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-「旅に出ると一気に川柳モード」になる、無類の川柳好き・旅好き・写真好きの著者による川柳日記。単に感動だけではない自らの旅の失敗談や家族との楽しい会話、旅で出会った魅力的な人々との交遊を、抜群の描写力で赤裸々に臨場感たっぷりにユーモラスに五七五で詠み上げる。国内はもとよりチェコ、カナダ、チュニジア、ハワイ、バルト海、台湾など旅行先は多彩で、読者が居ながらにして世界旅行をした気分になれるお得感たっぷりの一冊。東京みなと番傘川柳会、番傘川柳本社、前橋川柳会等で活躍中。序文は真島清弘氏、表紙絵・イラストは石沢優氏。 三時半夜逃げのような旅に出る ハネムーンと聞かれてそうだとも言えず お別れの抱擁僕も大胆に 島に名を書いておくれよエーゲ海 電子辞書シシャモ間違いかも知れぬ 高額のクルーズ妻はよく寝てる ドルユーロクローネ円とややこしい ご主人は昼寝ですかと聞くボーイ 有り金を妻に渡して帰路につく 日本海僕の裸をご覧あれ
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-神話には日本人のすべてがある。 大自然、魂、そして祈りの原点がある。 「神話を大切にしない民族は滅びる」といわれます。しかし神話は「戦後教育の最大の忘れ物」ともいわれています。 20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮、60年に一度の出雲大社の大遷宮を機に、忘れてはいけない日本人の源流を訪ねてみました。 神話といっても、難しい話ではありません。本書には、乱暴者だったり、色恋に夢中になったりと、実に人間味豊かな神様たちが多く登場し、躍動します。 感受性豊かな祖先が築き上げた素晴らしい日本を、もっともっと好きになる一冊です。 連載時より大評判だった産経新聞「日本人の源流 神話を訪ねて」が待望の書籍化。 加筆、再構成され、読みやすくなりました! 目次 第一章 古事記・上巻 「戦後教育の忘れ物」ともいわれる神話の意義を見つめ直す 第二章 古事記・中巻 初代神武天皇から十五代応神天皇の足跡をたどる 第三章 古事記・下巻 十六代仁徳以降の天皇の徳ある政治と人間像を追う 第四章 物語を彩る神々 古事記が描く神話には、脇役ともいえる神々が登場する 第五章 出雲からの視点 神話の三分の一は出雲が舞台。ここから見た古事記はどんな意味を持つのか 第六章 ヒメたちの物語 古事記に登場する女神やヒメ。現代人の琴線に触れる女性の物語を読み解く 第七章 天地を結ぶ地・伊勢 式年遷宮で新たな生命を宿した伊勢に日本人の価値観の原点を探る 第八章 技を伝える 古事記には、ものづくりに関する記述も多い。技術の原点を考察する 第九章 物語から歴史へ 古事記と日本書紀、その性格の違いから神話の記述が異なる意味を考える
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4.0七一三年の官命によって編纂された「風土記」。全国各地の産物や土地、神話などを記す古代の貴重な資料である。その地誌としての性格をふまえ「風土記」を読み解けば、日本人に通底する心のありようが見えてくる。 【目次】 はじめに 第一章 「風土記」とはなにか 第二章 「風土記」の時間 序 説 第一節 「風土記」の時間認識 ―「古」「昔」「今」― 第二節 神の歴史 ―オオナムチ神話の国作り― 第三節 天皇の歴史 ―風土記巡行伝説― 第四節 祖先の歴史 ―「祖」「初祖」「遠祖」「始祖」「上祖」の世界― 第三章 「風土記」の空間 序 説 第一節 神話の空間認識 第二節 里長の役割と「里の伝承」 第三節 巡行伝承の空間的再配置 第四章 「風土記」からみた日本文化 序 説 第一節 松になった男女の「罪」と「恥」 第二節 天女の追放 終章 「風土記史観」でみた古代の日本 おわりに 引用文献および参考文献
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3.7アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの『モルグ街の殺人事件』(1841年)に始まる推理小説の歴史は、平成28(2016)年で175年を数えます。世界最古の小説といわれる紫式部の『源氏物語』が書かれたのが寛弘5(1008)年ですから、推理小説の175年という数字は、小説の歴史のうえでは決して長いとはいえないでしょう。けれど、名探偵シャーロック・ホームズを創始したイギリスのコナン・ドイルが登場してからというもの、推理小説はイギリスを中心に飛躍的な発展を遂げました。 日本における推理小説は、明治10年代に欧米からもたらされたところから歴史がスタート。明治26(1893)年頃に翻訳物、創作物合わせて一つの頂点に達したのち、停滞期を経て、大正10(1921)年に横溝正史が『恐るべき四月馬鹿』を、翌11年に江戸川乱歩が『二銭銅貨』と『一枚の切符』を発表すると、活況を取り戻しました。以来、推理小説は戦時中の10年ほどの空白を除いて発展の一途をたどり、その勢いは今日まで続きます。 一方、1830年、イギリスに誕生した鉄道は、明治5(1872)年にそのイギリスの指導を仰いで新橋~横浜間で開業して以来、大正時代には旅行の大衆化が一気に進みました。その後、第2次世界大戦で被害にあったものの復興し、昭和39(1964)年には東海道新幹線も開業。日本の経済を時に支え、時に牽引しながらその進展に貢献してきました。そして昭和50年代には国鉄が破綻、民営化されるという経過をたどりましたが、今は再び活気を取り戻しています。