中島京子のレビュー一覧

  • 坂の中のまち

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    東京・小日向を舞台に、女子大生の真智が祖母の友人・志桜里さん宅にいそう東京・小日向を舞台に、女子大生の真智が祖母の友人・志桜里さん宅に居候することから始まった日々を緩やかにユーモラスに、時に不可思議に描く。

    志桜里さんの、真智に対して付かず離れずといったスタンスが心地良い。一方で小日向愛は激しい。

    江戸川乱歩「D坂の殺人事件」
    遠藤周作「沈黙」
    安部公房「鞄」
    夏目漱石「こころ」

    他にもいくつもの文学作品が登場する。
    東京は都会だけに舞台にした作品も多い。
    そして意外と坂の町でもあるのだなと思う。

    真智が出会った人々は幻なのが現実なのか、夢なのか幽霊なのか。
    振り回されている人が現実と

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    2025年04月23日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    人気作家さん達でこんぺいとう商店街のお店の様子を描いた本。
    あずかりやさんはこれがきっかけだったのかな?
    久しぶりに読んでこんな始まりだったなあと懐かしかった。
    おにぎり屋さん美味しそうだったな。

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    2025年04月19日
  • 長いお別れ

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    読みながら、認知症だった祖父を思い出した。
    祖母もまた、妻の曜子のように献身的に介護につとめていた。
    東家族の日常と
    自分の記憶を重ねて読んで
    そうそう家族のあたたかさって、こういうことだよなと改めて感じ、
    やわらかな気持ちになった。

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    2025年04月15日
  • 坂の中のまち

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    ネタバレ

    【収録作品】フェノロサの妻/隣に座るという運命について/月下氷人/切支丹屋敷から出た骨/シスターフッドと鼠坂/坂の中の町/エピローグ

    坂中真智は、大学入学を機に上京し、亡き祖母・澄江の親友、久世志桜里が営む下宿屋に住むことになる。

    ガールミーツ幽霊譚とあったので、もっとファンタジー寄りのものを想像していたが、違った。
    ひょいとさまざまな文芸作品の名が出てくるので、再読したくなる。
    現実とリンクしていてコロナ禍の状況にも触れられている。その後はさらりと。

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    2025年04月07日
  • さようなら、コタツ

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    短編集。

    抱いていたイメージと違った。

    表題作「さようなら、コタツ」は良かったが、その他はそこそこ。

    可もなく不可もなく。

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    2025年04月06日
  • 長いお別れ

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     ゆっくり失っていくのと突然失うのとではどちらのがつらいんだろう。
     死はどうしてこうも理不尽な気がしてしまうのだろうか。

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    2025年04月03日
  • 妻が椎茸だったころ

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    ホラーのような、世にも奇妙な物語みたいなお話しの短編集。
    タイトルにもなっている『妻が椎茸だったころ』が気になって購入したが、個人的には『ラフレシアナ』という植物を育てる女性の話しが印象に残った。

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    2025年04月02日
  • 東京観光

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    昔、買っただけで読んでいなかった積読本のひとつ。
    七つの物語からなる短編集。

    何が起きているのか?いったい何なんだろう?と戸惑いながらも、するすると読めてしまう。
    ストーリーもその手法も不思議。
    『コワリョーフの鼻』が面白かった。

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    2025年03月29日
  • 坂の中のまち

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    坂の名前、確認しながら春の一日、文学散歩いいかも。陽だまりのネコも歓迎してくれるかも。それにしても、新型コロナ。遥か昔の出来事のよう。喉元過ぎればなんとやら…。「台湾じゃ、日本の検疫は、仏系って言われてるんだよ」「ザル系」って。確かにそうだったなあ…。

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    2025年03月11日
  • 平成大家族

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    引きこもりの長男と90歳過ぎの姑と共に穏やかに暮らしていた緋田夫婦のもとへ、自己破産した長女一家(長女、娘婿、その息子)が戻ってくる。程なくして、離婚した次女(妊娠している)までもが戻ってくる。

    次から次へと騒動が押し寄せる、てんやわんやの物語。

    知らぬへ当主のみ。語り手が変わっていくところが共感でき面白かった。

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    2025年03月08日
  • キッドの運命

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    中島京子の近未来SF市井物語集。今当たり前のものが当たり前でなくなる世の中、男も妊娠し、学校へ行くのはイジメがしたい人だけ、等想像力逞しい!

