中島京子のレビュー一覧

  • 長いお別れ

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    認知症を患うお父さんの世話に向き合う妻と3人の娘達。妻の献身的支えは、愛情から生まれているのに加え、無意識の内にそれは当然の務めとの認識がある様に感じる。
    彼女達は、それでも公的支援としてヘルパーさんやショートステイ等を適宜利用していたと思うが、お父さんがかなり弱って来てから医者が「最後は娘さんの頑張りが必要」と覚悟を求める場面があり、ここには少々違和感を感じた。出版が2018年という事なので、家族で面倒見るのが当然、との意識は今時点よりも強かったのだろう。

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    2025年01月06日
  • 東京観光

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    不思議な不思議な短編集でした。
    植物園に鰐を探しに行く話、天井に女の裸の絵を書いてる男と部屋を交換する話、ムカシハナアルキの話などなど。
    よくわからないのにおもしろかった。

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    2025年01月04日
  • 長いお別れ

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     認知症の家族を支える妻と娘たち。
    ゆっくり進行していく症状と介護の現実の描写がとてもリアルでした。
     決して他人事ではない話だけに、時々胸が締めつけられそうになった。

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    2025年01月04日
  • 坂の中のまち

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    上京して1人暮らしをする女子大生が主人公の小説。東京の色んな坂道がかつての有名作家の一場面や暮らしていた場所に即した話題で綴られる。子供の関係で一時期過ごした伝通院の春日通りの坂道が懐かしい。東京は坂道だらけの街だと再認識した。

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    2024年12月31日
  • ゴースト

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    幽霊にまつわる短編集。

    幽霊っていうと、落武者みたいなイメージだけど、本書では戦中・戦後の過酷な時代を生きた人の幽霊が多い。

    戦争に出兵したおじいちゃんの「僚友」の話。
    孫である主人公が、おじいちゃんの戦時の足跡をたどるように文献を読んだりするところ、わかるわぁと思いながら読みました。

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    2024年12月26日
  • いつか、アジアの街角で

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    6人の作家さんによるアンソロジー
    アンソロジーは買ったことがなかったのですが装丁のマンゴーかき氷に心奪われて手に取りました。

    「停止する春」心に刺さる。また読み返したい
    「チャーチャンテン」読んでいてワクワクした
    「猫はじっとしていない」蜃気楼のような空気感のある話

    私はこの3つがとても好みでした。台湾、香港旅行好きな方におすすめです。
    なんとなく敬遠していたアンソロジーでしたが読んだことのない作家さんの魅力を知るきっかけになってたまにはこうやって新しく本を開拓していくのもいいなと思いました。

    台湾で食べたマンゴーかき氷はほんとうにおいしかった。。また行きたいなぁ

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    2025年01月28日
  • 坂の中のまち

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    まず、物語の内容が詰め込まれたような装丁画の雰囲気が、細かくていい感じだなと思いました。

    大学進学を機に上京した坂中真智の下宿先は、亡き祖母の親友の久世志桜里の家でした。そこから物語は始まります。

    どこまでが本当なのかと思ってしまうような出来事が続いた物語でした。志桜里さんと真知の祖母の深い繋がり、真知の個性的な友達とのこと、エイフクさんとのやり取りなどと比べて、文豪のことやその小説の中身を深く理解していないと、そうなんだという感じを受けるしかない場面もありました。

    その中で、志桜里さんの話を読むうちに、文豪が住んでいた場所とか、小説に出てきた場所が近くにあるのは、羨ましいなと思いました

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    2024年12月24日
  • ゴースト

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    短編小説を読んでるかのような各章ごとに主人公が変わっていき面白さはあった。

    昔のことを振り返りながら各時代の情景が思い出されるので興味深いところもある。

    一つのストーリーのインパクトにかける。

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    2024年12月21日
  • ゴースト

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    言葉や周りの風景、道具にゴーストの影らしきを思わせる雰囲気がある短編集。個人的に 亡霊たち が好きだ。戦争に行ったおじいさんが惚けて何度も、リョウユウを来たと繰り返す。仲のいい孫娘が探ろうとするが真実が分からないままおじいさんは亡くなる。奥が深い素敵な作品だと思った。

