小説・文芸 - グーテンベルク21作品一覧

非表示の作品があります

  • ヴィヨンの妻
    -
    1巻330円 (税込)
    表題作のほか、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「おさん」「家庭の幸福」、絶筆となった「桜桃」を収録。太宰をしのぶ「桜桃忌」は6月19日。

    試し読み

    フォロー
  • お伽草紙
    -
    1巻330円 (税込)
    民話「瘤(こぶ)取り」「浦島」「カチカチ山」「舌切雀」が見事な風刺文学に変身! 面白さ折り紙つきの「日本文学の傑作」!

    試し読み

    フォロー
  • ダス・ゲマイネ
    -
    1巻330円 (税込)
    最も初期の作品であるが、太宰の特色がよく発揮され今日でも前衛的な「ダス・ゲマイネ」、聖書のユダの心情をえぐった異色作「駈込み訴え」の2編と、作者の自伝的小説「東京八景」を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 走れメロス
    -
    1巻330円 (税込)
    力強く簡潔な文体で友情をうたいあげた「走れメロス」、女性独白体形式の傑作「女生徒」、「富士には、月見草がよく似合う」という名文句で名高い「富嶽百景」の3編を収めた太宰治の珠玉の短編集。

    試し読み

    フォロー
  • 人間失格
    -
    1巻330円 (税込)
    「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」…ありのままの自分をさらけ出すことができず、廃人みたいな暮らしを送る男を描いた太宰の代表作。太宰治の自伝的作品とも見られている。

    試し読み

    フォロー
  • 牛肉と馬鈴薯
    -
    1巻330円 (税込)
    牛肉(現実)か馬鈴薯(理想)か、どちらを食うのがいいのか、という問題を提出する「牛肉と馬鈴薯」、人間の孤独を探求した「酒中日記」ほか、「富岡先生」「少年の悲哀」「空知川の岸辺」「運命論者」「春の鳥」「号外」「窮死」「竹の木戸」「二老人」…独歩中期の代表作11編を収めた。

    試し読み

    フォロー
  • 武蔵野
    -
    武蔵野の雑木林の美をはじめて世にしらせた不朽の名作「武蔵野」ほか、「たき火」「星」「源叔父」「忘れえぬ人々」「河霧」「郊外」「初恋」の、抒情美あふれる独歩初期の名作8編を収めた。

    試し読み

    フォロー
  • 注文の多い料理店
    -
    1巻330円 (税込)
    賢治がみずからの手で編集し出版した生前唯一の童話集。表題作のほか、「どんぐりと山猫」「烏の北斗七星」「月夜のでんしんばしら」「鹿(しし)踊りのはじまり」など9編に、賢治自身の手になる「序」がついている。

    試し読み

    フォロー
  • 檸檬 梶井基次郎傑作集
    -
    1巻330円 (税込)
    病魔と闘いながら、鋭敏な感受性を駆使してすくい取られた小品の数々。梶井基次郎の作品は日本近代文学史上に異彩をはなっている。ここには、「檸檬」「城のある町にて」「泥濘(でいねい)」「路上」ほか、15編の代表作を収めた。

    試し読み

    フォロー
  • 草枕
    -
    1巻330円 (税込)
    智に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される…青年画家の前にあらわれる謎めいた美女。「非人情の美学」を具象化した初期の名作。

    試し読み

    フォロー
  • こころ
    -
    1巻330円 (税込)
    親友を裏切っての恋の勝利は、親友の自殺によって、主人公の「先生」に極度の罪悪感をもたらす。そうして「先生」が行き着いた先は? 漱石のひとつの到達点をしめす代表作。

    試し読み

    フォロー
  • 門

    -
    1巻330円 (税込)
    「三四郎」「それから」につづく3部作の最終編。「それから」で親友を裏切りその妻と結ばれた二人は、この作では宗助とお米という名に変わっている。罪を意識する宗助は宗教に救いを求めるが…

    試し読み

    フォロー
  • それから
    -
    1巻330円 (税込)
    主人公代助は友人の妻に懸想し、社会を相手に戦わざるをえなくなる。前作「三四郎」の続編で、次作「門」へとつづく漱石の三部作の第二編。

    試し読み

    フォロー
  • 吾輩は猫である(上)
    -
    1~2巻330円 (税込)
    苦沙弥(くしゃみ)先生の家に迷いこみ飼われるようになった猫が、人間社会を観察し、その不可思議さをかいまみて記録するという筋立てからなる、諷刺文学の傑作。全編にみなぎる洒脱さが爽快感を呼び起こす漱石の処女作。

    試し読み

    フォロー
  • 坊っちゃん
    -
    1巻330円 (税込)
    東京の学校を出て四国松山の中学校に数学教師として赴任した江戸っ子の「坊っちゃん」は、同僚の教師たち、教え子の生徒たちの愚劣さに憤り、まどわされ、敢然と反抗する。ユーモアと情が巧みにないあわされた不滅の名作。

    試し読み

    フォロー
  • 斜陽
    -
    1巻352円 (税込)
    人間は、恋と革命のために生まれて来たのだ…貴族的雰囲気の家庭を舞台に没落していく人間像を描いて、雑誌連載時から大反響を呼び、「斜陽族」という流行語まで生んだ太宰治の代表作。

    試し読み

    フォロー
  • 三四郎
    -
    1巻352円 (税込)
    田舎(熊本)出身の大学生三四郎は、東京育ちの美禰子(みねこ)に思慕の情をおぼえるが、なかなか本気にしてもらえない。明治の青春を鮮やかに描いた傑作。三四郎と美禰子が出会った東京大学の心字池は、のちに「三四郎池」と呼ばれるようになった。

    試し読み

    フォロー
  • 津軽
    -
    1巻374円 (税込)
    1944年、太宰治は初めて故郷の津軽地方を一周する旅に出た。本書は紀行文でもあり、ユーモアをまじえた自伝的な小説ともとれる異色の代表作。