本書は、このような推理小説と鉄道双方の歴史と相関関係を踏まえて、鉄道を舞台にした作品、鉄道を主題にした作品などを総称して「鉄道ミステリー」と決め、これはと思われる作品を厳選したうえで時代を追って紹介します。推理小説と鉄道――この二つの相性が抜群によいこともあり、鉄道が重要な要素として、また格好の素材として推理小説に盛んに取り込まれるようになったことは、いわば必然の成り行きだったのでしょう。 ■著者紹介 原口隆行(はらぐちたかゆき) 昭和13(1938)年東京生まれ。上智大学卒業後凸版印刷(株)に入社。 在職中より『鉄道ジャーナル』『旅と鉄道』などに寄稿をはじめ、昭和57(1982)年にフリーに。 著書に『時刻表でたどる鉄道史』『日本の路面電車I・II・III』『鉄道唱歌の旅 東海道線今昔』(以上JTB)、 『イギリス=鉄道旅物語』『イタリア=鉄道旅物語』(以上東京書籍・共著)、 『文学の中の駅』『鉄路の美学』『汽車ぽっぽ最後の時代』(以上国書刊行会)、 『最長片道切符11195.7キロ』(学習研究社)、『ドラマチック鉄道史』(交通新聞社)など。
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-エナジードリンクは、世間的に勘違いされていている飲み物だなと感じています。 その勘違いを解消出来るように、あらゆる情報を1冊にまとめました。 エナジードリンクが安全で美味しい飲み物だという事を、もっと広めたいというのを第一に思い、そして、効果的に飲むためのコツや、美味しく飲むためのコツなど、知っておいてお得な情報も満載です! エナジードリンクファンも、そうでない方でも満足出来る内容になっていると思います! 日本で手に入るエナジードリンクデーターベース・2016年版も収録! 【こんな人にオススメ】 エナジードリンクの事をもっと知りたいと思っている人から、今まで栄養ドリンクを飲んでいたけどエナジードリンクが気になっている人、美味しいドリンクを探している人まで色々な人に満足できる1冊となっています。 【著者プロフィール】 福田慎一郎 1985年、長崎県生まれ。 13年から「日本初のエナジードリンク評論家」として、情報サイト「エナジードリンク評論家」を運営。 雑誌、ラジオ、Twitter等で活動中。 2015年シャークエナジードリンクから「SHARK Ambassador」の称号を得る。 エナジードリンクを飲み色々な事に挑戦中!
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-ユーモア川柳作家として高い評価を得ている著者待望の第三句集。自ら「詠んでも」、自分や他人の作品を「読んでも」川柳は楽しいとかたる著者は一日一句を目標に掲げ、十七音を紡ぎつづけている。 著者の手にかかれば、何気ない日常の「あるある」から、他者には真似の出来ないユニークな視点で句材を拾い上げられ、あっという間にスパイスの効いた川柳が出来上がってしまう。「テレパシー」「新書体」「花見酒」の三章。 《歳聞かれ干支で答えてイケズする》 《百点を取ったらパパの子にされる》 《秋だもの髪も紅葉させなくちゃ》 《手始めにあなたの事を忘れたい》 《叱ってもいいかと孫の親に聞く》 《夕べの蚊ここで会ったが百年目》 《もう朝だ地球の裏で眠りたい》 《早寝早起き良い子になった六十路過ぎ》 《美しい指に見とれている手品》 《東京の砂漠で砂になっている》
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-喜怒哀楽を受け止めてくれる十七音に惹かれて高校生から川柳をはじめ、制服姿で句会に参加していたという著者。その情熱は未だ衰えることを知らず、活動の幅はますます拡がっている。 本書は昭和五十五年頃から三十年間の作品を年代別に編んだ作品群であり、真摯な姿勢で川柳に、人生に向き合う著者自身が一句一句に宿る。読み進めていくと母そして妻、社会の中の一人、書家としての顔、さまざまな著者が立体的に浮かび上がってくる。「母の小旗」「和音」「さくら道」の三章構成。 《塩も砂糖も心配りで煮えている》 《ふともれた本音を聞いた耳の穴》 《ヘナヘナとさせる塩なら持っている》 《あと一歩押せば火がつく導火線》 《あいまいな返事を口の中でする》 《ひらめきを発酵させているごろ寝》 《サイコロは振れぬ告白遅すぎる》 《ころころと転がって来たこれが運》 《ていねいに洗いなかったことにする》 《心電図ほらねやましさなどはない》
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5.0泉鏡花の短編作品の現代語訳。 【収録作】 外科室・夜行巡査・怪談女の輪・蛇くひ・夜釣・清心庵、以上6編 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった… 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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-【あらすじ】 参謀本部でドイツ語の翻訳官を勤める早瀬主税は、師であり恩人でもある文学士酒井俊蔵に秘して、お蔦という芸妓上がりの女と暮らしている。 それが露見する、あるいは既にしたのではないかという心配に加え、新たに生じた懸念は、友人河野英吉と酒井の一人娘妙子との縁談。一族の繁栄のため、娘たちを餌にして婿を釣るような家へなど、断じて妙子はやりたくない―というのである。 そんな鬱屈した気分で薬師の縁日をぶらついている時、早瀬は思いがけず師に出くわし、付いて来いと言われて酒井馴染みの芸者屋へ行った。 