中島京子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
認知症が発症してから家族に迫られる介護の日々の十年。だんだん会話がままならなくなる、わがままを言い始めるリアルな生活なのだが何故かそんなに重く感じない。世話をする曜子さんがそれに無理してないように感じるからなのだろうか。愛情とか飛んで憎しみが募ってきそうなのに。実際はかなり大変なのも想像できるのだが、何故かこのままこの生活をみていたくなる。
そうくりまるなよ。語彙もなくなってきて日本語にもならなくなっても、何故か娘と会話が通じているようで何かを超えた愛なのかと思わされる。
あっさりと十年が終わってしまった時も、リアルにこんな感じなのかも。
娘達とほぼ同年代の自分にとっても近い未来に訪れるのか -
Posted by ブクログ
中島京子さんの著書は、女性の視点からふんわりと社会問題を捉えているものが多いなぁと思う。
この作品は、街の歴史と今に焦点をあてて、変わりゆく土地を守ろうとする人々の姿が描かれていて、これまたほっこりする。
古い伯父の家に住み、庭の植物を愛でつつ食すという暮らしが、私の大好きな梨木香歩さんの「からくりからくさ」の女子達の暮らしを思い出させて、心地よく読み進めた。
今までの中島京子さんの著書には植物や鳥の描写から情景を思い描かせるという表現があまりなくて、勝手に現実社会に真剣に向き合っているのかな…などと思っていた。
私自身、数年前までは子育てに必死で植物や鳥を愛でる心の余裕は全くなかったから -
Posted by ブクログ
久しぶりに読む中島さんの作品。
やはりテンポや感覚が面白くて心地よい。
ただ楽しいだけではなく苦いことも厳しいことも織り交ぜてあるのが更にいい。
離婚を機に30年振りに帰国した沙希は、施設に入居している伯父の家を借り、近くにある母校でもある女子大で教えることになる。
『武蔵野の一角だった』『うらはぐさ』地区で暮らすことになった沙希がちょっと風変わりな人々と交わりながら暮らす日々。
今まで一度も定職に就いたことがなく、三年前に結婚した伯父の友人・秋葉原氏とその妻・刺し子姫(沙希が心の中で名付けた)。
沙希が働く大学の学生でおかしな敬語を使うマーシ―とその友人パティ、同じく大学で働く講師・くる -
Posted by ブクログ
ネタバレインスタで知って、表紙の美味しそうなマンゴーかき氷のイラストに惹かれて購入。(マンゴーは長男の好物)
いままで読んだことのない作家さんが多かったのだけれど、どれも面白かった!
私は韓国と台湾には旅行で行ったことがあるのだけど、またアジア旅行に行きたいな。ぶらっと、ゆっくり。
そういう気持ちにさせる作品ばかりでした。
私は特に「隣に座るという運命について」「猫はじっとしていない」が好きでした。
「隣に-」はこの本の1作品目で、舞台の街が私の通った大学のあたりだったので驚きました。(もしかしたら主人公の通う大学のモデルかも?)
初読の作家さんの他の作品も読んでみたいなぁ!
-
Posted by ブクログ
ネタバレ離婚を機に30年ぶりにアメリカから帰国して、武蔵野、うらはぐさ地区の叔父の家に住むことになった大学教員の沙希。
叔父の友人の秋葉原さん、大学の教え子、一風変わった人達に囲まれて、おひとり様生活を満喫している様は率直に羨ましいの一言。何か大きな事が起きるわけではないけど、日常を彩ってくれる様々な、ちょっとした出来事が、ユーモア溢れる筆致で書かれている。
まずは「しのびよるきゅうり」に心を持っていかれ、教え子の1人、通称マーシーの奇天烈な敬語は最初は腹立たしかったのに、そのうちクセになる。認知症の叔父との、微妙に噛み合わないけど、微妙に噛み合っている会話も面白い。
終盤で叔父は亡くなり、別れた元 -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに「アジアの街角」とあったので、てっきりアジアのどこかの国が舞台になっているお話なんだと思い込んでいた。でも、実際に海外を舞台に展開する話は1つだけ。ほかは日本が舞台。そして日本でアジアの料理を食べる、もしくはアジアのどこかの国から来た人が登場する短編小説集。
でも、なんか意外と好きだなと思う話があって、ハッピーな結末ではないのに、「あ、私この話すきだ。もしかしたら、この作家さん(島本理生さん)、私好きかもしれない」と思った。
それと、初読み作家さんだった大島真寿美さんの小説。私ら日本人って香港が中国に返還されて、そのあと若者たちが抵抗して、自由が奪われていく様子をニュースで見てるけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ目次
・トロッポ・タルディ
・酢こんぶプラン
・公立中サバイバル
・アンファン・テリブル
・時をかける老婆
・ネガティブ・インディケータ
・冬眠明け
・葡萄を狩りに
・カラスとサギ
・不存在の証明
・吾輩は猫ではない
昨日読んでいた本とは全く違って、世俗の垢やら浮世の義理やらで雁字搦めの家族の話。
語り手が話ごとに代わっていくけれども、どのエピソード、事件も深刻というには規模が小さく、だからこそ誰に訴えるというわけにもいかずにずっともやもやしているような話ばかり。
特に世代の近い、主人公の妻・春子の屈託は、膝を打って「わかる!」と言いたくなるほど。
「いつも大変なんだから、今日くらいはゆっ -
Posted by ブクログ
中島京子さんの「小さいおうち」を読んで気になっていた作家さん。
登場人物は、車椅子のかおるさん、介護士の塔子さん、看護師のマリー・ジョイ、オーナーの虹さん、そして拓海くん。
この4人の事情だったり関係だったりが、まさに『大人』という言葉がぴったりの複雑なごちゃっとしたような感情が生まれる。
踏み込みたい気持ちもあるのか(いや、ないのかもしれない、そこがまた面白いなあ)お互いが深く関わるわけではない。拓海は違ったかもしれないけど。
きっといい方向に 、ハッピーエンドが待っていると思って読んでいるとうまい具合に期待を裏切られた。
いつもハッピーエンド、明るい終わり方が好きな私も、こういうテイス