マリー・アントワネット(上)
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    神聖ローマ帝国皇帝妃マリア・テレジアの娘マリー・アントワネットは、15歳でフランス王ルイ16世に嫁ぐ。彼女はヴェルサイユの薔薇と咲き誇り、王国に君臨する。宮中には陰謀が渦巻き、数々のスキャンダルに巻き込まれるが、真実の恋人フェルセン伯が登場していっときの安らぎを得る。だが足下には革命の激流が迫っていた!
  • 響きと怒り
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    フォークナーは全く予備知識を与えぬまま読者を白痴ベンジーの意識のなかに連れこむ。そしてその錯乱の意識を通りぬけた読者は第二部で再び意識の流れの激しい屈折に戸惑う。しかし第三部、第四部では次第にこの作品の主題と意味が明らかにされてゆく。この作品は現在と過去との交錯がいちじるしい。とくに一部、二部はそうであり、たとえば第一部ではベンジーの意識が現在の知覚から過去へ移るときにはたいていイタリック体で書き表わされているが〔訳文では【 】で囲った〕、同じ技法が第二部でも用いられている。そしてこれら錯綜する時間と映像の下に、登場人物の心にとって意味の深い出来事が埋められているのである。米国南部社会の醜悪で陰惨な人間心理を描写し、『響きと怒り』は二十世紀の傑出した小説のひとつと評価される。
  • 我が名はアラム
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    新天地を求めてアルメニアからアメリカに移住してきたガローラニヤン家のアラム少年。いたずら好きの彼が悪友たちと起こす騒動の数々。貧しいけれども純粋で無邪気だった幼き日々を、愛と笑いとペーソスで彩った14編からなる名作短編集。サローヤンをみずからの文学の出発点として共感した三浦朱門氏による翻訳でおくる。
  • 心は孤独な狩人
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    舞台はジョージア州のうらぶれた工場町。人々は無気力な状態にある。主人公の唖(おし)で聾(つんぼ)のシンガーは、同じく唖のアントナープロスと共同生活をおくり、思慕を寄せるが報われない。そのシンガーに、多感な少女ミックはほのかな思いを寄せるが、当のシンガーは少女の思慕に気づかない。またそのミックに、ニューヨーク・カフェの主人ビフ・ブラノンは年甲斐もなく愛情を感じているが、ミックは彼を気味悪く思うばかり。作中人物はそれぞれが《報われざる愛》の連鎖関係のなかに生き、そこに解決はない……魂の孤立を透徹するまなざしで描ききった20世紀アメリカ文学の代表的古典。
  • ギリシア悲劇全集
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    アイスキュロスの「テーバイを攻める七将」「縛られたプロメテウス」「アガメムノン」など7点、ソポクレスの「アンティゴネー」「オイディプス王」「コロノスのオイディプス」など7点、エウリピデスの「メデイア」「ヒッポリュトス」「トロイアの女たち」「タウリケのイピゲネイア」「エレクトラ」「アウリスのイピゲネイア」「バッコスの狂信女たち」など19点を収録。
  • ナプキン・ノート Napkin Notes
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    もしも突然、わずか数年の余命宣告を受けたら、 残された時間、あなたは家族のために何をしますか ――? 妻リッサと愛娘エマと暮らすガースは、毎朝娘のお弁当を作るイクメンパパ。 お弁当の袋に、「その日のひと言」を書いた紙ナプキンを忍ばせてエマを送り出すのが日課だ。 だが、エマが12歳になった年、ガースに腎臓がんが見つかる。翌年には前立腺がん。さらに腎臓がんも再発……。そしてついに医師より余命宣告を受ける。 彼がエマの高校の卒業式を見届けられる確立は、わずか8%。 この命が尽きるまでに、彼女に伝えたいことをすべて伝えることができないかもしれない……。 ガースは決意する。たとえ自分に何があったとしても、エマが高校を卒業するまで「1日1枚」、 彼からのメッセージを受け取れるようにしておこう、と。 余命宣告を受けた父が紡ぐ、愛する娘へのメッセージ
  • 三銃士 上中下合本版
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    時は17世紀のパリ。ルイ13世の治世。花の都で一旗あげようと希望に燃え、意気揚々と上京してきた青年剣士ダルタニャン。3人の銃士、アトス、ポルトス、アラミスにひょんな行き違いから決闘を申し込まれるが……。固い友情で結ばれた4人の男が、悪玉リシュリユー枢機卿らの企みに挑む! あわや身の破滅かと思われた王妃の危機、謎の妖女ミラディーの陰謀――。フランスとイギリスをまたにかけ、ダルタニャンと三銃士が縦横無尽に駆け巡る! 恋と冒険に彩られた、生き生きと躍動する義侠心に満ちた男たちの物語! 読み継がれるのには訳がある。本当に面白い冒険物語が合本版で登場!
