【感想・ネタバレ】冠・婚・葬・祭のレビュー

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冠婚葬祭の意味もわからない時期もあったなあー、言葉はわかるのに、意味はと考えると、はて。ダメだね自分。オムニバス4話と非常に読みやすいし、それぞれ引っ掛かる良い話。深く掘り下げない展開、これもまた良いのかな。ちくま文庫はお店に置いてなくて、たまたまジュンク堂で手に取りました。いい出会い、家から500メートルに本屋があった時代もあり、どんどんなくなって今では5キロが1番近いという悲劇。コンビニで本を買ってビニール袋に入れられてしおりも無い、そんな無意味な気分は二度としないので、本屋で本を買うのはやめないので

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2024年02月14日

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成人式、結婚、葬式、お盆に関連する4つの連作小説。平成の時代を背景にしてはいるけれど、なんとなく昭和の残り香のする人情味がじわじわ感じられる物語ばかりで、ノスタルジーとともになんとも言えないユーモアと暖かさが感じられてとても良かったです。かつてたくさんの男女の縁をとりもってきたお見合いおばさんが主人公の「この方と、この方」は、お見合いという今ではほとんど無くなった古き風習を描いていながらも、恋愛小説は星の数ほどある中で、お見合いを書いた小説はそういえばあまりないかも…?という点でむしろ新しさを感じました。「最後のお盆」は登場人物がこの世の人なのかあの世の人なのか微妙に曖昧になっていくあたりが主人公たちも読者もわからなくなってるあたりは上手いなぁと思いました。各話ごとに登場人物に繋がりがある所も面白かったです。

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2022年10月30日

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どのお話しもよかったけれど、心に残ったのは「婚」かなあ。いまはあまり出会えなくなったお見合い斡旋おばさん。ちょっと前までは確かにあった。適齢期の男女は必ず1回は「お見合いしてみない」って聞かれたと思う。それが少なくなったってことはやっぱり人間関係が希薄にはなっているんだろうな。都会は特に。このマサ枝のようにしっかりしなさい!と叱ってくれる人もなかなかいないし。恋愛結婚と違って、お見合い結婚は短期決戦!というのがなるほどと思った。グズグズしてる暇はないんだな。決定力に欠ける現代若者には難しいのかもな。

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2017年05月24日

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すてきな短編集! 冠、婚、葬、祭をテーマにした4つの物語が、どれもピリッとしていて、鮮やか。とっても巧みで、ウム、と唸ること請け合い。わたしたちが日常で出くわす冠婚葬祭。関わり方は多々あれど、人の本質って案外そういう場面でうっかり見えてしまうもの。明るくて皮肉、そしてあたたかい。おすすめ。

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2010年09月29日

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成人式を舞台にした大道芸人と新聞記者のお話「空に、ディアボロを高く」
結婚を斡旋するベテランの菊池マサエ。その相性を読む直感は冴え渡って来た。もう引退していたマサエが、請われて最後に世話したのは・・・「この方と、この方」
佐々木直之が命じられたのは、高齢女性を、葬式に連れて行くこと。何か訳ありの関係らしい。「葬式ドライブ」
田舎の山奥にある古い家で、最後のお盆をしようとする3姉妹。そこに現れたのは・・・「最後のお盆」

どれも、人生の妙を感じさせる、いいお話でした。
中島さんに、いろいろな人生や、人との出会いをさせてもらい、生きて行くことは、小さな運命の連続なのだと知らされているような気がしました。

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2021年03月05日

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冠婚葬祭について書かれた短編4編。
婚の『この方と、この方』少し前まではお見合いも頻繁に行われていたんだろうな。顔の広いおばさんとかがいて「いい人いるわよ」なーんて話を持ってきてくれたに違いない。恋愛感情に流されず、互いの条件を突き合わせて相手を選ぶほうが確実か!?
祭の『最後のお盆』も好き。子供の頃は、お盆に祖父の家に集まったもんだなということを思い出したり。そういや、集まることがなくなったなぁ。

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2017年09月09日

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成人式、結婚、葬式、お盆。
それを題材に描かれる四編。
それぞれに味がある話で、心もほっこりする。
私は『祭』のお盆の話が一番好きだった。
田舎とか、若い頃にはわからなかった暖かさとか人間関係とか、今はなんとなくその良さがわかる気がする。

2015.5.20

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2015年05月20日

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ネタバレ

婚のお見合いについての話が印象に残った。恋愛結婚できない人はお見合いでと安易に考えてる若い人もいるけど、見合いは短期決戦。即断しないと話が流れるし、歳を重ねるほど、恋愛とは違い条件が悪くなるという現実をお見合いおばさんの目線から見せてもらい、面白かった。