    試し読み

    フォロー
  • おしどり探偵(1)
    5.0
    トミーとタペンスという若夫婦が〈国際探偵事務所〉という素人探偵事務所を開設する。二人の唯一の強みは、これまでの探偵小説を全部読破していて、各探偵の探偵術を記憶していることだ。彼らは名探偵の誰かのやり方を頭に浮かべながら、事件の解決に乗り出す。茶目っ気たっぷりのクリスティの面目躍如。ここには8編をおさめた。

    試し読み

    フォロー
  • 風の又三郎
    -
    1巻396円 (税込)
    どっどど どどうど どどうど どどう…青いくるみも吹きとばせ…山村の小学校に風のように現われた転校生が巻き起こす騒動を描く表題作のほか、賢治の童話10編。

    試し読み

    フォロー
  • セロ弾きのゴーシュ
    -
    1巻396円 (税込)
    未熟な少年音楽家セロ弾きのゴーシュのもとに動物たちが訪れ、ゴーシュは突然、芸術に開眼する。感動的なこの表題作のほか、詩でも大人の読む童話でもある賢治の名編8編を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 道草
    -
    1巻407円 (税込)
    自伝的色彩の濃い漱石作品といわれる。健三と、お住の夫婦生活を中心に展開されるエゴイズムの葛藤。「世の中に片付くなんてものは殆どありはしない。一遍起ったことは何時までも続くのさ」健三はお住に向かって最後にこう吐き捨てる。
  • 彼岸過迄
    -
    1巻407円 (税込)
    自意識をもてあます内省的な須永と、その従妹千代子との恋愛問題を主軸として展開されるエゴイズムの葛藤。それは高木に対する須永の並外れた嫉妬となってクライマックスに達する。「行人」「こころ」とつづく後期三部作の序曲。
  • 銀河鉄道の夜
    -
    1巻418円 (税込)
    孤独な少年ジョバンニと親友カムパネラの夜空の旅を描いた未刊の最長編「銀河鉄道の夜」ほか、「よだかの星」「いちょうの実」「おきなぐさ」、異色作「雁の童子」など広大な賢治童話の世界にふれる9編を収録。