そこで恐れていたことが現実となり、娘の縁談を何故邪魔するのだ―という叱責とともに、女を捨てるか、それとも師を捨てるか―という選択を迫られたのであった… 早瀬と、彼を取り巻く女たちを中心に描き出される、絢爛たる人間絵巻の前編。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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4.08世紀に成立したとされる日本最古の歴史書「古事記」。本書は、日本を代表する児童文学者である著者が、「古事記」を子どもにも分かりやすいように物語風にアレンジした『古事記物語』を、現代かな遣いに改め、旧国名の地図や注釈を付して復刊したものである。教訓めいた物語ばかりであった従来の児童読み物を芸術的にも高めていく気運を作り出し、児童文化運動の父とされる著者によって、端正で力強い言葉で綴られたその文章は、大正時代に児童向けに書かれたものであるにもかかわらず、今でも色あせることなく、大人が読んでも十分に楽しむことが出来る。計19の物語を収録し、日本の神話を手軽に楽しめる、古事記の入門書としても最適な一冊。
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-自由と平等、人間賛歌、言霊への畏れ―書家・四井汀花としても活躍する著者待望の第一句集。 ひら仮名を効果的に用いる「やまとことば」の遣い手としても評価が高い著者は、「書にも絵にもそして歌にも、優れた天分を持たれて生きる才媛であり、然してなお生き足りぬ思いの人生を流麗に生きる菅田が彷彿とする」と序文で赤井花城が記すように、静かな面(おもて)に秘める青春、沸々たる内面の激しさを句に託して、一人間としての懐の深さを表現する。 《こぼすまじこのぬくもりのひとしずく》 《一芸を持って人生生き足りぬ》 《限りない優しさ種の無いぶどう》 《ふり向けば支えてくれる手の数多》 《八月の夾竹桃は焔の匂い》 《問い詰めることはするまい男の背》 《恋衣脱ぐたび女深くなる》 《ほうほたる知らずや父と母の恋》 《たまゆらのはかなきことのうつくしき》 《雪月花帰らぬ刻を愛おしむ》
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-日本を代表する結社のひとつ「ふあうすと川柳社」主幹、(一社)全日本川柳協会理事などの要職で活躍する著者の第一句集。 柳歴50年を越える氏の長い創作活動の中で、作者の師である北米川柳界の重鎮・山中桂甫が目を通した1990年頃から約20年にわたる作品が収録されている。 ふあうすとの指針とする「川柳は人間である」を底流に、抒情に富んだ唯一無二の句境に読む者すべてを誘う。 《明け暮れの疾さ心の雨季乾季》 《橋の名と川の名ばかり美しき》 《諦めの数は覚えていない指》 《幻と気付く旅路のさい果てに》 《アヴェマリア耳朶を流れて止まぬ雨》 《かすり傷ばかり知らない間に治る》 《いつからかもう天の川仰がない》 《わが胸の薄墨桜散り止まぬ》 《肩少し触れ今生をすれ違う》 《身一つを賭し守り抜く何を持ち》
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-空に向かって凜と咲く花のように、人生の試練を一つ一つ乗り越えながら、川柳という表現手段において、岩手の地で確かな足跡を残し、後進を育成してきた著者。花巻川柳会会長として活躍する第一句集「秋桜」から20年、待望の第二句集。 著者にとっての「やすらぎ」は、川柳を書くことで得られる心の救い。詠まずにはいられない「吐露することのできる想い」は多くの人を感動へと導く。「今が旬」「癒しのフルコース」「下り列車」の三章構成。 《今が旬あなたの皿に乗ってみる》 《ふところの数珠をまさぐる現在地》 《骨密度まだしばらくは歩けそう》 《笑顔から始まる癒しのフルコース》 《素うどんのように連なる時は人は》 《涅槃図の隅でひっそり臓器授受》 《下り列車なんてやさしい音だろう》 《ももさくら静止画像が動き出す》 《犬かきで進んだ夏をふりかえる》 《目の前にあれば信じてしまう癖》
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-柳歴40余年の香川川柳界の雄が奏でる、格調高い十七音の調べ。 川柳の発展を切実に願い長年指導者として、作家として己を磨きつつ、後継者の育成につとめてきた著者。高い評価を得た平成10年刊行の川柳句集「風花」の掲載作品1200句から、選りすぐりの作品300余句を序・破・急として3章に構成。 18年の時を経て、醸し出された川柳の味を新鮮な心持ちで噛みしめる。 《馬手にペン 弓手に辞書の ごくつぶし》 《雨に泣き 雨に躍りて 農奴かな》 《悲喜劇へ 呼吸も夫婦らしくなる》 《針孔写真機で 虹を撮る 男》 《逃げ水の 彼方に佇っている 女》 《壽と書き 無と書いて 春の酒》 《生涯をかけ ひょっとこの 面を打つ》 《目的がない旅人で 混む 駅舎》 《間違えているかもしれぬ道を急く》 《縺れては解けて どこまで蝶ふたつ》
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-己を信じて、孤高をつらぬく川柳の求道者である著者は、まるで空に向かって高く咲く凌霄花(のうぜんかずら)のように、強くたおやかである。 愛と女、喜怒哀楽、勇気と安心感、ときに諦念や妬心、殺意までのありとあらゆる心の動きや現象を、その研ぎ澄ました感性でするすると十七音に編み上げていく。 時実新子氏に師事し、大阪市生涯学習インストラクターとして活躍中。 《一茎に一花 やっぱり君が好き》 《愛された記憶を探す冬の指》 《返り血は覚悟ゆっくり紅を引く》 《少しずつ忘れきれいになってゆく》 《手を洗う神に許しを乞うように》 《清め塩誰も汚れてなどいない》 《子に頼る父の目尻が濡れている》 《あの世へと続く花火のあとの闇》 《盛大な拍手で送りひとり消す》 《ライオンでありたし今日も明後日も》