  • レ・ミゼラブル
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    若い時分にやむをえぬ事情で盗みを働いたジャン・ヴァルジャンは牢獄で長年の刑期を務める。 40歳を過ぎて出所した彼は、とある司教との出会いを境に心を改め、まったく新しい人生を歩み始める。 薄幸の美女ファンテーヌを救えなかった彼は、ファンテーヌの娘コゼットと出会い――。 フランス近代文学の最高傑作と名高いヴィクトル・ユゴーの長編小説を美しいイラストで電子書籍化。 ●表紙イラストについて● 2015年 夏の代々木アニメーション学院 学内イラストコンクール 携帯小説表紙イラスト部門で 最優秀賞を受賞した応募作品を、ゴマブックスがタイアップし表紙に採用しました。 【著者プロフィール】 ヴィクトル・ユーゴー 1802年 フランス東部のブザンソン生まれ。ロマン派の詩人・作家として成功し、政治家としても活躍。 1885年パリにて死去。
  • 春の嵐
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    主人公クーンは少年時代、そりの事故を契機に失恋して不具となったときから、音楽家として立つことを志す。そのなかで永遠の女性ゲルトルートを見出したように思ったが…それはあっけなく、友人で情熱家の歌手ムートンの手に奪われてしまう。心傷つきながらも、クーンは諦観の境地にいたる。青春の彷徨の物語。
  • サテュリコン
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    古代ローマのネロ帝時代、主人公エンコルピウスと友人のアスキュルトス、2人のあいだを往来する美少年の奴隷ギトンの3人が、地中海の港町を何かの罪の意識に追われながら彷徨する。これにさまざまの猥雑な人物、情景がからまり、頽廃のローマを垣間見させる物語。ただし現在残るのはごく一部である。第二部「トルマルキオの饗宴」は、当時のローマの風俗と淫蕩ぶりを描いて、なかでも有名。
  • 三文オペラ
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    ロンドンの大泥棒メッキは当地の乞食界を牛耳る大物ピーチャムの一人娘ポリーとひそかに結婚する。ピーチャム夫婦はメッキを葬ろうと画策し、警視総監ブラウンをけしかける。だが、ブラウンとメッキは裏でつながる仲だった。メッキは売春婦の裏切りで入獄するも、ブラウンの娘ルーシーの助けで脱走、だが再び売春婦の裏切りで捕まり絞首台へ。最後の土壇場でメッキは国王の恩赦で釈放、貴族に列せられる。英国のジョン・ゲイの「乞食オペラ」をもとに作曲家クルト・ヴァイルとの協力で完成したこの作品で、ブレヒトの名は一躍世界に知られることになった。この翻訳は現代の生きた日本語を駆使してつくられた現代を反映する新訳である。
  • 誘惑
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    「読ませる小説」の技術と良心をもち、人間の魂を描きつづけたイギリス文学の巨匠の短編集。「昼食」「蟻とコオロギ」「約束」「ルイーズ」「物知りさん」「察しの悪い女」の6短編と、モームの短編のなかでは最も長いものの一つ「誘惑」を収めた。
  • 赤毛
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    星くずのように島々が散在する南太平洋はモームの好む舞台である。この文化果つるところで文明への郷愁に狂う西欧人「マッキントッシュ」、可憐な現地民の娘との美しい恋も、島を離れてみれば美しい自然が生んだ幻想でしかなかった「赤毛」、この2編の他に「エドワード・バーナードの堕落」を収めた。
  • 知られざる傑作
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    一つの作品に打ち込む老画家の十年にわたる執念が狂気にまでいたる経緯を描く「知られざる傑作」。この作品は、世代の異なる画家3人をパリに集めて出会わせ、具象と抽象という造形芸術の永遠の問題をうきぼりにしてもいる。重厚な描写とあわせてバルザック特有の「軽み」にも意をもちいた改訳版である。併録した「ピエール・グラスー」は「知られざる傑作」の幻想的な雰囲気とは異なり、リアルな物欲・名誉欲にかられる人物たちをコメディー・タッチで描く。画家を主人公としたこの2作は、いわば能楽と狂言のような関係にある。後者の主人公は贋作作家であるが、当代注目されている公式肖像画家をモデルにしており、芸術と金銭・権力との関係に興味のある人には必読の書。両作ともに、豊富な参考画像と当代の事情を明らかにする詳しい解説を付した。
  • 法王庁の抜穴
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    「ローマ法王が、秘密結社によって誘拐され、地下の回廊をへだてたサン・タンジュの城に監禁された」。奇怪な風評を巡り、男たちが動き出す。法王救出を理由に詐偽を働く百足組のプロトス、多額の遺産を手にしながら意味なき殺人を犯すラフカヂオ、キリスト教に改宗した科学者アンチム、作品の不評に強い不満を持つ作家ジュリユス。人間の行為の底にひそむ偶然と必然の問題が明快に描き出される。フランスのノーベル賞作家アンドレ・ジイド、1914年の作品。
  • 無関心な人びと
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    モラヴィア21才のときの処女作。出版と同時に、イタリア文壇未曾有といわれる反響を呼び、一般読者からも熱狂と興奮とで迎えられた。だが、この作品は、一部の顰蹙と反感をも買い、のちにカトリック教会によって禁書とされた。以下の紹介文がすべてを語る。「モラヴィアはスタンダールのごとく偏見がなく、観察鋭く、非感傷的・人間的であり、まとに貴重な現代作家の一人である」(ニューヨーク・タイムズ)、「非常に刺激的で、異常な本…モラヴィアはあらゆる可能性を秘めている作家だ」(ニューヨーカー)、「これほどの問題作はない…一読をおすすめする」(パリ・マッチ)
  • 魔女の呪い