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2015年03月14日

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なぜか、懐かしい昭和の香りがする。
4編は、登場人物が少しづつ被る。
他人から見た目と、本人が視点の中心に据えられる印象が違うのが面白い。
解説が全てを物語っている。
上手く書けなかった自分の感想とまとめがそこにある気がする。

良くも悪くも変わって行く、他人同士のコミュニケーションの形を描いている
コミュニケーションの形が変わって行く事は、良くも悪くもない。
そういう、ある意味前向きなお話し。

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2014年11月08日

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調度お盆時期から読み始めました。タイムリーだったかな。自分の身の回りにあって蓋をしてしまいがちなリアルな現実に目を向けようと思えました。世にも奇妙な~的なもわんとした不思議さが残る短編集です。

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2014年08月30日

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再読
新人記者が成人式の取材に…「冠」、引退したお見合いおばさんの縁結びの顛末「婚」、社命でおばあちゃんの参列のお供をする「葬」、三姉妹が両親を失った田舎の家に集まる「祭」。連作小説

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2013年10月05日

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私の好きな「FUTON」や「イトウの恋」は、何でもないところで、クスッと笑える表現があって大好きなのだが、残念ながらそういうのはなし。でも、読み進めるうち、主人公たちのどこか諦めつつ、それでも丁寧に生活している様が、心地良くなってきた。
「この方と、この方」の“お見合いとはこういうもの”という説明に、目からウロコ。

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2012年04月09日

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職場の上司からお借りした本。

中島京子さんの本は初めて読むけども、
筆致が優しくて読みやすかったです。

冠婚葬祭は人生の節目に重要な儀式ですが、
昨今そういったものが軽視される風潮であることも事実です。

お盆に親戚一同で集まるなんて、
あと20年後にはなくなっているかもしれません。
でも、本当はそういう血の繋がりを意識するっていうのは、
長い歴史の中の自分の座標を見つめなおすと言う意味で、
重要なものなんじゃないかと思ったりします。

そんなことに気づかされた作品でした。

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2011年12月04日

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4編がそれぞれ冠婚葬祭、成人式、結婚、葬式、お盆にまつわる物語です。
中島さんは日常に存在する物を描きます。でも、そこに有る物をそのまま描いてもつまらない。正面から描くのなら、多少はレントゲン的視点で、あるいは正面から視点をズラすことで、普通の人である読者が面白く感じる物語になります。
中島さんの面白さは、その視点のズレ方のようです。普通なら少し上から鳥瞰的にとか、斜め横から斜に構えてとか、いっそ裏面から・・なんて予想します。でも中島さんのズレ方は、角度は大きくは無いのだけ、どこか予期せぬ方向にズレていて、それが何とも言えないユーモアに繋がっているようです。
面白いですね。

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2016年07月30日

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4つの作品の連作。他の作品の端役が他で主役になる、という構成と、作中でかつてのある時代をかなり精緻に思い起こさせるという得意な手腕を発揮して、さりげないのに、凝ったつくりだなあ、と感じさせる。

この人は、物語内に、別の時代を流すのがうまい。今やそれが特徴と言えるかもしれない。

「この方と、この方」には、かつていい若いモンがプラプラしていると世話焼きおばさんや世話焼き親戚が現れて見合いを設定し、結婚へと片付けていくことが有効だった時代、「どこかできちんとなにかをあきらめて、おさまるべきところへおさま」っていた時代を流し込む。

「最後のお盆」では、近所の人が大した用もなくフラリとやってきて縁側に座り込み、お茶を飲み飲み世間話をしていく、という風景が日常だった時代。
「こうやって、ゆっくりゆっくり実を揉んでいると、色がだんだん濃くなるでしょう。そうして中身がぐずぐずになったら、楊枝を使って穴を開けるの。ちょっとずつ、ちょっとずつ種を出して、お水で洗ってきれいにしたら、口に含んで吹いてごらん—。」

「ざるに盛ったつやつやのうどん、湯気の立つ麺つゆ、茹でた青菜が食卓に並んだ。擂り胡麻、刻み海苔、しょうがのすりおろし、刻んだ油揚げ。」

匂ってくるではないか?
ほおずきの青くささ、胡麻やしょうがの匂い。。。
それとともに、それらが正しく味わわれ、正しく伝えられた時代を感じさせられるではないか。

「最後のお盆」は、山田太一「異人たちとの夏」を思い出させる。「異人たちの夏」には無理があったと思うが、こちらは成功。

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2011年06月25日

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中島京子さん、文章上手いなぁと感じました。
『小さいおうち』ではどこかぼんやりとした掴みどころがない作品だなと思いましたが、こちらの方がキレがあって良いですね。
キレが良いのは短編集だからですかね。
もう少し中島京子さんの作品を読んでみようかなと思いました。

