中島京子のレビュー一覧

  • 平成大家族

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    解説でも言っていたけども。

    人気の東京バンドワゴンシリーズにとてもよく似ている話ではあるんだけど。実際問題、こっちの方がよくあるんじゃないかな。と思わされる皮肉のような家族ストーリー。笑笑

    東京バンドワゴンは、とにかく家族が仲良しで、ずーっとみんなで一緒!みたいな話が永遠と続きそうな内容だけども。実際は平成大家族のように、みんなそれぞれ大小の不満を抱えてしか同居はできず、ある程度動きが取れるようになったら出て行くっていうのが、ホントだよなぁ。

    と。

    笑笑

    そう考えると、東京バンドワゴンは理想でこちらは現実大家族かな。笑笑

    それより、これも大概にしてなかなかない状況ではあるし、大家族

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    2021年07月18日
  • のろのろ歩け

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    ネタバレ

    中国を舞台としたカップル・夫婦・不倫(?)の男女関係に関する完結型のお話3つが詰まった一冊です。

    何かの雑誌で、「旅をする時に読む本」として紹介されていたのが気になって読みました。

    その中で、「目覚ましい発展を遂げた中国ってどんな所で、どんな文化があるのか」というプチ豆知識的な事が登場人物の会話やその行動に出てくる形になってるので読みやすかったです。

    そしてタイトルの「のろのろ歩け」って一体何なんだろう?と気になりながら読んで、これは1話目に登場する屋台のおじさんが、めまぐるしく変化していく町の中で「ぼちぼちやろう」という意味合いで言った言葉でした。


    こういうのなんか好き。

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    2021年07月03日
  • 花桃実桃

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    花桃館というアパートの大家さん茜と、個性的な住人達や彼女の家族、そして友人との甘すぎず、辛すぎない日常が切り取られた作品。読みやすくて面白かった。3.8

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    2021年06月26日
  • 本格王2020

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    結城真一郎「惨者面談」★★★☆☆
    凡そ結末の予想はついたけれど、文体が好き。

    伊吹亜門「囚われ師光」★★★☆☆
    「刀と傘」「雨と短銃」に続いて。
    この方の作品、個人的にとても好きなのだが、短編だと淡々とした印象がより強いかも。ただ母校の新島襄を出してくるところが強いな。

    中島京子「ベンジャミン」★★★☆☆
    お母さんのセリフと動物園であらかた予想はついたけれど最後まで読めた。
    アメリカの小説を読んでる印象があった。
     
    櫛木理宇「夜に落ちる」★★★☆☆
    掲示板のまとめを読んだときに感じる胸糞感があって、とりあえず私は外食しているときに隣のテーブルにこのご家庭が座ったら、脳内早食い選手権を開催

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    2021年06月17日
  • 花桃実桃

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    父・桃蔵が残したアパートの大家になった茜と、「花桃館」の住人たちとの日々がユーモアな文章で描かれてます。住人たちとの会話や茜の独特な思考がユーモラスで、面白いと言えば面白いんだけど、住人たちの奇妙さがイラっとする類のもので(人に頼って生きてる妙蓮寺パパとか、何となく無神経なハルオとか)今一つハマれなかったのが残念。

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    2021年06月06日
  • ゴースト

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    ネタバレ

    つまらないとまではいかないけど面白くはなかった。
    幽霊連作集って「幽霊」がテーマの話をまとめただけとは思わなかったです。
    人間だけじゃなくて、元学生寮やミシンなど人間以外のものも出てきて「幽霊、ゴースト」の意味が広すぎ。
    話も結末がすっきりしないのが多くて不思議さや奇妙さをあまり味わえなかった。
    この中だったら「キャンプ」が好き。
    マツモト夫人が息子2人と難民キャンプで会える日はいつだろうか。

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    2021年06月02日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒い結婚編と白い結婚編が上下逆になっており 前後どちらからでも読める様になっています。

    私は白い結婚編から読み始めましたがお気に入りは瀧羽麻子さんの「シュークリーム」

    黒い結婚編では窪美澄さんの「水際の金魚」

    7編の中にはシンミリ来る物、ぶっとんだ物、リアリティー溢れる物、イヤミス要素のある物と様々で、結婚と言う共通したテーマの中にも色々な形が存在し、そのふり幅も広く飽きずに読む事が出来ました。

    結婚は墓場なのか、はたまた楽園なのか、自分自身を顧みながら興味深く読めた1冊です。

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    2021年05月20日
  • FUTON

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    ネタバレ

    田山花袋の「布団」いつだったか、もう40年くらい前に読んでると思うのだが、ほとんど記憶なし。本作はその「布団」をリスペクトして書かれた長編小説。

    現代を生きるアメリカ人日本文学研究者、寿命尽きんとしている90代老人の戦中時代、新解釈「布団のうちなおし」に出てくる本家「布団」の主人公でもある幸雄。この3人の中年男が実に情けない。その情けなさが腹立たしい。

    腹立たしい思いは、おそらく今その歳になっている俺だからこそ。自分の中に彼ら的な情けなさを飼っているのが分かるからなんやけど…。

    なんぼ自分が若いつもりでも、最近の若モンより立派な男やと勘違いしてても、実は全然大したことないって客観的に認め

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    2021年05月04日
  • さようなら、コタツ

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    「桐畑家の縁談」のウー・ミンゾンのその後が出てくるというので読んだ。鎌倉のおじさんのうちでのエピソード。
    中島さんは小説の名手だと思う。それは間違いない。絶妙な心理が描かれているのは変わらないのだけど、長編における緻密な構成とか、意外性に慣れてしまって、短編だと、どこかさらっとしすぎて物足りない。贅沢な悩み。