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    村の農場主が二度目の妻を迎えたが、花嫁の腕にみにくいあざができ、みるみる悪化していった。手を尽くしたが効なく、思いあまって村に棲む魔法使いの老人のもとを訪れると、死刑直後の犯人の首に患部をあてると治るという。折よく機会を得て彼女は刑場へと出かけていった。だが、そこに待ち受けていたものは……。この「魔女の呪い」のほか、南イングランドに伝わる迷信、呪術、生き霊などを織り混ぜながら、ハーディ的テーマといわれる運命に弄ばれる男女の悲劇を描く。他に「三石塔殺人事件」「三人の見知らぬ男」など4篇を収録。
  • 死の診断
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    ホーヴァー氏が避暑に借りた家は、かつて人の寿命を確実に予見できる医学博士が建てたものだった。ある晩のこと、書斎にかけてあった博士の肖像画が抜け出してきてホーヴァー氏を指さした……。この「死の診断」のほか、「壁の向こうで」「死人谷の夜の怪」「アウル・クリーク鉄橋の出来事」など怪奇短編15篇を収録。ポーの再来といわれ、痛烈な諷刺と諧謔を交えた「悪魔の辞典」で有名なビアスが、人間の心理の中に分け入って描く斬新な怪奇小説ワールド。
  • 紅はこべ
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    いまやフランスの支配者は民衆! 栄華を誇った王侯貴族はみな国家の叛逆者なのだ……老若男女子供を問わず、ギロチンの刃は連日犠牲者を追い求める……恐怖に駆られた貴族たちを救うべく、ドーヴァーの彼方イギリスから謎の秘密結社「紅はこべ」が神出鬼没の活動を展開する。首謀者は果たして何者なのか? サスペンスとミステリー、恋と冒険とが渦まく、古典ロマンの代表作。
  • セビーリャの色事師と石の招客 他一篇
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    一七世紀のスペインに生まれ、漁色放蕩の典型的人物として世界文学に籍を得た「ドン・フアン」は、モリエール、モーツァルト、バイロン……など、多くの芸術家によって変奏されてきた。表題作は、スペイン黄金世紀の劇作家による、その文学的源泉。筋立てがより複雑な代表作の一つ「緑色のズボンをはいたドン・ヒル」を併収。

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  • 赤いくつ
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    児童向け名作古典童話のアンデルセンシリーズより、赤いくつが電子書籍になりました。短編で読みやすく、ちょっとした時間にも読める作品ですので、是非お手に取って頂ければと思います。
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  • トウェイン完訳コレクション ハドリバーグを堕落させた男
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    ハドリバーグは誠実で高潔な町。その立派な評判はこれまで一度として汚されたことがなく、親子三代近くにもわたって続いていた。町の住人はそのことを誇りに思い、他に持っているどんな宝ものよりも自慢していた。しかし、一人の男の怨みをかってしまったために、この町始まって以来の危機が訪れる。男は周到に準備し、町中一人残らず丸呑みにし無傷ではおかないような計画を練った。その恐るべき狡猾な計画とは、そして、清廉潔白な町ハドリバーグの運命は……?! サスペンスタッチで人間の表と裏の顔を描き出す、マーク・トウェインの真骨頂。入手困難な作品が、大久保博の名訳で蘇る! 他では読めないKADOKAWA電子書籍版トウェイン完訳コレクションならではのとっておきの一作。本書は訳し下ろしです。
  • 家なき子 上下巻セット
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    8歳のルミは優しいお母さんと幸せに暮らしていましたが、たいへん貧乏だったのでお父さんがケガをした時、捨て子だったことを知らされ、旅芸人の一座に売られてしまいます。しかし親方は意外にもやさしくて、ルミにいろんなことを教えてくれます。困難なことや苦労な目に逢いながらハラハラしますがルミは乗り越えていきます。かわいそうなルミはどうなってしまうのでしょう。はたして本当のお母さんに出会えるでしょうか。感動の物語。上下巻セット。
  • 家なき子 上
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    8歳のルミは優しいお母さんと幸せに暮らしていましたが、たいへん貧乏だったのでお父さんがケガをした時、捨て子だったことを知らされ、旅芸人の一座に売られてしまいます。しかし親方は意外にもやさしくて、ルミにいろんなことを教えてくれます。困難なことや苦労な目に逢いながらハラハラしますがルミは乗り越えていきます。はたしてルミはどうなってしまうのでしょう。
  • イザベラ・バードのハワイ紀行
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 130年前のハワイ王国にタイムスリップ!キラウエアの火口、ワイピオの渓、マウナロア、ハレアカラ…イザベラの驚くべき冒険を通して、「常夏のエデンの島」の魅力とその実情を知る。
  • アリストパネス傑作選(1)
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    アリストパネス(446年頃~385年頃BC)は古代ギリシア、アテナイ出身の劇作家で、喜劇作家、風刺作家の代表として知られる。 ギリシア喜劇は彼の時代に最盛期をむかえ、彼の死とともに衰えた。生涯に44作の喜劇を書いたが、現存するのは11作である。どの作品においても、当時の実在の人物を取り上げ、奔放な想像力と構想力で時代を風刺するのが特徴で、過激な笑いを提供した。この第1集には「蜂」「平和」「鳥」の3編の代表作を収録した。
  • 銀塊の海
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    第二次大戦の末期、貨物船トリッカラ号は密かに大量の銀塊を積んで、ソ連からイギリスに向かっていた。船長ハルジーは暴風雨に乗じて銀塊の略奪を計画、仲間数人を残して乗員を漂流死させ、船は沈没したと発表した。同船の生存者バーディー伍長と砲手バートは軍事法廷で反抗の罪に問われる。二人はトリッカラ号沈没の謎と船長の犯罪を糾弾するべく、脱獄する。嵐の北海を舞台に、無実の罪を晴らそうとする男と、船に隠匿した銀塊の奪還を企てる男たちの死闘の物語。