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-こよなく人間と酒、そして川柳を愛する著者の、平易な表現に染みこむ穿ちとユーモア。 磨き上げられた人間観察が十七音に活かされ、紡がれる。朝日新聞『朝日なにわ柳壇』への投句からスタートした著者は、現在、川柳塔社や川柳瓦版の会、川柳文学コロキュウムなど関西の錚々たる結社で活躍中。 川柳を楽しみ、時に苦しめられる著者の訪れを、ネオン街が今日も待っている。 《自動改札行きも帰りも裁かれる》 《下り坂登っていると思ってた》 《黄信号人生観を試される》 《飲みなはれあんたの金で好きなだけ》 《角砂糖三個コーヒーとは呼ばぬ》 《あしたにひびく酒ならきっとうまかろう》 《雲一筋空の高さを思い知る》 《かごめかごめ後ろは誰もいなかった》 《あとわずかいつも手を抜く僕がいる》 《ネオンきらきらちょっと漂うことにする》
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3.0井上靖の山と自然にまつわるエッセー集。「氷壁」に関わる文章のほか、今までの紀行集やエッセー集に収められなかった作品を含め、少年期から円熟期まで、全集でしか読むことができない山と自然にまつわるエッセイ。 「氷壁」の舞台・穂高岳への登山、取材記を中心に、少年時代を過ごし「しろばんば」の背景となった天城の自然、海外ではネパールの旅など、文学者ならではの自然観が綴られたエッセー50篇を収録。作家の目が捉えた山や自然風物が作品にどう反映されたのかを探る。 内容: 1.天城の雲 少年時代の原風景について 2.穂高の月 山との出会いと「氷壁」の舞台を訪ねて 3.日本の風景 文学者の自然観 4.作品の周辺 山を舞台とした作品について 「あすなろ物語」「しろばんば」に描かれた故郷・天城によせる思い、「氷壁」の舞台となった穂高岳への山行、さらにはネパール・ヒマラヤへの旅。文学者の自然観と、作品構築に至る思索が表われたエッセー五十篇を収録。自然と旅を背景とした作品の成立過程をたどる。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 入社5年目の食品会社営業部所属の・片山せりな(28)は日々の生活に行き詰まりを感じていた。そんな彼女だが、ある僧侶が薦めてくれた一冊の本との出会いにより人生も仕事も劇的に変わっていくことになる! 主人公の女性営業社員の人生が「徒然草」という本との出会いによって劇的に変わっていく様がストーリーの中に自然と溶け込んでいて思わず作品世界に引き込まれます。マンガde名著に触れながらビジネスや自己啓発本としてのすぐれた面白さも持っていると思います。
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3.5本書は、性愛にまつわる内容に焦点を当てながら、古典文学の魅力に「裏口」から迫る文学入門。『古事記』『源氏物語』、近松に西鶴、さらには近世の奇談集などあまり知られていないものまで、ありとあらゆる性模様が展開される! エロ、グロ、BL、なんでもありの底抜けエロス、フルスロットルの全54篇。『古事記』や『源氏物語』が大らかな性やきらびやかで奔放な恋愛を描いたものであることを知る人は多いでしょうが、そもそも日本の古典文学は、今から見れば「とんでもない」物語の宝庫なのです。異常性愛やストーカー・変質者まがいの人物・出来事はもちろん、動物虐待、幼児虐待、倒錯した愛など、現代のほうがよほどおとなしく見えるような話の数々を、文学史を概観しながら伝えてくれる本書は、現代とは違う価値観の中で、人々がどのように生きていたかを伝えると同時に、「クールジャパン」と呼ばれる日本独自の文化が脈々と受け継がれていることも明らかにします。現代に生き続ける古典、という認識を「学術的」にではなく、「実感として、生きたものとして」感じさせてくれる一冊です。
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-和歌は深読みしてこそ面白いものです。 表面上、季節の移ろいを儚んだ歌と見えても、じつは恋の歌だったり、相手への愛しい思いを詠んだ歌に見えても政治的敗者の未練の歌だったりと、歌に込められた思いの本当の意味は、切実なものだったりします。 初めての人にも分かりやすく読めるルールやコツを紹介し、それから有名な歌を何首かピックアップして、情景が浮かぶようなアプローチの解釈で、和歌をより親しみやすいものに解説した1冊。 【こんな人にオススメ】 「なんとなく和テイストが好き」なすべての男女に。専門書よりも簡単に、ちょっとした笑いや話題造りにもなる軽妙さも持ち合わせつつ、基本ぐらいは知っておきたい、という人にもオススメ! 【著者プロフィール】 北村 美佳子 1976年、秋田県生まれ。ライター。 日本史関連、古典文学を題材とした記事を手掛けることが多い。幼い頃からの読書好き、日本史好きが高じて、日本文学をはじめあらゆる日本史的なものを独学で研究するほどに。古典文学ライターとして2015年より本格的に執筆活動に入る。
