中島京子のレビュー一覧

  • 小さいおうち

    購入済み

    再読

    数年前に図書館で借りて読んだ本だが、また読みたくなり電子書籍で購入。女中さんの回顧録を通して観る昭和史で深い余韻を残る傑作。

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    2022年09月28日
  • 花桃実桃

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    九州の田舎町にある私の実家は、元々は4世帯が入るこじんまりとしたアパートだった。自営業を営んでいた両親が副業として運営していたアパートで、近くの小学校に勤める先生などが住んでいた。田舎のことなので家賃はかなり安くて、土地建物のローン返済と修繕費などを支払うと家賃収入はほとんど消えてしまっていたのではないだろうか。それでも世話好きだった両親は、大家さんとして店子さん達と楽しくやりとりしていたようだ。

    時が過ぎて、高齢となった両親は営んでいたお店を廃業し、貸していたアパートの2階を改築して住むようになり、そのうち1階の住人にも退去してもらい、物置や仲間の集まる趣味の部屋として活用するようになった

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    2021年03月21日
  • 花桃実桃

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    「40代シングル女子。若くはないが老てもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。」なんとも心強いお言葉!そうそう。40代シングル女子は、自由という最強の武器を手にしているのです。不思議な人々と、もうこの世に存在しない人たちに関わりながら生活している主人公の女性。当然、不安はあるけれどそれ以上に自由であることの開放感。いいなぁ。なんだか勇気をもらいました。百人一首や短歌も出てきて、なるほどなぁ....と思いながら完読。読後は爽やかな気分になりました。

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    2021年03月07日
  • 冠・婚・葬・祭

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    成人式を舞台にした大道芸人と新聞記者のお話「空に、ディアボロを高く」
    結婚を斡旋するベテランの菊池マサエ。その相性を読む直感は冴え渡って来た。もう引退していたマサエが、請われて最後に世話したのは・・・「この方と、この方」
    佐々木直之が命じられたのは、高齢女性を、葬式に連れて行くこと。何か訳ありの関係らしい。「葬式ドライブ」
    田舎の山奥にある古い家で、最後のお盆をしようとする3姉妹。そこに現れたのは・・・「最後のお盆」

    どれも、人生の妙を感じさせる、いいお話でした。
    中島さんに、いろいろな人生や、人との出会いをさせてもらい、生きて行くことは、小さな運命の連続なのだと知らされているような気がしま

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    2021年03月05日
  • 均ちゃんの失踪

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    一見どうしようもない女たらしの均ちゃんだけど、借金しまくったことにも訳があり・・・。
    元妻は教師、現恋人は大企業の重役秘書、売れてる雑誌の編集者。一見しっかりした女性ばかりだが、均ちゃんのゆるさに、緊張が解け、癒しを感じて惹かれたのかもしれない。
    3人はなぜか旅行する仲間となり、それぞれの話を始める。そして、それぞれが人生の結論を出す時、均ちゃんは・・・。うん、女の人って、たくましい。

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    2021年03月05日
  • 明日町こんぺいとう商店街 招きうさぎと七軒の物語【電子限定特典付】

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    中島京子さんと大島真寿美さん目当てに読んだ。どれも角が取れてて、程よい甘さ。こんぺいとうって美味しいもんね。

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    2021年02月24日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚生活は甘いのか、辛いのか。

    私は黒の話の方が好きだったな。
    窪美澄さんの『水際の金魚』が特に。
    『かっぱーん』も、実際にありそうだなと。
    『愛の結晶』は少し不気味に思えたけど、面白い。
    一人目を妻が出産したら二人目は夫の番!
    いいじゃない!
    男性は妊娠出産育児を自分のこととして体験したほうがいい!つわりはものすごく辛いんだ!体調不良で仕事を休むのも、まわりに配慮しながらやってるんだー!

    白の方の『シュークリーム』は、白でいいのか?!
    私は黒じゃないかと思ってしまったよ。

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    2021年01月05日
  • さようなら、コタツ

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    ネタバレ

    *15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集*

    この方は、こういう他愛もない日常の、さもない悲喜こもごもを描くのが本当に巧い。登場人物たちと一緒になって、悩んだり慌てたり喜んだり落ち込んだり、そんな体験が出来るのも、中島作品の醍醐味かも。

    中でも、特に好きなのは、

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    2020年10月22日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    教科書、それも抜粋でしか触れたことがなく、苦手意識もあった古典文学が、現代語訳と更に訳者の個性も加わったことで、とても読み易く物語に入り込めた。
    また、この全集には対となる「作家と楽しむ古典」という本がある。
    訳者自身による解説で、原典への解釈やそこから感じた思いなどを知ることができて、物語への理解がより深まったように思う。
    是非合わせて読んでもらいたい。

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    2020年10月07日
  • 竹取物語/伊勢物語/堤中納言物語/土左日記/更級日記

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    竹取物語・森見登美彦/伊勢物語・川上弘美/堤中納言物語・中島京子/土左日記・堀江敏幸/更級日記・江國香織。現代語訳で読みやすいが、例えば森見ならもっともっと森見節で書いて欲しかった。伊勢は元が好きでないが、歌の訳が流石。堤中納は初見。虫愛ずる姫君のみ知ってた。他に図々しい坊主など。土佐日記初見、愚痴じゃん。ひらがな辛い。更級日記。猫に宿った姫君の話。「焦がれた物語を読む楽しさといったら妃の位も及ばない」そうそう!