  • ツァラトゥストラはこう語った
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    「超人」と永劫回帰と価値の転換を主張する哲学的叙情詩。ゾロアスター教の始祖ツァラトゥストラは「ついに神は死んだ」と叫び、ふたたび人間のなかに帰り、宗教的な厭世主義を否定し、地上を讃美し生を肯定して「人間は征服するために生まれ、かつ生きる」と説く。
  • オズの魔法使い
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    カンザス名物の大竜巻に家ごと運ばれたドロシーは、見知らぬ土地にたどりつき、頭にわらの入ったかかし、心臓がないブリキのきこり、臆病なライオンたちと出会う。故郷カンザスに帰りたい一心のドロシーは、変わった仲間たちと、どんな願いもかなえてくれるというオズの魔法使いに会うために、エメラルドの都をめざす……世界中で愛され続ける魔法と冒険がいっぱいの物語。
  • ここではお静かに
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    おなじみの野球もの「ハーモニー」「相部屋の男」「でっちあげ」のほか、「キャディの日記」「一族再会」「コンラッド・グリーンの一日」「ここではお静かに」「冷たい女が好き」のヴァラエティ豊かな5短編、「ブルペンにて」「トムプスンの休暇」の短い戯曲2編、最後に「短編小説の書き方」というおどけた短編集の序文をいれて、ラードナーの多彩さを盛り込んである。
  • 悪の花
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    頽廃の美と反逆の熱を謳って象徴詩の世界に「新しい戦慄」(ユゴーの言葉)を創造した「罪の聖書」と呼ばれる詩集。近代人の「神曲」ともいわれる本詩集は、怪奇、極悪、陰惨の世界を妖しい美の人工楽園のように描き、展開する。本書は杉本秀太郎氏がボードレールの詩集から61編を選んで訳したものである。
  • チャタレイ夫人の恋人(上)
    -
    コンスタンスチャタレイ夫人は、第一次世界大戦で半身不随となり、不能者となった夫との空虚な生活にあきたらない。だが、ある散歩の朝、たくましい邸内の森番メラーズと出会い、自然の美しさに目ざめ、情熱がよみがえってくる。そして二人はいつか素朴な肉体愛のうちに人生の真の幸福を発見する。正しい肉体の意味を知った男女両性間のやさしさの哲学を説き、文明に毒された人間の結び付きを否定する……作者が生涯貫き通した生命主義の思想を究極までおし進めた結果がこの作品に結実した。
  • 雨

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    「雨」はモームの短編の代表作。魔窟から魔窟へ流れ歩く年増女のただれた魅力。情欲に狂う水夫と現地人の女たち。雨季のサモア島を舞台にくりひろげられた宣教師と娼婦との霊肉の闘争は、予想外な結末を告げた。他に心にくい短編の技巧を見せた「ホノルル」、《東南アジアの植民地もの》の「東洋航路」を収める。
  • 人間的要素
    -
    モームの短編集『一人称単数』First Person Singular, 1931 から選んだ「ジェーン」「人間的要素」「美徳」の3編を収録する。どれも男女関係、結婚を扱った作品で、「幸福」の質にもいろいろなレベルのものがあることがテーマになっている。
  • 十二人目の妻
    -
    モームの短編集『一人称単数』First Person Singular, 1931 から選んだ「創作衝動」「変り種」「十二人目の妻」の3編を収録する。どの作品にも、独自の人間観察眼が光っている。
  • サンダリング・フラッド
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「サンダリング・フラッド(引き裂く川)」にへだてられた少年と少女。ある日何者かにさらわれてしまった少女を求めて、少年は魔剣を手に故郷をあとにした-北欧文学に影響を受け、愛と友愛精神を描いたモリスの遺作。
  • 紅楼夢 1
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 口中に玉をふくんで生まれた貴公子と美女たちが織りなす、妖しくも華やかな恋物語。数多の「紅迷」を生んだ世界文学史上の傑作、第一人者による改訳・決定版。全12巻。
  • ギリシア詩文抄
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ホメロス、サッポオからプラトン、アリストテレスまで、叙事詩、抒情詩から宇宙論、博物誌まで、古代ギリシア文明の詞華が一堂に会する、イデアとイメージの宝庫。解説=中井久夫
  • トウェイン完訳コレクション ハワイ通信(上)
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    1866年、サクラメントの新聞記者としてカメハメハ五世治世下のハワイ王国に渡ったトウェイン。駿馬「オアフ」号を道連れに、島内探索に出かけたが……。知られざる王国の姿を文豪トウェインならではの視点で綴ったユーモア溢れるハワイ紀行! イラスト・図版を多数収録した決定版。 ※本作品は一九八三年八月、旺文社より刊行された文庫「ちょっと面白いハワイ通信」を改題し電子書籍化したものです。
  • トウェイン完訳コレクション マーク・トウェインのバーレスク風自叙伝
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    奇想天外、抱腹絶倒! 文豪マーク・トウェインのリドル・ストーリーの傑作との呼び声高い、一風変わった作品集。追いはぎ・辻斬り・ペテン師などなど……、自らのユニークな祖先のビックリ仰天の伝記を語る表題作ほか、自分の娘を男に仕立て、兄公爵の相続人にしようとする陰謀と、その悲劇的結末を描く「最初のロマンス――恐ろしき、悲惨きわまる中世のロマンス」、そして、「西部の無法者 ジャック・スレイド」、「食欲治療所にて」、「秘伝 上手な話し方のコツ」を収録。充実の解説を付した決定版!