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-【あらすじ】 久しぶりに故郷へ戻った帰省者が、その美しい従妹の娘、お町と連れ立ち、昔よく行った蓮池を訪れる途中、北国の冬空らしく、それまで日の当たっていたそこにさっと村雨がかかった。 その雨を凌ぐために入った、土間を奥深く、広々と取った、しんとして暗い、大きな蓮根問屋の縁台で、お町が七輪で焼いた慈姑を肴に麦酒を飲みながら、帰省者は、前々日に泊まった鹿落の温泉で、真夜中、厠の黒い戸の裏側の桟にうねうねと絡む、美しい白い手を見た―と話した。 思わず念仏を唱えるくらいびっくりしたが、何のことはない、ただ先へ入っていた女が、人影が来たので急いで戸を閉めただけのことだ―と続いて説明すると、お町は、鹿落の旅館の、その三つ並んだ真ん中の厠は、取り壊されて今はないはずです―と言う。 そして、ずッと川上の川魚料理の店の、お藻代という女中が、一夜の情事の際の事故が元となり、鹿落の温泉で亡くなった話を語り始めた。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
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-【あらすじ】 ある年、激しい旱魃のあった真夏のこと、北陸の都で、女優を主とした帝都東京の新劇団が七日間の興行をして、湧くような全市の人気を博した。 面立ちの美しく涼しい女優たちの中でも、「一番の明星」と皆に称えられた村井紫玉が、一人でそッと忍び歩きをして、日本三名園の一つに数えられるという、景色の優れた公園で、柳の茶屋という店に憩った。 そこで紫玉は、木陰の暗がりに、空き屋かと思われる、廂の朽ちた誰もいない店と、その軒下の土間の、三味線を背負った乞食坊主を見る。 この情景を目にして、憐れに感じると同時に、忌わしく思った彼女は、指輪を三つも四つもはめた白い指をつッと挙げて、鬢の後れ毛を掻いたついでに、白金の浮き彫りの、白く輝く鸚鵡の釵を抜いて、逆さにして、吸いかけた煙管の脂を取り除いた。 と、坊主が、もぞもぞと肩を揺すり、片目の潰れた青膨れの顔を向けて、じッと紫玉の姿を見たかと思うと、前屈みに、よたりと立って、樹の下の暗がりをたどたどしく下りて来て、はッと紫玉が顔を上げると、既に敷居を越えて、目の前の土間に両膝をついていた。 そして、虫歯が疚いて耐え難いので、まじないとして、紫玉自らの手で、白金の釵を虫歯の穴へ挿し入れて欲しいと乞う。 仕方なく応じた紫玉は、その釵に導かれるように、奇怪な事件へと陥るのであった。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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-【あらすじ】 能役者橘八郎が、久し振りで勤めのため帰郷することとなり、ちょうど京都へ行く用があった私は自然と誘われ、雪国の都を見物しようと、東京から信越線を使って大回りをした。 当地へ着いた晩の九時、すぐに一風呂浴びて、お膳で銚子を一本という、旅では重要なところだが、八郎は私に向かい、…自分を待っていてくれる女があるので、ちょっと顔を見せて来たい…と言う。 八郎がその女、お悦のために、魂に火を点じて、何とか命を消さずに済んだという話を聞いていた私は、ぜひ会ってみたく、彼と連れ立ち、その家である老舗の紅屋へと赴いた。 そこで親しく旧懐を交わしている内、何のきっかけもなかったのに、お悦が、ふと…おひささん…と言い出した。 間もなく知ったが、お久は、生まれてすぐ養女へ遣られた、八郎の実の妹であった― 流派の名を汚すことなく歩んできた能役者としての自負、矜持と激しい求道心、それが元で生じる親類世間との軋轢を、お悦との関係と絡めて織り上げた、一風奇妙な、それでいて爽やかな物語。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった…
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3.5日本の近代文学史上、稀代の私小説作家として知られ、数々のベストセラーを生み出した水上勉の生涯を、実子である無言館館主が書き下ろす、注目の力作。戦前、小説家になることを志し、福井から上京した水上は、食うや食わずの状態で転職を重ねながら、やがてある女性と同棲、彼女は一子を設ける。いろいろな事情で父母は幼な子を他家に養子に出すことになるのだが、その子が著者だったことは、これまで水上の『冬の光景』などに詳しい。一方戦後三十余年を経て、著者は「父」と奇跡の再会を果たす。二十年もかけて実父を捜し歩いた記録はNHKの連続テレビドラマで放映されたこともあり、感動的な物語としてよく知られるところとなっている。早い話、父母から捨てられた形ではあったが、その後著者は「父」を許すどころか、敬意をもって接することとなる。本書は〈わたしは父親の真実を知りたいという欲求におそわれる。その「人」に惹かれる。何とかして、その「人」を知りたいと思う〉という著者の強い意欲がもたらしたもので、丹念な資料収集や作品の精読はもとより、何よりも「父」との対話を通じて、評伝を超えた評伝としての姿を見せている。
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3.0NHK連続テレビ小説「あさが来た」のもうひとりの主人公ともいえる五代友厚。 英国との関係を独自に築いた彼は、幕末期を薩摩の志士として駆け抜け、明治維新での薩摩藩の功績に大きく貢献した。 明治になってからは、造幣寮・大阪商法会議所・大阪株式取引所の設立、鉱山や紡績所の経営、英和辞典の刊行、大久保利通をはじめ政府要人を仲介した大阪会議での奔走など、明治の元勲や財界人との交流を通じて、経済的地番沈下の激しかった大阪を商都として立ち直らせた経済人として名を残している。 そんな五代友厚の生涯に、「あさが来た」に登場する時代背景や人物たちの真の姿を解説しつつ迫る! 「あさが来た」の五代友厚役ディーン・フジオカさんの撮り下ろしインタビューも収録!
