あらすじ
アパートの水漏れがきっかけで、下の階に住む男と親しくなったあかり。男はある日、奇妙な相談を持ちかける。「俺と、部屋を交換しない?」(「天井の刺青」)。街のあちこちに灰色の公衆電話が存在していた、あの時代。初めて東京を訪れた私が泊まったホテルの部屋には、なぜか外国人女性が住んでいて……(「東京観光」)。不思議で、ユーモラスで、じんわり染みる。直木賞作家が贈る、味わい深い七つの物語。
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Posted by ブクログ
独特の短編の短編集でした。闇、病みのあるのが特徴的なってこと。どんな終わり方とかじゃなくて出だしに問題定期して先に進むのが、どうなって終わるのかと思いながらでしたが、特に解決策がある訳ではなくてアワアワと進んで終わってしまったよ。ポジョも振り回されて、でも受け入れて、ずいぶんやりたい放題だけどと思うけれど。東京観光も不思議だけど、最後に笑ってお別れして良い思い出話でしたね。思ってたのと違うのが1番思う事かも、さよならコタツに平成大家族にの家族ものかなぁなんて勝手に思っていたよう。なんだかめっちゃ読んでる
Posted by ブクログ
『シンガポールでタクシーを拾うのは難しい』、『東京観光』が面白かった。前者、倦怠期の夫婦の様子が生々しくて、そうなんだよね、相手をちょっと気遣えば問題にすらならないことが、気遣えないばっかりに大問題になるんだよね、あるある。と思いながら読んだ。夫婦間だけでなく、恋人同士でも家族でもあること。おもいやりは大切。お互いに。で、結局くだらないことで笑い合ってなんとなく仲直りして、というのも気の置けない同士ではあること。上手だなあ。後者はちょっと不思議な話。一度は遭遇してみたいな私も。夢か現実か分からない体験に。
Posted by ブクログ
とても良かった。特に表題作の『東京観光』が良かった。落ち着いた穏やかな女性の一人語りを聴かせてもらっているような雰囲気の小説で、とても読みやすく、また内容も面白くて話に引き込まれた。他の作品たちも良かった。
Posted by ブクログ
ポップな表紙が印象的な短編集。
1篇ごとに世界もがらりと変わる。
表紙のように、とてもカラフル。
が、共通するのは、どの作風も一風変わった人や設定があることだろうか。
小石川植物園で鰐を探し続けるヒロインも不思議だが、そこで彼女が出会うのは「銀杏の精」を演じ続ける中年男性。
放課後にだけ現れ、一部の人にしか見えない「ゴセイト」。
結婚前にした鼻の整形後のメンテナンスができず、鼻の話題に極端に過敏になっている女性。
彼女の夫はこともあろうに、ゴーゴリの「鼻」を生物学的に考証しようと、「鼻行類」などの話を滔々とする。
シュールな中に、独特なユーモアが感じられる。
シュールな作品に耐性(失礼!)がない人には、ちとつらいかも。
Posted by ブクログ
個人的には鼻の話が一番残っていて好きです。お互いに気になっていて心の中ではばれているんじゃないか、と考える妻と、自分のせいなんじゃないかと疑う夫。やさしすぎて羨ましい限りです。天井の刺青は最後のまさかの展開に人生ってわからないと思えるお話で、これはこれでよかったです。あとはゴセイトに会ってみたい。でもこれは自分の中のひとり感もあるような気もしました。
Posted by ブクログ
何が突出して良かったとかではないんだけど、全編非常に面白いというか面白みがある。かすかに外連味も感じる。「植物園の鰐」のぶっとび加減と、「コワリョーフの鼻」の鼻行類にはぶったまげました。こんな場所で出会うとは。
Posted by ブクログ
久しぶりに中島さんの本を読んだ。やっぱり好きだなと思った。ありえない日常だけれど、少し視座を変えるとこんな日常もあるのではないかと。人間のやりとりが生々しいし、生々しいけれどユーモラスで、こんなやりとりができるユニークな人になりたいと思う。
お気に入りは、『コワリョーフの鼻』と『シンガポールでタクシーを拾うのは難しい』だ。どちらも夫婦が題材だが、やりとりがそれこそ、生々しいのだ。何を相手に求めているのか。それが違和感なく全て入ってくる。『コワリョーフの鼻』はそこに、さらにユーモラスも加わり、ほっこりする内容だった。
他の中島さんの作品も久々に読んでみようと思った。
2014/09/27
Posted by ブクログ
同じ言語を使っていても認識相違があるように、不慣れな言葉同士でわからないところを勝手に補完したらそりゃあ幸せな解釈になるだろうなぁ。
でもどうせ、完全に相手を理解できないなら可能な限り、勝手な幸せ解釈を身近でしていきたいなと思う次第。
Posted by ブクログ
昔、買っただけで読んでいなかった積読本のひとつ。
七つの物語からなる短編集。
何が起きているのか?いったい何なんだろう?と戸惑いながらも、するすると読めてしまう。
ストーリーもその手法も不思議。
『コワリョーフの鼻』が面白かった。
Posted by ブクログ
不思議な不思議な短編集でした。
植物園に鰐を探しに行く話、天井に女の裸の絵を書いてる男と部屋を交換する話、ムカシハナアルキの話などなど。
よくわからないのにおもしろかった。
Posted by ブクログ
久しぶりにこれぞ短編集!ってのを読んだ気がして新鮮でした。1人の作家がテーマに沿って小説を編んでゆく思考が伝わってくる。1冊の本として良いと思う。
「植物園の鰐」で、不思議系とまで言わないがこういうのかー、と思ったら次はまた違う感じで面白かった。どの作品も浮遊感と現実が共存していて、いつまでも読めそう。逆にこれが1番好き!ってのを選ぶのが難しい。
Posted by ブクログ
ちょいちょい「うぉっ!」っと心をわしづかみにする展開
この前に同じく中島さんの眺望絶佳を読んだので、こちらも東京観光のアンソロジーかと思っていました。
違いました。
シンガポールとか行ってしまいます。
あとがきで書かれているのですが、いろいろな媒体に求められた短編を集めた内容ですので、それぞれの話に関連性はないのです。
さらっと読んで行く感じでしたが、ちょいちょい「うぉっ!」っと心をわしづかみにする展開に持って行かれます。
「コワリョーフの鼻」の展開にはびっくりしましたわ。
後は天井の刺青の描写に見惚れたり、ポジョとユウちゃんとなぎさドライブウェイを読んで映画のような情景が脳内に広がり、こないだ行ったばかりだけどまた北陸行きたいな、なんて思わされました。
巻末を見ると、集英社でいろいろ中島さんの本が発刊されているようなのでまた読み進めていきたいなという気持ちになりました。
Posted by ブクログ
7つの短編集。
どれも不思議な気分になるお話。
でも、内容はそんなに不思議なものばかりじゃないんだけど、なんでだろう?
それぞれの話に深みがあって、そしてとってもユーモラスだった!
2015.2.21