すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
毎度毎度、町田その子さんには泣かされる。人の想いってのをこんな丁寧に書ける人はなかなかいないと思う。みんな、誰かを想ってて、だれかに思われてる存在なのだと思わせてくれる。
時に人は、大切な人ほど、自分の幸せの物差しを押し付けてしまいがちだ。大切と思うほど傷つけてしまう。本当はみんな自分で幸せになる力を持ってるし、自分を幸せにできるのは自分だけなんだと思う。
だから、大切な誰かに幸せになってもらいたかったら、何かしてあげるんじゃなくて、振り向いた時にそこにいてあげることなんだと思う。
大丈夫だよ。ここにいるよ。だからまた、前を向いて。って言ってあげられることなんだと。
息子にとってのそういう存在になりたいと思いながらまた、今日も自分のこうするべき。こうした方がいい。を押しつけてしまうダメな母親だ。私。苦笑 -
購入済み
この発想はすごい!
異世界ゲーム転生系の話。
ただ、本作は単にゲームの世界に入り込むだけでなく、RTA(リアルタイムアタック=短時間クリア)を目的とした各種テクニックをゲーム内で使っているのがすごい。
お陰で、召喚されてからわずか25分で魔王を倒すというとんでもない展開に。
異世界ものは現在無数にあるが、この発想は今までなかった。
この着眼点だけで星4つの評価はあると思う。
絵も悪くない。
RTAの為、まともな戦闘はほぼ無いが、キャラ絵は良い感じだし、キャラ自体も良い。
あくまでも「番外編」的な作品ではあるが、非常に素晴らしい作品だと思う。
しかし、1巻の中盤で早くも魔王を倒して、この後どう引っ張るんだろう?
それが一番興味深い。
★★ 7巻まで購入して ★★
魔王はいないけれど、相変わらずいい感じ。
RTAの要素をその後も非常にうまく取り入れている。
また、各キャラの絵も非常にこなれてきて、キャラ同士の掛け合いもすごくいい。
ダーニャはかわいいし、ラスピやブラムスのキャラも非常にいい感じ。
さらに、細かいところに非常に配慮している感も良い。
ダーニャの「ニャ」言葉とか、落下の際に布で傘を作るとか、細部までちゃんと設定しているのはすごい。
これは今までになかった異世界ものであり、かつ非常に楽しい作品。 -
Posted by ブクログ
日本統治下の台湾を舞台に、日本人作家と台湾人通訳の女性二人が鉄道で旅をする物語。
台湾各地の料理が次々に登場するグルメ小説であり、鉄道小説であり、女性二人の友情、あるいは友情だけでは言い切れない感情を描いた物語でもある。しかし読み進めるうちに、その背後にある「統治する側」と「統治される側」の埋めがたい距離が見えてくる。
同じ列車に乗り、同じ景色を眺め、同じものを食べることで二人の距離は近づいていく。それでも二人がまったく同じ場所に立つことはできない。
いくつもの読み方が重なり合う、重層的な歴史創作小説。台湾料理を楽しみながら読み始め、最後には植民地支配とは何だったのかを考えさせられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ(上巻より)
冒頭にティリーが死んだと報道される場面は当然フェイクだと思っていたので、
何のための無差別殺人なのかという謎を解くところや、
ポーが前作の犯人ベサニー/クララに助言を求めに行く場面、
犯人を捕まれるための罠を仕掛け、ポーが直接捕まえるところも楽しく読めたが、
今回の作品はいつもに増してポーとティリーの友情がメインだったと思う。
ポーが自分が火に飛び込んでも助けようとするのが、婚約者ではなくティリーだと気づいたり、
ティリーがゲームのコンペティションに誘っていたのは女性蔑視の連中から身を守るためだったとポーが知ったり、
そして、自分の側にいることの危険を避けるために結婚式から逃げようとしていた
ポーをティリーが先読みして止めたりといろいろ感動的だった。
という訳で次回以降、
「羊たちの沈黙」のハンニバルのようなベサニーとの関係性どうなるのか、
新しく始めるポーとティリーの探偵社どうなるのか、楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