    試し読み

    フォロー
  • ウィーンの辻音楽師
    -
    ウィーンの祭で私はヴァイオリンを演奏するみすぼらしい老人に出会い、生い立ちを聞き出すことに…流しの芸人や作曲家のシューベルトなどに触発されて書かれたとみられるこの作品は、それら外面的な装いを借りて、内面的な自画像を描き、自己告白的な作品となった。同時に、本作は滅び行くウィーンへの挽歌でもあった。あわせて不倫の恋の行く末を描いた「ゼンドミールの僧院」を収めたが、こちらではグリルパルツァーの劇作家としての本領がうかがいしれる。
  • いやいやながら医者にされ
    -
    飲んだくれの木こりスガナレルは、若いとき医者の家で働いたことがあるが、たったそれだけのことから「名医」にされてしまう。モリエール笑劇の真骨頂。作者の同時代人の一人はこう述べている。「すばらしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまいます。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はありますまい。いま、こうしてペンをとっていても、思わずおかしくなってきて、笑いがこみあげてきます」
  • 病は気から
    3.0
    医者や薬剤師によって「自分は病気だと思いこまされている男」アルガンが主人公。若い後妻は財産目当てで、夫のすみやかな死を待っている。医者への痛烈な風刺をたっぷりと盛り込み、陽気な歌と踊りでふんだんに味付けした喜劇。国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は記録的で、見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居との評価が定まった傑作。
  • 幻想と怪奇①
    -
    編者仁賀克雄氏はこう述べる。「第一のポイントは、1950年代を中心として、既訳の作品のなかから、これはと思われる[幻想味]や[怪奇色]のあるものを選んだ。もう一つのポイントは、読者にとって面白い作品を提供しようと努めたことである。本書はマニアを対象としたものではない。私が考える面白さというのは、昔の見世物にあった「お化け屋敷」の面白さである」本巻①にはハイスミスの「すっぽん」ほか5編を収めた。
  • エンパイア・スター
    -
    独創的な展開とリズムにこだわるニュー・ウェーブSFの旗手であり、アメリカ黒人思索小説の先覚者の、初期の代表作。『エンパイア・スター』は少年が銀河文明の中心に向けた旅において、無知なるシンプレックスからマルチプレックスへと成長していく過程を言葉の魔術を駆使してつづっている。この作品に登場する「マルチプレックス」という考えは、多面的な世界を包むとともに、作品そのものを多面的に読むことを示唆する。「本格派、気楽な読者、文学的ファン、ニューウェーブ派…彼はすべての読者にとってすべてのものだ」これはジュディス・メリルの言葉だ。
  • 点子ちゃんとアントン
    -
    点子ちゃんはベルリンに暮らす小学生、幼いときすごく小さかったので点子ちゃんというあだ名がついた。家は裕福だが、両親は点子ちゃんをほったらかにして、世話は養育係にまかせている。アントンは男の子の友達だが、病気がちの母親との二人暮らし、そのためアントンは家事までこなして、街角でひそかに靴ひもを売っている。この二人を中心に、学校で、家庭で、街角で起こるさまざまな出来事に、点子ちゃんの家の家政婦、飼い犬、学校の先生らが試行錯誤の大奮闘。さまざまな困難を乗り越えていく。
  • 動物会議
    -
    主人公は動物たち。いつまでたっても戦争をやめない人間たちを嘆き、「子どもたちのために」大会議を開く。刊行されたのは、第二次世界大戦後の1949年。動物たちは世界中にすむ仲間に向かって参加を呼びかけ、ありとあらゆる動物たちが「動物ビル」に集まり、人間に対する要求をまとめあげる。これは人間に拒否されるが、動物たちは地上からすべての子供たちを隠してしまうという行動にでる。人間はついに折れて、国家の代表たちは恒久平和を実現するための条約に署名する。本書には、この作品のあとに、2編の教訓詩を収録した。
  • 五月三十五日
    -
    タイトルの日付は存在しないので、「何が起きてもおかしくない日」という意味だ。学校で行ったこともない「南洋」についての作文を書かされることになったコンラート少年は、35日の木曜日に、学校に迎えに来てくれた叔父さんに相談した。すると叔父さんは名案を考えついた。二人はローラースケートをはいた言葉のわかる黒馬に乗って、「南洋」をめざす。「なまけものの国」「過去の国」「さかさの国」「電気の国」などの珍しい国をめぐったあと、コンラートはぶじ宿題を書き上げることができたのだろうか。
  • 飛ぶ教室
    -
    「飛ぶ教室」とはそもそもなにか。これは作品中で、生徒たちがクリスマスに演じる予定の劇の題名だ。ドイツの寄宿学校(ギムナジウム)で、五人の少年たちが織りなすクリスマス前の数日間の物語。実業高校生たちとの決闘、上級生との確執、友情で結ばれながらもそれぞれが抱える悩みの数々。信頼できる大人「正義さん」「禁煙さん」がよりそい、涙と笑いが交錯する。物語の象徴としてクリスマス劇「飛ぶ教室」が登場するが、はたして劇の結果は? 「五年生」と呼ばれるジョニーやマルティンたちは、日本でいう中学三年生にあたる。ワルター・トリアーの表紙絵と挿絵入り。
  • 一杯の珈琲から
    -
    夏をオーストリアのザルツブルクで過ごそうと、ゲオルクは国境をはさんで目と鼻の先にあるドイツの町に宿をとった。為替管理のからくりで、毎日オーストリアに無一文で行っては友人にたかり、夜になるとドイツ側に帰ってきて豪遊するという喜劇的な生活を送ることができた。ところがある日、待ち合わせたカフェに友人がやってこない。コーヒー代が払えなくてどうしようかと思っていると、カフェにいた美女が立て替えてくれて、しかもその美女(実は伯爵令嬢)と恋におちた!「消え失せた密画」「雪の中の三人男」につづくケストナーのユーモア三部作。
  • 三つの物語
    -
    純粋であるがゆえに薄幸な人生を送らざるをえなかった一人の女を描いた「純な心」、「無上の栄光を手にするかわり、自らの両親を殺めることになるだろう」という不吉な予言に翻弄された男の物語(「聖ジュリアン伝」)、サロメの首をモチーフにした「ヘロディア」を収録。この3作は順に「ボヴァリー夫人」「聖アントワーヌの誘惑」「サラムボー」の3長編を連想させるフローベール最晩年の遺言の書だ。
  • アントニーとクレオパトラ
    -
    アントニーはすぐれた武将であり、勇敢で偉大な人間であったが、クレオパトラに恋していた。恋に酔いしれたアントニーは公事を忘れ、ローマに残した妻を忘れて日を過ごす。彼に対する非難の声は高まるばかり。妻ファルヴィアの死の報にもエジプトをはなれない彼は、完全に武将としての生活をすてて、恋のとりこになり終わってしまったかのようにみえた……シェイクスピアの最も油の乗り切った時期の作品の一つ。
  • 美しい夏
    -
    一人の少女が大人へと成長していく青春のひとこまを、鮮やかに描く。ジーニアは兄と二人暮らし、洋裁店で働いている。もうすぐ17歳になる夏、三つほど年上のアメーリアと出会う。アメーリアは画家のモデルをしているという。成熟した雰囲気を漂わせるアメーリアに、ジーニアは反発しつつも憧れを抱く。昼間は働き、夜はカフェやダンスホールで遊び、日曜は散歩に出かけたり湖でボートに乗ったり映画をみたり、あるときアメーリアは、モデルの仕事をしている画家のもとへジーニアを連れていく。ジーニアはその画家に恋するが……燦めくような夏はあっという間に過ぎ去る。パヴェーゼに惚れ込んだ訳者による名訳。
  • ねじれたスカーフ
    -
    マンハッタンの花同好会員200人以上がウルフの蘭を見にきた際、来客の一人の女性が絞殺される。彼女は以前に起きた殺人事件現場で見かけた顔の男をきょう見たこと、そのことを男に悟られたことをアーチーに打ち明けておびえていた(「ねじれたスカーフ」)。アーチー宛に血と思われるしみの付いたネクタイが送られてくる。送り主の男をアーチーが訪ねたとき、男が貸している同じ建物の一室で、女が死んでいるのが発見される。男は関係があるのか、そしてネクタイが意味するのは?(「血は語る」)…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
  • 殺人免除
    -
    アーチー顔見知りの理髪店のクローク係と女のマニキュア師が訪ねてくる。二人は夫婦で、その朝警官が店を訪れ、二人の身元や昨晩の行動を聞かれたとき、不法入国を問われる危険を察知して、すぐさま逃げ出してアーチーを頼ったのだった。アーチーが店を訪ねると、なんとそのときの警官がマニキュア室で背中に鋏を突き立てられて死んでいた!(「警官殺し」)。新任の某国大使の希望で、石油王の山荘にコックとして雇われたウルフ。みんなで釣った名物の鱒の調理を頼まれたのだ。釣師5人はそれぞれが割り当てられた釣り場で腕を競ったが、国務長官補佐リースンの帰りが遅い。遅れて釣りに出たアーチーはリースンの死体を発見した(「殺人免除」)。…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