  • シェークスピア「ベニスの商人」の金貸しシャイロックは悪人か。10分で読めるシリーズ
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    10分で読めるミニ書籍です(文章量6,000文字程度=紙の書籍の12ページ程度) 「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」をコンセプトに個性あふれる作家陣が執筆しております。自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。是非、お試しください。 まえがき 「ベニスの商人」の金貸しのシャイロックは、貿易商人アントーニオに大枚の金を貸す。そして担保も利子も取っていない。ただ証文には、金を返せない場合、「借主の胸の肉一ポンド切り取る」と書かれ、その条件で契約を交わす。 借主の船が難破して、期日までに金が返せなくなると、金貸しのシャイロックは裁判所で証文を振りかざし、胸の肉を切り取ろうとする。裁判官も許可するが、ただし「肉は切り取っていいが、血は流してはいけない」と、知恵を働かして借主のアントーニオを救うというのが、大体の粗筋。 シェークスピア物語の「絵本」などでは、この肉を切り取ろうとする場面が紹介されている。この絵では、金貸しのシャイロックが悪相で剣を振りかざしている場合が多い。ひどいのになると、ニヤニヤ笑った変質者のように書かれている。だから、シャイロックは悪人のイメージを持たれるのだ。 歴史的には、シャイロックが悪人一辺倒に描かれていたが、ヒットラーのユダヤ人迫害で、シャイロックが被害者として描かれるのが流行となったのである。 果たして、シェークスピアはシャイロックを悪人として登場させたのだろうか。それとも被害者か。 シェークスピアは善悪で人間を描くような単純なことはしていない。
  • トウェイン完訳コレクション 王子と乞食
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    素直でやんちゃな乞食のトム・キャンティと利発で思いやりあふれる英国皇太子エドワード。ある日二人は出会い、戯れに衣服を交換すると、王子は乞食として追い払われ、乞食は王子と誤解される羽目に……。なんとか宮廷生活をこなしながら、家族が恋しくてたまらないトムと、無慈悲な世間に驚きつつも、かわらず威張り調子のエドワード王子。やがて国王の崩御によって、トムは王となり、慈悲深い名君としてあがめられる。そして王子は連れの浮浪者とともに捕らえられ、牢獄で窮地に立たされることに。二人に待っている結末とは――?! 子供の姿を通して富と貧困と心の尊さの根源を説く、児童文学の先駆者としてのマーク・トウェインの傑作!
  • 死骸盗人
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    冒険小説「宝島」で知られるスティーヴンスンは、同時に「ジーキル博士とハイド氏」など多くの怪奇小説を著した。本書にはそれらの中から、表題作をはじめ「ねじけジャネット」「マーカイム」「声の島」「びんの小鬼」など創意工夫にあふれた変化に富む8作品を収めた。
  • 自殺クラブ
    -
    「われわれは人生がただの舞台に過ぎないことを知ってます。われわれは役に興味を感じる限り、舞台の上で道化役を演じ続けるんです。…死にたいという至極もっともな望みを持ってるのは、あなた方とぼくだけだなんて思わないで下さい。…世間に騒がれずにわずらわしいこの世を去りたいと思ってる人たちのために作られたのが自殺クラブなんです」……巧みな語り口の短編集。
  • トーマス・マン短編集1
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    肉体と精神、普通人と芸術家を対立的な存在とみて、そこに現出するさまざまな表情をとらえたマンの短編集。この巻には、「幸福への意志」「幻滅」」「小さなフリーデマン氏」「道化者」「トビーアス・ミンダーニッケル」「衣装戸棚」「ルイスヘン」「トリスタン」の8編を収録。
  • シッダールタ
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    シッダールタとは釈尊(仏陀)の出家前の名前である。本作はヘッセにおける「東洋の心」の結晶であり、深いインド研究と詩的直観の融合から生まれ出た。若き日の仏陀の求道者としての歩みを、格調高い文体で描き、みずからの精神のありかを明らかにしている点で、ゲーテにおける「ファウスト」に比べられる。
  • テネシー・ウィリアムズII 地獄のオルフェウス
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    大竹しのぶ、三浦春馬、水川あさみ、三田和代、ほか出演で上演中! 5月31日(日)まで東京・Bunkamuraシアターコクーン、6月6日(土)~14日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホール/アメリカ南部の田舎町。病気で伏している雑貨店店主ジェイブを夫とするレイディ。二人の夫婦生活に、もはや愛はない。ある日、この町に現れたのは、蛇革のジャケットにギターを持った若い男ヴァル。レイディは野性味あふれるヴァルに惹かれ、希望を見出す。レイディが手にした愛の代償とは……。ギリシャ神話の英雄オルフェウスの話をもとに発表した『天使の闘い』の改作戯曲。マーロン・ブランド主演で映画化もされ、話題に。
  • リンバロストの乙女 合本版