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4.0北欧で消息を絶った日本人女性の精神的彷徨。 織物工芸に打ち込んでいた支倉冬子は、一枚のタピスリに吸い寄せられ、魅惑されてしまう。ついにはヨーロッパに留学する決意までした冬子。だが、冬子は、ある夏の日、その地方の名家ギュルンデンクローネ男爵の末娘エルスと孤島にヨットで出かけたまま消息を絶ってしまう。 冬子が残した手記をベースに、生と死、または愛の不安を深く掘り下げた小説となっている。絶対的な孤独の中、日本と西欧、過去と現在を彷徨しながら、冬子はどのように再生していくのか……。 辻邦生が自著『生きて愛するために』で語った「死というくらい虚無のなかに、<地上の生>は、明るく舞台のように、ぽっかり浮かんでいる」という彼の死生観とともに、西欧的骨法によって本格小説を日本に結実させんとした、辻文学初期傑作の一つである。巻末に「創作ノート抄」を併録。
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-【あらすじ】 春たけなわのある日、亀戸天神へ参拝した帰りに、水のぬるんだ、川沿いの通りを陽炎に纏いつかれながら来ると、どこからともなく、遠くで鳴物の音が聞こえ始めた。 「狸囃子というんだよ、昔から本所の名物さ。」「あら、嘘ばっかり。」 ちょうどそこに、美しい女と、若い紳士が居合わせて、こう言葉を交わしたのを松崎は聞き取った。 気をそそって人を寄せる、その囃子に誘われて来ると、ここにも、そこにも、ふらふらと、春の陽を中へ取り込んで、白く点したような行燈を軒に掛けた、木賃宿の並ぶ場所。 周囲とは場違いな、大きく立派な空家が一つあって、それを囲む、二間ほどの高さの古い船板塀の前に、お玉杓子が群がって押し競饅頭しているように、子どもが大勢集っていた。 そこに敷かれた、じめじめした筵の舞台で、飛んだり、跳ねたり、ばたばたばたと演じられていた子ども芝居を何気なく観始めると、先ほどの二人連れが、やはり囃子に導かれて来たらしく姿を現した。 その奇妙な芝居の中で、近頃亡くなった近所の評判娘、忘れ得ぬその娘の名を松崎は耳にする。 そして、美しい女もまた、その名に、帰りかけた足を止めたのであった。
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-【あらすじ】 北陸に旅行して、何かのついでに金沢をお通りになる時、もしあなたが珍しいものを好む心をお持ちならば、「化銀杏の旅館」にお泊まりになるといい。 寝床に入って、夜半の鐘声が森と聞こえ、凄まじい風がざッと吹いて身に沁みる時、長い廊下の最端に、ひたひたと足音が起こり、夜の寂寞を破って近づき来たり、障子の外に黒い影がさッと映って、諸君の寝息を窺うことだろう。 その時、静かにしていなされば、影はすッと障子を開けて、後ろ向きに銀杏返しの髪を見せたまま、諸君の枕辺に近づくはずだ。 諸君が真っ白な細い顔立ちを一目見て、思わずぞッとなさると同時に、影は行燈の火を吹っ消して、闇の中を走り去る… 本作はこの幽霊の謂われを物語る。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった… 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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-泉鏡花の小説「日本橋」の現代語訳。 【あらすじ】 雛の節句の明くる晩、宵に少し降った雨上がり、月は潜んで朧―と言いたいところだが、実際は黒雲が滲んで暗い、一石橋の欄干際。 そこに立つのは、遺憾ながら野暮な野郎の影二つ、しかもその一つは警官である。 もう一人の男が、先ほどから流れに臨んで辺りを見回し、新聞紙に包んだかなり重量のあるものを川へ放り込んだのを見て、警官が、今のは何か―と問うと、男は、姉の志としてあるものを流した―と答える。 その説明に警官が納得せず、尋問の続いているところへ、稲葉家の看板芸妓、錦絵のお孝が微酔い加減で姿を現し、わたしも同じことをしに来たんですよ―。 男は大学の生理学教室に籍を置く葛木晋三。お孝と並び称される滝の家の清葉に姉の面影を見て、長年恋い慕ってきたその思いを、今晩打ち明けたが振られたと言う。 その話が心に沁みたお孝は、清葉への対抗心もあり、葛木の手を引いて抱き込んだのであったが… 激しく、悲しく、そして美しい、人の情念の綾を見事に織り上げた傑作。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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-嘘いつわりが嫌いで、文士仲間から重症の正直病患者といわれ、世渡りが下手だった里見とん。明治・大正・昭和の文学界を悠然と歩み去った大作家初の本格的評伝。作品総覧、人物索引付。 よく、漱石や志賀直哉について、作品以前に人格を褒め称える人がいる。しかし私は、とんこそ、人格において褒め称えられる人だと思うに至った。何人もの女を愛したなどということは、とんの人格にとっての枝葉末節である。馬鹿正直というのが、とんの最も尊い人格である。とんの素行、書いたもの、いずれをとっても、徒党を組んだり、仲間のために嘘をついて作を褒めたり、卑怯な論陣を張ったりしたことはない。(本書「トンよ、トン――あとがき」より)
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5.0江戸川乱歩が生み出した、かの名探偵、明智小五郎に関する評論で、第1回創元推理評論賞佳作入賞作。【作者の言葉】「明智小五郎の黄昏」は第1回創元推理評論賞で佳作となったもので、雑誌「創元推理」(1994年・秋号)に掲載されました。e-NOVELS上に転載されるにあたり、あらためて推敲しています。 e-NOVELS版『明智小五郎の黄昏』には、「『D坂の殺人事件』考」と「明智小五郎の黄昏」という2つのヴァージョンが収録されています。前者は後者の旧ヴァージョンです。なぜ2つのヴァージョンが存在するかというと、評論賞の選考会――選考委員は笠井潔さん、巽昌章さん、法月綸太郎さん、戸川安宣さんの四氏――の席で、濤岡寿子さんの応募作「都市への相貌」と私の「『D坂の殺人事件』考」の2本が残された段階で、さらに選考委員からの“注文”を受けて両者とも改稿し、再選考にかけられた経緯があったためです。改稿に伴って、タイトルも変更した新ヴァージョンが「明智小五郎の黄昏」です。 旧ヴァージョンには「明智犯人説という〈真理〉」と題した一章があり、現在ならば“後期クイーン的問題”として扱われるテーマにふれています。ここは全体の論旨を考慮してボツにした箇所ですが、後に「麻耶雄嵩論」(『本格ミステリの現在』所収)を書くにあたって、一部日の目を見ています。新ヴァージョンでは明智犯人説を検討する代わりに、乱歩の通俗長篇から明智小五郎像の変遷を辿っています。 評論賞で佳作をいただいた当時は、まだ原稿用紙の桝目をカリカリと埋めていたものです。そのため今回のe-NOVELS版制作にあたっては、小森健太朗さんにOCRで原稿を取り込んでもらう作業をしていただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。