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    2024年12月20日
  • 妻が椎茸だったころ

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    どの話も読み終えると不思議な感覚に陥る。どれも愛には変わりないんだろうけど、不思議。最後の一行まで見逃せない話ばかりで、読み手にその後のことを想像させるような話だった。

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    2024年12月19日
  • いつか、アジアの街角で

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    6作家の短編集。

    どの作品も作家さんならではの内容でした。

    大島真寿美のチャーチャンテンがいちばんテーマにも合って良かったな。著者作、最近見かけないな、そろそろかしら。

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    2024年12月18日
  • 夢見る帝国図書館

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    壮大な歴史の物語と、喜和子さんとわたしの交流を織り交ぜたストーリー。
    雄之助くんや織部さんなど、わたしが関わる人達が魅力的。

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    2024年11月19日
  • 平成大家族

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    ネタバレ

    緋田龍太郎
    緋田家の当主。七十二歳。

    緋田克郎
    龍太郎の長男。定職につかず一日中家にこもったまま。物置のさとると部屋を交換する。かっつん。

    春子
    龍太郎の六歳年下の妻。

    逸子
    龍太郎の長女。夫が事業に失敗し、龍太郎と同居する。

    柳井聡介
    逸子の夫。事業に失敗して多額の借金を抱え、会社は倒産、自身は自己破産に追い込まれ、都心のマンションも車も一切合財、手放した。

    さとる
    逸子のむすこ。父の自己破産により、中高一貫の私立校を退学する。物置に立てこもり、二人目の引きこもりになる。克郎と部屋を交換する。地元の桃中に行く。

    川島
    龍太郎の囲碁仲間の元大学教授。

    吉野タケ
    龍太郎の姑。

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    2024年11月12日
  • うらはぐさ風土記

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    うらはぐさと呼ばれる地区にある叔父の家にアメリカ生活を終え離婚して引っ越してきた女性が周囲の人たちとゆるい接点を持ちながら過ごしていくお話。近所の人たちとの関わりって何でもないように見えて、いざとなれば深く強いものなんだろうなと思った。

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    2024年11月01日
  • オリーブの実るころ

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    結婚、家族にまつわる6つの物語。
    家族って他人と簡単に言ってしまえるほど遠い存在でもなく、よく考えると難しい関係だよなと思った。
    距離感って難しい。
    幸せの形は人それぞれ。

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    2024年10月29日
  • いつか、アジアの街角で

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    アジアというか東南アジア大好きな私にとって、なんとなくふわっと面白い短編集でした。

    一番好きだったのは、「月下老人」

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    2024年10月23日
  • やさしい猫

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    自分の無知を思い知らされた。
    まだまだ自分にとって身近な話とは思えない問題であり、その問題の重さが読み進めるごとにのしかかってくるようだった。
    結末が途中で読めてしまい、わかっているはずの結末にたどり着くまでの手続きが長すぎて非常に疲れた。
    考えすぎて、感動に至まで至らなかった。

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    2024年10月19日
  • 均ちゃんの失踪

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    キョンキョンの推薦文を読んだことがあって気になり読んだ。軽やかな恋愛小説とあったけれど恋愛というより情愛のような人間愛のような感じだった。憎めないタイプの均ちゃんみたいな人は近くにいると厄介だな。

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    2024年10月15日
  • 長いお別れ

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    曜子さんが明るいので、重い内容なのに読みやすかった。
    在宅介護、ここまでメンタル保ちながらうまくやれるものかな?介護する側が参ってしまいそうだけど。

    網膜剥離の手術後、何とか早く治そうと医師の言葉通りうつ伏せを頑張る曜子さん、めちゃくちゃ可愛らしかった。一緒に退院できてよかったね。

    ラストシーンも良かった。
    「長いお別れ」って、良い表現だな。

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    2024年10月14日
  • いつか、アジアの街角で

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    私も同じ経験をしているので、「停止する春」は当時の事を思い出すと同時にあれから月日が流れて今居る自分の居場所、気持ちも含めて共感出来るものがあった。

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    2024年10月07日