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    リンバロストの美しい森の端に住む、優しく賢い少女エルノラ。優秀な成績で高等学校を卒業したエルノラは、ある日、療養のためにリンバロストの森を訪れた名家の青年フィリップと出あい、惹かれあう。しかし、彼にはすでに許嫁がいた。この作品を誰よりも愛した村岡花子の名訳で贈る。 ※本電子書籍は、「リンバロストの乙女 上・下」の合本版です。
  • ネールの塔 五幕九景ドラマ
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    『三銃士』(ダルタニアン物語を含む)や『モンテ・クリスト伯』を始め『王妃マルゴ』、『モンソローの奥方』、『黒いチューリップ』などの小説で世界的な文学者となったアレクサンドル・デュマは、最初、劇作家としてデビューしたという事実は意外に知られていません。今回、デュマの劇作品の中でも傑作の呼び声が高い『ネールの塔』をお届けします。フランス王妃とビュリダンとの権力と知力の戦い、尊属殺人、嬰児殺し、近親相姦、恐るべき人倫の蹂躙を舞台にのせた作者の勇気と革命と戦争を通じて権力に潜む非人間性を知ったためにそうした表現を受け入れることができた観客を感じていただければ幸いです。 ネールの塔にまつわる歴史は次のようなものでした。 中世の物語、特にネールの塔の伝説的な物語は当時流行であった。史実では、女王マルグリット・ド・ブルゴーニュ(1290-1315)と義妹のブランシュは、それぞれフィリップ・ドルネとゴーティエ・ルネという兄弟を愛人にし、モービュィッソンの修道院で逢い引きをしていた。1314年、四人は密告されてルイ強情王と呼ばれたLouis Xの命令で全員逮捕された。一人の若者は尋問によって自白(しかし、裁判の一切が秘密であったために、すべて憶測の域を出ない)し、拷問の果てに死んだ。1315年4月のことであった。1322年、女王は、伝説の語るところでは、1315年4月30日王の命令によりシャトー・ガイヤールで絞殺されて死んだ。ブランシュは1322年解き放たれ、僧籍に入り、モービュイッソンの修道院に赴いて翌年そこで死んだ。この姦通を手引きした端役たちは死刑か、または逃亡した。さらに二番目の義妹ジャンヌは一旦告発されたが、身の潔白を証明することに成功した。これがこの事件にたった2頁しか割いていない同時代人のド・ナソジの『年代記』の継承者が教えてくれるすべてである。ネールの塔がフィリップ美男王の嫁たちの放蕩三昧(ほうとうざんまい)の本山であり、一夜限りの愛人の死体を翌朝セーヌ川に投げ落とさせたという、これといった根拠もない一つの伝説が生まれたのはかなり古いことである。これらの情夫のうちビュリダンなる人物が問題である。事実、ビュリダンという人物はどこにも見当たらないうえに、さらにもっと可能性が薄いのはパリ大学の総長であった哲学者ジャン・ビュリダン(1290-1358頃)がマルグリット・ド・ブルゴーニュの愛人であったということである。様々な伝説がジャンヌ・ド・ブルゴーニュあるいはマルグリット・ド・ブルゴーニュとの関係を彼に負わせ、その二人のどちらかが(ヴィヨンが書いているように)彼を袋に入れてセーヌ川に投げ入れ、そのために死んだかどうかは様々な異本がある。ブランドームはその『艶婦列伝』のなかで有罪の女王のことには触れることなく、ネールの塔における王家の血みどろの乱痴気騒ぎの伝統について言及している。  これを題材にしてフレデリック・ガイヤルデという若者が脚本を書きました。着想はよかったが、劇場に上げるまでではなかった原案をロマン主義演劇の傑作に仕上げたのがアレクサンドル・デュマでした。熱狂をもって受け入れられた『ネールの塔』はその後、著作権を巡るガイヤルデによる執拗な訴訟が作者2人の死後まで続く因縁の作品でもあったのです。『ネールの塔』に付けた解説では、この問題を詳細に説明しています。お楽しみ下さい。
  • クリスマスキャロル
    -
    守銭奴のスクルージは人間嫌いで他人からも嫌われている老人。クリスマスの夜、三人の精霊(幽霊)達がスクルージに過去、現在、未来の自分を見せる。スクルージは過去を思い出し反省し、未来の自分の孤独な死を恐れ、目覚める。一夜にして生まれ変ったようにスクルージは世の中の全てが素晴らしいものと気付く……。何度も映画化された作品。読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • コリオレーナス
    -
    ヴォルサイ人との戦いで都コリオライを陥落させたローマの将軍ケイヤス・マーシャスは、コリオレーナスの尊称を与えられる。だが、執政官に推薦されても市民に媚びるような慣例を拒み、ローマを追放される。かつての英雄は、ヴォルサイ人の将軍で宿敵のオフィーディアスと手を結び、祖国ローマに侵攻する。だが、この企てを知った母ヴォラームニアの泣き落としのまえに、独断で和平をむすぶ……シェイクスピア最後の悲劇。
  • 怒りの器
    -
    「南海もの」といわれるモームの短編集の総決算『阿慶(アーキン)』から「密林の足跡」「機会の扉」「怒りの器」の3編を収録。「私の観察によると、いかなる場合でも、善人と悪人との間には、世の道学者流が私たちに信じさせようとしているほどの違いは、ないように思われる」と書いたモームの姿勢がよくうかがわれる。
  • 白夜
    -
    ロシアの都ペテルブルクに出てきて以来、友人が一人もできず、夢想的で孤独な生活を送る青年が、神秘的な白夜のある晩、橋のたもとで一人の少女とめぐりあう。青年は少女に淡い恋心を抱き、逢瀬のたびに気持ちは高まる。だが、その想いは蜃気楼のようにはかなく散ってしまう。ヴィスコンティによって映画にもなったドストエフスキーの初期短編名作。
