中島京子のレビュー一覧

  • イトウの恋

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    横浜にいきたくなった。今でこそ国際結婚や国際恋愛は珍しくもなんともないが開国間もない頃、日本人が欧米人から黄色い猿とリアルに呼ばれていた時代の一人の男の恋を巡るお話。
    英国人IBの「私はおまえがあの、やっかいなことにばかり人間を引きずりこむ困った力の罠に落ちつつあるのに気づいていて・・・・(略)~~~~私はあの力が怖いのだ」という台詞が印象的。現代に至ってはなんの問題もない恋愛のはずが時代がちがう

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    2011年02月03日
  • 均ちゃんの失踪

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    中島京子がますますせ好きになった。
    何か読みたいな、とぼんやりと思った時に読むのにちょうどいいな、と分かったような分からないような感想。

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    2010年12月19日
  • 冠・婚・葬・祭

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    中島京子さん、文章上手いなぁと感じました。
    『小さいおうち』ではどこかぼんやりとした掴みどころがない作品だなと思いましたが、こちらの方がキレがあって良いですね。
    キレが良いのは短編集だからですかね。
    もう少し中島京子さんの作品を読んでみようかなと思いました。

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    2010年12月10日
  • イトウの恋

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    実際にいた人物をモデルにして書かれた本ですな。

    伊藤が「イトウ」となっているので、この本を読む前、「どうぶつの森」をやっている私としては「イトウかぁ…。あれを釣ったときの喜びはでかかったなぁ」なんて思ってしまってました。

    この本には、高野秀行さんの「辺境の旅はゾウにかぎる」の書評からたどりつきました。

    明治初期の横浜……。
    きっとものすごい趣があって、素敵な街並みだったんだろうな。
    横浜の近くに住んでいるくせに、まったくそういうことには関心がなかった。
    今度「昔の横浜が残る場所ツアー」でも企画しようかしら。ひとりで。

    しかしこの時代に、日本の北の方へ旅をした外国人女性がいたとは。
    この

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    2010年12月09日
  • 均ちゃんの失踪

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    均ちゃんをとりまく3人の女性は、それぞれにリアリティがあって、それぞれにユニークでおもしろい。会話とか設定がうまいなあ・・・
    均ちゃんも憎めなくて、こういう感じの男って確かにいます

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    2019年01月16日
  • 均ちゃんの失踪

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    だめなんだけど(だから?)女に困らない均ちゃんとその前妻、彼女、セフレ(?)、それぞれの女性を主人公にして綴る短編集。悪気なく女の人を二股、三股かけたり、ふらっと失踪しちゃっても、最後は女性の背中を押してあげる均ちゃんはやっぱりいい男なのかもしれない。

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    2010年11月28日
  • イトウの恋

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    おもしろかった!中島京子でなければこんなにいい作品になりっこない、と思わせるほど中島京子はうまい。イトウの手記の部分は自由な想像だけれど、イトウの若さと真っ直ぐさに、引きこまれることウケアイ。

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    2010年11月20日
  • 冠・婚・葬・祭

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    冠婚葬祭、それぞれを描いた4つの短編。中島さんらしい斜め45度みたいな視点が面白いです。冠で成人式のイベントを選びながら、新成人じゃなくて、成人式の取材でミスって退職においこまれた新聞記者が主役って。婚に出てくるお見合いおばさんも、世間での結婚観の移り変わりとか、最近の風潮とか、どっちもおかしいよねぇ…というのが透けて見えて、楽しめました。
    それでありながら、どれもスッキリ前を向いて読み終われる作品、というのもよかったです。

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    2010年11月14日
  • 桐畑家の縁談

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    完全に中島京子ハマってます。この作品も登場人物のこと好きになれて、リアリティがあって、ちょっとほんわかしていていいですわ

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    2010年10月27日
  • FUTON

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    これがデビュー作ってすご過ぎます。パラレルで進行する二つの話も面白いし、絶妙に対比しているし、素晴らしい出来栄えだと思います。

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    2010年10月27日
  • 桐畑家の縁談

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    ナカキョー、いいわー。巧いんである。この人の文章ってほんと素晴らしい。人間味あふれるホームドラマ。どうしようもないんだけど、明るくって、憎めない。妹の結婚でにわかに騒がしくなる桐畑家。そのてんやわんやぶりが愉快。最後はちょっと救われるしね。

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    2010年10月24日
  • 冠・婚・葬・祭

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    おもしろかったけれど、短編だったせいか、なんだかさらっと読んでしまって印象が薄い。あくまで個人的に、短編が苦手なので。長編だったらいいのに。文章が読みやすくておもしろくすらすらといくらでも読めそう。心のなかの台詞とか会話がつながっていく感じが、わからないけどちょっと昔の大衆小説とか、そんな感じがするようでよかったのだけれど。だれかに似ている気がする、向田邦子? もっと昔の作家かなあ?

