中島京子のレビュー一覧
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初めて読んだ中島京子さんの小説。
読んでいておかしいんだけど、滑稽なんだけど、そこに人間の真理がある…と気づけばとても深い。
ふらりと家を出たまま失踪した内田均(通称均ちゃん)。
彼が不在の間に家に泥棒が入り、この家に出入りしていた元妻(50代高校美術教師)と現恋人の2人(30代重役秘書と20代雑誌編集者)が警察署で鉢合わせ。
均ちゃんへのそれぞれの思いを胸に、ひょんなことから3人揃って箱根の高級温泉旅館に行くことになり…。
殊に恋愛で人が一生懸命になっているときって、どうして他人のことはよく見えるのに自分のことは見えなくなってしまうんだろう。
他人のことなら冷静に観察して馬鹿だなぁと思っ -
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Posted by ブクログ
竹取物語・伊勢物語・堤中納言物語・土佐日記・更科日記
どれも学校で古典や歴史で学んだ物語ですが、一度も
読んだことがありませんでした。(絵本とかあらすじみたい
なものを除いて)
初めて読みましたが、現代と異なって違和感のある部分
もありますし、想いのほか現代でも共感できる部分も
多く面白く読めました。現代訳が秀逸であったことも
要因だろうと思います。
中でも、伊勢物語の和歌と話しの内容の奥深さ。単なる
恋愛だけではなく人とのつながりを大事にしてきた文化
が垣間見える部分。
堤中納言物語の短編小説のような、また現代でも共感できる
家族や仲間での何気ないやり取りの記載。
土佐日記の紀行文としての情 -
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森見さんの話が聞きたくて講演会に行って、欲しくなって買った本。森見登美彦さんの「竹取物語」は、確かに森見さんらしい。ファンタジーで、竹林が出てきて、美女も出てきて、そして男たちが片想いをする。川上弘美さんの「伊勢物語」は、授業でやった文章が出てきて懐かしい。在原業平すごい笑 中島京子さんの「堤中納言物語」は、歌の訳も三十一文字にしているのがすごい。こんなに楽しい物語だったんだと驚き。堀江敏幸さんの「土左日記」は、ひらがなで訳して貫之の考えを示すという独特の訳。江國香織さんの「更級日記」は、これも授業でやった文章が懐かしい。歌の訳など工夫されているのが伝わってきました。
古典文学のエキスパートで -
Posted by ブクログ
長年勤めた雑誌編集を辞め、日本文化を紹介する教師交換プログラムの教育実習生としてアメリカに赴いた作者の体験記。
3歳から14歳までのコドモたちを相手に奮闘する姿が描かれています。
アメリカだからなのか、この土地この学校だからなのか、異なるものを受け容れる力の強さを感じます。日本なまりの英語のことをぼやくと「でも私たちはあなたの英語が好きよ」と、さらりと答えてくれる。自分たちの場所に来た異物ではなく、私もあなたも彼も彼女もみんながいる場所として受け容れてくれる。そんな経験の素敵さが書かれ、この本を読むことでそれを疑似体験できることが嬉しいです。 -
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『東京観光』を読んで、久々にもっと中島さんの作品を読むかと思い読んだ。最近台湾に行ったりしたこともあり。
たぶん、今の自分の、いい加減にたゆたう状況に合っているのだろう。一気に読み切れた。
露子の、日常に退屈してしまっている感じと、佳子の、コミュニケーションの不器用さ。ちょこちょこと共感できるところがあり、考えさせられた。学生の頃、ひたすら日本は生きにくいと思っていた。そうしているのは自分自身に他ならないと思いながらも。それを思い出した。
終わり方のほっこりした感じと、露子も佳子も、自分の人生をつかんでいくんだろうな、と明るく感じられるところが良かった。
2014/10/29 -
Posted by ブクログ
久しぶりに中島さんの本を読んだ。やっぱり好きだなと思った。ありえない日常だけれど、少し視座を変えるとこんな日常もあるのではないかと。人間のやりとりが生々しいし、生々しいけれどユーモラスで、こんなやりとりができるユニークな人になりたいと思う。
お気に入りは、『コワリョーフの鼻』と『シンガポールでタクシーを拾うのは難しい』だ。どちらも夫婦が題材だが、やりとりがそれこそ、生々しいのだ。何を相手に求めているのか。それが違和感なく全て入ってくる。『コワリョーフの鼻』はそこに、さらにユーモラスも加わり、ほっこりする内容だった。
他の中島さんの作品も久々に読んでみようと思った。
2014/09/27