  • ダブリン市民
    -
    「私の意図は自分の郷土のモラルの歴史の一章を書くことでした。私がその場面にダブリンをえらんだのも、この都会が私には麻痺の中心に思われたからです。私はそれを無関心な世人に、この都会がもつすがたを子供時代、青春期、成熟期、公生活の四つの面のもとに示そうと試みました。作品はこの順序で配列されています」…この自分の短編集に寄せたジョイスの言葉がすべてを物語る。15編からなるジョイス文学の出発点。
  • 帰郷(上)
    -
    クリムは英国の大学を出てパリに行き、宝石商として成功したが、貴婦人の虚飾にへつらう商売がいやになり、愛する郷里エグドン荒野で、学校を開こうと考えて帰ってくる。そこに待ち受けていたのは女神のように気ままで誇り高いユーステイシアだった。クリムは母の猛反対を押し切って結婚する。だが、ユーステイシアにはワイルディーヴという密通の相手があった。クリムの母の死をめぐるいさかいから二人は別居し、沈むユーステイシアはワイルディーヴの誘いに乗ってパリへ脱出を図るが……全体はギリシア悲劇の様式にならって、長い物語は1年と1日で終止符を打つ。立ち読みに取り上げた冒頭はエグドン荒野の描写の一端で、深く暗いながらも崇高な永遠性をもつ物語の背景が的確に描写されている。
  • 魔の山(上)
    -
    1~2巻1,430円 (税込)
    ハンブルク生まれのハンス・カストルプはアルプスの山中にあるサナトリウム「ベルクホーフ」で7年間の療養生活を強いられる。その間、ロシア婦人ショーシャに愛を寄せ、理性による文明の進歩を信ずる民主主義者のイタリア人セッテンブリーニと、独裁によって神の国を実現しようとするユダヤ人ナフタとの、決闘にまで立ち至る壮大な論争に巻き込まれる。また、精神の世界に対して感覚的な生の世界を代表するオランダ人ぺーペルコルンからもハンスは深い感銘を受けるが、ペーペルコルンは自殺し、ショーシャも山を去る。雪のなかの彷徨で感じた至福感を胸中に抱きながらも、ハンスは突如として襲ってきた大戦に勇躍参加する選択をする。トーマス・マンの代表作。
  • The Rime of the Ancient Mariner
    -
    1巻220円 (税込)
    英国の傑作長編詩『老水夫行』を現代によみがえらせる新訳。暴風雨、氷山の海からの生還、吉兆の海鳥の殺害と復讐、幽霊船と赤い唇の女、光り輝く水蛇、太陽や月や星々を巻き込み大海原で展開されるハラハラどきどきの叙事詩。
  • [新装版]全訳「武経七書」1 孫子 呉子
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    1~3巻1,980~2,200円 (税込)
    人は、組織はいかに生きるべきか? ビジネスに、人生に役立つ「戦略」の古典をいま読み直す。 ロングセラー待望の新装版。 「武経七書」のうち「孫子」「呉子」を収めた第一巻。 全てに現代語訳、読み下し文、原文つき。
  • アントニー 5幕散文ドラマ
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    アレクサンドル・デュマの最も一般的な略歴は以下である。 1802年フランスのヴィレール・コトレ生まれ。 19世紀フランスを代表する作家の一人。幼少よりラテン語、古典文学を学び、17歳で『ハムレット』を観て劇作家を目指す。20歳でパリに出た後、『アンリ三世とその宮廷』、『クリスティーヌ』の大成功によって劇作家としての地位を得る。その後も数多くの劇作を発表し続けるが、フランス・ロマン派の影響を受け、徐々に歴史小説に移行する。1844年、「ル・シエークル」誌に連載された『三銃士』が爆発的な人気を得た他、『王妃の首飾り』、『黒いチューリップ』などの大作を世に送り出す一方で、革命に積極的に参加するなど当時のフランス国内に多くの影響を与えた。晩年はフランス、ベルギー、ドイツ、オーストリアなどを転々としながら創作活動を続け、1870年、ピュイの別荘にて死去。 主な作品は、『三銃士』、『二十年後』、『モンテ・クリスト伯』、『王妃マルゴ』、『王妃の首飾り』、『黒いチューリップ』など多数。 もちろん、フランス文学史がロマン主義を避けて通ることができないかぎり、デュマに触れないわけにはいかないが、ヴィクトル・ユゴー、アルフレッド・ド・ミュッセ、アルフレッド・ド・ウ゛ィニーなどと比較すると、デュマは明らかに挿話的な扱いしか受けないのが普通である。しかし、2002年11月、ついにアレクサンドル・デュマの亡骸が国葬としてパリのパンテオンに移され、国民作家の列に加わったのだ。  一般に日本でのフランス・ロマン主義の研究は手薄だが、なかでもアレクサンドル・デュマについての研究は皆無に等しい。デュマと言えば『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』といった大衆娯楽作品の印象が強く、また数知れない代作者を使ったという理由で悪名も高い。また、その作品の全体について正確な総数すらわからないほどのいわば濫作者であったからよけいに始末が悪いのかもしれない。いったいどれだけ作品を出版したのだろうか。 カルマン・レヴィー出版社が1902年に出したアレクサンドル・デュマ作品総カタログによる作品分類は以下の如くであった。1)歴史小説および歴史研究128作品218冊。2)個人伝41作品、64冊。3)回想録、閑談9作品、11冊。4)少年少女物語5作品、6冊。5)旅行記18作品、35冊。6)戯曲66作品25冊。以上合計271作品、359冊(若干数の作品は重複の可能性がある)。