中島京子のレビュー一覧
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著者が幼少期(3歳から12歳)の記憶を手繰りながらとある喫茶店での物語を紡ぎ出した思い出実話風小説。主人公タタンとマスター、そしてクセのある常連たちによる全9話の連作短編。
記憶を辿っている風なせいかはっきりした物言いをしない書き方と幼少期のやりとりというのが合わさって妙なゆるさを醸し出している。
読み進めるうちにちょっとずつ創作感が濃くなるのもきっぱりと小説だと認識するのにちょうどよい流れだった。
初読み作家さんでしたがけっこう好みの一冊になりました。頁数が少なく文庫、感情の起伏が大きくなりすぎない本は好きなんですよね。
いい一冊に出会えました。 -
Posted by ブクログ
あっという間の一気読み
マヤという女性が
自分の昔話を誰かに語って聞かせる
帯書きなどを読んで
外国人との結婚における
差別にフォーカスするのかなと思っていたら
言葉では聞いたことがあったけど
全くの知識不足な世界を垣間見る
そして自分の中の暗い気持ちにも
目を向ける機会になった
家族が揃って生活できること
結婚の理由
日本という国が抱える問題
いろんなことが
ぐあーって頭に襲いかかってきました
考えさせる部分と
胸に襲いかかる熱い気持ちに
忙しい読書時間でした
とりあえず
自分の国の社会保障のこと
学んでみたいなと思って
そのための本も購入してみました
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Posted by ブクログ
朝日新聞土曜日別刷りbeにエッセーを連載されている、この作家さん。つい先日の「いまなら納得できる」という眼鏡店でのにらみ合いの話も面白かったな。
月に一度くらいしか載らないのだが、『日々の暮らしのなかで感じるさまざまなことをつづる』というコンセプトで語られる話は、土曜の朝の楽しみのひとつ。
この本、そんな作者さんが“身に起こりうるライフイベントを、不思議な軽妙さで描く6つの短編集”。それぞれに、ちょっと不思議な味わいの、この作者さんらしさが溢れるお話。
■家猫(結婚)
40歳を超えたバツイチの男の結婚を巡る本人&周囲の思惑。
家猫だけでなく化け猫もいたみたい。女の人から見れば男って可愛いとい -
Posted by ブクログ
ネタバレ富山から東京の女子大へ進学した真智は、祖母の親友・志桜里さんの家に下宿することになる。
ちょっと風変わりでマイペースな志桜里さんとの生活は、大人になる前の真智にとってとても刺激的で、影響力は絶大だろう。読んでいてとても心地よい。
私もこの年頃にこんな大人と出逢っていたら良かった、と思わずにいられない。
志桜里さん家にある本棚の「小日向」コーナーがとても面白そう。元々、木内昇さんの『茗荷谷の猫』が好きだったので、この界隈の話が出てきてとても嬉しい。
"文学地図"は私もほしい。"文学地図"片手に東京巡りするの面白そう。普段坂道は苦手だけれど、こんなに古のエ