あらすじ
「要するに私は、人生を変えたかったのだ」。日本文化を紹介する教師交換プログラムの教育実習生としてアメリカに渡ったミス・キョウコ。赴任先には、3歳から14歳まで150人のコドモたちが待っていた。折り紙で手裏剣を作り、俳句やヒロシマを紹介しながら彼らと過ごした一年間が、彼女の運命を開いていく――。『FUTON』『イトウの恋』の注目作家がユーモアたっぷりに綴る、「作家以前」の日々。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
シアトルの近くの小さな街で臨時講師をした日本人女性のエッセイ。小学校(?)を中心にしたローカルな世界が舞台ですが、全編を通じて'90年代末らしい感じがそこはかとなくとなく出ています。
軽やかな文体で数ページずつのエピソードが続き、読みやすかったです。観念的な描写がなく、大人も子供も生き生きとした形で描かれていました。
Posted by ブクログ
この体験記を、どこかで「人生変えなきゃ」と思っている、悩める友人たちに贈る。
と、「はじめに」に書いてあるように、前向きな気持ちになれるエッセイ集だった!
実際に暮らしてみないと知ることのできない、ブレマートンの人々の文化や日常が興味深くて、読んで楽しい。
中島京子さんについては、今まで小説を二冊だけ読んでいて、どちらもスキッとする読後が気に入ってたけど、このエッセイを読んでもっと好きになった。
解説が豊崎由美さん。「今後の作家人生は開運一途間違いなしである」とまで仰られてる。すごい!
Posted by ブクログ
長年勤めた雑誌編集を辞め、日本文化を紹介する教師交換プログラムの教育実習生としてアメリカに赴いた作者の体験記。
3歳から14歳までのコドモたちを相手に奮闘する姿が描かれています。
アメリカだからなのか、この土地この学校だからなのか、異なるものを受け容れる力の強さを感じます。日本なまりの英語のことをぼやくと「でも私たちはあなたの英語が好きよ」と、さらりと答えてくれる。自分たちの場所に来た異物ではなく、私もあなたも彼も彼女もみんながいる場所として受け容れてくれる。そんな経験の素敵さが書かれ、この本を読むことでそれを疑似体験できることが嬉しいです。
Posted by ブクログ
数年ぶりに再読。職を変えること、海外へ飛び出すこと。ある程度の年齢になって敢えてそれらをすることで、そしてもちろん本人の人としてのあり方により、考えうる中で最高の経験と結果が得られたのではないか、と感じさせる。
Posted by ブクログ
海外に来てから読んで良かったと思う。人々の雰囲気が本当によく分かる。子供が言うのもなんだけれど、子供達の可能性と未来の尊さが暖かくコミカルに書かれている。私も周りの先生達や地域の人たちに囲まれて大切に育ててもらっているので改めての感謝を感じた。
こういうエッセイ(?)は全く接点の無い人生を感じることができるので、大好き。また読みたい。
Posted by ブクログ
ココ・マッカリーナのアメリカ滞在記録エッセイ。
最近中島京子さんの講演を聴く機会があり、とてもほんわかした女性という印象があった。世間の人がしないような勇気ある人生の決断をし長年勤めた会社を辞め、アメリカに渡り、『やらないよりやったほうがいい』と確信をお持ちになるまでのアメリカ滞在のさまざまなお話をとても興味深く読んだ。学校の子供たちとの交流あり、先生の私生活話あり、ステイ先の食事事件あり、多岐におよび、まるで自分が経験しているかのようにさまざまなことが起こって楽しい。
「今いちばん読んでみたい本」が好き。
Posted by ブクログ
読み物としては、中島カラーは感じないけど、生の姿が垣間みれてよかったです。
もちろん中島ファンです。
経歴も何も知らなかったので「そうなんだ〜」という感じもあり、海外でのエピソードも面白かったです。