中島京子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
うらはぐさという植物が風知草と同じだと
この作品のレビューを読んで知った。
わたしは風知草という言葉だけを知っていて、
(亡くなった母が書を習っていて、額縁に入れられたこの風知草という言葉をしょっちゅう見ていた)
これがどんな植物であるとか、
花言葉がなんなのか、とかは全く知らなかったけれど、
うらはぐさと風知草がつながった時、
あ、これは読まねば!と感じて手に取った。
それはさておき、ほんわかとした表紙と共に、
中身もびっくりするようなショッキングな出来事は全く起こらず、東京西部の架空の町、うらはぐさに住む人々のコロナ明けの日々のあれこれが描かれたこの作品。
年の初めに読むのにちょうどよい -
Posted by ブクログ
ネタバレ木原音瀬先生のお話を目当てに購入したので、お目当ての話だけ読んでもいいかと思って最初から順番に読み始めましたが、全部読んでしまいました。
全部読んだあとに思ったことは、やっぱり木原音瀬先生は癖が強い。笑 男性が妊娠できる世界という設定はおもしろかったし、男性も苦しんでほしいと思ってしまいます。
お気に入りは白い結婚の「ダーリンは女装家」、「いつか、二人で。」
今年は黒い結婚寄りの、暗めのお話を読むことが多かったので、白い結婚で心が洗われました。ハッピーエンドもいいですね。
ダーリン〜
15歳の時に大好きだった人と結婚するなんて素敵。男であり女でもある旦那さん、いいですね。認知症になったお母 -
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読書中から、今自分が住んでいる場所、土地、風土に愛着が湧いてきた。
都会や便利、お洒落という文脈の中にはない土地「うらはぐさ」。
そこで育まれる人たちの生活が伝わってくる。
少し昔ぽさ、昭和の香りも残しつつ、現在の生活が日々僅かに変化しながら過ぎていく。
『こういうのは、あれだろうか。
「残るものは形を変えて残っていく」、その「形」だろうか。』(p193)
誰かに、何かのきっかけで自分が経験した「大したことない話」をすると驚かれたり、重宝がられたりした経験があると思う。
他人から見ればドラマチックだったりする。
「うらはぐさ風土記」でも度々、ちょっとしたエピソードを読んでいて、へぇーと思 -
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花村茜(はなむら あかね)43歳。実家を出て二十数年。
去年の暮れに70歳手前で急逝した一人暮らしの父親・桃蔵(ももぞう)が買って経営していたアパート『花桃館』
兄は都心のマンションを相続、お前はアパート、と押し付けられた。
折しも会社から肩たたきに遭っていたため、退職してアパートに住み、大家をやる決心をした。
「へんな人ばっかり。へんなことばっかり起こる」(お墓の近くだしね)
でも、気がつくと好きになっていた。花桃館も、大家の仕事も。
「行かず後家」などという古くさいレッテルを貼られ(変換できなかったよ、MacBook)、けれど最後まで行(嫁)かないと決めたわけじゃない。
何かあるたび、ちょ -
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認知症が発症してから家族に迫られる介護の日々の十年。だんだん会話がままならなくなる、わがままを言い始めるリアルな生活なのだが何故かそんなに重く感じない。世話をする曜子さんがそれに無理してないように感じるからなのだろうか。愛情とか飛んで憎しみが募ってきそうなのに。実際はかなり大変なのも想像できるのだが、何故かこのままこの生活をみていたくなる。
そうくりまるなよ。語彙もなくなってきて日本語にもならなくなっても、何故か娘と会話が通じているようで何かを超えた愛なのかと思わされる。
あっさりと十年が終わってしまった時も、リアルにこんな感じなのかも。
娘達とほぼ同年代の自分にとっても近い未来に訪れるのか -
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中島京子さんの著書は、女性の視点からふんわりと社会問題を捉えているものが多いなぁと思う。
この作品は、街の歴史と今に焦点をあてて、変わりゆく土地を守ろうとする人々の姿が描かれていて、これまたほっこりする。
古い伯父の家に住み、庭の植物を愛でつつ食すという暮らしが、私の大好きな梨木香歩さんの「からくりからくさ」の女子達の暮らしを思い出させて、心地よく読み進めた。
今までの中島京子さんの著書には植物や鳥の描写から情景を思い描かせるという表現があまりなくて、勝手に現実社会に真剣に向き合っているのかな…などと思っていた。
私自身、数年前までは子育てに必死で植物や鳥を愛でる心の余裕は全くなかったから