  • 宮本武蔵(巻一)
    -
    関ケ原の戦いを命からがら落ち延びた武蔵(たけぞう)と又八は、お甲・朱実母娘の世話になる。その一年後、武蔵はひとり故郷に帰るが、そこは安住の場所ではなかった。憎しみに任せ野獣のごとく敵を倒すなかで、武蔵は沢庵にめぐり合う。沢庵は殺すためではない護るための剣があることを教える。孤剣をみがき、求道を通して二天一流の開祖となるまでの長い道のりを描く吉川英治の畢生の大作。
  • 吉野葛・蘆刈
    -
    1巻440円 (税込)
    吉野の紀行文と思わせる出だしから、同級生の男の早くに失った母親の生家探しが語られ、母の面影を思うあまり、生家の姪を許婚(いいなずけ)にするという展開が一気に語られる「吉野葛」。『蘆刈』も、紀行文から夢ともうつつともつかない物語に変容し、出会った男から語られる父のせつない恋愛話がテーマである。未亡人に恋し、その妹をめとり、姉思いの妹との関係が語られてゆく。その息子であるこの男はいったいだれの子供なのか、未亡人はもうすでに高齢になっているのではないかという疑問をのこしながら、男は消えてゆく。大阪移住以来、谷崎潤一郎の作風がだんだん純日本的なものに移行していった時期の代表作。
  • 盲目物語
    -
    1巻440円 (税込)
    三味線の腕も達者な弥市という盲目のあんま師が、かつて仕えたお市の方の悲劇的な後半生を物語る。信長の妹で美人と名高いお市の方は、嫁いだ浅井長政を信長に攻め滅ぼされ、再婚した柴田勝家を秀吉に攻められ、ここで夫と運命を共にする。そんなお市に弥市は深い憐憫の情を寄せるが、それはまた恋慕そのものでもあった。お市にどこまでもついていきたい、地獄までお供したいという気持ちが平仮名を多用した文体で連綿とつづられる。
  • 刺青・秘密
    -
    1巻440円 (税込)
    「刺青」「少年」「幇間」「秘密」「恐怖」の五編を収録した初期短編集。処女作「刺青」は性的錯倒の世界を描き、世紀末的な耽美主義が存分に発揮されているが、頽廃感はまったくない。「少年」以下の諸作も、当時の自然主義文学に対する強力なアンチテーゼであった。
  • 飛行士たちの話
    -
    作者ダールはシェル石油会社の外国駐在員となってタンザニアへ赴任中、第二次世界大戦が勃発。訓練を受けたのち戦闘機中隊に加わり、数々の実戦を体験した。たまたま「サタデー・イブニング・ポスト」誌から空中戦の体験を語ってほしいという依頼があったが、ダールは談話では不足と思い、体験の一部を手記にして渡した。この出来栄えが素晴らしかったので、そのまま記事になり、続編を書くことになる。その最初の原稿が本書の中の「簡単な任務」であり、続編が本書となった。戦記文学としても優れた飛行機乗りの物語10編を収録したダールの最初の短編集。
  • 武道伝来記
    -
    臆病者とさげすまれた間宮織部は、息子・和三郎に「武士」の心を打ち明けて死ぬ。後日、若殿のお供をした和三郎は、父の汚名を晴らす…「武道伝来記」。秀吉の妻妾たちの二派に分かれた争いに巻き込まれた千利休の娘お吟(ぎん)の悲劇と、芸術界の雄、千利休と俗界の雄秀吉とを対比させて描いた「天正女合戦」。海音寺潮五郎の直木賞受賞作2編を収めた。
  • 探偵が多すぎる
    -
    電話盗聴事件の事情聴取という用件で、ウルフら6人のニューヨークの探偵がオールバニー市に呼び出される。その最中、かつてウルフに盗聴を依頼したことのある男が同じビルの別室で絞殺されて見つかる。なぜ? どうして? ウルフはニューヨークの48人の探偵を動員する空前の企てを実施する……この表題作のほか、「ゼロの手がかり」を収めた。
  • 坑夫
    -
    1巻440円 (税込)
    著者のもとに寄せられた、ある青年が家出をして坑夫になるまでの告白を素材として書かれた。漱石が意図したものは、人間の言行の下に潜む意識の暗闇の中に隠されたものをとらえ、分析することだった。「人の性格は一時間ごとに変わる」と漱石は語る。
  • 虞美人草
    -
    1巻440円 (税込)
    我執と虚栄の果てに自滅する女を描く、漱石における悲劇の誕生ともいうべき作品。利己と虚栄に走る人生は破滅を免がれないという著者の考えは、それ以後のすべての作品の通奏低音となった。明治四十年に教職を辞して、朝日新聞に入り、入社後最初の連載小説として発表された。
  • アラビアンナイトの殺人(上)
    -
    ある夏の夜、ロンドンのウェイド博物館を巡回中の警官が、怪人物を見かけたが、その人物は忽然と消えてしまった。しかも博物館の中には殺人事件が発生していた。それはとんでもない大事件の発端であったが、未解決のままだった。奇書アラビアンナイトの構成にならって、この事件を体験したロンドン警視庁のお歴々三人は、三者三様の観察力と捜査法を駆使して事件を物語る。そして、その話の聞き手はギデオン・フェル博士である。ユーモアと怪奇を一体にしたカーの独特な持ち味が、アラベスク模様のようにけんらんと展開する代表的巨編。フェル博士がみごとな安楽椅子探偵ぶりを発揮する異色作。
  • クィン氏の事件簿1
    -
    初老のサタースウェイト氏が事件に直面すると、いつのまにかハーリー・クィン氏が出現して、事件の解決に力を貸してくれる。だが、クィン氏は再び忽然と姿をくらます。雑誌連載方式を断ってまで、クリスティが大事にし、一作一作を丁寧に書き上げた連作佳品。「クィン氏登場」「窓にうつる影」「『鈴と道化服亭』」「空に描かれたしるし」「ある賭場係の心情」「海から来た男」の6編を収録。
  • 人形佐七捕物帳 巻一
    5.0
    「半七」「銭形平次」と並んで三大捕物帳といわれる「人形佐七捕物帳」。その最大の特色は横溝正史ならではの情痴・妖艶・欲望・怪奇・諧謔のからむ物語の面白さと、脇役の活躍の妙にある。主人公はむろん、神田お玉が池の佐七(人形とつくのは人形のように端正な美男であることから)。これに恋女房のお粂《くめ》、「雷ぎらいの」きんちゃくの辰と、「蛇ぎらいの」うらなりの豆六がからむ。とくにひょうきんな豆六は関西弁を駆使する、なくてはならぬ脇役だ。 この巻は、佐七一家の成り立ちを知る絶好の入門編。佐七が初めて名を売ったてがら話「羽子板娘」、辰五郎が船宿の船頭から足を洗って佐七の子分になったいきさつを描く「開《あ》かずの間」、やきもち焼きの姉さん女房お粂と一緒になるきっかけの事件「嘆きの遊女」、上方出の御用聞き志願で佐七に弟子入りし、へっぴり腰で《御用や、御用や》とかしましく立ち回る豆六の登場をえがく「螢屋敷」など6編を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 自殺クラブ
    -
    「われわれは人生がただの舞台に過ぎないことを知ってます。われわれは役に興味を感じる限り、舞台の上で道化役を演じ続けるんです。…死にたいという至極もっともな望みを持ってるのは、あなた方とぼくだけだなんて思わないで下さい。…世間に騒がれずにわずらわしいこの世を去りたいと思ってる人たちのために作られたのが自殺クラブなんです」……巧みな語り口の短編集。
  • トーマス・マン短編集1
    -
    肉体と精神、普通人と芸術家を対立的な存在とみて、そこに現出するさまざまな表情をとらえたマンの短編集。この巻には、「幸福への意志」「幻滅」」「小さなフリーデマン氏」「道化者」「トビーアス・ミンダーニッケル」「衣装戸棚」「ルイスヘン」「トリスタン」の8編を収録。
  • コリオレーナス
    -
    ヴォルサイ人との戦いで都コリオライを陥落させたローマの将軍ケイヤス・マーシャスは、コリオレーナスの尊称を与えられる。だが、執政官に推薦されても市民に媚びるような慣例を拒み、ローマを追放される。かつての英雄は、ヴォルサイ人の将軍で宿敵のオフィーディアスと手を結び、祖国ローマに侵攻する。だが、この企てを知った母ヴォラームニアの泣き落としのまえに、独断で和平をむすぶ……シェイクスピア最後の悲劇。
  • 古代への情熱
    -
    ホメロスの「イリアス」に魅せられた少年の心は、終生かわることはなかった。事業で成功した彼は、私財をなげうって後半生を幻の「トロイア」の発掘に邁進した。今では乱暴と一蹴されてしまうような方法で、彼は大規模な発掘を敢行、数多くの遺跡を発見して、考古学や美術史に多大な貢献をすることになった。本書は、そうした彼の生涯と事業の概要を知るための好著であり、最も劇的な発見物語でもある。
  • みずうみ/三色すみれ
    -
    シュトルムの異なる側面を代表する中編3つを収める。「みずうみ」は老人が青春時代を回想する形式のうちに、予期せぬ人と結婚した若き日の愛人に湖のほとりで再会する哀愁をこめた物語。「三色すみれ」は継母とままこの心の葛藤から明るい和解へいたる道を描く人間味あふれる物語。「アンゲーリカ」は時代と社会の大きな波のまにまにただよわされる人間の運命を描く、フランス心理小説的な佳品。