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    2021年03月15日
  • 桐畑家の縁談

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    ネタバレ

    あらためて中島さんは、短編の妙手であると思う。星が少ないのは、夢中、というほど湿ってなくて、カラッとしてるから。(桜木紫乃さんの後でしたから!)引き込まれる、というより、ちょっとした表現に思わず唸ってしまうことの方が多い。
    どこにでもありそうなエピソードを、あっちからこっちから目線でつなげていって、その場を演出していく。佳子は、姉の露子より先に結婚してしまうが、露子は医学生の彼と結婚する気が起きない。どちらの結婚も、決してシンデレラストーリーにはならない。それがリアルに伝わってくる。個人的には(一緒に笑うことができる)姉妹がいるって、いいなぁ〜、と思ってしまった。
    温水ゆかりさんの解説で、ウー

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    2021年02月28日
  • 花桃実桃

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    ネタバレ

    初めての作家さんだけど、まず、表紙の可愛さと主人公の年齢に親近感を持ち購入。
    読み始めると、独特な文章に少し違和感があったけど(いちいち主人公をフルネーム呼びするところや、古めかしい言い回しが多い?)、内容はほんわか緩い雰囲気なので読みやすかった。
    1話につき1部屋フィーチャーして話は進んでいく。
    中盤あたりで、このまま特に何もなく終わっちゃうのかしら?と心配になったが、読み進むにつれて、最終話はお父さんが登場か?!とか、茜もいよいよ結婚?!と勝手に私の気持ちが先走ってしまったので、あれれ?という感じで終わってしまった。
    だから、ちょっと物足りないような気もするけど、よく考えると悪くない終わり

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    2021年02月08日
  • 本格王2020

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    【収録作品】「惨者面談」結城真一郎/「アリバイのある容疑者たち」東川篤哉/「囚われ師光」伊吹亜門/「効き目の遅い薬」福田和代/「ベンジャミン」中島京子/「夜に落ちる」櫛木里宇/「時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ」大山誠一郎

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    2021年01月02日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    窪美澄さん目当てで読み始めたけれど、このように色々な作家の作品が読めるのは良い事だ。やはり‘白い結婚’ラスト2話が とても良かった。

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    2020年09月20日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚にまつわるアンソロジー。
    黒い方が私は好みだな(笑)

    でも、最後の話はちょっとグッと来た。

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    2020年07月19日
  • ゴースト

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    うーん、普通。良くも悪くもない。
    幽霊にまつわる話について短編が7話。
    「きららの紙飛行機」と「亡霊たち」が好き。

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    2020年06月20日
  • イトウの恋

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    情熱的で狂おしく切ない恋のお話だった。海を渡る。

    好きな女ができたなら、追いかけていってつかまえておあげよ。それがつかまる恋ならばね。

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    2020年05月26日
  • ゴースト

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    ゴースト(幽霊)をテーマにした短編集。
    実際に幽霊の登場するものもあり、昔のものの魂みたいなものだったり、様々。
    「キャンプ」に出てくる逸話が、「おさるのジョージ」の作家夫妻の話とそっくり、と思ったら、それをモデルにしていた。なぁんだ(笑)

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    2020年01月22日
  • 彼女に関する十二章

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    面白かったけど少し違和感を感じました。主人公とその夫の性格設定が私には不自然に感じました。性格に微妙に統一感がないというか、知識があるのかないのか分からないところが変な気がしました。こう考える人ならこう考えるはず、これを知らないならこれも知らないはずというのが私の感覚とはズレていて、そういう些細な違和感が私は気になって作品に入り込めませんでした。他の方々のレビューは概ね高評価で面白いとあるので私が変なのでしょうけど…。

    伊藤整の『女性に関する十二章』というエッセイをベースに展開される物語自体はすごく面白いです。うまいこと繋げてくるなぁと感心してしまいます。金を使わない人生を送る片瀬さんやゲイ

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    2019年12月24日
  • かたづの!

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    南部氏が治めていた青森、岩手、秋田にまたがる地。
    その地で生まれ育った袮々は、女大名として手腕を振るう。
    しかしそこに至るには、悲しみと、怒りと、忍があった。

    物語の語り部はアオシシ、羚羊である。
    しかも一本角の!
    彼もまた美しき白い羚羊と出会い、悲しみの別れを経験している。
    死後は霊となり、物語を語り続ける。

    本書で繰り返されるのは、「戦で一番重要なことは戦をやらないこと」だ。
    どこぞの大馬鹿者(それを選んだ有権者も相当程度責任があると思うが)が、我が土地を戦争で取り返しましょうといっていたが、戦争をゲームか何か、血は流さず、自分も死なないと思っているのだろうか?
    それともただ単に、「戦

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    2019年09月22日
  • さようなら、コタツ

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    短編集。表題作が良い。40歳くらいの冴えない男の人が初めて部屋に来る、ウキウキして落ち込んで、でも前向きでグラタンを温めていいことがある。

    あと冒頭の「ハッピーアニバーサリー」女性2人でルームシェアしてる部屋に父親が突然来る、雑貨屋の夢、現実味のある父親、大須磨の弁当。

    「私は彼らのやさしい声を聞く」夢うつつの中の、夫婦の会話。英語の歌、カタカナのヨジジュクゴ、子供の頃に熱を出した記憶。温かく感じられる。
    全部好き。全部、なんとなく温かい話になっちゃうんだなぁ。架空の部屋の、でも実体を感じるお話。

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    2019年07月20日