中島京子のレビュー一覧
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スカイツリーが見える、東京の下町。
古くからのお店と新しいお店が混じり合う、明日町こんぺいとう商店街の、七軒のお店の物語を7人の作家が描くアンソロジー。
既読の作家さんは、大島真寿美さん、彩瀬まるさん、千早茜さん、中島京子さん。
それぞれの持ち味が出ていて、どれも面白かった。
大山淳子さんの『あずかりやさん』が、盲目の店主が一日百円で大切なものをあずかるというお店を舞台にしていて、にぎやかな商店街の中、しんとしずかな店という感じが良かった。
アンソロジーを手に取ると、こうして新しく好みに合いそうな作家さんが見つかるのが楽しみ。
こんぺいとう商店街シリーズとして続刊もあるらしいので、続きも -
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錚々たる方々の訳した古典文学!
竹取物語がモリミーの手にかかると、翁や貴公子たちの下心がスケスケで困惑するかぐや姫が目に浮かんでしまう。
和歌の訳がまたニヤニヤ。
むかし男ありけり、の伊勢物語はこんなに長いお話だったのかと驚いた。恋愛だけでなく友情や仕えた親王とのやり取りが印象的だった。
男としか出てこないので、これが業平のことなのか、時期はいつなのかとモヤモヤもするけれど、一遍の凝縮ぶりに愕然とする。
堤中納言物語はいろんなテイストの話が襲いかかってきて気が抜けない。
和歌の訳が絶妙!
有名な虫めづる姫君の女房たちの嫌らしさときたら、普通に和歌を訳しただけでは伝わってこないかも。
土佐日記、 -
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中島京子さんは初。
こちらのインスタで何度も目にしたため、読みたいと思っていました!
主人公の茜は43歳、独身。亡くなった父の桃蔵が残した古アパート「花桃館」の管理人を、会社を辞め、思い切って引き受けることに。
失恋に悩むウクレレ奏者に、父親がべらぼうに情けない3人息子の父子家庭、万年整形を繰り返す神出鬼没の女性、猫と暮らす探偵、そして、父の元恋人。
そこに住んでる住民たちはみな、一癖ありへんてこりんだ。
茜は彼等に巻き込まれ、翻弄されながらも、少しずつ管理人業に親しみを覚えていく。
高校時代の同級生であり、またこれも一癖ある尾木くんとの距離感も良いよね。
もう、彼等のやりとりが最高に -
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亡くなった父からの相続でアパート経営をする事になった40代のいかず後家の茜さんのお話
一癖も二癖もある住人たちとのコミュニケーションが愉快
目次が部屋の号数で、それぞれの住人のお話になっている
101号室 茜さんが大家になる経緯
302号室 家賃を滞納している売れないウクレレミュージシャンの玉井ハルオ
201号室 生活能力の乏しいシングルファザー妙蓮寺大輔と子供の陸、海、空
202号室 知的で教養のある仲むつまじい谷川夫婦だけど実は……
203号室 整形マニアの高岡日名子
303号室 部屋に猫がいる、探偵の槌田直樹
301号室 クロアチアからやってきたポーエットイヴァンほろほろヴィッチ
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最初は何となく垣谷美雨さんのような作品かと思った。
特に思い入れを持ってこの本を読み始めたわけではないけれど、面白く、すっかりはまってしまった。
49歳、税理士事務所パートの主婦、宇藤聖子。
夫の守は大学の同級生で、ライター。
その夫が、ある企業のPR雑誌に、創業者から女性論を連載する注文を受ける。
その女性論とは、伊藤整の『女性に関する十二章』。
これがストーリーの要所要所で、聖子の読書に連れて作中に導入されていく。
時に登場人物がこの文章を批判したり、思わず同感したり。
その塩梅が絶妙で、伊藤整に引きずられることもない。
こういうところが、キャリアのある作家だなあ、と感心するところ。
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九州の田舎町にある私の実家は、元々は4世帯が入るこじんまりとしたアパートだった。自営業を営んでいた両親が副業として運営していたアパートで、近くの小学校に勤める先生などが住んでいた。田舎のことなので家賃はかなり安くて、土地建物のローン返済と修繕費などを支払うと家賃収入はほとんど消えてしまっていたのではないだろうか。それでも世話好きだった両親は、大家さんとして店子さん達と楽しくやりとりしていたようだ。
時が過ぎて、高齢となった両親は営んでいたお店を廃業し、貸していたアパートの2階を改築して住むようになり、そのうち1階の住人にも退去してもらい、物置や仲間の集まる趣味の部屋として活用するようになった -
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成人式を舞台にした大道芸人と新聞記者のお話「空に、ディアボロを高く」
結婚を斡旋するベテランの菊池マサエ。その相性を読む直感は冴え渡って来た。もう引退していたマサエが、請われて最後に世話したのは・・・「この方と、この方」
佐々木直之が命じられたのは、高齢女性を、葬式に連れて行くこと。何か訳ありの関係らしい。「葬式ドライブ」
田舎の山奥にある古い家で、最後のお盆をしようとする3姉妹。そこに現れたのは・・・「最後のお盆」
どれも、人生の妙を感じさせる、いいお話でした。
中島さんに、いろいろな人生や、人との出会いをさせてもらい、生きて行くことは、小さな運命の連続なのだと知らされているような気がしま -
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ネタバレ*15年ぶりに、しかも誕生日に、部屋に恋人未満の男を招くことになった36歳の由紀子。有休を取り、ベッドの到着を待ち、料理を作って待つが、肝心の山田伸夫が…来ない!表題作ほか、新入りが脱走した相撲部屋の一夜を描く「八十畳」。やもめ暮らしの大叔父が住む、木造平屋に残る家族の記憶をひもとく「私は彼らのやさしい声を聞く」など、“7つのへやのなか”を、卓越したユーモアで描く傑作短篇集*
この方は、こういう他愛もない日常の、さもない悲喜こもごもを描くのが本当に巧い。登場人物たちと一緒になって、悩んだり慌てたり喜んだり落ち込んだり、そんな体験が出来るのも、中島作品の醍醐味かも。
中でも、特に好きなのは、