    試し読み

    フォロー
  • ねじの回転
    -
    邪悪な男女の亡霊が、うぶな子どもたちを悪へと誘う。それを救おうと孤独な闘いをつづける女家庭教師。虚構と現実が渾然ととけあい、緊迫感あふれるシーンがつぎつぎと展開して、物語は一気に破局へ。心の奥にひそむ悪をテーマにした「亡霊物語」の傑作。

    試し読み

    フォロー
  • ニイルス・リイネ
    -
    1巻440円 (税込)
    イプセンやアンデルセンとともに知られるデンマークの作家ヤコブセンの代表作。愛とあこがれ、夢と希望に燃えて精一杯生きぬいたニイルス・リイネの心の遍歴を繊細華麗に描いて、リルケの絶賛を博した北欧文学の金字塔的作品。「北方の空に無比の美しい深い光をはなっている明星」と評する訳者山室静氏による推敲をかさねた名訳でおくる。

    試し読み

    フォロー
  • 三匹の盲目のねずみ
    -
    田舎の古い屋敷を遺産として受けついだ若夫婦は、慣れない下宿屋を開業した。予約した4人の客は大雪のなか、なんとか宿にたどりつく。その翌朝だった、警察から電話があって、殺人狂がまぎれこんだ可能性が高いという。やがて若い刑事がスキーでやってきた。だが、「三匹の盲目のねずみ」のマザーグースの歌とともに、殺人はやはり起きた。1952年にロンドンで初演されて以来、2012年11月に60周年をむかえ 、世界一のロングラン記録を樹立した戯曲「ねずみとり」の原作!

    試し読み

    フォロー
  • 魔都(上)
    -
    1~2巻440円 (税込)
    昭和9年の大晦日、東京に滞在していた安南国の皇帝が失踪した。ほぼ同時刻、松谷鶴子というその愛人らしき妙齢の女性が赤坂山王台の高級アパート「有明荘」のベランダから墜死した。そこにはいったいどんな関係があったのか。当時の銀座には、マダム村雲笑子(えみこ)の「巴里」というバーがあった。そこでは、巴里帰りでタキシードを着込んだ高利貸しのせがれ、朝鮮捕鯨会社という国策会社の重役で羽振りのいい子爵家の当主、名うての遊蕩児で酔えばマラルメを口にするディレッタント、銀色の靴を穿いて人造ダイヤを指に光らせる米国帰りのダンサーなど、奇態な連中が乱痴気騒ぎの真っ最中。ところが、あとでわかったのだが、その連中の何人かが「有明荘」の住人でもあった。いったいこの暗合は何なのか。鬼才十蘭ならではの絢爛たるミステリー。

    試し読み

    フォロー
  • 地球最後の日
    -
    チャレンジャー教授健在! 「失われた世界」で前人未踏の快挙をなしとげた教授は度肝をぬく予言を発表する。その予言どおり、全世界は宇宙の毒ガス帯に包みこまれ、人類は滅亡の危機に直面する。はたしてこの運命をまぬがれる方法はあるのか? ドイルの痛快SF第二弾。他に「物質分解機」と「地球の叫び」を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 林檎の木・小春日和
    -
    銀婚式の日、妻と連れ立って車でムア(荒野)にむかったアシャーストは、見晴らしのよい丘の上で昼食をとろうとする。スケッチをやめてもどる妻を待つあいだ、アシャーストは、そこの景色に見覚えのあることに気づく。そして痛みのともなうある過去の出来事がよみがえる〔林檎の木〕。田舎の屋敷で孫と静かな暮らしを送る老ジョリオンのまえに、美しい女があらわれる。それは今はない恋人の思い出を求めてやってきたアイリーンだった。ジョリオンは彼女にあうことに唯一の慰安と幸福を感じるようになる〔小春日和〕…イギリス的な田園詩二編。

