中島京子のレビュー一覧
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ネタバレ直木賞作家中島氏の2008年の作品。
軽妙で洒脱な家族小説ですね。瀬尾まいこ作品よりも感動や深さはないのですが、気軽に楽しく読めました。エンタメ小説ですね。
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いやあ、良かったです。
タイトルの通りで家族小説だろうってのは分かりましたが、予想を超えて面白かったです。
当主龍太郎以下、姑、妻、長女、次女、長男と、どれも性格がかなり異なり、それがきちんと個性を持って描かれていたのが良かったと思います。
長女の夫やその子、果ては姑のヘルパーさんまで出てきて、これまたそれぞれ異なった造形。
作品を豊かにするのは、この家族は全員が全員何とも言えない苦境に陥っているということでしょうか。
長女一家は破産、次女は離婚+元夫でない男の子を妊娠したことが発覚、長男は中学からの引きこもり、妻は細かいイライラの積み重ねに我慢の限界。
そしてこの状況にかなりの鈍感度をもって対処する当主龍太郎。そのギャップもよろしい。
加えて、はじめと終わりは龍太郎ですが、それ以外の章は別々の人物の一人称語りをさせることで一層造形の違いが引き立ったと思います。
最後はまあハッピーエンドなのでしょうね。
個人的にはやはり男子の言動にほろっと来るところが多かったですね。長女の夫の仕事観の独白、長男の引きこもりに対する感覚、孫の公立中学でのサバイバル方針等々。どれも本当にどこかの男子が喋っているようにリアルだったと思います。
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ということで久方ぶりの中島作品でした。楽しく読める一冊でした。
今後もぽつぽつと読んでいきたいです。 -
Posted by ブクログ
中島京子さんの作品は、これまで「やさしい猫」しか読んだことがなかったので、このような不思議な作風に最初は驚いたものの、そこには取材の賜物なのか、それとも知識が豊富なのか、本当っぽいんだけれども調べてみたらフィクションであったことと、実際にあったマニアックなエピソードを一緒に盛り込んだ、その混沌としながらも説得力を感じさせるような、確かな世界観の構築に共通したものを感じられたのが、とても印象深い。
そして、本書(2013年作)は『第42回泉鏡花文学賞』受賞作なんだけれども、読んだ印象としては幻想的要素のないものもあったり、怖さだけではなく次第と愛おしさも感じられてくる物語もあってと、やはり人間というのは、ちょっと変わっているぐらいがちょうどいいのではないかと思えてくるような妙味を堪能できる、五つの『偏愛』短編集。
最初の「リズ・イェセンスカのゆるされざる新鮮な出会い」は、何が偏愛なのかにネタばれ要素があるため伏せてはおくものの、途中のあっけらかんとした女同士の会話から一転して、最後に明かされた事実には驚愕させられること間違いなしでありながら、そこでは「左知枝」が英語をあまり聞き取れないことが、見事な伏線となっていた。
次の「ラフレシアナ」は、食虫植物だけに興味を抱く独身男に興味を持たれないことが微妙なストレスとなっている、独身女の心境の移り変わりが割と繊細に描かれていたんだなということが、ラストの結末で明らかとなる、その独り身の寂しさに安らぎを得たい気持ちが胸を打つ。
表題作「妻が椎茸だったころ」は、奇妙どころか本書でいちばん爽やかな感動を呼び起こす気持ちとなれた、亡くなった妻の知られざる人柄が垣間見えるレシピ帳を通して初めて料理に挑戦する、定年退職したばかりの男の姿を通して描かれたのは、未来の家族愛の素晴らしさであった。
「蔵篠猿宿パラサイト」と「ハクビシンを飼う」は、前者は温泉旅行先で出会う石好きの男の、後者は亡くなった伯母の家で出会った男の、それぞれが持つ不思議な魅力にどこか怪しさを感じながらも次第に惹かれていって⋯と、物語がほぼ同じような展開に感じられたのが、ちょっと残念。 -
Posted by ブクログ
Long good-bye 実際にそう表現することがあるのだろうか。緩慢な別離。認知機能の衰え、記憶の喪失は、その人がその人であることからの離別である。