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2010年12月10日

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冠婚葬祭、それぞれを描いた4つの短編。中島さんらしい斜め45度みたいな視点が面白いです。冠で成人式のイベントを選びながら、新成人じゃなくて、成人式の取材でミスって退職においこまれた新聞記者が主役って。婚に出てくるお見合いおばさんも、世間での結婚観の移り変わりとか、最近の風潮とか、どっちもおかしいよねぇ…というのが透けて見えて、楽しめました。
それでありながら、どれもスッキリ前を向いて読み終われる作品、というのもよかったです。

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2010年11月14日

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おもしろかったけれど、短編だったせいか、なんだかさらっと読んでしまって印象が薄い。あくまで個人的に、短編が苦手なので。長編だったらいいのに。文章が読みやすくておもしろくすらすらといくらでも読めそう。心のなかの台詞とか会話がつながっていく感じが、わからないけどちょっと昔の大衆小説とか、そんな感じがするようでよかったのだけれど。だれかに似ている気がする、向田邦子? もっと昔の作家かなあ?

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2011年09月18日

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冠婚葬祭を巡る普通のひとたちの日常を切り取って描いた4本の連作。気づずに読み飛ばしてしまいそうなさりげない繋がりですがそれぞれ他の話と共通する人が登場して心憎い。お見合いおばさんの話が本人たちが真剣な分だけ滑稽に思えておもしろかなしい。お盆のお話も明解で無いところが趣があって良かった。読後はほっとするというか、ああそうか、という感じのどこか懐かしいような気持ちになりました。面白かったです。

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2010年10月13日

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冠婚葬祭を4つの話を異なる視点で描いた短編集。それぞれの話は面白いが関連付けて1つの長編にすればもっと読み応えがあったと思う。

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2023年03月31日

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冠婚葬祭をめぐって、出会いや心の動きの表現が細やかなお話でした。大事件は起きないけれど、さわやかで前向きになれる短編です。

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2022年04月04日

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ネタバレ

冠婚葬祭にまつわる4つのお話。
読み進めていくうちに、登場人物のつながりもわかって面白かった。
中島さんは、日常の風景や登場人物の心情を描くのが本当に上手。
最後のお盆を読んで、自分自身もお盆の集まりがあった頃を思い出してノスタルジーに浸ってしまった。
家族のつながり、人とのつながりをもっと大切にしたいと思えた一冊。

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2018年02月12日

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小さな仕掛けのある連作集。どれもサラリとしているが、いかにも女性作家らしい感性が感じられる。

世代的にも、生まれ育ちも東京の自分には、中島さんの描く「冠婚葬祭」は感覚的に親近感を感じさせるもので、ノスタルジーも感じた。自分はなんとも日本人なんだなと改めて感じた。

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2015年10月19日

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さらりと読みやすく、どれもちょこっと捻りが効いている。
形骸化したものに対するシニカルな視線がいい。
個人的には冠と婚が面白かった。

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2013年09月11日

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冠婚葬祭をモチーフにした短編4話。
冠婚葬祭を迎える本人が主人公かとおもいきや、そうでもない。切り口がおもしろかったが、全体的に毒にも薬もならない内容といった感じ。しかしながらその淡々と過ぎていく感じが良かった。

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2011年06月30日

Posted by ブクログ

タイトルどおり、冠婚葬祭にまつわる四つの物語です。良い意味で裏切られましたぁ。この本が、冠婚葬祭という言葉から思い描く一般的なイメージとは、ちょっと違った視点で書かれているからです。
冠婚葬祭とは、人が生まれてから亡くなるまで、そうして亡くなった後に、家族や親族によって執り行われる、行事全般を指す言葉だそうです。そもそも儒教思想の影響があるらしく、この四文字が示す人生の節目の催しを、いずれも滞りなく行うことで一人前とみなす考え方もあるようですね。
けれど、この本は家族や親族などの、内輪のお話ばかりではありません。ふとしたきっかけで知り合った、赤の他人同士の関わりがしみじみと、またユーモラスに描かれています。ここにあるどの物語も、ありふれた日常のひとコマを上手に切り取ったもののように見えますが、実はそれぞれが人生の節目にあたる出来事なのです。
昨今、ともすると忘れられがちな折々の行事には、人生を豊かにする働きがあったのだなぁと、あらためて気づかされました。なんとなく懐かしいような、ほぉっと息をつきたくなるような一冊でした。

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2011年04月27日

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