シャルル・グリネルの『アレクサンドル・デュマとその作品』ではカルマン・レヴィー版全集で298作品142巻という数字を出している。Webサイトで検索すると688作品がリストされていて、270作品とか289作品とかをはるかに超えた多作家であることは間違いがない。ジャンルも小説、伝記、回想録、おとぎ話、旅行記そして戯曲と多彩である。 ≪Elle me resistait, je l’ai assassinee!....≫ 「俺を拒んだ、だから殺したのだ!」 有名なこの幕切れの台詞と共に、愛人アデルを殺した暗い目付きの主人公アントニーは、1831年以後しばらくの間フランスの若い世代を席巻した。1831年5月3日ポルト・サン・マルタン座で初演された『アントニー』は、当時の上演事情から見ると異例としか言いようのないほどの連続上演記録を作った。「このドラマはパリで連続131回上演された。内訳はポルト・サン・マルタン座で100回、オデオン座で30回、イタリアン座で1回である。そればかりか、またフランス中で巡回公演され、その年1831年は非難ごうごうであったが、1833年から1837年までは大成功を収めた。 今日のわれわれから見るといささか大時代なこの姦通劇が、どのように着想され、どうしてこのような熱狂的な反響をもたらしたのであろうか。
  • 上代漢詩文と中國文學
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    1巻13,200円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『懐風藻』、『三教指歸』、勅撰三集に関する論考を収録。浅学の出典論を軸とする比較文学的考察に加え、修辞技巧、作品構造の分析を通して上代知識人の営為に迫る。
  • 台湾における道教儀礼の研究
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    1巻14,850円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 道教とは何か。現代の儀礼をとおして探究する。仏教・儒教および民間信仰が並立するなか、民衆の宗教的欲求に柔軟に対応してきた道教。道教を道教たらしめている特質、核心的要素とは何なのか。現地調査で得た道教儀礼の実例を、豊富な写真とともに検証する。
  • 陶淵明像の生成 どのように伝記は作られたか
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    1巻1,870円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 俗世を超越した高潔な生き方で敬愛された詩人の謎に包まれた人生を史実を追いながら、明らかにする。
  • 唐詩の光彩
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    1巻2,136円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 唐代は詩の黄金時代であり、中でも盛唐の詩壇は豪華を極めている。唐代の代表的詩人である王維、李白、杜甫、白楽天の生涯をたどり、その作品を解説。中国文学を愛する人に。84年刊「唐代文学の研究」の改題。
  • 論語 新装版
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    1巻1,650円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人類の古典、東洋のバイブル、論語。原文、読み方、通釈、語釈・語法、参考と、論語の世界がわかりやすく、本書によって開かれる。必読本!
  • 唐代散文選
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    1巻1,320円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 唐代の代表的散文及びその周辺の文学作品を精選、採録した。李華二編、元結二編、柳宗元七編、韓愈六編、総計12名、26編より成る。本文にはすべて返り点を施し、最小限の注を示した。特に敦煌文書より採録した「張議潮変文」は西域文学の学習上、重要。
  • 唐代詩選
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    1巻1,980円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 唐約三百年間こそは詩の極盛の時代であり、その最も華麗を極めたのが、李白・杜甫・王維・白居易といった詩人たちである。本書では、彼等他、唐代を代表する59名の代表作(絶句、律詩、古詩)292首を収録。各々最小限の注を施した。「詩のきまり」他、作者小伝等を付載。
  • 史記・十八史略演習
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    1巻990円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 史記より「四面楚歌」他九篇(参考三篇)、十八史略より「臥薪嘗胆」他七篇、資治通鑑より「蘇武徙北海上」、日本外史より「平氏滅亡」他六篇、計二十九篇を精選、採録し、本文全てに返り点を施した。各篇冒頭には、懇切丁寧な解説を配し、中国史書入門の縁とした。

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