認知症の進行につれ、求められる介護は格段に難しくなる。どう見てもキャパオーバーだが、いっぱいいっぱいになりながらも、母と3人の娘たちは諦めずに奮闘する。父を否定することなく、父のことで姉妹が険悪になってしまうこともない。病状の進行と共に、介護が手に負えなくなってゆく様子は、読んでいても辛い。その一方で、その父に寄り添うことを放棄しない母と娘たちの姿は温かい。どこにあるのかわからない父昇平の気持ちが語られることはないが、不幸ではないと思いたい。
辛くて切なくて温かい物語である。 -
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「秀吉の朝鮮出兵」について、河童族(水神)が見聞きしたことを記録した文書「水神夜話」。その内容を、朝鮮出兵の拠点となった佐賀で、現代の作家が、水神と何か関係のありそうな?陶芸家夫妻から聞くという話。
「秀吉の朝鮮出兵」は遠い昔、歴史の授業で習ったけれど、「そういう事実があった」程度しか教わらなかったので、こんなに大勢が亡くなった、16世紀最大規模の国際戦争だったと初めて実感した。
河童の記録という体裁なので、本作には幻想的だったりユーモラスな雰囲気もあるのだけれど…
何故戦争をするのかよくわからないまま始まった戦争であることや、なかなか終わらせることができずに無駄に続けられたこと、トップ(秀吉)の権力が大きすぎて誰も止められない・意見を言えない等、今現在のアメリカの対イランの状況を思い起こさせる。
また、本作にも書かれているように、兵站(戦場における食料や燃料、医薬品等の補給・輸送)をちゃんと考慮せずに無暗に突き進んで多くの兵を飢餓で失った事実は、第二次世界大戦中の日本軍を思い起こさせた。現在の食料自給率37%にも私はたいへんな恐怖を覚えるのだけれど、日本人は昔から、食料確保についてはあまり考えないみたい。日本人は食べることが好きな人が多い気がするのに、なぜなんだろう?
九州に行くと、古代からの朝鮮半島・中国との交流の歴史や、物理的な距離の近さ、文化的な影響を肌で感じることがあって、九州(西日本)にルーツを持たない私としては物珍しいというか、面白い。佐賀の唐津や名護屋城跡なども行ってみたいなと思った。 -
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姫路城は忍びよけの為シャガが植わってます。
シャガは根っこからスポッと抜けるそうです。
忍者がシャガを掴んでコロコロリ
子供がシャガを見るたびにコロコロリ~と歌っていたのを思い出しました。
あんまりシャガシャガだったので。
大谷資料館にはアンディ・ウォーホル展に行ったなぁ~
大谷石をしょってのマリリンモンローは迫力あったなぁ。
伊能忠敬が1800年の蝦夷地測量の最初の一歩を踏み出した像があったのは、富岡八幡宮だったなぁ
忠敬もアサリ飯を食べて出かけたのかしら?
ぼーっ とするためには
こんなに事前リサーチがいるの?
来週、池上梅園に行こうと。
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ネタバレ秀吉の朝鮮出兵を止めるべく、水神(河童)が奔走した話を語り継ぐ「水神夜話」を、著者が陶工から聴いてしたためた本。という体をとっている。
水神と人間が目に見えて共存する世界を、史実を背景にして書いている。このよくわからない設定を最後まで読ませるのは、著者の筆力だろう。
ただ、途中で何を読まされているのか、よくわからなくなってくる。登場する河童たちは基本的に人間と似た思考回路を持っているので(「嘘」が理解できないことを除けば)、あまり面白みはなく、河童独特の世界に浸れるわけでもない。また史実がベースになっているが、あくまで河童とそのまわりの人々が主役なので、歴史のダイナミックさに没頭できるわけでもない。結果、どうしても中途半端感が否めない。
「戦争を止めようとする河童」という童話的な設定ではなく、もっと各地の河童伝説に絡めたような文化人類学(河童学?)的な話にしたら面白かったのでは?と思ったり。
著者と陶工のやりとりは血が通っていて温かかったが、途中からはほとんど出てこない。最後、芹摘みの老人に怒鳴られる?に至っては、なぜそうなるのかまるでわからなかった。
それでも、梨木香歩の家守綺譚を彷彿とさせる、現実と非現実の溶け合う感じは、良い読書体験だった。
中島京子さんの文章は好きなので、これからも読みます。