芥川賞受賞作ということで、手に取る。プロボクサーが選手兼任のトレーナーと組み、試合に向けて練習を積んでいく物語。
プロボクサーであること以外は、これと言った特徴のない主人公。彼の一人称視点によって、序盤の敗戦、そして復帰戦までの練習の日々が描かれる。
ボクサーが新たなトレーナーと出会って再起を図るサクセスストーリー、となるとボクシングを題材にした作品でありがちな展開。ただ、この作品は、サクセスストーリーでは、決してない。対戦相手を友人と妄想し、日常が全く上手くいっていない主人公は、別に大きな変化は起きない。変わったのはトレーナーによる指導と、本人の技術面の変化。内面的には、女性への急な暴力性や、感情的に素人に手を出す幼さなど、あまり成長は感じられない。
とはいえ、ボクサーとしての生活は続いていき、鬱々とした日々が続く。その内面が繊細に描かれていて、没入できた。 -
Posted by ブクログ
第1巻に続き情報量の嵐が凄まじい…!どうしたらここまで細かく周密に設定出来るのか…。平安時代や日本古代の様式・術式を底面にしているとはいえ
第1巻でも思ったものだけど、この設定量の嵐だけで好評価をしたくなりますよ。勿論、設定だけでなく登場人物の心情描写や話の流れも素晴らしいからこそ、引き続き高評価しているのだけど
前巻ラストにて驚愕の糾弾が行われたのだから、続く2巻で描かれるのは世界の裏側であり天茜・碧橙と祭花の対立だと思われた。祭花が突き付けたあの言葉こそが真実なのだろうと
なのに祭花は前巻にて各所暴走していた堕竜講と同じように、誤った知識から正義を騙っていたなんてね。流石にこの辺りから更に語られた世界の真実には驚かされたというか、前巻にて提示された情報を飲み下しきれていなかったからこそ、読者たる私も誤った知識に迷い込んでいたのだなと気付かされましたよ
前巻にて祭花は八重の術師と接して、それまで知らなかった世の在り方について知った筈だった。その上で水仙香に告げられた裏側により一般の者より遥か詳しく世界の成り立ちを知った筈だった
そんな彼女をして驚愕の連続となる綾水蓮が語る真実は人民に隠された世の在り方であると同時に、これを知ったならば世界を護る側に回れと促されているかのよう
そのような印象を抱いてしまうのも真実開陳と並行して描かれる〈野辺ノ墨染〉討滅があまりに絶望的な戦いである為だね。絶望的というのは“勝てない”という意味ではなく、勝てるがその為の被害が甚大過ぎる意味
〈野辺ノ墨染〉は超級だから別格として、いつ滅んでも可怪しくない八千穂国に襲い来る堕素は何としても防がねばならぬ。過程にて八重の術師に犠牲を強いながら
そうした真実を知らず、虚飾に塗りたくられた犠牲の上に天茜達こそ立っていると糾弾した祭花はとんだ道化に思えてくる。そこには国の上に立つ者達が民に真実を秘匿しているという背景も有るのだけど
そりゃ、碧橙や綾水蓮が彼女に苛立ちを向けるのも当然だ。祭花が真実を知らなかったとしても、虚実に踊らされて真実知る者を糾弾した上で刃を向けたのだから
本作の特徴となりえてくるのは主人公達が体制側、圧政を行う強者と第1巻では思え、同時に堕竜講が描かれる事で体制側こそ正しいという先入観を抱かされた点。ただ、更なる実態としては暴君に拠る圧政下でないと生き残れない世界情勢だったわけか
守る為には民を虐げる事も反発を招く事も管理する事も必要となる。そうした必要悪の下にあの世界は成り立っている
ただ、そうなってくると個人的な正義感において、天茜達の立場は正しいのか?という視点も生まれてしまう。祭花の疑念は絶えない。……だからこそ、天茜は自分を必要以上に悪を主張する事で祭花の追求を躱してしまったんだろうけど
こうした遣り方って祭花をやり込める上では効果的かも知れないけど、もう少し卑近の問題、友人と思っていた者達の間に隠し事や陰謀が有ったという事実についてはアプローチが出来ていないんだよなぁ
だから真実の開陳を終えても天茜達は祭花から信頼を取り戻せなかった。独りで動く彼女は水仙香の死に立ち会ってしまったし、彼女の遺書をより辛い形で受け取る羽目になった
結局は天茜達ってまだ少年と評して良い年齢だからか、精神面が何処か未熟なんだよね。荒事は慣れていても人との向き合いに不慣れが見える
だから年少者の面倒を年長者が見るのは当然かも知れず。まあ、その役をあの茨宮が担うのは意外が過ぎるけども!