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-泉鏡花の小説「縷紅新草」の現代語訳。 【あらすじ】 ある小春日和の午後、辻町糸七は、一昨年この世を去った従姉の娘、お米と連れ立ち、故郷の寺へその墓参りに来た。 手に提げた間抜けな昼提灯を、「持ちましょう」とお米が言うのを断ると、「ご自分の手で誰かさんのお墓へお供えなさりたいのでしょう」と藪から棒をくらう。 三十年前、生活に行き詰まった辻町が、自殺しようと城の堀の上を徘徊した際、そこにもう一人、寂しい姿の見えた、初路という若い娘のことを、お米は言ったのである。 もと千五百石の一人娘だった初路は、家が没落して親類へ引き取られ、はんかち工場で刺繍の賃仕事をしていたが、容姿の美しさと針仕事の腕を他の女工から嫉妬され、彼女が考案した、蜻蛉の二つ連なった刺繍の図案に当てつけた中傷を苦に、自ら命を断ったのだった。 あわれな姫君を偲び、その霊も慰めようと墓地へ来た二人の前に、四人の男が慌てふためいて姿を現し、先頭の寺爺が、「蜻蛉の幽霊が出た」と言う。 蜻蛉の幽霊なら怖くはない、とお米が先へ立ってまず母の墓へ、次いで初路の墓へ向かうと、そこには無残にも荒縄でがんじがらめに縛られた石塔が転がっていた。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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-鏡花独特の美しい色彩感覚と、揺れ動く人情とに満ち満ちた、戯曲を思わせる小説の現代語訳。 【あらすじ】 幼くして母を亡くした私の心を慰めてくれたのは、二坪に満たない日陰の庭に大きく育った一本の青楓と、継母のいる向かいの家の、優しい姉上、そしてもう一つ、町の外れの見世物小屋にかかる興行であった。 その入り口には桜の造花を廂に差して、枝々に、「て」「り」「は」と一つひとつ染め抜いた、赤と、白の、たくさんの小提灯を、数え切れないほど吊るして、夕暮にはそれらすべてに灯が入れられた。 毎晩見に行く私の顔を覚えて、ある日、一座の女が、深紅の鹿の子染めのうつくしい座蒲団の上に座らせてくれたが、演目が果てた後、送ってもらって家に帰った私は、我が家の世話をしてくれていた伯母が、警察に捕らえられる光景に遭遇する。 わたしのところへいらっしゃい―と言ってくれる、姉上と女役者の言葉に、私の気持ちが揺れた時、継母の声がしたため、咄嗟に女役者のあたたかい肩掛の下に、小さな私の身体は潜り込んだ。 それから八年、何もかもが変わってしまった故郷へ、その一座の一員として立ち戻った私は、あの青楓のために、懐かしい姉上が不幸な境遇に陥っていることを聞き知ったのであった。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし
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4.0いま最も脂がのっている小説家が、東大生150人を前に、14回にわたって、挑発的、刺激的、縦横無尽に、世界文学、日本文学を語りつくした名講義。 小説の起源を古代中国の歴史と志怪・伝奇にまでさかのぼって見極め、翻って、横光利一「純粋小説論」、小林秀雄「私小説論」、柳田國男「山の人生」からドストエフスキーの小説の重要な場面に必ず差し込む斜めの光を発見する。斜光はいったいどこから来るのか、そして何を照らし出すのか? われわれは斜光に導かれて、フロイトの「家族小説」へ、そして『源氏物語』へ、さらに谷崎潤一郎へとたどり着く……。 学生には全講義の要約がレポートとして課せられた。そのレポート16本を収録する。
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3.6
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-<日本を変えるにはテロしかない>として三島は自決した。 それは今のテロに被われる21世紀を正しく予見していた。 村上春樹、村上龍、町田康、阿部和重……。 文学者たちはなぜ執拗にもテロを描いてきたのか。 「自分の姿が澄んで消えてしまつたことに、そのとき独楽が気づいてゐないことも確実なら、その瞬間、何かが自分と入れかはつたことに気がつかないのも確実である」(本文より)。市ヶ谷台で自決したとき、三島由紀夫が誰かと入れ代わったことに、彼自身も、まわりの人も、後世も、だれ一人として気づいていない。村上春樹、村上龍、桐野夏生、車谷長吉、町田康、阿部和重、中村文則、上田岳弘……。本書は三島の〈輪廻転生〉の行方をこれらの作家たちに探る試みである。
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-赤裸々な「私」をさらけだす、十七音の魂の記録。 豊橋番傘川柳会会長として活躍する著者が、激動の人生を乗り越えて、たどり着いた境地を詠む。なにげない日常を一本のエッセイに変える川柳の力を実感できる、四千余句から厳選した待望の第二句集。 《家に居るはずの夫と駅で会う》 《ぺこぺこの鍋が未だに捨てられぬ》 《砂山のトンネルで手をつないだ日》 《次の世も女で君に貢がせる》 《夫とは違う願いを流れ星》 《恋人が出来たと母からのメール》 《ネクタイはどう結ぶのと聞く娘》 《財布よく忘れる友だなと気付く》 《拗ねてる間に苺大福消えていた》 《背中見たままじゃ追われぬサバイバル》