    試し読み

    フォロー
  • 黒田如水
    -
    黒田如水(じょすい)は通称黒田官兵衛として知られる、戦国時代から江戸時代前期にかけての武将・大名。竹中半兵衛と双璧をなす秀吉の参謀であり、後世「両兵衛」「二兵衛」と並び称された。キリシタン大名でもあった。如水は時勢を見ぬく確かな眼をもち、毛利の勢力下にありながら、織田の天下を予見した。また、荒木村重の奸計によって、伊丹城地下牢での多年の幽囚生活を余儀なくされながらも、見事に耐えぬく胆力の持ち主でもあった。…本作品は36歳までの若き日の如水を格調高く描いている。

    試し読み

    フォロー
  • アダムとイヴの日記
    5.0
    旧約聖書の「創世記」に登場する、あまりにも有名なアダムとイヴ。この人類最初の男と女が、もし日記をつけていたら? 米文学屈指の文豪マーク・トウェインが想像力を駆使し、巧みな文体で描きわけた男女の日記。抱腹絶倒、奇想天外なアダムとイヴの赤裸々な私生活。フェミニストのアダムは最後に語る。「彼女が誰であったにせよ、《そこに》エデンがあった」

    試し読み

    フォロー
  • 愛と死の詩集
    -
    「私は旅して、世界をながめ、それを愛した」と、その詩のなかでうたったロレンスは、性愛の哲学を唱導しながら、一生を通じて各地を遍歴しつづけた作家だった。そして膨大な量の小説作品を書くかたわら、つねに詩を書くことを怠らなかった。この作品は多くの詩集のなかから、ロレンスの詩の全体を見通すことができるようにとの意図をもって、みずからも詩人である訳者によって編まれた選詩集である。

    試し読み

    フォロー
  • 三人の少女
    -
    クララ、アルマイード、ポム――それぞれ個性豊かで、可憐な3人の少女たちがつむぎ出す、甘く切ない短編集。モーリヤックをして「1870年以来フランスにあらわれたいちばん美しい愛の物語」と言わしめた詩人ジャムの佳品である。

    試し読み

    フォロー
  • 静かな生活
    -
    都会の生活に疲れ、南仏ペリグーの田舎に暮らすようになった平凡な一家。だが一見平穏で「静かな生活」の中味は決して静かではない。フランシーヌは弟ニコラをけしかけて叔父ジェローム殺しに手を貸す。ニコラは自殺する。疲れた心をいやすために訪れた海辺では、フランシーヌは一人の男が溺れ死ぬのを目撃する。だが彼女はその救助に手を貸そうとはしない……

    試し読み

    フォロー
  • さすらいの記
    -
    1巻440円 (税込)
    若いときからヘッセを熱愛した詩人尾崎喜八が、みずからの好みにしたがって選び、訳しためたヘッセの随想集。表紙の水彩画もふくめ 、ヘッセ自身の手になる水彩画を数点、おさめてある。

    試し読み

    フォロー
  • 花のない葬礼
    4.5
    【花のない葬礼】――ウルフの旧友マルコが事件を持ちこんだ。ソースつくりの名人でマルコの良師が、こともあろうに殺人犯にされているというのだ。【イースター・パレード】――ある富豪が世界で唯一の珍しい蘭を創った。その夫人がその蘭の花を身に飾り、イースターの日に教会へ出むくという。この噂を耳にしたウルフは突如「羨望の発作」をおこした。そして……2編の中編傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 法廷のウルフ
    4.0
    【法廷のウルフ】――殺人事件の検察側証人として、蘭の温室から法廷に駆り出されたウルフは、なぜか証言の直前に姿を消し、現場に向かった――大団円での弁舌の冴えにはペリー・メイスン も顔色なし!【死を招く窓】――肺炎で死んだ患者の胸には「からっぽの湯たんぽ」が 置かれていた。誰が、なんのためにそんなことをしたのか…2編の中編傑作を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 黒船前後
    -
    本書には、「黒船前後」「黒船来航」「汽船が太平洋を横断するまで」「咸臨丸その他」「撥陵遠征隊」「尊攘戦略史」「新撰組」「志士と経済」「上海由来」「福沢諭吉」「武鑑譜」「望郷――北海道初行脚」の12編をおさめた。各編からは明治維新史が新たな視点から生き生きとよみがえる。

    試し読み

    フォロー
  • 置いてけ堀 岡本綺堂巷談集
    -
    1巻440円 (税込)
    有名な岡本綺堂の「半七捕物帳」は、隠居暮らしをおくる元岡っ引の半七老人を、明治期の若い新聞記者が訪れて昔の事件のはなしを聞くという趣向であるが、同じく若い記者が、旧幕時代に大屋さんだった三浦老人から、古い時代の町のうわさばなしを聞くというのが、12編の「三浦老人昔話」としてまとめられた本書である。「置いてけ堀」と「鎧櫃の血」は怪奇・ミステリーものであるが、旗本・御家人と町人が絡む大半の物語の中身は、市井の人間のさまざまな運命・出会いをいきいきと物語る。

    試し読み

    フォロー
  • 赤い小馬
    -
    少年は父親から赤い小馬(pony)の子を贈られ、それを育てることを委(まか)される。愛する小馬ギャビランとの出会いと不幸な別れ。スタインベックの故郷サリーナス・ヴァレーを舞台に一人の少年の成長の過程が、大自然や生き物との交流を通じて生き生きと描かれる。

