中島京子のレビュー一覧
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ブク友さんのどなたかのレビューを拝見して知った本ですが、どなただったのかわからなくなってしまいました。ごめんなさい。
中央公論文芸賞
日本医療小説大賞
W受賞作
沁みました。
タイトルの『長いお別れ』の意味がわかるとつらくて涙が出そうになりました。
この小説の主人公は元中学校の教師で校長も務めた70歳の東昇平。
認知症を患うところから最期のお別れまでの十年間を描いた作品です。
家族は妻の曜子と娘が三人います。
妻の曜子も後期高齢者の老々介護です。
以下、ネタバレ多少ありの感想です。
お気を付けください。
昇平の家族が最期に病院で「人工呼吸器と胃ろうはつけますか」と -
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結婚、終活、離婚、妊娠などのライフイベントをテーマに描かれる6編。
ユーモアを交えて軽妙に書かれているのに、現実的でチクリと胸に突き刺さる言葉に出会ったり、その掛け合わせがとても上手くて、物語にどんどん引き込まれてしまいます。
第一話「家猫」から、第四話「ガリップ」まで、他人がひとつ屋根の下で暮らすことは本当に難しい問題なのだなと思いながら、時には吹き出しそうになりながら読んでいました。
第五話、表題作の「オリーブの実るころ」と、最終話の「春成と冴子とファンさん」は、心に幸せを運んでくれるようなとてもいい話。
家族のかたちがそれぞれでも、幸せな生き方をしている人たちに出会える、とても好感の持 -
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名古屋のオーバーステイで収容されて亡くなった女性の話が全てだと思うホント人間じゃない腐った生き物達だから亡くなった。クマさん何度も倒れたのに無難な放置するのも同じ 上原の前に対応した審理官も裁判の名前を言わせた検事も あーいうのが出世するから組織は変わらないし、本気で外国人を統制してるならクルド人が問題になっている筈がない、と前置き長いけど中島京子さんよくぞよくぞ描いてくれたって、現実の体験があるからここまで真実を伝えられる。ほぼ裁判についてだけど、こんなんナンボあってもいい、カナダと比べる場面あったけど日本って遅れてるのが治らない、なんで?失われた30年 嫌な世の中を仕方ない当たり前の世の中
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最近よく手にするようになった中島京子さん。この短編集は旅先に持っていくのもちょうど良い薄さです。
でも中身は人生のアレやこれやがありえない角度で詰まっていて読後感が爽やかにやるせなくゾワっとして心地よいのです。
1話の家猫から無茶良くって、それぞれの視点で見るといろんな事象が同時多発的に進行している平行宇宙にいるんだなあって事を感じることができるし、不一致の中で暮らしている不思議感覚が見事でした。
2話の老人の終活の話も印象的だし、茨木をドイツ語で直訳するとローゼンブルクって無駄にかっこよくなっちゃう。3話の兄妹は昭和50年代位の日常風景が浮かんできて楽しかったし、4話の白鳥の話は最高に面白か -
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中学校で外国籍の生徒に日本語指導をしています。日本語が専門ではないので、なかなか大変です。子ども達は自分の意思とは関係なく親の都合で連れてこられた子、学校では日本語を使いますが、家では日本語以外の母語を使っています。
夏の研修で、日本の入国管理について学びました。その話を学校司書さんにしたら、この本を貸してくれました。
以前名古屋の収容施設で亡くなられたウィシュマさんが牛久観音の前で撮った写真を見たことがあります。なぜ牛久?と思いましたが、入管と関連性があったのかもしれないですね。研修では、入管審査は審査する人で変わると言われ、いい人に会うかどうかは運ともいわれ?が飛びましたが、この小説の -
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久しぶりにアンソロジーを読んだかも。中島さん、大島さんが初めて…かな?どれも日常な感じでスッと馴染んで読みやすくて、その中に何か引っ掛かるものがあって良かった。
隣に座るという運命について/中島京子
読み始めからスッと読めて、この本読みきれそうだなと思った。なんか途中ふわふわしてて迷子になりそうになったけど、サッと読み終えて面白かったな、と思えた。
月下老人/桜庭一樹
どこかにありそうなハチャメチャストーリー始まって面白かった。
停止する春/島本理生
途中までごちゃごちゃしててわけわからんくなりかけてたけど、後半でスッと収束して心に残った。
P95「生きたいと思うことと、死にたいと思う