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4.0悪行の限りを尽くしたカンダタは死後、地獄に堕とされる。 しかし生前のたった1つの善行をみとめたお釈迦様は、極楽から地獄に向けて蜘蛛の糸をたらす。 その糸を登ればカンダタは地獄を抜け、極楽浄土に辿りつくことができるのだが――。 芥川龍之介の有名な短編小説を美しいイラストで電子書籍化。 ●表紙イラストについて● 2015年 夏の代々木アニメーション学院 学内イラストコンクール 携帯小説表紙イラスト部門で 最優秀賞を受賞した応募作品を、ゴマブックスがタイアップし表紙に採用しました。 【著者プロフィール】 芥川 龍之介(あくたがわ りゅうのすけ) 1892年 東京都生まれ。東京帝国大学在学中に、菊池寛・久米正雄らと同人誌『新思潮』を刊行。その後、海軍機関学校の教職を経て大阪毎日新聞社に入社。多くの短編小説を発表する。 1927年 自殺にて死去。
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-森に迷い込んだ青年たちがようやく見つけた「西洋料理店 山猫軒」。 そこでは客に対して次々と不可解な注文がつきつけられる。 従順に従う青年たちだったが、ついに――。 宮沢 賢治の有名な短編小説を美しいイラストで電子書籍化。 ●表紙イラストについて● 2015年 夏の代々木アニメーション学院 学内イラストコンクール 携帯小説表紙イラスト部門で 最優秀賞を受賞した応募作品を、ゴマブックスがタイアップし表紙に採用しました。 【著者プロフィール】 宮沢 賢治(みやざわ けんじ) 1896年 岩手県生まれ。盛岡高等農林学校(現・岩手大学農学部)に首席で進学し、稗貫農学校(のちに花巻農学校、現・花巻農業高等学校)教師や砕石工場技師などを経験。自然と郷土を愛する精神をうかがわせる詩的かつ叙情性の高い作品を多数、執筆。 1933年 肺炎により死去。
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-歌うように、弾むように、会話するように心に滑りこんでくるキング・オブ・ポップ川柳! 20代で川柳をはじめ現在、静岡たかね川柳会代表、(一社)全日本川柳協会常任幹事、葵川柳倶楽部代表等で活躍する川柳界の若きプリンス、待望の句集。序文・高瀬霜石、熊谷岳朗。 《ディスイズアペンさあ夢を綴ろうよ》 《十八の僕がハチ公前にいる》 《君はもう寝たかな窓の外は雪》 《笑うがいい最後に笑うのは俺だ》 《地下駐車場でB子と待ち合わせ》 《匿名の手紙チワワのように吠え》 《タイムイズマネー寂しい響きだな》 《妻よ子よ俺は負け組だよゴメン》 《沢ガニも君もそーっと掴まえる》 《めぐり遇おう今度生まれて来る時も》
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-【あらすじ】 ある夏の日、馬丁とは見えない男の御す、高岡から石動へと向かう乗合馬車に、一人の怪しい美人が客となる。 そこへ普段から反目しあっている人力車が通りかかって、両者は自然相争う形となり、これがもとで御者は職を失ってしまう。 後日、夜更けに涼みに出たその女、実は滝の白糸という評判の水芸の太夫は、浅野川にかかる天神橋の上で先日の御者に出会い、男の身の上を聞いて彼の望みの実現を援助しようと申し出た。 こうして男は東京へ遊学したが、その学業の成就も近くなったとき、白糸は仕送りの金を強奪されてしまう。 悲嘆と絶望とに沈んで街をふらついているうち、見えざる手に導かれるように、今度は自らが強盗の加害者となり、殺人まで犯してしまった彼女は、数奇な巡り合わせにより参考人として裁判に出廷し、そこに思いもかけず先の御者の姿を見るのである。
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-【あらすじ】 文学士山沢学円は、見物学問の帰り道、三国ヶ岳の麓で、行方不明となっていた親友の萩原と思わぬ再会をする。 萩原も一昨年、この山中にある夜叉ヶ池を見に来て、鐘撞き堂を守ってきた老人の死に遭遇し、さらに人間離れした美しさの娘、百合と出会ったことで、そこに隠れ住むことを決意したのであった。 その鐘は、昔夜叉ヶ池に封じ込められた竜神に、池から出ないという約束を守らせるため、一日に三度撞き鳴らすべきもので、一度でもこれを怠ると、たちまち大嵐が起こり、一帯は水の底に沈むと言い伝えられている。 この約束に縛られ、恋しい千蛇ヶ池の親王に会いに行くことのできない、現在の夜叉ヶ池の主、白雪姫は、自らの手で鐘を打ち壊そうとするが、従者たちの懸命な説得と、ふと聞こえてきた百合の子守唄により思いとどまる。 しかしその直後、旱魃に耐え切れなくなった村の者たちは、雨乞いの生贄とするため百合を捕らえにかかるとともに、萩原には鐘を撞く事を止めるよう迫ったのである。
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-【あらすじ】 晩秋のある夕暮れ、姫路城の天守閣に住む富姫のもとへ、猪苗代の亀姫が手毬をつきに遊びに来る。 亀姫が土産として持参したのは、姫路城主・武田播磨守の兄弟にあたる衛門之介の生首だった。 富姫は返礼として播磨守秘蔵の白鷹を誘い捕らえて贈るが、鷹匠・姫川図書之介は鷹を逃がした咎を受け、切腹の代わりに天守の探索を命じられる。 彼が優れた心をもっていることを知った富姫は、理不尽な主君に仕えることをやめて天守閣でともに暮らすよう勧めるが、図書之介は決心がつかず辞退。 しかし、地上へ戻った図書之介は、播磨守家中の者に追われる形で富姫の前へ再度立ち現れるのである。
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-【あらすじ】 物心つく前の最後の記憶に残る、亡き母の唄っていた懐かしい手毬唄。 それについて思い出したのは、母とよく一緒に毬をついていた三人の娘のことである。 一人は既に亡くなり、一人は嫁いで会うことができず、もう一人は神隠しにあって行方が知れない。 唄への憧れが募り、その文句を求め、その娘を探して、諸国を旅して回っていた葉越は、ある夏、三浦半島秋谷を流れる小さな川で、五色の糸でかがられた美しい毬を拾う。 ちょうどそこに来合わせた爺に、その地で起こった不思議な話を聞いて、彼は黒門の別邸と呼ばれる曰くつきの屋敷の一間を借りることにした。 しばらく滞在して旅の疲れを休めたく、また、そこで自分の望みが叶うような気がしたからである。 街道の茶店で、爺に連れ添う婆から、やはり黒門での無残な出来事を聞き、浮かばれぬ人々の供養を頼まれた旅の僧が、その夜、明と二人、蚊帳の中に枕を並べていると、ぽたりーと何かがその枕元へ落ちてきた。