いやだって、茨宮って前巻終盤での出番で七堕出現の黒幕かと思わせる表現があり、今巻でも強力無比な実力者の印象が強かったのに良いにーちゃんみたいな振る舞いで3人の幼さを見守る様は本当に意外性が有りましたよ
そのような兄君に守られているから天茜達はただの子供のようにはしゃいで、子供のように仲直りが出来たのだろうね
この辺の描写からは八千穂国の真実じゃないけれど、少ない知識で思い込んでいたら正しい姿を見誤る、正しさを不知りたいならリスクを負ってでも近付いてみなければならない、なんて事を感じてしまったよ
1巻にてテロリズムを制圧され、直剣と共に処分されたかと思われた銀木犀にまだ出番があるとは
おまけに情報統制・記録処理が施されてテロの首謀者ですら無くなっていたのか。これ、有り難さより憤怒を覚えるような事案だよなぁ。確かにあの行為は過ちだったのかも知れないが、本気で取り組んだ事だけは事実で。首謀者の片方だけ首が晒されて自分は英雄扱いなんて納得できるものじゃない
だから銀木犀が反発を覚えるのは当然で。なのにその反発こそ願われたものだなんて。ならば、余計に反発しなければならない、朝廷が期待した以上の功績を残す事に拠って
他方でこれは朝廷の恐ろしさをより実感させるものでは有るね。体制に歯向かった者すら統治の道具と見做す、使い所が有るなら形を変えさせて使い続ける
かといってある程度の真実を、急進的行動の過ちを知ってしまった銀木犀が再び朝廷に弓引く道なんて選べないわけで。「正しい改革という『復讐』」なんて凄いフレーズですよ
そして一度点いてしまった火は簡単に消えたりせず
秋蕊達の叛逆行為が始まって、状況など何も判らないだろうに、「無きものとされた臣民の力を示す好機だ」と奮い立つのは彼女なりに迷いを抜けた印象を覚えるね
この巻で何度も問い掛けられるのは「そこまでして生きるのは正しいと言えるのか?」という点か
同作者の別作品『エイティシックス』だと今にも滅ぼされそうな世界において、それでも生き続けようと、生きている限りは戦おうとする者達の矜持が描かれている
その点は本作も同じくするけど、こちらはもう一歩踏み込んでいるね。生きる為に戦うのは正しいが、その戦いを数百年単位で続け且つ過中にて犠牲を許容するのはいつまで正しいと言えるのか?と
綾水蓮が語る既に滅んだ世界、国の為に我が身を犠牲とするヤマブキ機関、それらは正しいと言えるだろう。けど、1000年掛けて世界を救う中で犠牲になる命の数は世界救済後に生き残った命やその後に生まれる命より多い可能性があるかもしれない。犠牲を許容し続けてまで生き足掻く事は本当に正しいと言えるのか?
巻の後半で秋蕊達、夕清の従者等が叛逆行為を起こしたのはむしろ当然の成り行き
朝廷は犠牲を少なくしようとしつつも、生じてしまう犠牲は当然のものと時には迷い無く切り捨てる。生き残った側は、犠牲を強いた側は“責務”という言葉で枷を課して満足して終わりと出来るかもしれないが、命を潰された側は到底納得など出来るわけもなく
朝廷に与する彼らの叛逆は内部分裂などという言葉では表現しきれないもの。犠牲を強いてきた側に対する当然の反発。しかし、体制側はこれすらも制圧するのが正しくて
この状況は本来なら手痛いしっぺ返しとなる事態。…だというのに、大地を統べる九重の皇家はこの事態をすら統治の一助としてしまうのか……!
勿論、現場レベルで見れば何も問題なかったわけではない。ヤマブキ機関に犠牲が生じかけた虞はある。しかし、動くべき歯車が望ましく動く事で身内による叛逆テロはあまりにあっさりと制圧された。その上で皇家の印象操作に利用しているのだから恐ろしい
当然のように九重やヤマブキ機関は犠牲を許容する。だからこそ、犠牲に拠って生じる次なる犠牲も許容し自らの統治に利用している。それを傲慢と呼ばずしてどう形容すれば良いのだろうね?
今回も滅びかけた世界でどうにか彼らは当然の顔をして生き残った。その傲慢さが別の傲慢さによって潰されてしまうのか?それとも闇から来たる企みさえも潰し返すのか、新たな犠牲と為すのか
先の展開が読めない、というよりこうした犠牲の物語が何処へ辿り着くか読めないだけに、最後まで付き合いたくなる作品ですよ! -
Posted by ブクログ
ネタバレいわゆる本格ミステリー。
筆者から読者へ挑戦状が書かれているタイプ。
タレント星園の付き人である和夫は、とある山奥のコテージへ泊まることに。その雪山で起きる連続殺人に、ワトソン役の和夫は真実に辿り着けるのか!?
これこれ!こういうの!!
本格ミステリーを待っていた!!
しかも作者からメッセージにはトリックが仕掛けられてて、ホームズが星園ではない、麻子なのでは?と途中で気づけた時は、やった!って感じで面白かった。
よくある館もののクローズドサークルものだけど、図が多くて推理しやすい工夫も良かった。
逆に、ドキドキ感、絶望感は少し薄めで、ほんとにサスペンスじゃなくてミステリーを重視した内容。
バランスも良く、かなり満足出来たが、登場人物にもう少し個性が乗っかっていれば、文句なしの出来だったかと思う。
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