    試し読み

    フォロー
  • 美女と野獣
    -
    一輪のバラの花から不思議なめぐりあわせで、野獣の住む館に出向いた美しい娘ベル。そこでベルを待っていたものは……詩人ジャン・コクトーが映画化し、話題を集めたこの作品は、フランスの作家ボーモン夫人が、フランス革命へむけて奔流する世相のなかで、後世へと書き送った愛のメッセージである。本書には、彼女の「仙女物語」からこの「美女と野獣」ほか8編を収めてある。
  • 死の招待
    5.0
    パーティの企画者ベス・ハドルストンが持参したのは、差出人不明の脅迫じみた内容の手紙だった。「ただの相談ですか、それとも仕事の依頼ですか?」ウルフは言った(死の招待)。第二次世界大戦のさなか、ウルフは探偵仕事を犠牲にして陸軍情報部に働いている。そしてアーチーはなんと陸軍少佐に出世! 戦時下の軍事にからむ事件勃発(ブービー・トラップ)。ネロ・ウルフ傑作中編2作を収録。

    試し読み

    フォロー
  • 黒い蘭
    5.0
    フラワー・ショウに出品された三鉢の「黒い蘭」…ウルフの羨望と好奇心はついにクライマックスに達した(黒い蘭)。ウルフのお気に入りの靴みがきが、殺人の嫌疑をかけられたまま墜死する。父の潔白を証明したいという娘の願いを入れてウルフは真相究明に乗り出す(殺しはツケで)。ネロ・ウルフ傑作中編2作を収録。

    試し読み

    フォロー
  • サキ短編集
    -
    1巻440円 (税込)
    ユーモアにひそむ皮肉と悪意、人間の行動をさめた目で見通すサキの短編はブラックユーモアの佳品。この短編集には傑作19編をおさめてある。サキ(1870~1916)は風刺を身上としたイギリス生まれの作家。本名はヘクター・H・マンロー、「サキ」は筆名でオマル・カイヤームの「ルバイヤート」に由来し、「酌人」の意である。

    試し読み

    フォロー
  • 漂泊の人(クヌルプ)
    -
    生まれながらの漂泊者クヌルプを主人公にした3つの物語(「早春」「クヌルプへの私の思い出」「終焉」)からなる散文詩的な作品。美と歓喜とをもとめて放浪するクヌルプは、世間的には変人であり、敗残者かもしれない。しかし、だれの心にもそうした念願は埋もれていて、ときにクヌルプはよき道づれにもなる存在でもある。

    試し読み

    フォロー
  • 検察官
    -
    1巻440円 (税込)
    ロシアの田舎町にとつぜん、検察官が行政視察に乗り込んでくるというニュースが飛びこんだ。町長、判事、慈恵院主事、学校監督、郵便局長ら、日ごろ賄賂(わいろ)、横領など脛(すね)に傷もつ面々はその対策におおわらわ。さて、その検察官の正体は? ゴーゴリが当時のロシア社会に一大衝撃を与えた演劇史上の傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 外套・肖像画
    -
    1巻440円 (税込)
    下級官吏アカーキエヴィチにある日、大きな生き甲斐がうまれた。外套を新調するという夢の実現である。生活を極度に切りつめ、ようやく念願かなった暁に、一大不幸が……。ドストエフスキーに「われわれはみなゴーゴリの『外套』から出た」といわせたロシア文学の金字塔。芸術と人間生活の調和という普遍的なテーマを追求して、鬼才ゴーゴリの知られざる一面を伝える「肖像画」を新訳であわせ収録。

    試し読み

    フォロー
  • 女房学校
    -
    アリスト、スガナレルの二兄弟は、それぞれみなし児の姉妹をもらい受け、いずれは妻にするつもりで育てている。アリストは、ものわかりのいい人物で、相手を信頼して、自由気ままな生活をさせているが、弟のほうは頑固者で、女性の良識を認めようとせず、きびしい態度で相手の意志を押さえつけようとする。結局、アリストは、幸福な結婚にゴール・インするが、スガナレルは振られ男となる。モリエールが女性教育はいかにすべきかという問題をとりあげた最初の作品であり、興行的にも大成功を収めた。

    試し読み

    フォロー
  • ドン・ジュアン
    -
    女たらしの不信心者が、さんざん悪いことをしたあげく、最後には神の怒りにふれて、雷に打たれて死ぬ……このドン・ジュアン伝説を下敷きにして、徹底した快楽の追求者、無神論者、偽善者としての新しい性格を盛り込んで作り上げられ、大当たりをとったモリエールの快作。

    試し読み

    フォロー
  • モーパッサン怪奇傑作集
    5.0
    目に見えるものをリアルに描き、その奥にある「目には見えないもの」を想像させる薄気味のわるい物語11編。超自然現象、異常な幻覚、狂気錯乱など、作者自身の実体験をへて生み出された「怖い話」の集成。
  • 若き詩人への手紙
    -
    職業と文学への志の食いちがいに悩む青年にむけて書かれた「若き詩人への手紙」は、たんなる芸術論ではなく、孤独について、職業について、家庭についてなど、幅のひろい人生論として、さまざまな刺激と励ましに満ちた書。第二部「愛する人たちへ」はリルケのさまざまな面を明らかにする書簡集である。

    試し読み

    フォロー
  • 李陵―中島敦名作集
    -
    1巻440円 (税込)
    漢学者を祖父にもち、漢学の教養と広い読書に支えられた知性と感性を身に付けた中島敦は、前人未到の高い芸術性をもった作品群を残して夭折した。ここには「李陵」「弟子」「名人伝」「山月記」「文字禍」「悟浄出世」「悟浄歎異」「牛人」「光と風と夢」の代表作9編をおさめた。

    試し読み

    フォロー
  • 黄色い犬
    1.0
    ブルターニュの小さな港町コンカルノー。午後十一時に近い。酒類販売を手がけるモスタガン氏は千鳥足でホテルのカフェから出てくる。折からの強い風のなか、なんとかして葉巻をつけようとするがマッチが無駄になるばかり。ようやくマッチに火をつける。瞬間、氏の身体はあとじさりしてよろめき、歩道の溝に倒れ込んだ。腹部を撃たれていたのだ。そしてどこからともなく現れた大きな黄色い犬が氏の身体を嗅ぎまわっていた。メグレもの初期の傑作。