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    2025年03月04日
  • パスティス ──大人のアリスと三月兎のお茶会

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    元の小説を知らないため、楽しみは少なくて残念です。それでも充分面白かったです。本当に酔っているかのような気分になりました。

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    2025年02月26日
  • 坂の中のまち

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    不思議な話だった。
    坂好きにはたまらないかも。確かに東京は坂が多いです。あとこれに出てくる本を読んでたらもっと楽しいでしょうね。友達のよしんばが面白い。なかんずくとかゆくりなくとか日常生活で使ってみたい。

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    2025年02月13日
  • いつか、アジアの街角で

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    好きな感じの短編集だった。
    特に好きだなと思ったのは、宮下奈都の「石を拾う」と角田光代の「猫はじっとしていない」だった。
    心の底から突き上げてくる怒りをマグマと表現していたり、喪失感からくる寂しさを埋める旅をしてみたり、心の模様を石や猫をモチーフにして上手に描いているところが良かった。
    好きになった作者の他の作品も読んでみたいと思った。

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    2025年02月07日
  • 小さいおうち

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    昭和初期の世の中のイメージが変わりましたね。生活史は政治史や世界史とは違う。男の歴史ではなく市井の歴史、雰囲気が分かりました。ストーリー的には抑え気味で盛り上がりはそんなになく、淡々という感じ。

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    2025年02月05日
  • 堤中納言物語

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    日本最古の短編集として素晴らしいと思うし確かにお話ひとつ一つは面白いのだが、わかっちゃいるけど平安時代の制度というか習慣とかが、私にはどうしても気になる。
    こんなにほいほい他人の侵入を許したり生活覗き見されたりって、防犯上どうなの?
    気に入ったからってさらうって…え、誘拐でしょ?
    侍女の手違いで恋人じゃない人と関係もたされる…気持ち悪っ!
    そもそも強引に言い寄られたらほぼ拒否権無い平安時代の女性、不憫過ぎる…
    『おちくぼ姫』な感じを期待して読んだら、物語以外のところで引っかかりすぎて、集中できなかったのであった。

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    2025年02月02日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    記憶と自分の繋がりを意識させる豊かな表現と心踊る暖かな出来事の連続。大人になって思い出して、はじめてわかった思い出、記憶の断片から想像力の世界を旅する物語。

    喫茶店を舞台に、死生観やアイデンティティ、恋、人との出会い、家族の話が織りなされる。それぞれのお話しにコーヒーのような甘酸っぱさやほろ苦さが漂う。
    ファンタジー世界と現実世界の境界を崩して夢のごとく人生の記憶を辿る中で、少しずつ「自分」が見えてくるというカラクリが自然な形でじんわり心に入ってきた。

    他者と出会い、言葉を交わし合う中であるいは離れる中で紡がれた途切れ途切れの記憶を、想像や妄想で繋ぎ留めて、今の自分があると思えた。

    読み

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    2025年01月22日
  • 樽とタタン(新潮文庫)

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    タイトルに惹かれて読んだけど、ファンシーすぎてなかなか入り込めなかった。
    地元の野球チームに勧誘されないために、
    喫茶店に入って野球の話が聞こえたら帰るという男性の話が面白かった。
    巻き込まれないために事前に退くというのも手段かもしれない。

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    2025年01月16日
  • 坂の中のまち

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    大学入学を機に上京し、文京区に住む祖母の親友宅に下宿することになった坂中真智。文京区は坂が多く文豪が多く住んでいた街でそこで不思議な体験をしながら、大学生活を送る物語。

    読み終わってから、タイトルが主人公の名を捩っていることに気がついた。

    中島京子さんはとても読みやすくて好きなんだけど、これは淡々とした感じで全然好きになれなかった。祖母の澄江さんとその親友、志桜里さんの話はもっと読みたかったなぁ。

    ただ、『D坂〜』とか『こころ』とか『鞄』とか出てきて、学生時代読んだぞ懐かしいとなった。

    最後のエピローグも「えっ、これだけ?」ってなる。きっと私だけでなく、読んだ人みなそう思うと思う。

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    2025年01月16日
  • いつか、アジアの街角で

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    *あの街の空気が呼びおこす遠い記憶と、かすかな希望、そして――
    人気女性作家6人による、心に染みる珠玉のアジア・アンソロジー*

    どの作家さんのお話もそれぞれの特徴が良く出てるけど、
    全編一様にアジア調の空気が漂っているので統一感もありつつ、
    独特な浮遊感も楽しめる不思議な短編集。

    特に良かったのは、中島京子さんの「隣に座るという運命について」。
    ふわふわと柔らかくて、キュートな登場人物たちと優しい読後感が好き。

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    2025年01月06日