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    2020年10月05日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    色々な作家の結婚にまつわる短編集。
    黒い結婚は怖すぎるし、中でも『かっぱーん』は主人公があまりに気の毒だし、そもそもかっぱーんて何なんだw
    逆に白い結婚は甘いお話ばかり。『いつか、二人で。』がとても良かった。

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    2020年09月14日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    黒も白も前途多難でハッピー結婚したい!と思う話はひとつもない。
    黒に関しては完全にホラー。かっぱーんと愛の結晶なんて恐る恐る読んだ。

    白は、シュークリームが好き。いるよねこういう人。一回相手の嫌なところを見るとそれに執着しちゃうけど、自分にぴったり合った人なんていない人と人生を共にするのが結婚であり夫婦なんだとしみじみ思う。最後は希望が持てるエンドでよかった。

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    2020年08月09日
  • 黒い結婚 白い結婚

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    結婚にまつわるアンソロジーですが、黒と白でわけたのは面白いです。
    黒の方が他人事と割り切って楽しむには良いかもしれません。
    まあ、結婚がゴールではないので白でも黒でもお好きな話を楽しめば良いのではと思います。
    木原さんの「愛の結晶」はぜひ読むことをお勧めします。これが黒なのかは私にはわからないです。

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    2020年07月21日
  • 彼女に関する十二章

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    50歳になっても、人生はいちいち驚くことばっかり。
    帯の文言。この一文の内容で、共感したり疑問符付けたり面白く読めました。

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    2020年03月26日
  • 彼女に関する十二章

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    50歳、更年期、子どもも手を離れ、自分の時間を持ち、これまでや、今や、これからを考える主婦聖子。
    あるある、な文面も多く、少し理屈っぽい感じもあるけど、共感できた。

    調整さんと自転車に二人乗りのくだりが一番笑えた。

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    2020年03月15日
  • パスティス ──大人のアリスと三月兎のお茶会

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    面白かったです。
    先行作品の模倣やパロディや珍解釈がごたまぜになった作品たち、、
    先行作品を知らなくても楽しめました。
    「夢一夜」「親指ひめ」は原作を知っていて好きだったもの。親指ひめ、うう…現実世界の厳しさをひしひしと感じました。
    宮沢賢治の幻想文学は時々?怖いのがあるな…と思っていたので「毒蛾」を読みたくなりました。
    「国際動物作家会議」も好きです。こんな会議楽しそう。
    「ゴドーを待たっしゃれ」…「ゴドーを待ちながら」の坪内逍遙訳…癖が強すぎて面白かったです。「あいヤ、ウラヂミル、おつむを使はっしゃい」

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    2020年01月23日
  • 彼女に関する十二章

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    本書の舞台は、銀婚式を迎え、一人息子は地方の大学院に進み、今は二人暮らしの家庭。夫 守は小さな編集プロダクションを営み、妻 聖子は経理事務所でパートとして働いている。

    ある日、夫がある企業のPR誌に女性論の執筆依頼を受け、参考文献として書棚から60年前のベストセラーエッセイ 伊藤整著「女のための十二章」を取り出し、読み直している。その夫から「君も読んでみる?」という勧めもあって、妻はタブレットで読んでみることに。

    本書は、妻 聖子の日常で起こる様々な出来事とふたりが読み進める「女のための十二章」が絶妙な塩梅で絡み、展開していく。

    一見、平凡に見える日常も、いろんな小波が押し寄せては消え、

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    2020年01月09日
  • ゴースト

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    7つの短編を収録。一編ずつ独立した話だけれど、タイトルの通り、どのお話にもゴーストというか幽霊というか、この世にはもう存在していないものが共通して出てきます。不思議で悲しいけれど、全然怖くはありません。祖父に会いに来ていた「リョウユー」のことを想う孫娘の話と、少女きららと少年の霊の話が好きでした。キャンプのお話も印象に残りました。

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    2019年12月13日
  • 平成大家族

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    身につまされた。一行一行がうんうんという思いで読みおえた。それぞれに希望の一筋を与えてくれて、読後感も良かった。

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    2019年12月02日
  • 平成大家族

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    ストーリーラインは極めて悲惨、72歳の当主に66歳の妻、30歳の引きこもり長男3人家族に、自己破産した娘婿家族、離婚して未婚の母となる次女、そして姑。よくここまで集めたなといったオールスター軍団がひとつ屋根の下で集う(正確には3つ屋根の下、なんなら一つの敷地でもよい)物語。一つ一つの家族の形は取り出してみると、昔ほどは悲惨ではないが、でもやはり厳しい状況である。そしてそれが一つの敷地に集うとなると通常は「親の育て方が悪い」となるが、それはほとんど感じないのである。なるべくしてなった、そんな自然な形で物語は構成されている。

    しかし、である。どことなく明るい。おそらく想像だが少しずつ上向き気味に

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    2019年10月17日