    試し読み

    フォロー
  • 男たちのブルース
    -
    1巻440円 (税込)
    横浜でナイトクラブを経営する泉一(いずみ はじめ)は、戦争中の重い贖罪を背負って生きる男。窮地に立たされたかつての部下のため、毅然として自らの血を流そうとする。男の生きざまを問う生島治郎のハードボイルド。
  • わが生活・谷間
    -
    「虫は草を食い、錆(さび)は鉄を食い、虚偽は魂を食う!」ペンキ屋レージカがくり返すこの言葉をはさんで営まれる小都市の暮らしの交響曲。このチェーホフ壮年期の力作「わが生活」と、ある谷間の裕福な農民一家の何年かの暮らしのなかに「時の大きな流れ」を活写した晩年の中編「谷間」を収めた。

    試し読み

    フォロー
  • コロンバ
    -
    コルシカ人のあいだに長く受け継がれてきたヴァンデッタ(仇討)の風習…それを一身に担うコルシカの旧家の娘が、父の仇をうつために予備役中尉の兄を強引に誘って目的にむかって果敢にいどむ。原始的な情熱を具現した女主人公のすがたが強い印象をのこすエンタテイメント。
  • ルコック探偵(上)
    -
    シュパン女将《おかみ》の居酒屋から、恐ろしい悲鳴とともに3発の銃声がひびき渡った。不思議な殺人事件の発端だった。パリ警視庁の若手刑事ルコックが捜査に乗り出す。そして浮かび上がったのは、ナポレオン時代にさかのぼる、貴族たちの血塗られた歴史だった……史上初めての長編ミステリーとされるガボリオの傑作。江戸川乱歩はこの作が大のお気に入りで、少年向きにした「ルコック探偵」を書いている。

    試し読み

    フォロー
  • 港の酒場で
    -
    メグレのもとに、教師をしている旧友から一通の手紙が届く。教え子の電信技手が港町フェカンで起こったトロール船の船長殺害の容疑者として逮捕されたという。旧友の依頼で事件の解明に乗り出したメグレは、船員たちの複雑な心理状態から事件の謎をひもといていく…

    試し読み

    フォロー
  • 入れ札
    -
    1巻440円 (税込)
    油の乗りきった時期に一気に書かれた「蘭学事始」「入れ札」「島原心中」「乱世」「仇討三態」「船医の立場」のほか、後年の2編を収録。「入れ札」は会心の作と評判をとった。

    試し読み

    フォロー
  • 忠直卿行状記
    -
    1巻440円 (税込)
    処女作「身投げ救助業」から出世作「忠直卿行状記」を含め「恩を返す話」「無名作家の日記」「恩讐の彼方に」「出世」「勝負事」など、菊池寛の初期の小説の代表作を集めた。

    試し読み

    フォロー
  • テンペスト
    -
    ミラノ大公の地位を追われ、娘とともに無人島に流れ着いたプロスペローは、修得した魔術を用いてあらしを起こし、自分をおとしいれた敵たちの船を難破させ、島にたどりつかせる。……だが最後には改悛した敵たちを許し、ともにミラノへと帰る。再生と和解のテーマを謳いあげたシェイクスピア最晩年の名作。

    試し読み

    フォロー
  • テレーズ デスケルウ
    -
    テレーズの夫毒殺未遂事件は、家の体面をなによりも大事に考える家族の、いつわりの供述書によって免訴になるが……帰宅したテレーズはいわば幽閉状態を強いられて、絶望的な孤独をかみしめる。はたして私はほんとうに「殺し」を意図したのだろうか? 均整美をそなえたフランス20世紀文学の代表的古典。

    試し読み

    フォロー
  • 地下生活者の手記
    -
    みずから地下生活者と名のる人物が雄弁に語る独白(モノローグ)……主人公は、理性や論理の支配する世界に安住することに反発を感じて、別の次元でおのれ自身の思想を探求しようとする。彼は地下室へもぐって、独自の自由な生き方を求めようし、その無駄なあがきに快楽さえも見いだす。人間の内的な世界をどこまでも掘り下げたドストエフスキーの、「罪と罰」へといたる道程の代表作。

    試し読み

    フォロー
  • 初恋
    -
    ツルゲーネフの最大傑作の一つとして名高い『初恋』。異性へのあこがれに目ざめてゆく少年のナイーヴな心。その心の展開が完璧なまでに美しく、リアルに描かれている。ツルゲーネフの天分が遺憾なく発揮された珠玉の自伝小説を佐々木彰氏の名訳で。

    試し読み

    フォロー
  • 二都物語(上)
    -
    フランス革命時代のパリとロンドンの二大都市を舞台に繰り広げられる歴史ロマン。パリの貧民窟で怪しげな酒場を営むドファルジュ夫妻、ときおりそこで取り交わされる暗号めいた名前のやりとり……革命の機運はいつともなくしだいに熟す。

    試し読み

    フォロー
  • 決闘
    -
    この巻には、チェーホフ作品の大きな転機となったサハリンへの大旅行以後の最初の野心作『決闘』と、晩年の清朗な世界へ移行しつつあった頃の代表作『黒衣の僧』の2編を収めた。「決闘」では、対照的な性格の二人の男の心の葛藤を、ぎりぎりまで追いかけている。

    試し読み

    フォロー
  • 無名氏の話
    -
    「退屈な話」「決闘」「六号室」をすでに書き、樺太(サハリン)旅行を終えてメリホヴォ村に落ち着いてからの、油の乗り切った時期のチェーホフの代表中編「無名氏の話」と「三年」の2作を収める。「無名氏の話」の主人公は革命家であり、「三年」の主人公は金に困らぬ知識人だが、どちらも日常のどうにもならぬ運命の食いちがいに翻弄される。

    試し読み

    フォロー

最近チェックした本