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    2011年09月18日
  • 冠・婚・葬・祭

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    冠婚葬祭を巡る普通のひとたちの日常を切り取って描いた4本の連作。気づずに読み飛ばしてしまいそうなさりげない繋がりですがそれぞれ他の話と共通する人が登場して心憎い。お見合いおばさんの話が本人たちが真剣な分だけ滑稽に思えておもしろかなしい。お盆のお話も明解で無いところが趣があって良かった。読後はほっとするというか、ああそうか、という感じのどこか懐かしいような気持ちになりました。面白かったです。

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    2010年10月13日
  • 均ちゃんの失踪

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    突然、いなくなった均ちゃん。その均ちゃんに置いてきぼりにされた現在進行形の彼女2人と元妻1人の、ふっきりものがたり。だらだら続けてきたものを、えいやっ、と断ち切るにはそれなりの決意が必要。均ちゃんの失踪は3人の女性にとって人生の分岐点となるのだけど、そこんところがおもしろい。女って、たくましいんですよ。

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    2010年09月26日
  • FUTON

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    田山花袋って名前は知っていたけど、「何者?」と思っていました。
    この本には田山花袋の「蒲団」を研究しているデーブのレジュメが各所に登場し、それが物語りの下地でもあります。
    田山花袋の「蒲団」はこの本に出会わなくては一生読まなかったと思うし、いいきっかけになったと思う。

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    2010年09月20日
  • FUTON

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    ”中年の小説家が女弟子の蒲団に顔をうずめて泣く”田山花袋の
    「蒲団」を奥さん目線で打ち直しつつ、現代版の「FUTON」を描いたところが、ナイスアイディア。

    全く、男ってのは若い女のカラダに弱い。
    特に中年男が若い女に翻弄されてオロオロするのは、
    全時代、全世界共通らしい。
    若い女はソコに付けこみ、世渡りしていく。
    結局、人生は”若気の至り”の延長線にあり、
    大人や他人がどうこう言うだけ、ヤボなんだな。

    登場人物の中では画家志望のイズミが好き。

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    2010年08月13日
  • FUTON

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    タイトルからもおわかりのように、田山花袋の〝蒲団〟を本歌取りした長編小説です。
    感想を簡潔に述べるとすれば〝おもしろかったぁぁぁ〟のひと言に尽きます。
    主人公はアメリカの大学で教鞭をふるう日本文学研究者。女性を巡る彼の私生活と、彼が〝蒲団の打ち直し〟と題して、女性視点で焼き直して書き上げた小説。そして、東京の下町に暮す百歳になろうとする老人とその周辺の人々・・・これら3つの物語が交錯しながら、ストーリーは展開していきます。
    ただ面白いというのではなく、人が生きていく上で背負わなければならない重荷、その過程で深く刻み込まれる心の傷痕などもしっかり描かれていて、断片的に語られる老人の過去などは、胸

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    2010年06月14日
  • ココ・マッカリーナの机

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    読んでいてにこにこしてしまうしちょっとうるっときてしまう、そんな本。中島京子って本当に読みやすくてすんなりした文章を書く人だなあ。

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    2010年05月24日
  • 桐畑家の縁談

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    文章が嫌味がなくて読みやすくてユーモアもちょうどよくていい感じ。あっさり淡々としすぎているのかなあーと思うところもあったけれども。温水ゆかりさんの解説がよかった。解説読んで、ぼんやりと妹の家に居候してた姉の輪郭がくっきりしたというか。自分のなかの大事なものに気づいてなかったね、というところなど、けっこう感動したりして。この話の主役は妹じゃなくて姉なんだな、と。そう、ふたり姉妹の姉っていうのは、一見しっかりしているようで、実はけっこうぼんやりしていてはっきりしなくて決断できなくて気がつくととり残されてたり。比べて妹は、マイペースでわりにちゃっかり決断して着実になにかを手に入れていくような。かくい

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    2011年09月18日
  • イトウの恋

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    情熱は人を動かす。
    そして歴史は、語られるべき「時」が訪れる日をじっと声を潜めて待っている。

    作者の人物チョイスが絶妙で、うんうん唸ってしまった。
    からりと乾いた爽快感。
    そしてしっとりを潤された満足感。
    どちらも味わえて良かったです。

    数十年前の青年が胸に宿した思いが、現代の主人公たちにじわじわと変化を齎す。
    それもまた、彼らのために用意された「時」。
    「真実は時の娘」という言葉が思い浮かぶ作品でした。

    歴史とは個人の私生活を覗き見することであり、
    時間が経過したからといって軽はずみに公開していいものでもない。
    だが場合によってはその決断によってこれまでの世界観が

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    2013年05月19日